寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!

ユウ

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17不良聖騎士の受難~マクシミリアンside

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姫さんの妊娠騒動は国内だけでなく、他国にも大きな衝撃を与えた。

その理由はあのクソ王国の所為だった。


「マクシミリアン、例の国の抑え込みはどうなっている」

「問題ないぜ師匠」


現在執務室では教皇こと、師匠の表情が険しかった。

「姫さん、ずっと避妊薬を飲まされ続けたいたみたいだぜ。中には毒の強いのも」

「何所まで下衆なのだ」


本当にな。
既に国は傾き、借金地獄状態だ。

少し前までは潤っていたが、最近はでは水害が酷く復興活動は上手く行かず、むしろ復興活動が間違った方向に進んでいる所為で騎士達の被害が酷い。


辺境伯爵家は既に王家なんて見限っているし、宮廷魔導士団も辺境伯爵家側だ。
革命なんて起きればどうなるか明らかだ。

中には貴族派が国を乗っ取る為に平民に甘い言葉を囁き王族を廃止すべきだと声をあげているようだが、貴族が国を治めるなんて最悪だぜ。


国の九割は平民だってことを忘れている。


「あの国は何時崩壊してもおかしくねぇよ。姫さんがいた頃は平民もまだ大人しかったのによ」

「戦死した者達の遺族が聖女とあの馬鹿王子に怒りを感じているのだろう」


戦争が終われば後はアフタフォローもない。
聞けば聖地巡礼も断り慰問も断ったそうだからな。


今までは戦時中ということもあり被災地に足を運ぶのは難しかったが、姫さんが励ましの手紙を頻繁に出していたと聞く。


干ばつの地には姫さんが祈り雨を降らせたからなんとかなったが、姫さんを追放した今では加護はないだろう。


姫さんを冷遇していたツケが来たんだ。


「これまで姫さんを悪しざまにしたんだ。当然だ」

「だが、この程度では生ぬるいと思わぬか?」


「師匠、アンタも悪い男だな?」

「なんのことだが」


聖職者達はこの爺さんを聖者だというが、そんなわけねぇだろ。


腹黒さも持ち合わせている。
姫さんは爺さんの本性を知らねぇからな。


「早々にあの馬鹿王子を叩き潰したいが…それでは面白くないであろう?」


「まぁな。それに俺達が表立って動けばまずいだろ」


「フッ、そんな真似するわけなかろう」

だよな!
自分の手を汚さず第三者の手を借りてするよな。


本当に恐ろしい爺さんだぜ。


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