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2 夫と再会した後の私のそれから
6 意味がなかった伝言
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「だから、なんで空色なんですかってこと……」
パチンっときれいな空色をした平ぺったい円形をした小さなガラス玉をアイリーンは指ではじく。今回の訪問の翌日にダンから渡されたクリストファーの贈り物は、異国のおはじきというガラス玉だった。小さな平ぺったい円形のガラス玉はキラキラしていて透き通っていて見ているだけでも美しい。陣地を決めて、指ではじいて、他のガラス玉に当てて、はじき出したりして遊ぶらしい。
開封した直後は、太陽の光に当てて透かしたり、眺めたり、そのツルツルの手触りを楽しんでみたり、遊び方をダンに教わって一人ではじいてみたりした。でも、一人で遊ぶのにも限界がある。数日も経つとさすがに飽きてきて、アイリーンは恨めしそうにクリストファーの瞳を思わせる空色のおはじきを眺めた。
「あ……そういえば……」
アイリーンは自分の下腹部をさすった。元々アイリーンの月のものは不規則だった。それが今朝から出血している。前回クリストファーが来てから五日が経っている。クリストファーの目的はアイリーンと閨事をすることだろうから、クリストファーに知らせてもらわないといけない。流石に、月のものの最中まで求めてくることはないだろうが、ここまで来て無駄足というのも申し訳ない。
タニアに伝えると、一緒に村の外れへと向かった。村の外れには物見台のような古くて高い塔が建っていた。石造りの塔は、その風情から長い年月を感じさせた。
「奥様、階段が狭くて急で長いですが、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。だいぶ体力もついたもの」
タニアが、ギィっと軋むような音のする扉をあけると、らせん状に石の階段がずっと上方まで続いている。タニアは、ゆっくり階段を登るアイリーンの後ろに控えて、急かすこともなく付いて来てくれる。
もうさすがに無理かも、汗ばんだアイリーンが思った頃にようやく塔のてっぺんの部屋にたどり着いた。部屋の外にまで、鳥達がぽっぽ、クルーという声や羽ばたきをする音が聞こえてくる。
「奥様、鳥がたくさんいます。大声をあげたり、大きな動作をしないように」
タニアの言葉に、アイリーンはただ頷いた。
タニアが扉を一つ開けて一旦その扉を閉める。そして、中にあるもう一つの扉を開くと、そこには大小さまざまな鳥達がいて、ダンがエサや水をやっているところだった。
「うわー、いっぱいいるのねぇ……これがクリストファーの言っていた鳥ね……」
「おやおや、誰かと思えば奥様でしたか。気分転換ですか?」
「えーと、そろそろクリストファーが来る頃かなって思って……。彼に伝言をお願いしたいの……」
「こちらの封書をクリストファー様の秘書、あなたの弟宛で送って欲しいの。アイリーン様の名前は書いていないし、内容は他人が読んでもわからないようになっている」
「承知いたしましたよ」
ダンにどう説明しようかともじもじするアイリーンの横からタニアがすっと一通の封筒を差し出す。ダンは恭しく封筒を受け取ると、それ以上追及することはなかった。
鳥達のいた塔を後にすると、王都の方へ向けてだろうか一羽の鳥が羽ばたいていった。鳥を用いるのはレッドフォード公爵家独特の通信手段だと教えてもらった。公爵夫人になりそこなったアイリーンには教えてもらえなかったのだろう。青空を気持ちよさそうに一直線に飛んでいく鳥の姿が見えなくなるまで、アイリーンはタニアと見送った。
「鳥の世話はダンの仕事ではないのですがね。あの人は生き物が好きで暇さえあれば、鳥達をかまっているんですよ」
呆れたようにタニアがつぶやく。呆れれながらもそんな夫を見守るような感情を拾って、アイリーンの心が少し温まる。アイリーンとクリストファーも夫婦なのに、そんな関係性を築くことができなかったなと少し苦いことを思いながら。
◇◇
翌日、本格的に出血があり、下腹も少し痛むので、アイリーンは朝からベッドの中でまどろんでいた。
「アイリーン、大丈夫か?」
断りもなくベッドの天蓋のカーテンを引いて、クリストファーが現れた。
「え? あの手紙は届かなかったの?」
「受け取った。アイリーンは月のものが来たのだろう。だからなんだ?」
「だから、そのさすがに相手できないし……クリストファーが来る意味がないでしょう?」
「意味があるのか、ないのかは私が決める」
「だって、忙しいんでしょう?」
「そりゃ、忙しいに決まっているだろう。公爵家の当主だぞ」
「……」
なのに、なんで忙しい合間にアイリーンの所に来ているかを問いたいところだが、アイリーンは言葉に詰まってしまった。戸惑うアイリーンを気に留めることもなく、家令のダンや侍従に頼んで、アイリーンの机と椅子をベッドの傍らに設置させた。
「私の事は気にせず眠るといい」
クリストファーはアイリーンのこめかみを撫でると、ベッドの傍らで書類に目を通し始める。布団にくるまりながら、そっとクリストファーの様子を観察する。いつも痛みや快楽に翻弄されて禄に顔を見ていなかった気がする。相変わらず整った顔立ちをしている。それは年を経ても変わらない。顔色は悪いけど、再会した当初のような不安定な内面までを蝕むような暗さはずいぶん和らいだ。アイリーンに会いに来ることが気分転換になっているのだろうか? 真剣に書類に目を通し、時折サラサラと書き込みをする様子をじっと眺める。体を繋げるためではなく、アイリーンに会うために来たのだろうか? そう思うとなぜか泣けてきた。
「どうした? どこか痛いのか? タニアを呼ぶか?」
「うううん、なんでもないの。仕事、続けて」
目ざとくアイリーンの涙を見つけると、気遣ってくれる。余計に溢れてくる涙をぬぐって、布団にもぐりこんだ。
◇◇
「アイリーン、アイリーン、体調は大丈夫か? お腹は空いていないのか? あまり昼間眠ると、夜眠れなくなるから起こすようにタニアに言われたんだ」
クリストファーが傍らにいる安心感と布団のぬくもりにいつの間にかアイリーンは眠っていたようだ。
「……ありがとう。お腹が少しすいたかも」
アイリーンはぼんやりする頭で返事をする。
「今日はアイリーンの好きな苺のタルトを持って来たんだ。公爵家のシェフの作ったものだ。アイリーン、好きだっただろう?」
そう言われて、アイリーンはクリストファーの好きな物を何一つ知らないことに思い至って、泣けてくる。
「どうした? 感激のあまり泣いているのか? アイリーンがこの屋敷のシェフを追い出したから、タルトなんて久しぶりなんだろう?」
「ふんっ。そうよ。普段、節制した生活を送っているんだから。それに、月のものの最中って、涙腺が脆くなるからそのせいよ」
アイリーンは涙を誤魔化すように毒づくと涙をぬぐった。
タニアが用意してくれたテーブルには、艶々とした苺がたっぷりと乗ったタルトと湯気を立てるミルクが入った紅茶が用意されていた。
「クリストファーの好きなものってなに?」
さっそく苺にフォークを突きさすと口に運ぶ。甘酸っぱい味が口の中に広がって幸せな気持ちになる。
「……。ない。特にない」
クリストファーも黙々と苺のタルトを食べながら答える。静かに紅茶を飲むその優雅な姿を眺める。
「そう……」
「答えたくないとか、秘密とか、そういった事ではない。本当にないんだ。私に特別なものなんてないんだ。気にするな」
肩を落とすアイリーンに、困惑した表情のクリストファーが補足する。確かに昔からクリストファーは食べ物の好き嫌いもないし、服装や持ち物にもこだわりはなさそうだった。周りに侍る人にも。クリストファーにとって、アイリーンも好きでも嫌いでもないものなんだろう。そう思うと胃の辺りが重くなる。久々の苺のタルトはおいしかったけど、上の空のまま胃の中に納められていった。
「また、来る」
クリストファーは、ぎゅっとアイリーンを抱きしめると、軽いキスを落して帰って行った。クリストファーは本当にただ、アイリーンにおみやげを持って会いに来ただけのようだ。優しくされると調子が狂う。
「なんなのよ、もー」
「なんか浮気した夫が、妻のご機嫌とってるみたいですねー。うう、寒気がする!」
もだえるアイリーンにアンも同意してくれた。
翌日にダンから渡された今回の贈り物は苺だった。大粒で甘い苺を食べながら、アイリーンは複雑な自分の心を持て余していた。
パチンっときれいな空色をした平ぺったい円形をした小さなガラス玉をアイリーンは指ではじく。今回の訪問の翌日にダンから渡されたクリストファーの贈り物は、異国のおはじきというガラス玉だった。小さな平ぺったい円形のガラス玉はキラキラしていて透き通っていて見ているだけでも美しい。陣地を決めて、指ではじいて、他のガラス玉に当てて、はじき出したりして遊ぶらしい。
開封した直後は、太陽の光に当てて透かしたり、眺めたり、そのツルツルの手触りを楽しんでみたり、遊び方をダンに教わって一人ではじいてみたりした。でも、一人で遊ぶのにも限界がある。数日も経つとさすがに飽きてきて、アイリーンは恨めしそうにクリストファーの瞳を思わせる空色のおはじきを眺めた。
「あ……そういえば……」
アイリーンは自分の下腹部をさすった。元々アイリーンの月のものは不規則だった。それが今朝から出血している。前回クリストファーが来てから五日が経っている。クリストファーの目的はアイリーンと閨事をすることだろうから、クリストファーに知らせてもらわないといけない。流石に、月のものの最中まで求めてくることはないだろうが、ここまで来て無駄足というのも申し訳ない。
タニアに伝えると、一緒に村の外れへと向かった。村の外れには物見台のような古くて高い塔が建っていた。石造りの塔は、その風情から長い年月を感じさせた。
「奥様、階段が狭くて急で長いですが、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。だいぶ体力もついたもの」
タニアが、ギィっと軋むような音のする扉をあけると、らせん状に石の階段がずっと上方まで続いている。タニアは、ゆっくり階段を登るアイリーンの後ろに控えて、急かすこともなく付いて来てくれる。
もうさすがに無理かも、汗ばんだアイリーンが思った頃にようやく塔のてっぺんの部屋にたどり着いた。部屋の外にまで、鳥達がぽっぽ、クルーという声や羽ばたきをする音が聞こえてくる。
「奥様、鳥がたくさんいます。大声をあげたり、大きな動作をしないように」
タニアの言葉に、アイリーンはただ頷いた。
タニアが扉を一つ開けて一旦その扉を閉める。そして、中にあるもう一つの扉を開くと、そこには大小さまざまな鳥達がいて、ダンがエサや水をやっているところだった。
「うわー、いっぱいいるのねぇ……これがクリストファーの言っていた鳥ね……」
「おやおや、誰かと思えば奥様でしたか。気分転換ですか?」
「えーと、そろそろクリストファーが来る頃かなって思って……。彼に伝言をお願いしたいの……」
「こちらの封書をクリストファー様の秘書、あなたの弟宛で送って欲しいの。アイリーン様の名前は書いていないし、内容は他人が読んでもわからないようになっている」
「承知いたしましたよ」
ダンにどう説明しようかともじもじするアイリーンの横からタニアがすっと一通の封筒を差し出す。ダンは恭しく封筒を受け取ると、それ以上追及することはなかった。
鳥達のいた塔を後にすると、王都の方へ向けてだろうか一羽の鳥が羽ばたいていった。鳥を用いるのはレッドフォード公爵家独特の通信手段だと教えてもらった。公爵夫人になりそこなったアイリーンには教えてもらえなかったのだろう。青空を気持ちよさそうに一直線に飛んでいく鳥の姿が見えなくなるまで、アイリーンはタニアと見送った。
「鳥の世話はダンの仕事ではないのですがね。あの人は生き物が好きで暇さえあれば、鳥達をかまっているんですよ」
呆れたようにタニアがつぶやく。呆れれながらもそんな夫を見守るような感情を拾って、アイリーンの心が少し温まる。アイリーンとクリストファーも夫婦なのに、そんな関係性を築くことができなかったなと少し苦いことを思いながら。
◇◇
翌日、本格的に出血があり、下腹も少し痛むので、アイリーンは朝からベッドの中でまどろんでいた。
「アイリーン、大丈夫か?」
断りもなくベッドの天蓋のカーテンを引いて、クリストファーが現れた。
「え? あの手紙は届かなかったの?」
「受け取った。アイリーンは月のものが来たのだろう。だからなんだ?」
「だから、そのさすがに相手できないし……クリストファーが来る意味がないでしょう?」
「意味があるのか、ないのかは私が決める」
「だって、忙しいんでしょう?」
「そりゃ、忙しいに決まっているだろう。公爵家の当主だぞ」
「……」
なのに、なんで忙しい合間にアイリーンの所に来ているかを問いたいところだが、アイリーンは言葉に詰まってしまった。戸惑うアイリーンを気に留めることもなく、家令のダンや侍従に頼んで、アイリーンの机と椅子をベッドの傍らに設置させた。
「私の事は気にせず眠るといい」
クリストファーはアイリーンのこめかみを撫でると、ベッドの傍らで書類に目を通し始める。布団にくるまりながら、そっとクリストファーの様子を観察する。いつも痛みや快楽に翻弄されて禄に顔を見ていなかった気がする。相変わらず整った顔立ちをしている。それは年を経ても変わらない。顔色は悪いけど、再会した当初のような不安定な内面までを蝕むような暗さはずいぶん和らいだ。アイリーンに会いに来ることが気分転換になっているのだろうか? 真剣に書類に目を通し、時折サラサラと書き込みをする様子をじっと眺める。体を繋げるためではなく、アイリーンに会うために来たのだろうか? そう思うとなぜか泣けてきた。
「どうした? どこか痛いのか? タニアを呼ぶか?」
「うううん、なんでもないの。仕事、続けて」
目ざとくアイリーンの涙を見つけると、気遣ってくれる。余計に溢れてくる涙をぬぐって、布団にもぐりこんだ。
◇◇
「アイリーン、アイリーン、体調は大丈夫か? お腹は空いていないのか? あまり昼間眠ると、夜眠れなくなるから起こすようにタニアに言われたんだ」
クリストファーが傍らにいる安心感と布団のぬくもりにいつの間にかアイリーンは眠っていたようだ。
「……ありがとう。お腹が少しすいたかも」
アイリーンはぼんやりする頭で返事をする。
「今日はアイリーンの好きな苺のタルトを持って来たんだ。公爵家のシェフの作ったものだ。アイリーン、好きだっただろう?」
そう言われて、アイリーンはクリストファーの好きな物を何一つ知らないことに思い至って、泣けてくる。
「どうした? 感激のあまり泣いているのか? アイリーンがこの屋敷のシェフを追い出したから、タルトなんて久しぶりなんだろう?」
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アイリーンは涙を誤魔化すように毒づくと涙をぬぐった。
タニアが用意してくれたテーブルには、艶々とした苺がたっぷりと乗ったタルトと湯気を立てるミルクが入った紅茶が用意されていた。
「クリストファーの好きなものってなに?」
さっそく苺にフォークを突きさすと口に運ぶ。甘酸っぱい味が口の中に広がって幸せな気持ちになる。
「……。ない。特にない」
クリストファーも黙々と苺のタルトを食べながら答える。静かに紅茶を飲むその優雅な姿を眺める。
「そう……」
「答えたくないとか、秘密とか、そういった事ではない。本当にないんだ。私に特別なものなんてないんだ。気にするな」
肩を落とすアイリーンに、困惑した表情のクリストファーが補足する。確かに昔からクリストファーは食べ物の好き嫌いもないし、服装や持ち物にもこだわりはなさそうだった。周りに侍る人にも。クリストファーにとって、アイリーンも好きでも嫌いでもないものなんだろう。そう思うと胃の辺りが重くなる。久々の苺のタルトはおいしかったけど、上の空のまま胃の中に納められていった。
「また、来る」
クリストファーは、ぎゅっとアイリーンを抱きしめると、軽いキスを落して帰って行った。クリストファーは本当にただ、アイリーンにおみやげを持って会いに来ただけのようだ。優しくされると調子が狂う。
「なんなのよ、もー」
「なんか浮気した夫が、妻のご機嫌とってるみたいですねー。うう、寒気がする!」
もだえるアイリーンにアンも同意してくれた。
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