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私の耳にささやく声。

心地よい声が聞こえ、私はその声に身を委ねた。


『憎いなら復讐しろ』

心の中が黒く染まっていく。
憎悪が私の心の中で暴れるかのようだった。


『奪われたのなら取り返せ。すべてを取り戻せ』


疲弊した私の心は既に限界だった。

この国に、王族にすべてを奪われた。
大事な居場所も、地位も名誉も愛する人を。



だから私は悪くない。


そうよ。


私が彼らを恨むのは当然のこと。
すべてを奪われたのだから恨んで当然だわ。


『そうだ。それでいい』

「私は…」


『お前は取り返すんだ…奪われたものを。すべてを奪ったのは誰だ』



私からすべてを奪ったのは。


あの男。


ううん、違うわ。


「私を不幸のどん底に叩き落したのはあの忌々しい王女」



エリーゼだ。



忌まわしきあの女。

殺しても殺したりない。


あの女を地獄に叩き落さなくてはならない。



この国に復讐してもあの女が幸せなら意味がない。


私の最高の復讐はエリーゼが死にたいと思うほど絶望の淵に追いやり殺さず生かすこと。


死よりもつらい生き地獄を味合わせてやらなくては。




その時、すべての色が黒く染まる。


『ならばその願いを叶えてくれる!お前の命と引き換えにな!』


黒い霧が私の中に入っていく。


その瞬間、私のブロンド色の髪が染まっていく。


白いドレスも漆黒に染まった。




『さぁ、復讐しろ!お前の望みを叶えろ!』


私は強く思った。



すべての現況となったあの女に復讐したいと。


その瞬間、体から強い魔力が放たれたる。




窓が割れ、白い月が陰で隠れた。


そう、すべてを黒く染めてやる。



「王妃陛下!」


そう奪われたものはすべて取り戻さなくては。



「これは…」


「ルイス!」


「来てはだめだ!これは闇魔法だ!」


部屋に入ってきた騎士はあの人だった。



かつての私の婚約者。


そしてその隣には目障りなことに私から彼を奪ったあの女がいた。


「ルイス様」

「まさか…貴女ですか」



私は不敵に微笑み一歩近づく。



今から取り戻さなくては。

愛する人の心も。


すべてね?



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