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④
しおりを挟む炎の渦が私達を囲む中、マクシミリアン様が剣て切り刻む。
「馬鹿め!そんな玩具で!」
「くそっ!」
炎を物理的攻撃は意味がない。
炎を完全に消すには、炎の出所を探す必要がある。
「何所?炎の出所は…」
「姫さん!」
炎が私を取り囲んでいく。
「このままあの小娘と同じように炎の呪いに苦しむがいい」
「うっ…」
熱い。
全身が熱くて声も出せない。
「愚かな小娘だ。このイフリートの炎を必死で抑え込もうなど…馬鹿だ!」
――違う。
「国に裏切らた哀れな小娘よ。意味がないとうのに」
――違う!
「くだらない誇り、正義感などで死ぬのだからな…精霊の炎で骨も残らぬようにあの小娘めもな!」
――違う!違う!
ルリ様の誇りはくだらなくない。
「…け…な…い」
あの人が長い年月耐えたのは強い誇りだ。
例え国に王族に裏切られてもその運命を受け入れ、恨むことではなく守ることを選んだのだから。
「姫さ…」
「取り消しなさい!」
これ以上ルリ様の侮辱は許さない。
「なっ…貴様!何故…」
「姫さん、髪と目の色が!」
気づくと私は炎の渦を消していた。
「黙って聞いていれば、無礼な事を…馬鹿はどっちですか!下級精霊風情が」
「人間風情が!灰になるがいい」
私は無意識のうちに炎を握りつぶし、心に言葉が浮かんだ。
「アクア・ビーズ!」
「炎が…馬鹿な!」
地面から水が迸り、炎は完全に消えた。
「これは効力な水魔法…嘘だろ」
「黒い炎よ!消えろ!」
水しぶきがイフリートを包み炎を飲み込んでいく。
「あがっ…炎が」
「今すぐ呪いを解きなさい。これが最後の警告です」
「これは…人間の粋を超えている。こんな馬鹿な事ありえない」
イフリートが小さな炎となり消えて行く。
「姫さん!止めろ…これ以上したらアンタの体が!」
「イフリートを…」
「あのおっさんはもう消えている。恐らく精霊の原型を保てなくなっているぜ」
「ほんと?」
「ああ」
じゃあ、もうルリ様は呪いで苦しむことはないの?
良かった…
「うっ!」
「姫さん!」
気持ち悪い。
体が針で刺されるように痛い。
「おい姫さん!」
マクシミリアン様の声が響くけど、意識が遠のいていった。
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