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1 クズだった私のこれまで
5 妹の反抗と栄華の頂点
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ただ諦めの色を瞳に浮かべ、従順で人形のようだったマルティナはそれから少しずつ変化していった。なんとなく母やアイリーンから距離を取っていっているのは気づいていたが、勉強や生徒会長の仕事のサポートはしているので放置しておいた。どの道、マルティナは卒業したら使い捨てる駒なので、アイリーンの恙無い卒業をサポートしてくれれば問題ないのだ。
はっきり変わったのは長期休暇が明けた後だった。長期休暇を婚約者の領地で過ごして帰ってきたら、マルティナは髪を肩までの長さに切っていた。貴族令嬢としてははしたないはずなのに、その髪型はマルティナによく似会っていて、彼女の髪質を生かしていてとても似合っていた。なにより、その表情が生き生きとしていた。じりじりと胃の奥が焼かれるような感覚があった。
「お姉様。私、反省しましたの。お姉さまの婚約者様やお母様から、再三にわたり、お姉様の時間を奪うなと、甘えすぎるなと苦言を呈されてきました。長期休暇の間、考える時間がたくさんありました。そこで、お姉様に甘えすぎていると自覚し、少し姉離れしようと思いました。夕食後にいつも、お姉様にお時間を頂き、私の勉強を見てもらっていましたが、今後は遠慮することにします。ただ、いきなりお姉様との時間がなくなるのは、寂しいので生徒会のお仕事のお手伝いはこれまで通りさせていただきたいのです」
「そう……。わたくしは可愛い妹のためなら、苦にならないのだけど……。かまわないわ。マルティナの思うようにしなさい」
その予感は当たって、母の前で遠回しにもうアイリーンの勉強のサポートをしないと宣言してきた。瞬間的に、頭が真っ白になり、手が出そうになるのを、淑女教育のたまもので微笑みに押し込める。腹の中は煮えたぎっていた。
やはり、あの留学生達とのつきあいで、感化されたのね……しかも、ブラッドリーもエリックもどちらも見目麗しい少年で、きっとちやほやされて女として自信をつけたに違いないわ。これは早めに徹底的に心を折らなければ……
「少しは知恵が働くようになったのね……」
マルティナの部屋にそっと入ると、まるで幽霊でも見たかのように驚いていた。マルティナの質素な部屋を見渡すと、ベッドに見慣れない黒いクマのぬいぐるみが置いてある。
「最近、仲良くしている生徒会の平民達の入れ知恵なの? 困った子ねぇ……」
なるほど、本命はあの大柄な黒髪の……ブラッドリーのほうね……
生徒会役員であるブラッドリーはアイリーンの手伝いをするマルティナを愛おしそうに見ていた。そして、アイリーンのことを憎々し気に睨んでくる。色恋に疎いアイリーンにだって、わかる。彼はマルティナに想いを寄せている。だから、マルティナを苦しめるアイリーンを憎んでいるのだ。そして、憎からずマルティナもブラッドリーのことを思っている。なんだかその関係性にもイライラした。
「あっちの黒い髪の方の影響かしらね? これもアイツからのプレゼントなんでしょ? 隣国の平民なんでしょ? 大きな商会の息子といっても、所詮、平民なのよ」
「返して……」
黒いクマのぬいぐるみをアイリーンは掴んだ。とたんに、マルティナの顔色が変わる。よほど大事にしているのだろう。
「あはははは、こんなみすぼらしいクマのぬいぐるみが大事なの? あの平民から貰ったから? それで、勇気を出して、このわたくしに盾突いたっていうの?」
「やめてっっ!!!」
さきほど抑え込んだ怒りをぬいぐるみにぶつける。ぶつりっと腕を千切ると、マルティナの瞳から涙がこぼれた。その顔には怒りがあった。まだ、怒る元気があるのね?
アイリーンは腕のちぎれたクマと腕を、床にボトリと落とした。
「ね、マルティナ、わたくしに逆らうとこうなるのよ。今、あんたがわたくしの勉強のフォローをやめたら困るのよね。後期は苦手なレポートの提出も多いし。だから、今まで通りやるのよ! 最後まで学年上位の優秀な成績を残して卒業するの。わたくしの学園生活の最後に傷をつけないでくれる?」
アイリーンは、クマのぬいぐるみを目で追っているマルティナの顎をぐいっと持ち上げて、至近距離で睨みつける。
「ね、マルティナは今までどーり、お姉様に甘えていればいいのよ。この出来損ないが!!! もし、今後、少しでもわたくしに逆らったら、今度はぬいぐるみじゃなくて、本人が痛い目に遭うかもね……ブラッドリー・マーカスでしたっけ? わたくしの婚約者に少しささやいたら、彼のご実家の商会も彼も無事ではすまないかもねぇ……? ね、バカなマルティナにも理解できたかしら?」
仲良しの黒髪の平民をどうとでもできる力が婚約者のクリストファーや公爵家にはあると告げると、ぬいぐるみの処遇に思い人を重ねたのか、マルティナの顔が絶望に染まる。
こういう時には徹底的に、粉々になるまで、心を折らないといけないのよ。
ざまあみろだわ。アイリーンに逆らうからこうなるのだ。マルティナは一生、底辺をはいつくばっていればいいの。その暗い底から輝くアイリーンを眺めていればいいのだ。
それからは、愉快だった。マルティナは以前よりひどいくらいに、生気が抜けて、辛うじて学園には通ったけど、徹底的にブラッドリーとエリックを避けているようだった。授業後も、すぐに帰宅し、部屋に閉じこもっているようだった。
ただ、このまま憔悴していって、倒れられてしまっても困る。なんとか生かさず殺さずくらいの状態に戻らないかしら、と思っていたら、ある日を境に、マルティナは立ち直った。
また、ブラッドリーとエリックとも連れだっているようだ。マルティナが柄にもなく殊勝に謝ってきたので、貴族令嬢である自覚を持てと釘をさすにとどめた。どうせ、アイリーンと同じ時期に卒業したら、あの留学生達は隣国に帰るし、マルティナのなにがいいのかはわからないけど、一時的なものなのだろうと目をつぶることにした。なによりも、アイリーンが傷一つなく華々しく卒業することが大事なのだ。
なにかマルティナやブラッドリーから反撃の一つもあるのかしら?と多少の警戒はしていたものの、何事もなく、何一つ傷つくことなく、卒業の日を迎えられた。
卒業式の日は、人生のピークだったのかもしれない。華麗に着飾ったアイリーン、同じく凛々しく美しくてアイリーンを大切にしてくれる婚約者、優秀な学業成績、生徒会会長としての実績を褒めたたえる教師や友達や後輩達、幾重の人に囲まれて、もてはやされて、ここにはアイリーンの求めるもの全てがあった。
そして、これからも華々しい道をクリストファーと進んでいくことを疑っていなかった。
ただ、遠目で見たマルティナがブラッドリーにエスコートされていて、マルティナは生地のグレードは低いものの色やデザインが今までのアイリーンのお下がりのドレスと違って似合っていた。装飾品は生花だけなのに、マルティナは生き生きとしていて、瑞々しく輝いていた。はじめて見る幸せそうな満面の笑みに胃のなかがざらりとする。アイリーンとクリストファーにはないものが二人の間にはある、そんな気がした。それだけが、輝かしい卒業の日の唯一の汚点だった。
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「お姉様。私、反省しましたの。お姉さまの婚約者様やお母様から、再三にわたり、お姉様の時間を奪うなと、甘えすぎるなと苦言を呈されてきました。長期休暇の間、考える時間がたくさんありました。そこで、お姉様に甘えすぎていると自覚し、少し姉離れしようと思いました。夕食後にいつも、お姉様にお時間を頂き、私の勉強を見てもらっていましたが、今後は遠慮することにします。ただ、いきなりお姉様との時間がなくなるのは、寂しいので生徒会のお仕事のお手伝いはこれまで通りさせていただきたいのです」
「そう……。わたくしは可愛い妹のためなら、苦にならないのだけど……。かまわないわ。マルティナの思うようにしなさい」
その予感は当たって、母の前で遠回しにもうアイリーンの勉強のサポートをしないと宣言してきた。瞬間的に、頭が真っ白になり、手が出そうになるのを、淑女教育のたまもので微笑みに押し込める。腹の中は煮えたぎっていた。
やはり、あの留学生達とのつきあいで、感化されたのね……しかも、ブラッドリーもエリックもどちらも見目麗しい少年で、きっとちやほやされて女として自信をつけたに違いないわ。これは早めに徹底的に心を折らなければ……
「少しは知恵が働くようになったのね……」
マルティナの部屋にそっと入ると、まるで幽霊でも見たかのように驚いていた。マルティナの質素な部屋を見渡すと、ベッドに見慣れない黒いクマのぬいぐるみが置いてある。
「最近、仲良くしている生徒会の平民達の入れ知恵なの? 困った子ねぇ……」
なるほど、本命はあの大柄な黒髪の……ブラッドリーのほうね……
生徒会役員であるブラッドリーはアイリーンの手伝いをするマルティナを愛おしそうに見ていた。そして、アイリーンのことを憎々し気に睨んでくる。色恋に疎いアイリーンにだって、わかる。彼はマルティナに想いを寄せている。だから、マルティナを苦しめるアイリーンを憎んでいるのだ。そして、憎からずマルティナもブラッドリーのことを思っている。なんだかその関係性にもイライラした。
「あっちの黒い髪の方の影響かしらね? これもアイツからのプレゼントなんでしょ? 隣国の平民なんでしょ? 大きな商会の息子といっても、所詮、平民なのよ」
「返して……」
黒いクマのぬいぐるみをアイリーンは掴んだ。とたんに、マルティナの顔色が変わる。よほど大事にしているのだろう。
「あはははは、こんなみすぼらしいクマのぬいぐるみが大事なの? あの平民から貰ったから? それで、勇気を出して、このわたくしに盾突いたっていうの?」
「やめてっっ!!!」
さきほど抑え込んだ怒りをぬいぐるみにぶつける。ぶつりっと腕を千切ると、マルティナの瞳から涙がこぼれた。その顔には怒りがあった。まだ、怒る元気があるのね?
アイリーンは腕のちぎれたクマと腕を、床にボトリと落とした。
「ね、マルティナ、わたくしに逆らうとこうなるのよ。今、あんたがわたくしの勉強のフォローをやめたら困るのよね。後期は苦手なレポートの提出も多いし。だから、今まで通りやるのよ! 最後まで学年上位の優秀な成績を残して卒業するの。わたくしの学園生活の最後に傷をつけないでくれる?」
アイリーンは、クマのぬいぐるみを目で追っているマルティナの顎をぐいっと持ち上げて、至近距離で睨みつける。
「ね、マルティナは今までどーり、お姉様に甘えていればいいのよ。この出来損ないが!!! もし、今後、少しでもわたくしに逆らったら、今度はぬいぐるみじゃなくて、本人が痛い目に遭うかもね……ブラッドリー・マーカスでしたっけ? わたくしの婚約者に少しささやいたら、彼のご実家の商会も彼も無事ではすまないかもねぇ……? ね、バカなマルティナにも理解できたかしら?」
仲良しの黒髪の平民をどうとでもできる力が婚約者のクリストファーや公爵家にはあると告げると、ぬいぐるみの処遇に思い人を重ねたのか、マルティナの顔が絶望に染まる。
こういう時には徹底的に、粉々になるまで、心を折らないといけないのよ。
ざまあみろだわ。アイリーンに逆らうからこうなるのだ。マルティナは一生、底辺をはいつくばっていればいいの。その暗い底から輝くアイリーンを眺めていればいいのだ。
それからは、愉快だった。マルティナは以前よりひどいくらいに、生気が抜けて、辛うじて学園には通ったけど、徹底的にブラッドリーとエリックを避けているようだった。授業後も、すぐに帰宅し、部屋に閉じこもっているようだった。
ただ、このまま憔悴していって、倒れられてしまっても困る。なんとか生かさず殺さずくらいの状態に戻らないかしら、と思っていたら、ある日を境に、マルティナは立ち直った。
また、ブラッドリーとエリックとも連れだっているようだ。マルティナが柄にもなく殊勝に謝ってきたので、貴族令嬢である自覚を持てと釘をさすにとどめた。どうせ、アイリーンと同じ時期に卒業したら、あの留学生達は隣国に帰るし、マルティナのなにがいいのかはわからないけど、一時的なものなのだろうと目をつぶることにした。なによりも、アイリーンが傷一つなく華々しく卒業することが大事なのだ。
なにかマルティナやブラッドリーから反撃の一つもあるのかしら?と多少の警戒はしていたものの、何事もなく、何一つ傷つくことなく、卒業の日を迎えられた。
卒業式の日は、人生のピークだったのかもしれない。華麗に着飾ったアイリーン、同じく凛々しく美しくてアイリーンを大切にしてくれる婚約者、優秀な学業成績、生徒会会長としての実績を褒めたたえる教師や友達や後輩達、幾重の人に囲まれて、もてはやされて、ここにはアイリーンの求めるもの全てがあった。
そして、これからも華々しい道をクリストファーと進んでいくことを疑っていなかった。
ただ、遠目で見たマルティナがブラッドリーにエスコートされていて、マルティナは生地のグレードは低いものの色やデザインが今までのアイリーンのお下がりのドレスと違って似合っていた。装飾品は生花だけなのに、マルティナは生き生きとしていて、瑞々しく輝いていた。はじめて見る幸せそうな満面の笑みに胃のなかがざらりとする。アイリーンとクリストファーにはないものが二人の間にはある、そんな気がした。それだけが、輝かしい卒業の日の唯一の汚点だった。
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