身内に裏切られた理由~夫に三行半を突きつけられたら姑が奇襲をかけて来ました!

ユウ

文字の大きさ
上 下
31 / 87

31.廃業寸前のパン屋

しおりを挟む





コンサルの仕事をしながら、趣味のハンドメイドを続け。
週末はサロンでハーバリストとして働きながら忙しい日々を過ごしていた。


けれど、とても充実していた。

ハンドメイドの仕事は趣味に近いし、コンサルの仕事はノートパソコンさえあれば何処でも問題なかった。
営業のノウハウを学びながら、仕掛け人として働くのは本当に大変であるけど。


今携わっているのはパン屋さんで、創業100周年を迎えている。
最近は外国産の小麦粉を使い膨張剤で膨らませるパン屋が増えている。

その方が見た目綺麗でふっくらしているが、昔からの調理法で作られているパンは天然酵母を使い、小麦も全粒子を使って体にも良く味も良い。


ただしコストがかかり過ぎるのと、派手さがなかった。

どうにかしてかつての活気を取り戻したいと考えていた。


一番確実に売り上げを伸ばす方法は女性客。
特に働き盛りの女性と主婦をターゲットにするのがいいけど、値段が高いのでは難しい。


「セールスポイントがあれば…」


紅茶を飲みながら考えながら愛達におやつの準備をすることにした。


なのだけど。


「私、いい」

「え?食べないの?」

「私も…」


都ちゃんとなっちゃんがおやつを拒否し、紅茶だけを飲んでいる。

「どうしたの?今日は二人の大好きなメロンパンよ。こっちはプリンディニッシュなのに」

甘い物が大好物は二人は断固として食べようとしなかった。


「ダイエット中だから」

「私も…」


泣きそうな顔をしながら拒絶する。

「ダイエット?」

「そうよ!最近太って、こないだの身体測定がやばいのよ」

「私も制服のファスナーが…なのに!」


二人は愛を睨んだ。


「んー!美味しい」

「何でそんなに大食いの愛ちゃんは太らないのよ」

「細身で、肌も艶々…いいえ、お母様もです」


私の腰にしがみ付くなっちゃん。

「え?どうしたの?」

「細い…細いです。母よりも」

「何で、三食しっかり食べて最近は完食に麦屋のパンを沢山食べているのに太らないのよ!私なんて朝は抜きで昼はサラダで夕食はフルーツにしているのに痩せないのに」


「ええ!そんな無茶な事をしていたの?」


いくら何でも無理をしすぎだわ。
それどころか一日二食じゃ余計に太るんじゃ。


「都ちゃん、逆効果よ」

「え?」

「一日に一食、しかも炭水化物を抜くと貧血になったり、脂肪を燃やさないし、便秘にもなるわ」


万一痩せたとしてもリバウンドを繰り返すし、体に悪すぎるわ。


「それにサラダは体を冷やすから美容に悪いのよ」

「え?」

「ドレッシングをかけ過ぎると塩分を取り過ぎて、余分な水分を吸収してしまうし」


確かに愛は沢山食べるけど、バランスよく食べている。
何より間食にパンを食べているけど、全粒子のパンやライ麦パンを使っているから体に良い。


食べる時間も考えているけど、それ以上に運動もしている。
私もコンサルの仕事をしながら最近はパンプスではなくヒールを履いて歩いているから運動量が足りているのかもしれない。


その代わり必要に栄養補給はしているし、麦屋のパンの改善の為に、最近は全粒子を使ったパンばかり食べて、牛乳を飲まずに豆乳を飲むようにしているからなのかもしれない。


んん?


「それだわ!」

女性に受けるパンが思い浮かんだわ!


しおりを挟む
感想 121

あなたにおすすめの小説

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず
恋愛
 ※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。  我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。  けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。 「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」  そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

誰でもイイけど、お前は無いわw

猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。 同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。 見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、 「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」 と言われてしまう。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

私は、忠告を致しましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。  ロマーヌ様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ?

処理中です...