37 / 87
37.台無し~良純side
しおりを挟むその後の挙式は最悪の連続だった。
神父の前で誓いを行った際に、十字架が落ちてしまったり。
「きゃああ!」
「何て不吉な!」
その後、結婚証明書にサインをしたらインクが漏れてしまった。
ペンは先が折れてしまったり。
「何て事でしょう。不吉な…」
貴様はそれでも聖職者か!
こんな日に不吉だなんて言うなんて!
プロとしてなっていないと心の中で罵倒をしたが、挙式では誰もが視線を逸らせている。
そして何より最悪だったのは。
「何なのよこれは!」
披露宴会場はガラガラで、会場の一割しかゲストはおらず。
大事なゲストは全員帰ってしまっていた。
司会者の冷や汗を流しながら司会を進行する中、花嫁の友人代表がスピーチを始めた。
「本日は誠におめでとうございます。貴女との出会い小学校の頃からでしたね?その頃から貴女は人気者で多くの人に囲まれてしました。私はそんな貴女を見て来ました」
ようやくスピーチらしいスピーチが始まるも。
「小学三年生の頃、クラスでシンデレラをする時、貴女は主役の女の子を突き飛ばして主役の座を奪いましたね」
「えっ?」
「中学の時は、恋人がいるのに略奪して、その後興味が無くなりあっさり捨てましたね。なのに貴女悪びれもなく私は貴女の尻拭いをしてきました、高校の時は、私の恋人を奪いましたね?貴女は昔から欲しいと思えば人の物で自分の物する強欲な人でした」
「おい!」
「ちょっと!」
スピーチが続く中、周りが騒めきだし、俺も急いで止めようとするも。
「就職した後も、態度が悪く困ってましたが、寿退社してくれて本当に良かったと思っています。これで貴女の尾守役から解放されます」
「止めなさいよ友子!どういうつもりで…」
「最後は既婚者である男性に言い寄り十年間不倫をして略奪するなんて凄い神経です。私は貴女の鋼の精神だけは尊敬します。私も貴女の図々しさは反面教師にして行こうかと思います。最後になりますが今日限り貴女とは縁を切らせてもらいます」
静まり返る中、清々しいまでにその場から去って行く。
その後、誰も何も言わなくなり。
誰もが口を開くを事はなかったのだが…。
「帰ろうか」
「そうね」
莉麻の友人は立ち上がり去って行く。
「ちょっと…待って!」
友人達を止めようとするも、彼女達は冷たい表情を向けて来た。
3
お気に入りに追加
1,455
あなたにおすすめの小説

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。

ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる