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2 私が私の気持ちに気づくまでの日々
2 プレスコット家に来た害虫
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「時間がないから、端的に言うわね。これからプレスコット家に害虫が来ます。数日で片をつけるから我慢してちょうだい。カリスタ、チェルシー、バシンッと一思いに潰してはだめよ」
朝食の時間にそろうことの珍しいプレスコット家の面々が食堂に集められた。朝は弱いはずのプレスコット家の母、ナディーンはいつものようにきっちりとした格好をして、皆に宣言する。リリアンはこの時点で聞きたいことがいっぱいあったが、急いでいるナディーンの様子を見て口をつぐんだ。
「特にエリックはなにがあっても耐えてね。あなたはエサだから、喰いついて来たら、のらりくらりとかわしながらも、振り払っちゃだめよ。カリスタとチェルシーとも口出ししないこと。 もしかしたら、リリアンに当たりが一番強いかもしれないけど、ごめんなさい、耐えて。以上」
「「……了解でーす」」
ナディーンと同じく朝は弱いカリスタとチェルシーは不機嫌そうな顔で了承すると、朝食もそこそこに退室して行った。
「虫、虫……?」
リリアンはあまりに毒々しい虫以外はそんなに苦手ではないけど、人にまとわりつくような種類の虫なのだろうか?
「ええ、とっても毒性が強い虫なの。親虫ごと根こそぎコテンパンにしないといけないから、しばらくの我慢よ。マーカス家でジョアンナちゃんとマルティナちゃんがその毒にやられてしまったから、うちで引き取って決着をつけることにしたのよ」
悩むリリアンに微笑みながら、ナディーンが補足してくれる。ジョアンナはブラッドリーの一番上の兄の妻だ。
「え? マルティナ姉様が?」
「マルティナちゃんは大丈夫よ。ちょっと体調が悪かったから、その害虫のストレスでやられちゃったけど、ブラッドリーが気持ち悪いくらいべったりはりついて看病してるから大丈夫よ」
「母上、本当に数日で決着が着くのね? ジョアンナちゃんとマルティナちゃんは善良の塊だから、毒々しいのが来たら一発でやられるわよねぇ……。なら仕方ないけど、今アタシもあんまり余裕ないんだけど……」
「ええ、短期決戦でいくわよ。エリックは気合を入れて!」
エリックは既に疲れた顔をしている。ナディーンの言葉の意味がわかったのは、その日の夕方のことだった。
マーカス家とは違って、客人が来ることが珍しいプレスコット家に客人が来ていた。ナディーンとエリックとともに現れた少女は、長い黒髪に、はっきりとした目鼻立ちをしていて、ブラッドリーの従妹で二番目の兄の妻であるエミリーにどこか似ていた。
「リリアン、今日からしばらくうちに滞在することになったエイダちゃんよ。マーカス家の親戚の子よ。リリアンと同い年なの。仲良くしてあげてね」
「どうもー。あなたがリリアンちゃん? ナディーンさんやエリックさんと似てないのね」
「リリアンです……。よろしくお願いします」
なんだか、胸がチクチクする……
リリアンは、黄色いワンピースの胸元を押さえた。
リリアンと同じ十五歳と思えないくらい、顔立ちも体つきも大人びていて、服装も少女のそれではなく、胸元やくびれた腰を強調するようなものだ。エリックに腕を絡ませ、体を押し付けるように、しなだれかかっている。なぜか、その場に居たくなくなって、ぺこりと頭を下げると足早に自室に去った。
いつもは賑やかな夕食の食卓にその日は、エイダがエリックにご機嫌で話しかける声だけが響いていた。時折、エリックやナディーンが静かに相槌を打っている。いつも我先に話すカリスタ姉さんやチェルシー姉さんも口を開かず、黙々と食事をしている。エミリーに似た美少女なので、カリスタやチェルシーは喰いつくのかと思っていたので、リリアンは意外に思った。
「よかったー。プレスコット家のご飯はまともなんですね。マーカス家って、大きな商会だから、どんな豪勢なごちそうが出てくるかと思ったら、すごい庶民的なんですもん! 大皿でドンっドンっですよ。みんなで取り分けるってありえなーい。ね、エリックさんもそう思いません? プレスコット家はコース料理ではないけど、個別に取り分けられていて安心しましたぁ」
大声でお世話になった家の文句を言うエイダにリリアンは眉をひそめた。外見は大人っぽいけど、中身はずいぶん幼いみたいだ。
「アタシはマーカス家のご飯も好きだけどね」
「えーあたしだって、エリックさんが取り分けてくれるなら、おいしく食べられるかも?」
いつもはリリアンの指定席であるナディーンとエリックの間で好き勝手なことを言いながら、おいしそうに食事をしている。男爵令嬢らしいが、曲がりなりにも伯爵令嬢であったリリアンから見ると、そのマナーはリリアンよりひどいものだ。
今日はなぜか、リリアンはカリスタとチェルシーに挟まれて座っている。いつもはおいしい食事の味がしないし、なかなか噛み切れない。
「こうやって見るとやっぱりリリアンちゃんだけ、似てないですねー」
「リリアンは、養子なのよ。家の可愛い娘には変わりないわよ」
「えー、いいなぁ。うらやましい! 私もプレスコット家の養子になりたい! そうしたら、エリックさんにも毎日会えるしぃ!」
リリアンは胸だけでなく、胃の当たりまでしくしくと痛んできて、残りの食事をなんとかかきこんだ。
「父上、母上、すみません、デザートは今日はいらないので、お部屋に戻ってもいいですか?」
お客様がいるのに失礼だとはわかっているけど、もう平気な顔をしてこの場にいることができそうにない。
「あー、そうだった。リリアン、キッズラインの服を試着してほしかったんだった! 一緒に行きましょ。私もデザートはいらないわ」
ナディーンの返事を待たずに、チェルシーがガタリッと席を立つ。
「あーそうだった。リリアン、私も試してほしい新作のブローチがあるのよ! 私も行くわ」
カリスタもチェルシーに続いて席を立つ。
二人の姉に連行されるようにして、リリアンは席を外した。
「あーもう、さいあくー。なにあの女狐! 空気悪いったらありゃしない!」
「ほんと、子どもが大人ぶるからさぁ、滑稽よね。香水どれだけふりかけてんのよ。テーブルのこっちまで、臭ってきて、鼻がひん曲がるかと思ったわよ」
二人に連れられて、カリスタの部屋に入ると、両側から二人に抱きしめられる。ふわりと花のような甘い香りがして、リリアンのチクチクしていた胸の痛みが少し収まった。
「リリアンと同い年って信じらんない!」
「マーカスの血縁でしょ? 同じ血が流れてなくてよかったわ!」
「「あー、リリアンって癒しだわぁ」」
「まー、きっと、母上にも何か考えがあってのことでしょうけど……」
「そうだけどさー、リリアンにまで牙剥いちゃって許せないよ!」
「あのー、試着は……?」
リリアンをぎゅうぎゅう抱きしめて、ひとしきりエイダの悪口を吐き出すと、カリスタはティーテーブルをセッティングし、お茶を淹れ始めた。チェルシーは一瞬姿を消したと思ったら、その手には三人分のデザートの載ったトレーを持っている。
「ごめんね、試着っていうのは言い訳。ほらほら、仕切り直しましょ。あそこじゃ、おいしくデザートを食べられないでしょ?」
「ほら、今日のデザートは、リリアンの好きな苺のムースだよ!」
「わぁっ!」
色々と気になることはあるものの、カリスタの淹れてくれた紅茶を飲むとそんなことも吹き飛んでしまいリリアンは苺のムースを味わう。
「しっかし、エリックのあの顔見た? あの子、女に絡まれるの久しぶりなんじゃない?」
「ほーんと、見事に目が死んでたわね。何日持つかしら? マーカス家でもあの調子だったのかしらね?」
「あの手の女は見た目と金があればなんでもいいんでしょう? でも、マーカス兄弟はみんな既婚者だけど……」
「きっとやらかして、ジョアンナちゃんとマルティナちゃんがやられて、母上が回収してきたんでしょう?」
「………マルティナ姉様、大丈夫かなぁ……」
マルティナのことを思い、またフォークを持つ手が止まる。
「大丈夫よ。ブラッドリーは気持ち悪いくらいマルティナちゃんしか目に入ってないから。あんな女蹴散らしてるわよ」
「そうよ。母上があんな腹黒な女のさばらせておくわけないから、リリアンは安心していいのよ」
「うん。ありがとう。カリスタ姉さん。チェルシー姉さん」
なんだかんだいって、苺のムースを完食して、おいしく紅茶を頂く。カリスタとチェルシーの気づかいはうれしい。それでも、やっぱり家族みんなで食べたかったなぁとリリアンは思った。
朝食の時間にそろうことの珍しいプレスコット家の面々が食堂に集められた。朝は弱いはずのプレスコット家の母、ナディーンはいつものようにきっちりとした格好をして、皆に宣言する。リリアンはこの時点で聞きたいことがいっぱいあったが、急いでいるナディーンの様子を見て口をつぐんだ。
「特にエリックはなにがあっても耐えてね。あなたはエサだから、喰いついて来たら、のらりくらりとかわしながらも、振り払っちゃだめよ。カリスタとチェルシーとも口出ししないこと。 もしかしたら、リリアンに当たりが一番強いかもしれないけど、ごめんなさい、耐えて。以上」
「「……了解でーす」」
ナディーンと同じく朝は弱いカリスタとチェルシーは不機嫌そうな顔で了承すると、朝食もそこそこに退室して行った。
「虫、虫……?」
リリアンはあまりに毒々しい虫以外はそんなに苦手ではないけど、人にまとわりつくような種類の虫なのだろうか?
「ええ、とっても毒性が強い虫なの。親虫ごと根こそぎコテンパンにしないといけないから、しばらくの我慢よ。マーカス家でジョアンナちゃんとマルティナちゃんがその毒にやられてしまったから、うちで引き取って決着をつけることにしたのよ」
悩むリリアンに微笑みながら、ナディーンが補足してくれる。ジョアンナはブラッドリーの一番上の兄の妻だ。
「え? マルティナ姉様が?」
「マルティナちゃんは大丈夫よ。ちょっと体調が悪かったから、その害虫のストレスでやられちゃったけど、ブラッドリーが気持ち悪いくらいべったりはりついて看病してるから大丈夫よ」
「母上、本当に数日で決着が着くのね? ジョアンナちゃんとマルティナちゃんは善良の塊だから、毒々しいのが来たら一発でやられるわよねぇ……。なら仕方ないけど、今アタシもあんまり余裕ないんだけど……」
「ええ、短期決戦でいくわよ。エリックは気合を入れて!」
エリックは既に疲れた顔をしている。ナディーンの言葉の意味がわかったのは、その日の夕方のことだった。
マーカス家とは違って、客人が来ることが珍しいプレスコット家に客人が来ていた。ナディーンとエリックとともに現れた少女は、長い黒髪に、はっきりとした目鼻立ちをしていて、ブラッドリーの従妹で二番目の兄の妻であるエミリーにどこか似ていた。
「リリアン、今日からしばらくうちに滞在することになったエイダちゃんよ。マーカス家の親戚の子よ。リリアンと同い年なの。仲良くしてあげてね」
「どうもー。あなたがリリアンちゃん? ナディーンさんやエリックさんと似てないのね」
「リリアンです……。よろしくお願いします」
なんだか、胸がチクチクする……
リリアンは、黄色いワンピースの胸元を押さえた。
リリアンと同じ十五歳と思えないくらい、顔立ちも体つきも大人びていて、服装も少女のそれではなく、胸元やくびれた腰を強調するようなものだ。エリックに腕を絡ませ、体を押し付けるように、しなだれかかっている。なぜか、その場に居たくなくなって、ぺこりと頭を下げると足早に自室に去った。
いつもは賑やかな夕食の食卓にその日は、エイダがエリックにご機嫌で話しかける声だけが響いていた。時折、エリックやナディーンが静かに相槌を打っている。いつも我先に話すカリスタ姉さんやチェルシー姉さんも口を開かず、黙々と食事をしている。エミリーに似た美少女なので、カリスタやチェルシーは喰いつくのかと思っていたので、リリアンは意外に思った。
「よかったー。プレスコット家のご飯はまともなんですね。マーカス家って、大きな商会だから、どんな豪勢なごちそうが出てくるかと思ったら、すごい庶民的なんですもん! 大皿でドンっドンっですよ。みんなで取り分けるってありえなーい。ね、エリックさんもそう思いません? プレスコット家はコース料理ではないけど、個別に取り分けられていて安心しましたぁ」
大声でお世話になった家の文句を言うエイダにリリアンは眉をひそめた。外見は大人っぽいけど、中身はずいぶん幼いみたいだ。
「アタシはマーカス家のご飯も好きだけどね」
「えーあたしだって、エリックさんが取り分けてくれるなら、おいしく食べられるかも?」
いつもはリリアンの指定席であるナディーンとエリックの間で好き勝手なことを言いながら、おいしそうに食事をしている。男爵令嬢らしいが、曲がりなりにも伯爵令嬢であったリリアンから見ると、そのマナーはリリアンよりひどいものだ。
今日はなぜか、リリアンはカリスタとチェルシーに挟まれて座っている。いつもはおいしい食事の味がしないし、なかなか噛み切れない。
「こうやって見るとやっぱりリリアンちゃんだけ、似てないですねー」
「リリアンは、養子なのよ。家の可愛い娘には変わりないわよ」
「えー、いいなぁ。うらやましい! 私もプレスコット家の養子になりたい! そうしたら、エリックさんにも毎日会えるしぃ!」
リリアンは胸だけでなく、胃の当たりまでしくしくと痛んできて、残りの食事をなんとかかきこんだ。
「父上、母上、すみません、デザートは今日はいらないので、お部屋に戻ってもいいですか?」
お客様がいるのに失礼だとはわかっているけど、もう平気な顔をしてこの場にいることができそうにない。
「あー、そうだった。リリアン、キッズラインの服を試着してほしかったんだった! 一緒に行きましょ。私もデザートはいらないわ」
ナディーンの返事を待たずに、チェルシーがガタリッと席を立つ。
「あーそうだった。リリアン、私も試してほしい新作のブローチがあるのよ! 私も行くわ」
カリスタもチェルシーに続いて席を立つ。
二人の姉に連行されるようにして、リリアンは席を外した。
「あーもう、さいあくー。なにあの女狐! 空気悪いったらありゃしない!」
「ほんと、子どもが大人ぶるからさぁ、滑稽よね。香水どれだけふりかけてんのよ。テーブルのこっちまで、臭ってきて、鼻がひん曲がるかと思ったわよ」
二人に連れられて、カリスタの部屋に入ると、両側から二人に抱きしめられる。ふわりと花のような甘い香りがして、リリアンのチクチクしていた胸の痛みが少し収まった。
「リリアンと同い年って信じらんない!」
「マーカスの血縁でしょ? 同じ血が流れてなくてよかったわ!」
「「あー、リリアンって癒しだわぁ」」
「まー、きっと、母上にも何か考えがあってのことでしょうけど……」
「そうだけどさー、リリアンにまで牙剥いちゃって許せないよ!」
「あのー、試着は……?」
リリアンをぎゅうぎゅう抱きしめて、ひとしきりエイダの悪口を吐き出すと、カリスタはティーテーブルをセッティングし、お茶を淹れ始めた。チェルシーは一瞬姿を消したと思ったら、その手には三人分のデザートの載ったトレーを持っている。
「ごめんね、試着っていうのは言い訳。ほらほら、仕切り直しましょ。あそこじゃ、おいしくデザートを食べられないでしょ?」
「ほら、今日のデザートは、リリアンの好きな苺のムースだよ!」
「わぁっ!」
色々と気になることはあるものの、カリスタの淹れてくれた紅茶を飲むとそんなことも吹き飛んでしまいリリアンは苺のムースを味わう。
「しっかし、エリックのあの顔見た? あの子、女に絡まれるの久しぶりなんじゃない?」
「ほーんと、見事に目が死んでたわね。何日持つかしら? マーカス家でもあの調子だったのかしらね?」
「あの手の女は見た目と金があればなんでもいいんでしょう? でも、マーカス兄弟はみんな既婚者だけど……」
「きっとやらかして、ジョアンナちゃんとマルティナちゃんがやられて、母上が回収してきたんでしょう?」
「………マルティナ姉様、大丈夫かなぁ……」
マルティナのことを思い、またフォークを持つ手が止まる。
「大丈夫よ。ブラッドリーは気持ち悪いくらいマルティナちゃんしか目に入ってないから。あんな女蹴散らしてるわよ」
「そうよ。母上があんな腹黒な女のさばらせておくわけないから、リリアンは安心していいのよ」
「うん。ありがとう。カリスタ姉さん。チェルシー姉さん」
なんだかんだいって、苺のムースを完食して、おいしく紅茶を頂く。カリスタとチェルシーの気づかいはうれしい。それでも、やっぱり家族みんなで食べたかったなぁとリリアンは思った。
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