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2 夫と再会した後の私のそれから
14 好きとか愛とかってなんだろう?
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「ねぇ、アン好きってどういう気持ち?」
「は? 奥様なんなんですか? 唐突に……」
「だって、アンと騎士のアレクってつきあってるんでしょう?」
「前から思ってたんですけど、なんで奥様は私がアレクとつきあってることを知ってるんですか? 別に隠してないですけど、奥様の前でつきあっているそぶりを見せたことないですよね?」
「うーん、学生時代にね、妹を見ていた男の子の目とね、アレクがアンを見る目が一緒だったから。なんか愛おしそうに大事そうに見てるのよね。今更、ちょっとそういうのうらやましいな、なんて思うのよね……。もう、私には望めない話なんだけど。人の話を聞くくらいいいかなって思って……」
「……そうなんだ。奥様鈍いのかと思ってたら、意外と人のこと見てるんですね。奥様だって、この先、想い想われる関係を築けるかもしれないじゃないですか! まだ、諦めないでくださいよ!」
「大丈夫よ。そんな贅沢望める存在じゃないって自分でわかってるから……」
一昨日は、母の墓参り。昨日は、第二夫人のアンジェリカの来襲。立て続けに起きた出来事に疲れてしまって出かける気にもならず、アンとパン作りをしているところだ。一人でいると暗い方へと思考が傾いて行ってしまうので、アンと軽いおしゃべりをしながら作業をするのはいい気分転換になった。
今更だけど、自分が妹のマルティナみたいに清らかな真人間だったら良かったのにと思う。自分はなんでこんなにたくさんの過ちを犯さないとその事実に気づけなかったのだろう。そうしたら愛し愛されるあたたかい関係を築けたのかもしれないのに。それどころか、今の自分は相思相愛になれたかもしれないクリストファーとアンジェリカの関係を壊した悪役だ。
このパンだって、誰を思って焼いているのだろう? もう求めてはいけないと思うのに、クリストファーに求められるときっと拒むことはアイリーンにはできない。
「ご当主様と奥様もまー……ご事情は複雑ですけど、一応想い想われてる関係ってやつじゃないんですか? 私だったら、一度でも暴力を振るわれたら嫌だし、あんな上からものを言う人なんて願い下げですけどね」
「あのね、アン。私、わかったの。クリストファーは私を想っているわけじゃなかったのよ。男の性で発散させているだけなのよ」
「は? それ、どこ情報ですか?」
「だって、図書室の隅の棚に置いてあった小説にそう書いてあったんだもの……」
「あ――――――! ……それはおそらくタニアの蔵書ですね……」
「申し訳ありません。奥様が図書室で小説の棚を見るとは思わずに……あれはあくまで小説ですから!」
「タニアさん、なんの小説を読んでるんですか?」
「ごめんなさい、タニアの本だったのね……あまりにも恋愛とか閨事に疎いから小説でも読んで勉強しようと思って……」
アンとパンを捏ねながら話していると、その会話を聞いていたダンが大きな声を出す。いつも冷静なタニアも慌てたように、フォローする。ダンとタニアの慌てた様子に、アイリーンはなんだか申し訳ない気持ちになった。
あまり文字の多い本は好きではなかったが、恋愛や時には閨事についてまで書かれている小説はおもしろかった。恋愛小説の主人公は大抵、妹のマルティナのように健気で心の美しい娘だった。相手役は、知的だったり、粗野だったり、色々な人物像が描かれていた。アイリーンのような女は、相手役や悪役なんかに利用されて、体をもてあそばれて捨てられていた。アイリーンは最近の出来事と読んだ恋愛小説で、自分が主役になる日はないことを悟った。
「クッキー作りよりは向いている気がするわ!」
パンは発酵させないといけないので時間はかかるが、ちまちまとした作業をするクッキー作りよりアイリーンには向いている気がした。パンが焼けるのを待つ間、台所の片隅で紅茶を飲んで休憩する。
「んー、いい香りですね。今日はパン作りですか? クズなご当主様のために練習してるんですか?」
「そういうわけじゃないわよ……」
「あ、できたら僕はコーヒーが飲みたいなぁ」
ひょっこり現れた神父は、アイリーンの隣に椅子を持ってきて腰掛ける。傍らに控えるアンにちゃっかり飲み物のリクエストまでしている。いつもは黙って紅茶を飲んでいたが、コーヒーの方が好きなのだろうか? コーヒーを入れるのには豆を挽かなければいけないので、少し手間がかかる。
「ん。これで少しは時間かせぎができるかな?」
アイリーンにぴったり寄せるように座る神父の距離感に、驚いて少し身を引いた。
「ねぇ、奥様そんなに苦しいなら僕と逃げませんか? 僕、国外に伝手があるんです。どうです? ご当主様の隣に堂々と立てる日は来ないんでしょう? いくら想っても日蔭の立場だ。苦しくて苦しくて、限界なんじゃないですか? あなたにだって、幸せになる権利はある」
青ざめるアイリーンの手を握って、真剣な目をして言う。自分の手を抜こうとしても、意外と重ねられた手が力強くて、引き抜けない。
「一体、なにを言っているの? だから、私は公爵家のもので、クリストファーの物なの。私がどう思おうとも」
「僕ね、クリストファーの叔父と国外のやんごとなき身分の方との隠し子なんです。だから、僕があなたを攫っても、公爵家は何も言いませんよ。これまで文句も言わず公爵家の影として働いてきたんです。これぐらいのご褒美をもらっても、いいじゃないですか」
「それでも、行かない。あなたに私みたいなクズはもったいないし、あなたはこの村を大事に思っている。この村を捨てることなんてできない。私の事、見るに見かねてくれたんでしょ? ありがとう。気持ちだけもらっておくわ」
「……振られるなんて初めてだな。任務でも失敗したことないのに」
アイリーンの返事に、神父は苦笑いをして手を離してくれた。いつもの軽い調子に戻った神父に、アイリーンはほっとした。
ガンッ。アイリーンと神父の間を割くように、コーヒーカップが置かれた。
「まったく。公爵家の血筋ってなんで、こう手が早いんですかね。奥様に手を出そうなんて百年早いんですよ」
「口説くくらいいいじゃないですか」
「アン、気にしなくていいのよ。本気じゃないから。だって、神父様の恋愛対象は男性なんだもの。でも、本当に公爵家って複雑よね……」
海外を放浪していたクリストファーの叔父とはアイリーンは面識はないが、若い頃は相当好き勝手していたらしい。どうりで神父とクリストファーは面影が似ているわけだ。それでも、掴まれた手はクリストファーとは違っていた。二人とも鍛えている人独特の皮膚の厚いごつごつした感触は同じだが、神父の体温はクリストファーより高い。叔父に内緒で彼を生んだ母親が訳あって彼を育てることができず、相談された叔父がこの村の孤児院に彼を預けたらしい。神父が成人した折にレッドフォード公爵家の籍に入るか、公爵家の暗部として働き、この村で暮らすか、選択を迫られて、こちらで暮らすことを選択したらしい。クリストファーの叔父は海外を放浪していたが、帰国して最近は公爵家の本宅に戻って、クリストファーの補佐を真面目にしているようだ。なんでもないことのように重い生い立ちを語り、涼し気な顔でコーヒーを飲む神父の顔をちらりと見る。
「あのね、申し出を断っておきながら図々しいんだけど、一つお願いがあって……」
「なんでしょう? 奥様のお願いならなんなりと」
「私がクリストファーに捨てられたら、孤島の修道院を紹介してほしいの」
「それはできないお願いですねぇ。その時は僕が慰めてあげますから、大丈夫ですよ」
「奥様、どこへ行こうとも着いて行きますからね!」
「え? アンは着いてきちゃダメよ」
「だったら、奥様もこの村に居てください。もし、クズなご当主様に捨てられても、この村で皆で楽しく生きていけばいいんです」
アイリーンは自分で自分の生を終わらせることも、自ら修道院に行くこともできない。クリストファーに求められる限りはこの地にしがみついてしまうだろう。でも、クリストファーに捨てられた時には、きっと思い出の多いこの地にはいられないだろう。でも、過保護でアイリーンを甘やかす周りの存在がそれを許してくれそうにない。苦しくても苦しくても、この村で生きていくしかアイリーンには選択肢はないのかもしれない。
「は? 奥様なんなんですか? 唐突に……」
「だって、アンと騎士のアレクってつきあってるんでしょう?」
「前から思ってたんですけど、なんで奥様は私がアレクとつきあってることを知ってるんですか? 別に隠してないですけど、奥様の前でつきあっているそぶりを見せたことないですよね?」
「うーん、学生時代にね、妹を見ていた男の子の目とね、アレクがアンを見る目が一緒だったから。なんか愛おしそうに大事そうに見てるのよね。今更、ちょっとそういうのうらやましいな、なんて思うのよね……。もう、私には望めない話なんだけど。人の話を聞くくらいいいかなって思って……」
「……そうなんだ。奥様鈍いのかと思ってたら、意外と人のこと見てるんですね。奥様だって、この先、想い想われる関係を築けるかもしれないじゃないですか! まだ、諦めないでくださいよ!」
「大丈夫よ。そんな贅沢望める存在じゃないって自分でわかってるから……」
一昨日は、母の墓参り。昨日は、第二夫人のアンジェリカの来襲。立て続けに起きた出来事に疲れてしまって出かける気にもならず、アンとパン作りをしているところだ。一人でいると暗い方へと思考が傾いて行ってしまうので、アンと軽いおしゃべりをしながら作業をするのはいい気分転換になった。
今更だけど、自分が妹のマルティナみたいに清らかな真人間だったら良かったのにと思う。自分はなんでこんなにたくさんの過ちを犯さないとその事実に気づけなかったのだろう。そうしたら愛し愛されるあたたかい関係を築けたのかもしれないのに。それどころか、今の自分は相思相愛になれたかもしれないクリストファーとアンジェリカの関係を壊した悪役だ。
このパンだって、誰を思って焼いているのだろう? もう求めてはいけないと思うのに、クリストファーに求められるときっと拒むことはアイリーンにはできない。
「ご当主様と奥様もまー……ご事情は複雑ですけど、一応想い想われてる関係ってやつじゃないんですか? 私だったら、一度でも暴力を振るわれたら嫌だし、あんな上からものを言う人なんて願い下げですけどね」
「あのね、アン。私、わかったの。クリストファーは私を想っているわけじゃなかったのよ。男の性で発散させているだけなのよ」
「は? それ、どこ情報ですか?」
「だって、図書室の隅の棚に置いてあった小説にそう書いてあったんだもの……」
「あ――――――! ……それはおそらくタニアの蔵書ですね……」
「申し訳ありません。奥様が図書室で小説の棚を見るとは思わずに……あれはあくまで小説ですから!」
「タニアさん、なんの小説を読んでるんですか?」
「ごめんなさい、タニアの本だったのね……あまりにも恋愛とか閨事に疎いから小説でも読んで勉強しようと思って……」
アンとパンを捏ねながら話していると、その会話を聞いていたダンが大きな声を出す。いつも冷静なタニアも慌てたように、フォローする。ダンとタニアの慌てた様子に、アイリーンはなんだか申し訳ない気持ちになった。
あまり文字の多い本は好きではなかったが、恋愛や時には閨事についてまで書かれている小説はおもしろかった。恋愛小説の主人公は大抵、妹のマルティナのように健気で心の美しい娘だった。相手役は、知的だったり、粗野だったり、色々な人物像が描かれていた。アイリーンのような女は、相手役や悪役なんかに利用されて、体をもてあそばれて捨てられていた。アイリーンは最近の出来事と読んだ恋愛小説で、自分が主役になる日はないことを悟った。
「クッキー作りよりは向いている気がするわ!」
パンは発酵させないといけないので時間はかかるが、ちまちまとした作業をするクッキー作りよりアイリーンには向いている気がした。パンが焼けるのを待つ間、台所の片隅で紅茶を飲んで休憩する。
「んー、いい香りですね。今日はパン作りですか? クズなご当主様のために練習してるんですか?」
「そういうわけじゃないわよ……」
「あ、できたら僕はコーヒーが飲みたいなぁ」
ひょっこり現れた神父は、アイリーンの隣に椅子を持ってきて腰掛ける。傍らに控えるアンにちゃっかり飲み物のリクエストまでしている。いつもは黙って紅茶を飲んでいたが、コーヒーの方が好きなのだろうか? コーヒーを入れるのには豆を挽かなければいけないので、少し手間がかかる。
「ん。これで少しは時間かせぎができるかな?」
アイリーンにぴったり寄せるように座る神父の距離感に、驚いて少し身を引いた。
「ねぇ、奥様そんなに苦しいなら僕と逃げませんか? 僕、国外に伝手があるんです。どうです? ご当主様の隣に堂々と立てる日は来ないんでしょう? いくら想っても日蔭の立場だ。苦しくて苦しくて、限界なんじゃないですか? あなたにだって、幸せになる権利はある」
青ざめるアイリーンの手を握って、真剣な目をして言う。自分の手を抜こうとしても、意外と重ねられた手が力強くて、引き抜けない。
「一体、なにを言っているの? だから、私は公爵家のもので、クリストファーの物なの。私がどう思おうとも」
「僕ね、クリストファーの叔父と国外のやんごとなき身分の方との隠し子なんです。だから、僕があなたを攫っても、公爵家は何も言いませんよ。これまで文句も言わず公爵家の影として働いてきたんです。これぐらいのご褒美をもらっても、いいじゃないですか」
「それでも、行かない。あなたに私みたいなクズはもったいないし、あなたはこの村を大事に思っている。この村を捨てることなんてできない。私の事、見るに見かねてくれたんでしょ? ありがとう。気持ちだけもらっておくわ」
「……振られるなんて初めてだな。任務でも失敗したことないのに」
アイリーンの返事に、神父は苦笑いをして手を離してくれた。いつもの軽い調子に戻った神父に、アイリーンはほっとした。
ガンッ。アイリーンと神父の間を割くように、コーヒーカップが置かれた。
「まったく。公爵家の血筋ってなんで、こう手が早いんですかね。奥様に手を出そうなんて百年早いんですよ」
「口説くくらいいいじゃないですか」
「アン、気にしなくていいのよ。本気じゃないから。だって、神父様の恋愛対象は男性なんだもの。でも、本当に公爵家って複雑よね……」
海外を放浪していたクリストファーの叔父とはアイリーンは面識はないが、若い頃は相当好き勝手していたらしい。どうりで神父とクリストファーは面影が似ているわけだ。それでも、掴まれた手はクリストファーとは違っていた。二人とも鍛えている人独特の皮膚の厚いごつごつした感触は同じだが、神父の体温はクリストファーより高い。叔父に内緒で彼を生んだ母親が訳あって彼を育てることができず、相談された叔父がこの村の孤児院に彼を預けたらしい。神父が成人した折にレッドフォード公爵家の籍に入るか、公爵家の暗部として働き、この村で暮らすか、選択を迫られて、こちらで暮らすことを選択したらしい。クリストファーの叔父は海外を放浪していたが、帰国して最近は公爵家の本宅に戻って、クリストファーの補佐を真面目にしているようだ。なんでもないことのように重い生い立ちを語り、涼し気な顔でコーヒーを飲む神父の顔をちらりと見る。
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「え? アンは着いてきちゃダメよ」
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アイリーンは自分で自分の生を終わらせることも、自ら修道院に行くこともできない。クリストファーに求められる限りはこの地にしがみついてしまうだろう。でも、クリストファーに捨てられた時には、きっと思い出の多いこの地にはいられないだろう。でも、過保護でアイリーンを甘やかす周りの存在がそれを許してくれそうにない。苦しくても苦しくても、この村で生きていくしかアイリーンには選択肢はないのかもしれない。
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