身内に裏切られた理由~夫に三行半を突きつけられたら姑が奇襲をかけて来ました!

ユウ

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47.美しい思い出

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昔を懐かしみながら彼を思い出す。


「鬼塚君…」


今どうしているだろうか。
卒業後は別々の道を歩み彼は大学に進み私は看護師の道に進んだ。


一度病院で再会をしたけど。
あの頃と変わっていて背も伸びて素敵になっていた。


結婚してからは合う事もなかったけど。
元夫のライバル会社で活躍していると耳にする程度だけど。

雑誌にでも出る程で、私の事のじゃないのに彼が活躍しているのを聞くたびに嬉しくなった。


「本当は誰よりも優秀だったものね」

学生時代は引っ込み思案であったけど、真面目で気遣いができて本当に優しい男の子で。


「初恋だったのよね」


告白はできなかったけど私は中等部の頃から彼が好きだった。


クラスが同じで挨拶から始めたけど、自分の気持ちを伝えられなかった事を卒業して後悔したこともあったけど、私の心の中に閉まっていた。


けれどふとした時に思い出す。


学生時代の事を。


「今、貴方はどうしてますか」


私が看護師に進み覚悟を決めるきっかけになったのは彼が背中を押してくれたから。

彼にとっては他愛無い事でも私にとっては大切な言葉だった。



「いけないわ。感傷に浸ってる場合じゃないわ」


今はこのバーガーを売る事を考えなくちゃね!


「よし、まずは奥の方に行きますか」


気合を入れて売り込みに向かった私は必ず売るぞと言い聞かせた。



一時間後。



「まぁまぁね」


即完売とは行かなくとも、そこそこ売れている。


そんな中。

「こんな所で配達か」


この声は!


「ハンバーガーが売れないから、売りに歩いているなんて見っとも無いわね」


忘れたくても忘れられない。


「まったく見っとも無いな。商売の何たるかもわかってないとか。ハンバーガなんて貧乏人の浅ましい食い物を必死になって売るとはな」

「まぁ、貧乏くさい女だもの。お似合いよ…しかも商店街のパン屋と肉屋が作った物なんて」

「今時パン屋、肉なんて大手スーパーの方が安いし美味いというのに、本当にも何も知らないんだな」


宮内と、あの人だった。


「商店街には商店街の良さがあります。決めるのは貴方ではなくお客様です」

「その証拠にガラガラだろ」

「今から巻き返しもできますので失礼します」


本当に嫌味な人達。
真面に付き合うだけ無駄だった思った。

「おい!」

「お互い頑張りましょう。失礼します」

「この!」


私の態度が気に入らなかったのか腕を掴まれる。


「きゃあ!」

「出来損ないの癖に!」


「何を!」


私の持っている籠を奪い地面にたたきつけられた。



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