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1 私が私を見つけるまでの日々
【閑話】リリアンの祖国での後始末 side エリック
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「それで、エリック、全ては首尾良く行ったのね?」
「ええ、なかなかヘビーだったけどね……」
ワイン片手に尋ねるナディーンに、ぐったりとソファーに沈み込んでエリックが答える。時刻は深夜、プレスコット家の居間でナディーンとエリックの声だけが響く。
リリアンの祖国である隣国へ仕事に行って帰ってきたところだ。到着は昼間で、旅路の汚れも落としているし、家族の皆に夕食でねぎらわれて、カリスタやチェルシーとも一通り仕事の話もした。家に帰って来て一通りやることが終わってほっとしたこともあり、疲れがどっと出た。
エリックがこんなに疲れているのには理由がある。今回の出張の本当の目的はリリアンの生家のその後を確認するためだった。それはとても気の重い仕事で、普段はテンションが高くて疲れ知らずのエリックにもかなり精神的に負担がかかった。
「マルティナちゃんとリリアンちゃんの家族に関しては、親族の手紙にあった通りだったのかしら?」
「ええ。偽りなかったわ。ブラッドリーがこの目で確認するまでは帰らないなんて言うから……。ちゃんと現地まで行ったわよ……。あんまり気分のいいものでもなかったけどね」
リリアンの生家では、リリアンを除籍した後にお家騒動があった。
リリアンの父親は、先代伯爵が馬車の事故で亡くなった際に若くして爵位を継いだ。しかし、伯爵家当主とは名ばかりで、王宮の財務省の仕事にかまかけて、領地のことは領主代理に丸投げで重要書類にサインするだけで、伯爵領は放置されていた。それを見るに見かねた父親の弟であるリリアンの叔父が、陰で伯爵家の領地運営をフォローし、貴族院にリリアンの父親が伯爵家当主にふさわしくないと意見書を提出していた。しかし、特に伯爵領で大きな問題が起こらなかったので、保守的な貴族院は動かず、問題は放置されていた。
しかし、リリアンの除籍とプレスコット家への養子入りがマルティナの画策のせいであることが母親にバレて、逆鱗にふれて、マルティナをリリアンの心の傷となっている幼女趣味と噂のある男爵の後妻に出すと宣言した。そのことによって、貴族院がついに重い腰を上げた。スコールズ伯爵家の三姉妹のうち、姉のアイリーンは既にレッドフォード公爵家に嫁いでいて、末娘のリリアンは隣国に養子に出している。スコールズ伯爵家を継ぐためには、新たに養子をとるか、マルティナが婿を迎えいれなければならない。リリアンの両親はそのどちらも考えていないことが明らかとなり、次世代に継ぐ意思がないうえに、伯爵領の仕事もしていないので、当主不適格の烙印を貴族院から押されたのだ。
伯爵家はリリアンの父親の弟であるボルトン子爵が伯爵代理となり、その子どもでリリアンの従弟のマシューが次期伯爵となることが決まった。
リリアンの父親は仕事を生きがいにしていて、領地も家族もほっぽって、王宮の財務省にこもりきりで仕事をしていたが、仕事内容がお粗末なものだったらしい。本人が気づかないうちに閑職に追われていて、上司はやる気はあるのに仕事のできない爵位のある部下を持て余していた。何度注意しても改善が見られなかったこともあり、伯爵家の騒動で爵位を譲る事になった父親は、その騒動を理由に王宮の仕事もクビになった。
爵位なし、職なしとなったリリアンの父親に、リリアンの叔父が温情をかけて、スコールズ伯爵領の片隅で夫婦で暮らすことを許された。それは貴族としてではなくて、村で庶民としてだが。他に選択肢もなくリリアンの両親はそれを受け入れた。
だが、その後、母親は自分の境遇を受け入れられず、物に当たり、ヒステリーを起こし、食べ物を食べず、狂って衰弱して、三ヶ月も経たずに亡くなったらしい。父親は母親を弔って、農作業をして静かに暮らしているらしい。
「マシュー君さまさまだったわ。まぁ、見た目より食えない男だから、きっとうちの店とかブラッドリーの商会と繋がりが欲しいんでしょうけど」
次期スコールズ伯爵であるマシューは、ブラッドリーとエリックの一つ下で学園では関わりがなかったのだが、ブラッドリーの商会にまめに事後の顛末を知らせる手紙を書いてくれた。今回も事の顛末に詳しいマシューのおかげで、リリアンの母親の墓や、父親が静かに暮らす様子をかいまみれたのだ。柔らかい雰囲気だが、どちらかというとエリックのように裏で画策するタイプな気がする。
「ああ、マルティナちゃんに横恋慕してた従弟くんね? ふふっ、楽しそう。見てみたかったなー」
「もー、母上はお気楽なんだから! ブラッドリーがなにかとマシュー君を威嚇するから、アタシが間に入ってとりなすのに大変だったのよ!」
「相変わらず、エリックは苦労人ねぇ」
リリアンとマルティナの従弟であるマシューはマルティナに片思いをしていて、ブラッドリーが学園を卒業してマルティナの傍にいられない時に、なにかとマルティナを気にかけ、ちゃっかりプロポーズまでしている。もちろん、マルティナはきっぱりと断ったそうだが、ブラッドリーの心中は複雑なようだ。
「はー。お姉さんの末路はなんか哀れっていうか……」
「えっ? 生きているんでしょう?」
「死んでるように生きているわ」
さんざんリリアンの姉のマルティナをこき使い、利用していた姉のアイリーンの転落は早かった。レッドフォード公爵家に嫁入りしてすぐに化けの皮がはがれ、夫である次期公爵に見捨てられ、公爵家の領地の片隅の村の屋敷に幽閉されている。一時は、物に当たりヒステリーを起こしていたようだが、最近はぱたりと食べ物を受け付けなくなってベッドの住人となって介護されている。
「変なところで母親とそっくりなのね……おお、怖い!」
「見てて気持ちのいいものじゃなかったわ。この先、生き抜くのか……母親と同じ末路をたどるのかは、神のみぞ知るってところかしらね?」
ブラッドリーがアイリーンの行く末もこの目で確かめると譲らなかったので、マシューの案内でベッドに横たわるアイリーンもこの目で見て来た。それでも、アイリーンの周りで世話をする侍女達の真剣で祈るようなまなざしを見て、エリックはなぜか少しほっとした。
「書類ももらってきたのね?」
「ええ、もちろん。確認してちょうだい」
リリアンをスコールズ伯爵家から除籍して、プレスコット家の養子にする時には頭からすっぽり抜け落ちていた事の確認も目的だった。その書類は、スコールズ伯爵家に跡継ぎが生まれなかった場合に、マルティナやリリアンの子どもやその先の血縁の者を譲る事はないという内容だ。ブラッドリーがマルティナとの結婚を考えていて、その書類のサインだけは必ずもらいに行くと言っていた。
『そんなことはない、と言いたいところだが、なにがあるかわからんからな。いい判断だ。マルティナとリリアンはそちらの国で大事にされているんだな』
呆れながらも、どこか感心したように言ってボルトン子爵はサインしてくれた。
『もう、マルティナのことは諦めたって言ってるのに……。はー、本当にマルティナに害のありそうなことは全てつぶしたいんだな……』
マシューもジト目でブラッドリーを見ながら、サインした。
そんなサインをもらったときの情景を思い出しながら、エリックから小さな笑いがこぼれる。
「で、エリックはついでに、リリアンちゃんの敵もやっつけてきたんでしょう?」
「ふふふ、そりゃあね。母親の次に許せないでしょ?」
「あー、私が直接対決してやりたかったわー」
「母上が行ったら、あの変態の新しい扉開いちゃうでしょ」
リリアンの心の傷となっている幼女趣味と噂のある男爵がエリックにはどうしても許せなかった。隣国につてのあるブラッドリーの二番目の兄のレジナルドに相談して、裏から男爵の後ろ暗い商売が発覚するよう画策して、逮捕されるようにして、弁済の支払いで破産に追い込んだ。つてを使って釈放された男爵はまた商売を立ち上げようとして、たちの悪い組織から金を借りて返せず、追われることになり、その行方はわからないままだ。
「まぁ、きっと散々いたぶられて、今頃海の底かしらね……。これで、後始末は完了かしらね」
「エリックもやるようになったわね。お疲れさま!」
エリックはナディーンのワイングラスに自分のワイングラスを軽く当てて、乾杯した。
「母上、このこと、リリアンには……」
「いつか伝えないとね。でも、今ではないわ」
「そうね、母上にまかせようかしら」
「ははうえー、お話し中ですか? ちょっと怖い夢を見ちゃって……」
「大丈夫よー。エリックとの話はちょうど終わったところよ。一緒に眠る?」
クマのぬいぐるみ片手に現れたリリアンが遠慮がちにナディーンに言う。ナディーンとエリックはワイングラスをテーブルに置いた。どうやら、解散の時間のようだ。
「エリック、帰って来てくれてうれしい! おかえりなさい!」
ナディーンの隣に座るエリックにリリアンが抱き着いてくる。ふわっと甘い香りが広がる。
「エリック、おやすみー、ゆっくり休んでね!」
「お休み、リリアン。お休み、母上」
手を繋いで、部屋を出ていくナディーンとリリアンをエリックは見送った。
リリアンとマルティナちゃんの笑顔を守れたんだもの、すっごく疲れたけど、満足。二つのワイングラスを片付けるとエリックは自分も眠るために部屋へと向かった。
「ええ、なかなかヘビーだったけどね……」
ワイン片手に尋ねるナディーンに、ぐったりとソファーに沈み込んでエリックが答える。時刻は深夜、プレスコット家の居間でナディーンとエリックの声だけが響く。
リリアンの祖国である隣国へ仕事に行って帰ってきたところだ。到着は昼間で、旅路の汚れも落としているし、家族の皆に夕食でねぎらわれて、カリスタやチェルシーとも一通り仕事の話もした。家に帰って来て一通りやることが終わってほっとしたこともあり、疲れがどっと出た。
エリックがこんなに疲れているのには理由がある。今回の出張の本当の目的はリリアンの生家のその後を確認するためだった。それはとても気の重い仕事で、普段はテンションが高くて疲れ知らずのエリックにもかなり精神的に負担がかかった。
「マルティナちゃんとリリアンちゃんの家族に関しては、親族の手紙にあった通りだったのかしら?」
「ええ。偽りなかったわ。ブラッドリーがこの目で確認するまでは帰らないなんて言うから……。ちゃんと現地まで行ったわよ……。あんまり気分のいいものでもなかったけどね」
リリアンの生家では、リリアンを除籍した後にお家騒動があった。
リリアンの父親は、先代伯爵が馬車の事故で亡くなった際に若くして爵位を継いだ。しかし、伯爵家当主とは名ばかりで、王宮の財務省の仕事にかまかけて、領地のことは領主代理に丸投げで重要書類にサインするだけで、伯爵領は放置されていた。それを見るに見かねた父親の弟であるリリアンの叔父が、陰で伯爵家の領地運営をフォローし、貴族院にリリアンの父親が伯爵家当主にふさわしくないと意見書を提出していた。しかし、特に伯爵領で大きな問題が起こらなかったので、保守的な貴族院は動かず、問題は放置されていた。
しかし、リリアンの除籍とプレスコット家への養子入りがマルティナの画策のせいであることが母親にバレて、逆鱗にふれて、マルティナをリリアンの心の傷となっている幼女趣味と噂のある男爵の後妻に出すと宣言した。そのことによって、貴族院がついに重い腰を上げた。スコールズ伯爵家の三姉妹のうち、姉のアイリーンは既にレッドフォード公爵家に嫁いでいて、末娘のリリアンは隣国に養子に出している。スコールズ伯爵家を継ぐためには、新たに養子をとるか、マルティナが婿を迎えいれなければならない。リリアンの両親はそのどちらも考えていないことが明らかとなり、次世代に継ぐ意思がないうえに、伯爵領の仕事もしていないので、当主不適格の烙印を貴族院から押されたのだ。
伯爵家はリリアンの父親の弟であるボルトン子爵が伯爵代理となり、その子どもでリリアンの従弟のマシューが次期伯爵となることが決まった。
リリアンの父親は仕事を生きがいにしていて、領地も家族もほっぽって、王宮の財務省にこもりきりで仕事をしていたが、仕事内容がお粗末なものだったらしい。本人が気づかないうちに閑職に追われていて、上司はやる気はあるのに仕事のできない爵位のある部下を持て余していた。何度注意しても改善が見られなかったこともあり、伯爵家の騒動で爵位を譲る事になった父親は、その騒動を理由に王宮の仕事もクビになった。
爵位なし、職なしとなったリリアンの父親に、リリアンの叔父が温情をかけて、スコールズ伯爵領の片隅で夫婦で暮らすことを許された。それは貴族としてではなくて、村で庶民としてだが。他に選択肢もなくリリアンの両親はそれを受け入れた。
だが、その後、母親は自分の境遇を受け入れられず、物に当たり、ヒステリーを起こし、食べ物を食べず、狂って衰弱して、三ヶ月も経たずに亡くなったらしい。父親は母親を弔って、農作業をして静かに暮らしているらしい。
「マシュー君さまさまだったわ。まぁ、見た目より食えない男だから、きっとうちの店とかブラッドリーの商会と繋がりが欲しいんでしょうけど」
次期スコールズ伯爵であるマシューは、ブラッドリーとエリックの一つ下で学園では関わりがなかったのだが、ブラッドリーの商会にまめに事後の顛末を知らせる手紙を書いてくれた。今回も事の顛末に詳しいマシューのおかげで、リリアンの母親の墓や、父親が静かに暮らす様子をかいまみれたのだ。柔らかい雰囲気だが、どちらかというとエリックのように裏で画策するタイプな気がする。
「ああ、マルティナちゃんに横恋慕してた従弟くんね? ふふっ、楽しそう。見てみたかったなー」
「もー、母上はお気楽なんだから! ブラッドリーがなにかとマシュー君を威嚇するから、アタシが間に入ってとりなすのに大変だったのよ!」
「相変わらず、エリックは苦労人ねぇ」
リリアンとマルティナの従弟であるマシューはマルティナに片思いをしていて、ブラッドリーが学園を卒業してマルティナの傍にいられない時に、なにかとマルティナを気にかけ、ちゃっかりプロポーズまでしている。もちろん、マルティナはきっぱりと断ったそうだが、ブラッドリーの心中は複雑なようだ。
「はー。お姉さんの末路はなんか哀れっていうか……」
「えっ? 生きているんでしょう?」
「死んでるように生きているわ」
さんざんリリアンの姉のマルティナをこき使い、利用していた姉のアイリーンの転落は早かった。レッドフォード公爵家に嫁入りしてすぐに化けの皮がはがれ、夫である次期公爵に見捨てられ、公爵家の領地の片隅の村の屋敷に幽閉されている。一時は、物に当たりヒステリーを起こしていたようだが、最近はぱたりと食べ物を受け付けなくなってベッドの住人となって介護されている。
「変なところで母親とそっくりなのね……おお、怖い!」
「見てて気持ちのいいものじゃなかったわ。この先、生き抜くのか……母親と同じ末路をたどるのかは、神のみぞ知るってところかしらね?」
ブラッドリーがアイリーンの行く末もこの目で確かめると譲らなかったので、マシューの案内でベッドに横たわるアイリーンもこの目で見て来た。それでも、アイリーンの周りで世話をする侍女達の真剣で祈るようなまなざしを見て、エリックはなぜか少しほっとした。
「書類ももらってきたのね?」
「ええ、もちろん。確認してちょうだい」
リリアンをスコールズ伯爵家から除籍して、プレスコット家の養子にする時には頭からすっぽり抜け落ちていた事の確認も目的だった。その書類は、スコールズ伯爵家に跡継ぎが生まれなかった場合に、マルティナやリリアンの子どもやその先の血縁の者を譲る事はないという内容だ。ブラッドリーがマルティナとの結婚を考えていて、その書類のサインだけは必ずもらいに行くと言っていた。
『そんなことはない、と言いたいところだが、なにがあるかわからんからな。いい判断だ。マルティナとリリアンはそちらの国で大事にされているんだな』
呆れながらも、どこか感心したように言ってボルトン子爵はサインしてくれた。
『もう、マルティナのことは諦めたって言ってるのに……。はー、本当にマルティナに害のありそうなことは全てつぶしたいんだな……』
マシューもジト目でブラッドリーを見ながら、サインした。
そんなサインをもらったときの情景を思い出しながら、エリックから小さな笑いがこぼれる。
「で、エリックはついでに、リリアンちゃんの敵もやっつけてきたんでしょう?」
「ふふふ、そりゃあね。母親の次に許せないでしょ?」
「あー、私が直接対決してやりたかったわー」
「母上が行ったら、あの変態の新しい扉開いちゃうでしょ」
リリアンの心の傷となっている幼女趣味と噂のある男爵がエリックにはどうしても許せなかった。隣国につてのあるブラッドリーの二番目の兄のレジナルドに相談して、裏から男爵の後ろ暗い商売が発覚するよう画策して、逮捕されるようにして、弁済の支払いで破産に追い込んだ。つてを使って釈放された男爵はまた商売を立ち上げようとして、たちの悪い組織から金を借りて返せず、追われることになり、その行方はわからないままだ。
「まぁ、きっと散々いたぶられて、今頃海の底かしらね……。これで、後始末は完了かしらね」
「エリックもやるようになったわね。お疲れさま!」
エリックはナディーンのワイングラスに自分のワイングラスを軽く当てて、乾杯した。
「母上、このこと、リリアンには……」
「いつか伝えないとね。でも、今ではないわ」
「そうね、母上にまかせようかしら」
「ははうえー、お話し中ですか? ちょっと怖い夢を見ちゃって……」
「大丈夫よー。エリックとの話はちょうど終わったところよ。一緒に眠る?」
クマのぬいぐるみ片手に現れたリリアンが遠慮がちにナディーンに言う。ナディーンとエリックはワイングラスをテーブルに置いた。どうやら、解散の時間のようだ。
「エリック、帰って来てくれてうれしい! おかえりなさい!」
ナディーンの隣に座るエリックにリリアンが抱き着いてくる。ふわっと甘い香りが広がる。
「エリック、おやすみー、ゆっくり休んでね!」
「お休み、リリアン。お休み、母上」
手を繋いで、部屋を出ていくナディーンとリリアンをエリックは見送った。
リリアンとマルティナちゃんの笑顔を守れたんだもの、すっごく疲れたけど、満足。二つのワイングラスを片付けるとエリックは自分も眠るために部屋へと向かった。
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