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35.最悪な挙式~良純side
しおりを挟む天気予報では晴れだったのに急な雨で外で挙式を行う事は出来ず、急遽室内で行うことになったが、花嫁衣装が純白だったから泥で汚れてしまった。
「残念よね」
「ウェディングドレスが染みになって…っていうか、ブチ模様みたいね」
「ブッ!」
なんて失礼ななんだ。
泥が跳ねてドレスの裾が汚れてしまったんだから仕方ないだろ!
絹のドレスを選んで光沢が美しく見えるデザインを選んだのが裏目に出た。
「早くドレスの汚れを取って」
「こちらは特別製ですので、拭いただけでは取れません」
「だったら急いで代わりを用意してよ!」
こんな汚れたドレスでは挙式を行いたくないと癇癪を起し始めた。
ゲストからは呆れた表情で、俺達を見て、挙式会場の人間もやり辛そうにしていた。
「衣装の変更は別途料金となりますして…」
「いいわよ!そんなもの!早く…」
ビリッ!
何かが裂ける音がした。
「ああ!絹のドレスが!」
「なんてことを!」
裾が派手に破れてしまった。
「本当に絹なの?この程度で破れるなんて三流品なんじゃない?不良品だわ」
「莉麻!」
大声でドレスを不良品を告げた瞬間。
「それは随分な言いぐさだな」
「私のデザインしたドレスが不良品ですって!」
莉麻が今着ているドレスは歴史のある物で、俺の務める会社とも懇意な関係のデザイナーが衣装設計から制作すべてをした代表作でもある。
皇族から華族もこのウェディングドレスを着ている事からかなりのブランド物で、フランスでも一番人気のデザインだった。
「ドレスが悪いのではなく、ドレスを着こなせない貴女に問題があるのではなくて?」
「当初からサイズも違っていましたしね?無理に一級品を着ようとしたがめつさ故ではありませんか」
黒木夫妻。
日本一のデザイナーとも言われており、俺の務める会社でも彼等のドレスやスーツを売り出している。
今日の日の為に無理を言って衣装を準備して貰ったのだが。
「もう帰りましょう」
「ああ、そうだな。こんな非常識な人達とは付き合えない。義理もあったが…村西社長にも今後の付き合いを感が挿せてもらうと伝えておくよ」
「は?」
それはまずい。
黒木夫妻は俺の務める黒木商社にとっても大事な取引先だ。
万一関係に皹が入ればどうなるか!
「今回の結婚式も本当は出たくなかったのよ。だけど義理もあったし」
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解ったって何をだ!
何が解ったと言うんだ。
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