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4 三姉妹のハズレだった私の再生
2 軽くなっていく心
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マーカス家に来て、一番驚いたのは、食事かもしれない。朝食と昼食は各々のタイミングで摂るが、夕食はよほどの用事がない限り、全員揃って食べる。
一番大きな部屋に丸くて低いテーブルが置かれている。床には大きなラグが敷かれていて、椅子はなく、履物を脱いでラグにあがり、ラグに座って食べる。大人数で、日によって人の数が変動するので、椅子がないほうが効率的なのかもしれない。
スープ以外のものは、基本的に大皿に盛られていて、各自食べたいものを自分の皿に取って食べている。今日のメニューはスパイシーなトマトのスープと魚のフライ、サラダとパンだ。伯爵家の時と違って品数は少ないが、一つ一つのメニューについて、皿に盛られている量が多いので、食卓は賑やかだ。
いつも広い部屋の四角いテーブルで、ひりつくような空気の中でコース料理を食べていたマルティナにはすべてが反対で作法がわからなくて戸惑ったけど、慣れると気楽で楽しい時間となった。
「ほら、マルティナぼーっとしてると食いそこねるぞ。魚のフライは絶品だからな。争奪戦だ。ほら、ちゃんと取っとかないと」
右からイーサンがマルティナの取り皿に魚のフライを二つ乗せてくれる。
「マルティナ、香辛料苦手だろ。今日のスープ食べられそう?」
左からブラッドリーが尋ねる。
「イーサン、ありがとう。ありがたくいただくね。ブラッドリーこのスープ前にも食べたし、食べられるよ。香辛料苦手なんだけど、この国の料理はけっこう大丈夫なの」
左右から世話を焼かれて、まるでブラッドリーが二人いるみたいだ。みんながわいわいと雑談をする中で食べる。厳格なマナーもルールもない。そんな食卓だけど、食事がおいしいと思う。
食べなれない異国の料理だけど、この雰囲気のおかげなのか、この国の料理がマルティナの舌にあうのか、食が進むようになった。
この国に来て、マルティナは自分がこれまで当たり前だと思っていた事が次々に塗り替えられていくのを感じた。
だって、家族と一緒に食べる食事がこんなにおいしいだなんて知らなかった。一緒に食べる人や雰囲気が違うだけで、食事がこんなに味わい深くなるなんて知らなかった。
◇◇
マルティナは食事だけではなくて、自分の考え方や行動もかなり偏りがあることも日々、実感している。
「もーどんくさいな、マルティナは! それはいいから、こっち持てよ。なー無理するなよ。人にはできることとできないことあるんだから。無理ならちゃんと無理って言えよ。言わなきゃわかんないだろ」
「そうね。ありがとう、イーサン。これからはよく考えてからやるようにするわ」
なんとなく大人に言われたら、咎められた気になるような内容でも、年下のイーサンに言われると素直に聞き入れることができた。
「まぁ、素直な所はマルティナのいいところかもな」
照れたときに、顔色は変わらないけど、耳のあたりが赤く染まるのもブラッドリーと同じだ。
マルティナはイーサンと一緒に作業していて、自分が自分のできる範囲を越えて仕事を抱えてしまう癖があることを知った。そして、できない事はできないと言っていいということを、人を頼っていいことを知った。
「マルティナ、大丈夫? きりがよかったら休憩しない?」
マルティナが倒れてベッドにいる間はつきっきりだったブラッドリーも、マルティナが普通の生活を送るようになると、フレドリックに耳を引っ張られて引きずられるように仕事に連れて行かれていた。祖国にいる時は大人っぽくて、余裕があって、自信に溢れているように見えたブラッドリーの色々な面が垣間見えるようになった。
仕事で忙しそうにしているけど、その合間合間にまめにマルティナの様子を見に来てくれる。
「ブラッドリー、仕事はいいのかよ? また、父さんに怒られるぞ。マルティナは自分で頑張るって決めてやってるんだから、いちいち邪魔するなよ。甘やかしてばっかじゃよくないって父さんも言ってたぞ」
「いいんだよ。マルティナはまだ体調も完全じゃないし、目を離すとすぐ無理するから。ほら、イーサンに任せて行こう」
苦言を呈す甥っ子と説教をされるブラッドリーは完全に立場が逆転している。マルティナからくすくすと笑いが零れる。マーカス家の家族はブラッドリーの母を筆頭にみんなマルティナに優しい。それでも、変わらずにブラッドリーが気にかけてくれることが嬉しかった。
◇◇
家のことを切り盛りするブラッドリーの母をイーサンやお手伝いさん達と共にしばらく手伝っていたけど、不器用なりに料理や掃除、洗濯などを一通りこなせるようになると、仕事をしたいとブラッドリーに頼んだ。
渋い顔をするブラッドリーを説得して、ブラッドリーが居る時だけという条件つきで、商会で事務や雑事を手伝うようになった。そちらの仕事は、家事よりは比較的すぐに馴染んで、スムーズにできるようになった。
家事にしろ、仕事にしろ、ある程度の時間が来ると休憩をしたり切り上げるようにブラッドリーの母やブラッドリーから声がかかる。
ただ、マルティナは今まで休憩をとる習慣がなかったので何をしたらいいのかわからない。
好きなことをするといいと言われたので、開放的な造りの家や商会の建物の至るところに置いてあるベンチに座って、ぼーっと窓の外の景色を見て過ごした。
この国は南国らしくいつも太陽が照り付けているけど、建物の中にいるとカラッとしていて、海風が通り意外と涼しい。大きく開いた窓から見える空の青も濃く、植物の緑も瑞々しい。場所にもよるけど、南国ならではの鮮やかな花が見えたり、マーカス家からは海が見えたりと、まるで絵画のような風景はいつまで見ていても見飽きることがない。
「お疲れさま。マルティナ、体調は大丈夫? 気分転換にどこか出掛けたい時は言ってね」
「うん、大丈夫。今は出かける気力がなくて。それにこうして見ているだけでも十分楽しいの」
ブラッドリーが持ってきてくれた冷えた果物のジュースで喉を潤す。
ブラッドリーは少し距離を置いて、座って、マルティナが話したいときは、マルティナがぽつぽつ話すのを聞いてくれて、黙っている時は、何も言わず、隣にいてくれた。
マルティナは、静かにブラッドリーとこの国の景色を見る時間に自分が癒されていくのを感じていた。
一番大きな部屋に丸くて低いテーブルが置かれている。床には大きなラグが敷かれていて、椅子はなく、履物を脱いでラグにあがり、ラグに座って食べる。大人数で、日によって人の数が変動するので、椅子がないほうが効率的なのかもしれない。
スープ以外のものは、基本的に大皿に盛られていて、各自食べたいものを自分の皿に取って食べている。今日のメニューはスパイシーなトマトのスープと魚のフライ、サラダとパンだ。伯爵家の時と違って品数は少ないが、一つ一つのメニューについて、皿に盛られている量が多いので、食卓は賑やかだ。
いつも広い部屋の四角いテーブルで、ひりつくような空気の中でコース料理を食べていたマルティナにはすべてが反対で作法がわからなくて戸惑ったけど、慣れると気楽で楽しい時間となった。
「ほら、マルティナぼーっとしてると食いそこねるぞ。魚のフライは絶品だからな。争奪戦だ。ほら、ちゃんと取っとかないと」
右からイーサンがマルティナの取り皿に魚のフライを二つ乗せてくれる。
「マルティナ、香辛料苦手だろ。今日のスープ食べられそう?」
左からブラッドリーが尋ねる。
「イーサン、ありがとう。ありがたくいただくね。ブラッドリーこのスープ前にも食べたし、食べられるよ。香辛料苦手なんだけど、この国の料理はけっこう大丈夫なの」
左右から世話を焼かれて、まるでブラッドリーが二人いるみたいだ。みんながわいわいと雑談をする中で食べる。厳格なマナーもルールもない。そんな食卓だけど、食事がおいしいと思う。
食べなれない異国の料理だけど、この雰囲気のおかげなのか、この国の料理がマルティナの舌にあうのか、食が進むようになった。
この国に来て、マルティナは自分がこれまで当たり前だと思っていた事が次々に塗り替えられていくのを感じた。
だって、家族と一緒に食べる食事がこんなにおいしいだなんて知らなかった。一緒に食べる人や雰囲気が違うだけで、食事がこんなに味わい深くなるなんて知らなかった。
◇◇
マルティナは食事だけではなくて、自分の考え方や行動もかなり偏りがあることも日々、実感している。
「もーどんくさいな、マルティナは! それはいいから、こっち持てよ。なー無理するなよ。人にはできることとできないことあるんだから。無理ならちゃんと無理って言えよ。言わなきゃわかんないだろ」
「そうね。ありがとう、イーサン。これからはよく考えてからやるようにするわ」
なんとなく大人に言われたら、咎められた気になるような内容でも、年下のイーサンに言われると素直に聞き入れることができた。
「まぁ、素直な所はマルティナのいいところかもな」
照れたときに、顔色は変わらないけど、耳のあたりが赤く染まるのもブラッドリーと同じだ。
マルティナはイーサンと一緒に作業していて、自分が自分のできる範囲を越えて仕事を抱えてしまう癖があることを知った。そして、できない事はできないと言っていいということを、人を頼っていいことを知った。
「マルティナ、大丈夫? きりがよかったら休憩しない?」
マルティナが倒れてベッドにいる間はつきっきりだったブラッドリーも、マルティナが普通の生活を送るようになると、フレドリックに耳を引っ張られて引きずられるように仕事に連れて行かれていた。祖国にいる時は大人っぽくて、余裕があって、自信に溢れているように見えたブラッドリーの色々な面が垣間見えるようになった。
仕事で忙しそうにしているけど、その合間合間にまめにマルティナの様子を見に来てくれる。
「ブラッドリー、仕事はいいのかよ? また、父さんに怒られるぞ。マルティナは自分で頑張るって決めてやってるんだから、いちいち邪魔するなよ。甘やかしてばっかじゃよくないって父さんも言ってたぞ」
「いいんだよ。マルティナはまだ体調も完全じゃないし、目を離すとすぐ無理するから。ほら、イーサンに任せて行こう」
苦言を呈す甥っ子と説教をされるブラッドリーは完全に立場が逆転している。マルティナからくすくすと笑いが零れる。マーカス家の家族はブラッドリーの母を筆頭にみんなマルティナに優しい。それでも、変わらずにブラッドリーが気にかけてくれることが嬉しかった。
◇◇
家のことを切り盛りするブラッドリーの母をイーサンやお手伝いさん達と共にしばらく手伝っていたけど、不器用なりに料理や掃除、洗濯などを一通りこなせるようになると、仕事をしたいとブラッドリーに頼んだ。
渋い顔をするブラッドリーを説得して、ブラッドリーが居る時だけという条件つきで、商会で事務や雑事を手伝うようになった。そちらの仕事は、家事よりは比較的すぐに馴染んで、スムーズにできるようになった。
家事にしろ、仕事にしろ、ある程度の時間が来ると休憩をしたり切り上げるようにブラッドリーの母やブラッドリーから声がかかる。
ただ、マルティナは今まで休憩をとる習慣がなかったので何をしたらいいのかわからない。
好きなことをするといいと言われたので、開放的な造りの家や商会の建物の至るところに置いてあるベンチに座って、ぼーっと窓の外の景色を見て過ごした。
この国は南国らしくいつも太陽が照り付けているけど、建物の中にいるとカラッとしていて、海風が通り意外と涼しい。大きく開いた窓から見える空の青も濃く、植物の緑も瑞々しい。場所にもよるけど、南国ならではの鮮やかな花が見えたり、マーカス家からは海が見えたりと、まるで絵画のような風景はいつまで見ていても見飽きることがない。
「お疲れさま。マルティナ、体調は大丈夫? 気分転換にどこか出掛けたい時は言ってね」
「うん、大丈夫。今は出かける気力がなくて。それにこうして見ているだけでも十分楽しいの」
ブラッドリーが持ってきてくれた冷えた果物のジュースで喉を潤す。
ブラッドリーは少し距離を置いて、座って、マルティナが話したいときは、マルティナがぽつぽつ話すのを聞いてくれて、黙っている時は、何も言わず、隣にいてくれた。
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