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2.離婚後
しおりを挟む数日間だけおばさんにお世話になり、仕事の紹介に不動産業者に知り合いがいるので格安の賃貸アパートを紹介して貰えることになった。
勿論にも報告しなくてはいけないけど、今は旅行中でいないようである意味助かったかもしれない。
私も気持ちの整理がしっかりとできていなかった。
「お母さん、私大丈夫よ。お母さんいれば」
「愛…お母さんこれから一生懸命働くから」
傷ついていられない。
泣いている時間は私には存在しない。
だって私は親なのだから。
母親として娘を守らなくてはならないのだから。
「それにしてもどうするんだい?今は夏休みだから良かったけど」
「ええ、長期の休み中で助かりました」
学校はそのままにするか、転校するか。
「仕事はしばらく内職で何とかしようと思っています。後は日雇いで」
「うちは何時でもいてくれても構わないんだけどね…何かあったらすぐに来るんだよ」
「色々ありがとうございます」
行き場を無くした私に手を差し伸べてくださったおばさんには生活が落ち着いたら改めてお礼を言いに行こう。
そして私は愛の親友の都ちゃんのママ。
彩子ちゃんに連絡を取り会いに行ったのだけど。
「なんて男なの!」
お店の中で暴れ狂った。
「最低よ!散々家政婦代わりに使い倒して用が無くなったらポイ捨てなんて。というか介護費用とか貰っていたの?」
「え?」
「え?じゃないわよ。普通渡すわよね?施設なんかは言ったら安い所でも月25万は関わるわよ?他にも雑費とか!十年間お世話して義祖父の面倒も見ていたんでしょ」
「最初は行ってくださったけど…私に介護されるのが嫌そうだったし」
「当たり前でしょ!嫌に決まっているわ。私だったら都に介護するとか言ったら即老人ホームに行くわ」
「え?」
血の繋がった娘で普段から娘命の彩子ちゃんが?
「他人でお金を払うプロならまだしも、身内で娘だったら割り切れないし…お姑さんと義姉さんも良い顔はしなかったでしょ?」
「えっ…まぁ」
「息子の嫁にそんな真似させられないわ。家事育児で大変なのにその上介護をさせるなんて申し訳なさすぎるし、される側も居た堪れないわね」
そっか、私は勘違いをしていた。
お世話をされる側は気を遣うだろうし、ましては私は血の繋がりはない。
「義姉さんも言いにくかったんじゃない?」
「ハァー…」
よく考えれば、解るのに必死だったから見えなかった。
今から考えれば、義姉はヘルパーを雇おうかと考えていたのかもしれない。
義母も経済的余裕はあるから心配しなくていいと言っていたのに。
元夫が家族と助け合うべきだと言っていたから私も賛同したけど。
時として押し付けは良くないんだと改めて思い知った。
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