【完結】私は生きていてもいいのかしら? ~三姉妹の中で唯一クズだった私~【R18】

紺青

文字の大きさ
上 下
25 / 46
2 夫と再会した後の私のそれから

11 小人の妖精が願いを叶える夜

しおりを挟む
 「奥様ぁ、本当に出かけなくていいんですか? せっかく可愛い格好してるのに」
 「えっ? だって、毎年お祭りの日は家に籠ってるじゃない」
 「よかったら、私とアレクと一緒に回りません? 奥様の好きそうなお菓子の屋台とかも出てますよ」
 「いいわ。私が出かけるとなると護衛だとかなんだとかみんな大変になるし。せっかくの恋人同士のデートを邪魔したりしないわよ。ご飯も簡単なものでいいし、最低限の護衛とかがいれば、私は大丈夫だから皆にも楽しむように伝えてちょうだい」
 王都で社交シーズンが始まってもこの村では特に変わりはない。ただ、神出鬼没に現れていたクリストファーがぱったり来なくなっただけだ。クリストファーが訊ねてくる前の生活にアイリーンは戻った。教会や孤児院の手伝いをして、聖歌隊の皆と歌の練習をする。ただ、どこか沈み込みがちなアイリーンをアンは気遣ってくれたのだろう。周りの者に気を使わせるようでは主人失格だ。アイリーンは努めて明るい調子で言った。

 村は年に一度のお祭りの日だ。いつもは淡々としていて静かな村人達だが年に一度のお祭りの日はどこか浮かれたような空気が漂う。この日は小人の妖精が現れる日と言い伝えられていて、ささやかな願いを叶えてくれるという。数週間前から村のそこかしこに小人の人形が飾り付けられている。このあたりでは有名な風物詩で、普段あまり外界と交流のないこの村にも多くの観光客が訪れる。「こんな日くらい腕を奮わせてください」と言うアンに押し切られて、だいぶ前にクリストファーから贈られた薄いピンク色のワンピースを着ている。出掛ける事もないのに、薄く化粧もしてくれて、髪の毛も可愛くアレンジしてくれている。

 「タニアやダンも、今日くらい楽しんでこればいいんじゃない?」
 「いえ、賑やかなのはタニアは苦手でしてね。例年通り、庭でキャンドルでも灯してゆっくりご飯でも食べましょう」
 ダンの言葉にタニアも頷いている。使用人達の気づかいで屋敷も可愛く飾りつけられ、そこかしこに小人の人形が顔をのぞかせている。
 「ありがとう。それなら、お言葉に甘えるわ。アンも若いんだから楽しんでらっしゃいよ」
 「わかりました。奥様もよい夜を。なにかおいしそうなものがあったら、お土産買ってくるんで」
 アンはどこか後ろ髪ひかれるような様子でいたけど、恋人で騎士であるアレクに声を掛けられると出かけて行った。

 ダンが庭に設置されたコンロで野菜や肉を焼いてくれる。ダンはこういった特別な日などにこうして料理を振る舞ってくれる。初めて見た時はその調理方法に驚いたけど、慣れた今ではアイリーンも大きく口を開けて、料理にかぶりつく。
 「ははは、いい食べっぷりですな」
 キャンドルの炎が優しく灯る中で、ダンとタニアとゆっくりと料理を楽しんだ。いつもは控えているワインを一杯だけ飲んだ。アイリーンは十分に満たされていて幸せなのだから、これ以上を求めてはいけない。自分を戒める。

 食後のお茶を楽しんでいると、ダンがおもむろに季節の果物の乗ったタルトを用意してくれた。
 「え? ケーキ? すごい! どうやって用意したの?」
 「旦那さまからの差し入れです。正確に言うと近くの街で調達するよう指示されたんです。さすがに鳥もケーキは運べません」
 「クリストファーから?」
 「ええ。メッセージカードもついていますよ」

 『良い夜を。私への感謝を忘れるな。 C』
 こんな日でも、相変わらず尊大さがうかがえるメッセージにアイリーンは思わず笑ってしまう。
 「本当にマメねぇ……」
 こんな夜くらい忘れさせてくれればいいのに……少し切ない思いに浸りながら、味わってタルトを食べる。瑞々しい果物が口の中ではじける。果物と甘いカスタードとサクサクのタルト生地を存分に味わった。

 「まったく、罪な男ですねぇ」
 どこからか現れたのか神父が隣からアイリーンの持つメッセージカードを覗き込む。神父といい、クリストファーといい、気配もなく突然現れるので、アイリーンはあまり驚かなくなった。神父はレッドフォード公爵家に縁のある人らしく、この邸にも出入り自由なようで、諫める人は誰もいない。

 「神父様は、お祭りはいいんですか?」
 「ええ、僕も賑やかなのはちょっと苦手でね」
 「神父様も御一ついかがですか?」
 「お言葉に甘えて、ご相伴にあずかりましょう」
 ダンがアイリーンの隣の席を整えて、神父の分のタルトを用意する。タニアが皆の分の紅茶を淹れなおしてくれた。

 「奥様はこんな賑やかな夜に一人でさみしくないですか?」
 「大丈夫よ。タニアとダンも一緒にいてくれるし」
 「ご当主様にも会えないし、人恋しくなったりしませんか?」
  ゆらゆらと炎が揺れるキャンドルごしに神父が妖艶な流し目で問いかけてくる。
 「別に。私は一人で大丈夫」
 「本当に? さみしくなったらいつでも慰めてあげますよ」
 アイリーンが閨事を知ったせいか、神父のいつもの軽い言葉が卑猥な響きに聞こえて頬を赤くして、首を横に振る。
 「ごめんなさい。疲れてしまって。私はもう部屋にいくわ。神父様はゆっくりしていって下さい」
 「そうですか……それは残念ですね」
 さみしくないなんて嘘だ。人恋しいけど、アイリーンが求めるのはクリストファーだけだ。一週間に一度だって足りない。あのぬくもりが本当は毎晩欲しい。でも、アイリーンにはそれを求める権利などない。一人寂しく生きていくのだ。社交シーズンが終わってもクリストファーは来ないかもしれない。アンジェリカとの仲が修復するかもしれないし、アイリーンより若くて可愛くてスタイルもいい子を捕まえてそちらに夢中になっているかもしれない。

 所々にキャンドルが灯されて、飾りつけられた廊下でアイリーンは立ち尽くした。なんとか部屋まで我慢しなくちゃ、と思うのに涙がこみ上げてきて止まらなくなってしまう。やはりお酒を飲むべきではなかった。いつもより自分の感情をコントロールできない。子どものように声をあげて泣き出したアイリーンをタニアは静かに見守った。タニアの大きくて筋ばった手が背中をやさしく撫でてくれる感触がする。なんで、アイリーンはこんなにも温かく自分に寄り添ってくれる人がいるのに、ここにいない人を求めてしまうんだろう? クリストファーと婚約している時は人の称賛ばかりを求めたくせに、今はクリストファーを求めるなんて自分はなんてひどい人間なんだろう。

 「アイリーン、どうした? どこか痛いのか?」
 一瞬、会いたいと思った自分の見せる幻想かと思った。後ろにダンと侍従を引き連れたクリストファーが正面から足早に歩いてくる。まだ涙の残るアイリーンの頬を両手でクリストファーが包む。

 「なにかあったのか?」
 あまりの驚きに涙も引いて、ただクリストファーの疲労の残る顔を見つめる。顔を横に振った。クリストファーの瞳に本当にアイリーンを慮っている気配を感じて、アイリーンの瞳からまた涙が滲んでくる。

 「タルトはお気に召さなかったのか?」
 「おいしかった。ありがとう」
 目線を合わせないアイリーンの頬をクリストファーは優しく撫で続ける。
 「公爵領でちょっとトラブルがあって、こっちに来たついでに寄ってみたんだ。すぐに出ないと行けないけど……。アイリーン、本当に大丈夫なのか? 私が贈ったワンピースを着ているのか? なかなか似合ってるじゃないか」
 「……うううぅ―――」
 「なんだなんだ。そんなに私に会えてうれしいのか?」
 我慢できずに泣きだしたアイリーンを、クリストファーはただ抱きしめてくれた。その感触にアイリーンは身を任せた。再会したときのように蹂躙して慰みものにして、物のように扱ってくれたらいいのに。こんな風に優しくしないでほしい。『今日はこの別宅に泊まって行けばいいのに』そんな言葉が口から出そうになる。幽閉した第一夫人にしょっちゅう会いに来ているだけでも問題なのに、泊まることなんてできないだろう。クリストファーはアイリーンが泣き止むまで、ただ黙って抱きしめていてくれた。

 「明後日くらいに、帰り路にもまた寄れたら寄るから」
 別れの挨拶にしては深いキスをするとクリストファーは去って行った。こんな夜に会うためだけに来てくれるなんて、普通にクリストファーに愛されているような錯覚をしてしまう。きっと自分は障害がある状態に酔っているだけなんだろう。叶わない、だからこそ求めてしまうのだろう。その日の夜は久々になかなか寝付けなかった。

◇◇

 翌日も、その次の日もアイリーンは一日中そわそわしていた。来るかも、でも、来れないかも……心が揺ら揺ら揺れる。

 「アイリーン」
 庭でぼんやり花を見つめていると、後ろから抱きしめられる。抱きしめられたまま、振り返って斜め上にあるクリストファーの顔を見ると、ひどく疲れた様子だ。また、アイリーンに会うために無理をしたのだろうか?

 「さすがに疲れた。アイリーン、膝枕して」
 おとなしく近くのベンチに座り膝を貸す。クリストファーの侍従が暖かそうな上掛けをもってきて、クリストファーにそっとかける。
 「アイリーン、歌って」
 「え? ここで? 今?」
 「うん。なんでもいい。いや、この前教会で歌ってたやつがいい」
 「最近、あんまり練習してないんだけど……」
 クリストファーが会いに来なくなってから、少し家に引きこもりがちになっていた。以前はあんなに楽しかった歌の練習にもあまり身が入らない。恥ずかしいけど、恐る恐る歌いはじめる。歌い始めるとその世界に没頭して、夢中になって歌った。こころなしか、クリストファーの眉間の皺が少しゆるんだ気がする。アイリーンが歌っているうちにクリストファーは眠ってしまったようだ。この時間がずっと続けばいいのに……、今日も綺麗に晴れ渡っている空を眺める。歌い終わった後もクリストファーのサラサラの髪を撫で続けた。

◇◇

 『お前の歌も極上だ。 C』
 予定していなかった訪問なのに、やはり翌日にはクリストファーからメッセージカードが届いた。アイリーンは誰から褒められるよりもうれしかった。自分の歌にクリストファーを少しでも癒す力があるなら、とまた歌の練習に励むようになった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!

夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。 しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。 ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。 愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。 いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。 一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ! 世界観はゆるいです! カクヨム様にも投稿しております。 ※10万文字を超えたので長編に変更しました。

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない

ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。 ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。 ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。 ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています

水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。 森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。 公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。 ◇画像はGirly Drop様からお借りしました ◆エール送ってくれた方ありがとうございます!

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】 私には婚約中の王子がいた。 ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。 そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。 次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。 目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。 名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。 ※他サイトでも投稿中

助けた青年は私から全てを奪った隣国の王族でした

Karamimi
恋愛
15歳のフローラは、ドミスティナ王国で平和に暮らしていた。そんなフローラは元公爵令嬢。 約9年半前、フェザー公爵に嵌められ国家反逆罪で家族ともども捕まったフローラ。 必死に無実を訴えるフローラの父親だったが、国王はフローラの父親の言葉を一切聞き入れず、両親と兄を処刑。フローラと2歳年上の姉は、国外追放になった。身一つで放り出された幼い姉妹。特に体の弱かった姉は、寒さと飢えに耐えられず命を落とす。 そんな中1人生き残ったフローラは、運よく近くに住む女性の助けを受け、何とか平民として生活していた。 そんなある日、大けがを負った青年を森の中で見つけたフローラ。家に連れて帰りすぐに医者に診せたおかげで、青年は一命を取り留めたのだが… 「どうして俺を助けた!俺はあの場で死にたかったのに!」 そうフローラを怒鳴りつける青年。そんな青年にフローラは 「あなた様がどんな辛い目に合ったのかは分かりません。でも、せっかく助かったこの命、無駄にしてはいけません!」 そう伝え、大けがをしている青年を献身的に看護するのだった。一緒に生活する中で、いつしか2人の間に、恋心が芽生え始めるのだが… 甘く切ない異世界ラブストーリーです。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

処理中です...