36 / 46
番外編
周りで見守る人達の話① side アン(アイリーン専属侍女)
しおりを挟む
レッドフォード公爵家の暗部の者達の暮らす村で、ひそやかにアイリーン×クリストファー夫婦見守る人達の話。一話。アイリーンの専属侍女のアン視点。Rはなし。
――――――――――――――――
「ダンさーん、今回はアタシ一人で余裕でしたー」
闇夜の中、ぶんぶんと手を振り、アンは通る声で告げた。騎士のアレクがぐるぐるに縄で巻かれた人とおぼしき物体を肩に担いで、アンの後ろから続く。
「ほう、今回も出番なし、ですか」
黒装束の家令のダンが大刀を下ろしてつぶやく。同じく黒装束のタニアもどこからか姿を現した。弓を構えて警戒していたのだろう。
「最近、小物ばっかっすね。次から次へと虫のように湧いてくるなー。たぶんただの冒険者風情で奥様に懸想してつけまわしていただけっぽいっすよ。隙だらけで、アンが手刀で気絶させて終わりでした」
アレクはどさりと男を目の前に放り投げるように落とし、アンの代わりに報告してくれる。
「ほーんと、あの夫婦は自分達がどれだけ人を惹きつけるのかわかってるんですかねー」
アンは、目の前で縄でぐるぐる巻きにされている男を見て、ため息をついた。
「旦那様はともかく、奥様はここがレッドフォード公爵家の暗部の者達が暮らす村だということもまだ、半信半疑ですからねぇ」
ダンが眉間の皺をもみほぐしながら言う。
「屋敷に戻る」
タニタは言葉少なに告げると、姿を消した。
「ほんとにタニアさんは奥様命ですね」
「まぁ、お子様を身ごもっているし、念には念を入れたいんだろう。だいたい、アンだって、奥様警護の争奪戦に参加して、専属護衛をしているじゃないか」
からかうように言うアンに、ダンが言葉を返す。
「奥様、見た目だけはいいですから! それだけですう!」
「まぁ、あの姿を見たら誰でもほだされるだろう。初めの印象が最悪だっただけにな……」
むきになるアンに、アンの恋人でもあるアレクがフォローしてくれる。アンの脳裏に、アイリーンがこの地にきてからのことがよぎる。
初めは、高位貴族の夫人が僻地に幽閉されたらこうなるだろうと予想されるような高慢でヒステリックな態度だった。静かなこの村で粛々と鍛錬したり、仕事の疲れを癒している面々は余分な仕事が増えたことに、はじめ不満だった。その分、給金を上乗せされたので、渋々、淡々とアイリーンの面倒を見た。
面倒くさいので、一線を越えると容赦なく薬を打った。予想外だったのは発狂した後に、生きる気力をなくしたことだ。ここにいる者達は人を大人しくさせたり、傷つけたり、時には殺すことには長けていたが、人を生かす術は知らない。
病気療養という名目だが、アイリーンのしたことは公爵家にとって許されざることであり、もし、アイリーンが衰弱して亡くなっても咎められることはないだろう。だが、なぜかそんなアイリーンが弱っていくのを見逃すことはできなかった。
ダンやタニアや神父の尽力で生きる力を取り戻したアイリーンはまるで別人のようだった。静かに穏やかに暮らすアイリーンの変化にこの村の者達は心動かされた。
アイリーンは自分は邸に仕える者から距離を取られていると勘違いしていたが、タニア以外にアイリーンの世話と護衛を専属でする侍女を決めるときには争奪戦となり、実力で勝ち取ったのがアンなのだ。
アイリーンがこの地に来て、ヒステリーを起こしたり発狂したり、死んだようにいきている間も、第二夫人であるアンジェリカの実家の侯爵家から暗殺者が次々に仕向けられてきて、高位貴族の闇を感じた。もちろん、全て返り討ちにして、暗殺者の首を毎回、侯爵家に送りつけたら、暗殺者が来ることはなくなった。
公爵家の暗部の者達が暮らす村ということは公表されていないので、商人や冒険者など、人との交流がまったくないわけではない。質素な格好をしていてもなお美しいアイリーンによからぬ思いを抱く者は後を絶たなかった。それは紆余曲折をへて、クリストファーが隣に夫としているようになっても変わらない。
「まー、退屈しなくていいっすけどねー」
「お子様が生まれたら、また大変そうだな……」
アレクが軽口をたたく横で、ダンがため息をつく。
「お二人の子どもだったら、超可愛いですよねー楽しみー。また専属護衛の争奪戦が起こりそうね!」
「まったく、アンは呑気でいいですね。まずは旦那様から鍛えなおしますか」
「ああ、そういえばこいつどうします?」
「ひんむいて、隣町の冒険者ギルドの前に転がしておいて下さい。うちの焼き印の入った布を巻いておけば通じるでしょう」
「はいはーい」
ダンからの指示を受けて、アレクが馬に荷物のように男を括りつけて、去って行く。
「さ、我々も配置に戻りますよ」
「はーい」
ダンの言葉にアンは軽い調子で言葉を返す。
「あんな姿を見ちゃったらね……」
年若く職務には忠実だが、余分な仕事はしない主義のアンがアイリーンの専属護衛に立候補した時は周りの者達も驚いていた。周りの者達に問われたら答えているように、アイリーンの外見はアンの好みの美しさだ。子どもの頃に読んだ絵本のお姫様にそっくりで、思わず守りたくなってしまうくらいに。
でも、アンを惹きつけてやまないのは、アイリーンの持つアンバランスさと不器用さだ。
美しい外見を持つのに、中身が醜悪で空っぽだった。激しい感情を露わにし、暴れ叫んだかと思ったら、生きる気力をなくした。なんとか生き延びて静かで慎ましやかになったと思ったら、夫に蹂躙され、それでもそれを受け入れられる器を示し、折れない図太さを見せる。体で繋がるのは平気なのに、少し心を許されると頬を染める。普段は太々しい態度を取るくせに、なにかの折りにはひどく脆く、自分の命を軽んじる。
「まー、タニアさんと私が付いてたら、簡単に死なせないけどね」
クリストファーの叔父にナイフを突きつけられた時に、指輪の毒を口に含んだ時には驚いた。アイリーンのクリストファーへの強い思いに。もちろん、指輪の毒はとうの昔に無害な物に入れ替えられていて、喉がヒリヒリするくらいの効果しかなかったのだけど。その一途な行為は、さらにこの村でアイリーンのファンを増やした。
クリストファーと共に暮らし、子どもを身ごもった今、もう自分を傷つける心配はなくなったけど、アンのアイリーンへの忠誠は変わらない。
「まったく世話が焼けるんだから」
アンは軽い足取りで、自分が一生仕えると決めた、美しくて、男の趣味が悪くて、毒舌で、大らかな愛すべき主人のもとへと帰って行った。
【sideアン end】
――――――――――――――――
「ダンさーん、今回はアタシ一人で余裕でしたー」
闇夜の中、ぶんぶんと手を振り、アンは通る声で告げた。騎士のアレクがぐるぐるに縄で巻かれた人とおぼしき物体を肩に担いで、アンの後ろから続く。
「ほう、今回も出番なし、ですか」
黒装束の家令のダンが大刀を下ろしてつぶやく。同じく黒装束のタニアもどこからか姿を現した。弓を構えて警戒していたのだろう。
「最近、小物ばっかっすね。次から次へと虫のように湧いてくるなー。たぶんただの冒険者風情で奥様に懸想してつけまわしていただけっぽいっすよ。隙だらけで、アンが手刀で気絶させて終わりでした」
アレクはどさりと男を目の前に放り投げるように落とし、アンの代わりに報告してくれる。
「ほーんと、あの夫婦は自分達がどれだけ人を惹きつけるのかわかってるんですかねー」
アンは、目の前で縄でぐるぐる巻きにされている男を見て、ため息をついた。
「旦那様はともかく、奥様はここがレッドフォード公爵家の暗部の者達が暮らす村だということもまだ、半信半疑ですからねぇ」
ダンが眉間の皺をもみほぐしながら言う。
「屋敷に戻る」
タニタは言葉少なに告げると、姿を消した。
「ほんとにタニアさんは奥様命ですね」
「まぁ、お子様を身ごもっているし、念には念を入れたいんだろう。だいたい、アンだって、奥様警護の争奪戦に参加して、専属護衛をしているじゃないか」
からかうように言うアンに、ダンが言葉を返す。
「奥様、見た目だけはいいですから! それだけですう!」
「まぁ、あの姿を見たら誰でもほだされるだろう。初めの印象が最悪だっただけにな……」
むきになるアンに、アンの恋人でもあるアレクがフォローしてくれる。アンの脳裏に、アイリーンがこの地にきてからのことがよぎる。
初めは、高位貴族の夫人が僻地に幽閉されたらこうなるだろうと予想されるような高慢でヒステリックな態度だった。静かなこの村で粛々と鍛錬したり、仕事の疲れを癒している面々は余分な仕事が増えたことに、はじめ不満だった。その分、給金を上乗せされたので、渋々、淡々とアイリーンの面倒を見た。
面倒くさいので、一線を越えると容赦なく薬を打った。予想外だったのは発狂した後に、生きる気力をなくしたことだ。ここにいる者達は人を大人しくさせたり、傷つけたり、時には殺すことには長けていたが、人を生かす術は知らない。
病気療養という名目だが、アイリーンのしたことは公爵家にとって許されざることであり、もし、アイリーンが衰弱して亡くなっても咎められることはないだろう。だが、なぜかそんなアイリーンが弱っていくのを見逃すことはできなかった。
ダンやタニアや神父の尽力で生きる力を取り戻したアイリーンはまるで別人のようだった。静かに穏やかに暮らすアイリーンの変化にこの村の者達は心動かされた。
アイリーンは自分は邸に仕える者から距離を取られていると勘違いしていたが、タニア以外にアイリーンの世話と護衛を専属でする侍女を決めるときには争奪戦となり、実力で勝ち取ったのがアンなのだ。
アイリーンがこの地に来て、ヒステリーを起こしたり発狂したり、死んだようにいきている間も、第二夫人であるアンジェリカの実家の侯爵家から暗殺者が次々に仕向けられてきて、高位貴族の闇を感じた。もちろん、全て返り討ちにして、暗殺者の首を毎回、侯爵家に送りつけたら、暗殺者が来ることはなくなった。
公爵家の暗部の者達が暮らす村ということは公表されていないので、商人や冒険者など、人との交流がまったくないわけではない。質素な格好をしていてもなお美しいアイリーンによからぬ思いを抱く者は後を絶たなかった。それは紆余曲折をへて、クリストファーが隣に夫としているようになっても変わらない。
「まー、退屈しなくていいっすけどねー」
「お子様が生まれたら、また大変そうだな……」
アレクが軽口をたたく横で、ダンがため息をつく。
「お二人の子どもだったら、超可愛いですよねー楽しみー。また専属護衛の争奪戦が起こりそうね!」
「まったく、アンは呑気でいいですね。まずは旦那様から鍛えなおしますか」
「ああ、そういえばこいつどうします?」
「ひんむいて、隣町の冒険者ギルドの前に転がしておいて下さい。うちの焼き印の入った布を巻いておけば通じるでしょう」
「はいはーい」
ダンからの指示を受けて、アレクが馬に荷物のように男を括りつけて、去って行く。
「さ、我々も配置に戻りますよ」
「はーい」
ダンの言葉にアンは軽い調子で言葉を返す。
「あんな姿を見ちゃったらね……」
年若く職務には忠実だが、余分な仕事はしない主義のアンがアイリーンの専属護衛に立候補した時は周りの者達も驚いていた。周りの者達に問われたら答えているように、アイリーンの外見はアンの好みの美しさだ。子どもの頃に読んだ絵本のお姫様にそっくりで、思わず守りたくなってしまうくらいに。
でも、アンを惹きつけてやまないのは、アイリーンの持つアンバランスさと不器用さだ。
美しい外見を持つのに、中身が醜悪で空っぽだった。激しい感情を露わにし、暴れ叫んだかと思ったら、生きる気力をなくした。なんとか生き延びて静かで慎ましやかになったと思ったら、夫に蹂躙され、それでもそれを受け入れられる器を示し、折れない図太さを見せる。体で繋がるのは平気なのに、少し心を許されると頬を染める。普段は太々しい態度を取るくせに、なにかの折りにはひどく脆く、自分の命を軽んじる。
「まー、タニアさんと私が付いてたら、簡単に死なせないけどね」
クリストファーの叔父にナイフを突きつけられた時に、指輪の毒を口に含んだ時には驚いた。アイリーンのクリストファーへの強い思いに。もちろん、指輪の毒はとうの昔に無害な物に入れ替えられていて、喉がヒリヒリするくらいの効果しかなかったのだけど。その一途な行為は、さらにこの村でアイリーンのファンを増やした。
クリストファーと共に暮らし、子どもを身ごもった今、もう自分を傷つける心配はなくなったけど、アンのアイリーンへの忠誠は変わらない。
「まったく世話が焼けるんだから」
アンは軽い足取りで、自分が一生仕えると決めた、美しくて、男の趣味が悪くて、毒舌で、大らかな愛すべき主人のもとへと帰って行った。
【sideアン end】
5
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる