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④
しおりを挟む私の耳にささやく声。
心地よい声が聞こえ、私はその声に身を委ねた。
『憎いなら復讐しろ』
心の中が黒く染まっていく。
憎悪が私の心の中で暴れるかのようだった。
『奪われたのなら取り返せ。すべてを取り戻せ』
疲弊した私の心は既に限界だった。
この国に、王族にすべてを奪われた。
大事な居場所も、地位も名誉も愛する人を。
だから私は悪くない。
そうよ。
私が彼らを恨むのは当然のこと。
すべてを奪われたのだから恨んで当然だわ。
『そうだ。それでいい』
「私は…」
『お前は取り返すんだ…奪われたものを。すべてを奪ったのは誰だ』
私からすべてを奪ったのは。
あの男。
ううん、違うわ。
「私を不幸のどん底に叩き落したのはあの忌々しい王女」
エリーゼだ。
忌まわしきあの女。
殺しても殺したりない。
あの女を地獄に叩き落さなくてはならない。
この国に復讐してもあの女が幸せなら意味がない。
私の最高の復讐はエリーゼが死にたいと思うほど絶望の淵に追いやり殺さず生かすこと。
死よりもつらい生き地獄を味合わせてやらなくては。
その時、すべての色が黒く染まる。
『ならばその願いを叶えてくれる!お前の命と引き換えにな!』
黒い霧が私の中に入っていく。
その瞬間、私のブロンド色の髪が染まっていく。
白いドレスも漆黒に染まった。
『さぁ、復讐しろ!お前の望みを叶えろ!』
私は強く思った。
すべての現況となったあの女に復讐したいと。
その瞬間、体から強い魔力が放たれたる。
窓が割れ、白い月が陰で隠れた。
そう、すべてを黒く染めてやる。
「王妃陛下!」
そう奪われたものはすべて取り戻さなくては。
「これは…」
「ルイス!」
「来てはだめだ!これは闇魔法だ!」
部屋に入ってきた騎士はあの人だった。
かつての私の婚約者。
そしてその隣には目障りなことに私から彼を奪ったあの女がいた。
「ルイス様」
「まさか…貴女ですか」
私は不敵に微笑み一歩近づく。
今から取り戻さなくては。
愛する人の心も。
すべてね?
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