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2 夫と再会した後の私のそれから
4 まどろむ夫を見て思うこと
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「クリストファーは?」
「湯を浴びて、客間でお待ちですよ」
家令のダンに問うとそう返事が返ってくる。アイリーンは足早に客間へ向かった。ノックをして、扉を開けると、クリストファーはソファーに座ったまま眠っている。手をつけられていない紅茶のカップは冷めている。アンが時間をたっぷりかけてくれたおかげでクリストファーは待ちぼうけをくらったようだ。その様子をみてアイリーンから笑いが零れた。腕を組んで眠っていても姿勢はシャキッとしているのがクリストファーらしい。眠っていても眉間に深く刻まれた皺はそのままだ。
相変わらず忙しいのかしら? きっと疲れが溜まっているのね……
それにしても、なにがあったんだろう?
仕事なのか? 結婚生活なのか? クリストファーがこれほどまでに追い詰められるようなこととはなんだろう?
前回の衝撃的な再会をしてから、碌に会話をしていないことにふいに気づく。毎日送られてくる贈り物の真意も聞けていないし、お礼も言えていない。アイリーンはクリストファーの隣にそっと腰掛けた。クリストファーの長いまつ毛がふせられた目の下の隈をそっとなぞる。クリストファーの肩に自分の頭を預けて目を閉じる。クリストファーの自分とは違って固い身体とほのかに伝わる体温にほっとする。
婚約者であった頃の完璧で一人で凛と立っていたクリストファーより、今のボロボロでダメなクリストファーの方が身近に感じる。そんなことを思ってしまう自分は最低だ。でも、案外クリストファーも可哀そうでダメな私に安心しているのかもしれない。お互い様なのかも……
そんな事をつらつらと思いながら、いつしかアイリーンも眠りに落ちていた。
◇◇
「はー、見た目だけならお似合いの夫婦なんですけどね……。ダンさん、起こします?」
「旦那様は最近眠れていなかったようですし、しばらくこのまま寝かしておいてあげましょう」
寄り添って眠るクリストファーとアイリーンはまるでお互いを想い合う夫婦のように見える。家令のダンの言葉に、アンは二人にそっと上掛けをかけて、部屋の隅に控えた。
「しまった! どのくらい眠っていた?」
クリストファーが起きた気配にアイリーンも目が覚める。ぼんやりしながら辺りを見回すと、窓の外には茜色の空が広がっている。部屋は少し冷んやりしているが、アンが暖炉に火を入れてくれたのか、ほのかに暖かい。
「んー、もう夕方かな……」
「ちっ、時間切れか……」
部屋の片隅に控えるクリストファーの侍従も頷いている。クリストファーは隣に座るアイリーンを引き寄せるとキスをした。お互いの口を食べるかのようなキスは、なかなか終わらない。こういったことには不慣れなアイリーンだが、クリストファーと舌を絡めている内に、唾液が口の端から垂れているのも構わずに、キスに夢中になった。クリストファーの唇が離れてからもぼんやりとその余韻に浸る。
「アイリーンはキスが気に入ったのか?」
「は? 別にそんなことはないけど!」
「ふーん、蕩けた顔をしているけど?」
「だから、そんなことないってば!」
クリストファーはアイリーンをからかいながらも、名残惜しそうにアイリーンの髪をくるくるともてあそんでいる。
「ああ、そういえば、贈り物の事なんだが……毎日だと、さすがに鳥達の負担が重いし、緊急事態の時に鳥を動かせないと秘書に怒られたんだ。だから、会いに来た時にダンに預けることにした。ただ、開けるのは明日にしてくれ」
「鳥? ……今、渡してくれればいいんじゃないの?」
「いや、開けるのは明日だ。また、来る」
寝起きの弱いアイリーンは、切り替えてさっさと身支度をして退室するクリストファーをぼんやりと見送った。
「あっ、またお礼言い忘れた……。でも、今度来たときでいい、のかな?」
さっきまで、隣に感じていた体温がないだけで、なんだか寒々しい。また、来る。その言葉をアイリーンは噛み締めた。
◇◇
アイリーンはクリストファーの言いつけ通り翌日にダンから贈り物を受け取った。正方形の包みのリボンを丁寧に解いて、包み紙を剥がしていく。
「ねー、アン、キスって唇同士が触れ合うだけのものじゃないの? その、舌を入れたりするものなの?」
「家族とか挨拶とかでするキスは、唇を触れるだけですね。まぁ、恋人同士や夫婦のキスでは舌を入れたりしますよ」
アイリーンを見守るアンは、アイリーンの質問に顔色も変えずに答えてくれる。
「今更なんですか? 奥様。ああ……奥様は初夜と今回と前回のクソな経験しかないから知らないんですね……」
「なんか溶けちゃいそうだった……キスって気持ちのいいものなんだね……」
「へー、ソウデスカ。だめですよ、キスくらいで絆されちゃったら」
「わかってるわよ。私とクリストファーはそんなんじゃないから!」
包みから出てきたのは、薄ピンク色のワンピースだった。
「わぁ……」思わずアイリーンから感嘆の声が挙がる。ドレスではなくて、普段アイリーンが着ているようなワンピースだけど、軽くて肌触りもよくて、所々に装飾で付いているレースやリボンも可愛らしい。ドレスを選ぶセンスはなかったクリストファーだが、このワンピースはサイズもデザインも今のアイリーンにぴったりだった。
「へー、あのクズ……いえ、ご当主様にしてはいいセンスしてるじゃないですか。奥様にお似合いですよ」
「……うん」
果たして、こんなにキレイな物を着る資格が自分にはあるんだろうか? 幽閉された第一夫人がこんなものを着て浮かれていていいのだろうか? とたんに舞い上がった気持ちがしぼむ。
「アン、衣装部屋に仕舞っておいて」
「え? 今日、着ないんですか?」
「いいの。そのうち着るわ」
そう言いながらも、きっと袖を通すことはないとアイリーンは確信していた。ただ、時々眺めるくらいは許されるかなぁと思いながら、アンがいぶかし気に衣装部屋に持って行ったワンピースを未練がましく見送った。
「湯を浴びて、客間でお待ちですよ」
家令のダンに問うとそう返事が返ってくる。アイリーンは足早に客間へ向かった。ノックをして、扉を開けると、クリストファーはソファーに座ったまま眠っている。手をつけられていない紅茶のカップは冷めている。アンが時間をたっぷりかけてくれたおかげでクリストファーは待ちぼうけをくらったようだ。その様子をみてアイリーンから笑いが零れた。腕を組んで眠っていても姿勢はシャキッとしているのがクリストファーらしい。眠っていても眉間に深く刻まれた皺はそのままだ。
相変わらず忙しいのかしら? きっと疲れが溜まっているのね……
それにしても、なにがあったんだろう?
仕事なのか? 結婚生活なのか? クリストファーがこれほどまでに追い詰められるようなこととはなんだろう?
前回の衝撃的な再会をしてから、碌に会話をしていないことにふいに気づく。毎日送られてくる贈り物の真意も聞けていないし、お礼も言えていない。アイリーンはクリストファーの隣にそっと腰掛けた。クリストファーの長いまつ毛がふせられた目の下の隈をそっとなぞる。クリストファーの肩に自分の頭を預けて目を閉じる。クリストファーの自分とは違って固い身体とほのかに伝わる体温にほっとする。
婚約者であった頃の完璧で一人で凛と立っていたクリストファーより、今のボロボロでダメなクリストファーの方が身近に感じる。そんなことを思ってしまう自分は最低だ。でも、案外クリストファーも可哀そうでダメな私に安心しているのかもしれない。お互い様なのかも……
そんな事をつらつらと思いながら、いつしかアイリーンも眠りに落ちていた。
◇◇
「はー、見た目だけならお似合いの夫婦なんですけどね……。ダンさん、起こします?」
「旦那様は最近眠れていなかったようですし、しばらくこのまま寝かしておいてあげましょう」
寄り添って眠るクリストファーとアイリーンはまるでお互いを想い合う夫婦のように見える。家令のダンの言葉に、アンは二人にそっと上掛けをかけて、部屋の隅に控えた。
「しまった! どのくらい眠っていた?」
クリストファーが起きた気配にアイリーンも目が覚める。ぼんやりしながら辺りを見回すと、窓の外には茜色の空が広がっている。部屋は少し冷んやりしているが、アンが暖炉に火を入れてくれたのか、ほのかに暖かい。
「んー、もう夕方かな……」
「ちっ、時間切れか……」
部屋の片隅に控えるクリストファーの侍従も頷いている。クリストファーは隣に座るアイリーンを引き寄せるとキスをした。お互いの口を食べるかのようなキスは、なかなか終わらない。こういったことには不慣れなアイリーンだが、クリストファーと舌を絡めている内に、唾液が口の端から垂れているのも構わずに、キスに夢中になった。クリストファーの唇が離れてからもぼんやりとその余韻に浸る。
「アイリーンはキスが気に入ったのか?」
「は? 別にそんなことはないけど!」
「ふーん、蕩けた顔をしているけど?」
「だから、そんなことないってば!」
クリストファーはアイリーンをからかいながらも、名残惜しそうにアイリーンの髪をくるくるともてあそんでいる。
「ああ、そういえば、贈り物の事なんだが……毎日だと、さすがに鳥達の負担が重いし、緊急事態の時に鳥を動かせないと秘書に怒られたんだ。だから、会いに来た時にダンに預けることにした。ただ、開けるのは明日にしてくれ」
「鳥? ……今、渡してくれればいいんじゃないの?」
「いや、開けるのは明日だ。また、来る」
寝起きの弱いアイリーンは、切り替えてさっさと身支度をして退室するクリストファーをぼんやりと見送った。
「あっ、またお礼言い忘れた……。でも、今度来たときでいい、のかな?」
さっきまで、隣に感じていた体温がないだけで、なんだか寒々しい。また、来る。その言葉をアイリーンは噛み締めた。
◇◇
アイリーンはクリストファーの言いつけ通り翌日にダンから贈り物を受け取った。正方形の包みのリボンを丁寧に解いて、包み紙を剥がしていく。
「ねー、アン、キスって唇同士が触れ合うだけのものじゃないの? その、舌を入れたりするものなの?」
「家族とか挨拶とかでするキスは、唇を触れるだけですね。まぁ、恋人同士や夫婦のキスでは舌を入れたりしますよ」
アイリーンを見守るアンは、アイリーンの質問に顔色も変えずに答えてくれる。
「今更なんですか? 奥様。ああ……奥様は初夜と今回と前回のクソな経験しかないから知らないんですね……」
「なんか溶けちゃいそうだった……キスって気持ちのいいものなんだね……」
「へー、ソウデスカ。だめですよ、キスくらいで絆されちゃったら」
「わかってるわよ。私とクリストファーはそんなんじゃないから!」
包みから出てきたのは、薄ピンク色のワンピースだった。
「わぁ……」思わずアイリーンから感嘆の声が挙がる。ドレスではなくて、普段アイリーンが着ているようなワンピースだけど、軽くて肌触りもよくて、所々に装飾で付いているレースやリボンも可愛らしい。ドレスを選ぶセンスはなかったクリストファーだが、このワンピースはサイズもデザインも今のアイリーンにぴったりだった。
「へー、あのクズ……いえ、ご当主様にしてはいいセンスしてるじゃないですか。奥様にお似合いですよ」
「……うん」
果たして、こんなにキレイな物を着る資格が自分にはあるんだろうか? 幽閉された第一夫人がこんなものを着て浮かれていていいのだろうか? とたんに舞い上がった気持ちがしぼむ。
「アン、衣装部屋に仕舞っておいて」
「え? 今日、着ないんですか?」
「いいの。そのうち着るわ」
そう言いながらも、きっと袖を通すことはないとアイリーンは確信していた。ただ、時々眺めるくらいは許されるかなぁと思いながら、アンがいぶかし気に衣装部屋に持って行ったワンピースを未練がましく見送った。
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