身内に裏切られた理由~夫に三行半を突きつけられたら姑が奇襲をかけて来ました!

ユウ

文字の大きさ
上 下
72 / 87

72.保護者

しおりを挟む




「お前馬鹿だろ!」

「馬鹿だわ」


もう何とでも言ってくれ。
翌日、行きつけの喫茶店にて俺は二人に言われた言葉に返す言葉がなかった。


「愛ちゃん…」

「今どきないわ。はいからさん時代じゃん」

「愛ちゃん、若いのに良く知っているな」


さりげなく仲良しな直人と愛ちゃん。
あの後、千歳さんは俺との交際を了承してくれた。


「まぁ、恰好は良くなかったが。お付き合いの次はこれだな」

「は?」

「おい、マジか」

晴れてお付き合いができるようになったので早速準備してみることにした。

「やっぱり最初は交換ノートだろう」

「ないわ!何時の時代よ!」

「うぜぇ!お前は全然成長していないよな!」


何故か二人は阿吽の呼吸で俺を怒鳴った。

そして交換ノートを捨てられた。


「じぃやさんシュレッダーよ」

「かしこまりました」


なんでじいがいるんだ!


「坊ちゃま、なんと時代錯誤な。老人会でもラインやメールをしていますのに。古いです。古詩ぎますぞ!じいはそんな子を産んだ覚えはありません」

「育ててもっらても産んでもらった覚えはない」


ハンカチをだしてよよよと泣くけど。
嘘泣きだってバレバレだからな!


「おい、このままだったらまずくないか」

「まずいわ。私がお嫁に行く方が早いんじゃない」

「失礼なそこまで時間はかからない。まぁ五年ぐらいは…」

「「長すぎだ!」」


何を言うんだ。
まずはじっくりとお付き合いした後に婚約して結婚に持って行くなら妥当だ。


「愛ちゃんが成人すまで結婚しない気か」

「そうだが…何か問題が?」

「お前馬鹿だろ。本当に馬鹿だろ。筋金入りの馬鹿だろ」

「馬鹿すぎるわ。あんまりにも馬鹿で泣けるわ!馬鹿すぎる」


二人して酷いな。
さっきから馬鹿を三回も連呼するなんて。


「鬼塚さん、私が成人する間にお母さんが病気になったらどうするの?他人のままじゃ同意書にもサインはできないし。お母さんは三十過ぎだよ?子供だってできないよ」

「子供!」

「そこで赤くなるうぜぇ」

そうか。
結婚したら千歳さんは俺の奥さんで子供。


「いい…」

「だから、私が成人した時に式上げたんじゃ既に子供なんて作れないし。高齢出産になってお母さんが早死にしても良いの?」


「ダメだ!」



そうだ。
失念していたが、今は少子化も問題されている。
愛ちゃんが成人した後じゃ俺達はアラフォーまっしぐらじゃないか。


だが、子供目当てじゃないし。


それに千歳さんの気持ちを考えると早急に結婚に持って行くのは難しいんだが。


しおりを挟む
感想 121

あなたにおすすめの小説

新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!

月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。 そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。 新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ―――― 自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。 天啓です! と、アルムは―――― 表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。

病弱な愛人の世話をしろと夫が言ってきたので逃げます

音爽(ネソウ)
恋愛
子が成せないまま結婚して5年後が過ぎた。 二人だけの人生でも良いと思い始めていた頃、夫が愛人を連れて帰ってきた……

双子の姉がなりすまして婚約者の寝てる部屋に忍び込んだ

海林檎
恋愛
昔から人のものを欲しがる癖のある双子姉が私の婚約者が寝泊まりしている部屋に忍びこんだらしい。 あぁ、大丈夫よ。 だって彼私の部屋にいるもん。 部屋からしばらくすると妹の叫び声が聞こえてきた。

家が没落した時私を見放した幼馴染が今更すり寄ってきた

今川幸乃
恋愛
名門貴族ターナー公爵家のベティには、アレクという幼馴染がいた。 二人は互いに「将来結婚したい」と言うほどの仲良しだったが、ある時ターナー家は陰謀により潰されてしまう。 ベティはアレクに助けを求めたが「罪人とは仲良く出来ない」とあしらわれてしまった。 その後大貴族スコット家の養女になったベティはようやく幸せな暮らしを手に入れた。 が、彼女の前に再びアレクが現れる。 どうやらアレクには困りごとがあるらしかったが…

罪なき令嬢 (11話作成済み)

京月
恋愛
無実の罪で塔に幽閉されてしまったレレイナ公爵令嬢。 5年間、誰も来ない塔での生活は死刑宣告。 5年の月日が経ち、その塔へと足を運んだ衛兵が見たのは、 見る者の心を奪う美女だった。 ※完結済みです。

愛の力があれば何でもできる、11年前にそう言っていましたよね?

柚木ゆず
恋愛
 それは、夫であるレジスさんと結婚10周年を祝っている時のことでした。不意にわたし達が暮らすお屋敷に、11年前に駆け落ちした2人が――わたしの妹ヴェロニクとレジスさんの兄テランスさんが現れたのです。  身勝手な行動によって周囲にとんでもない迷惑をかけた上に、駆け落ちの際にはお金や貴金属を多数盗んでいってしまった。そんなことをしているのに、突然戻ってくるだなんて。  なにがあったのでしょうか……?  ※12月7日、本編完結。後日、主人公たちのその後のエピソードを追加予定となっております。

私は、忠告を致しましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。  ロマーヌ様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ?

わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない

鈴宮(すずみや)
恋愛
 孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。  しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。  その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?

処理中です...