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1 クズだった私のこれまで
4 婚約者との温度差
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毎年、アイリーンの誕生日パーティーはスコールズ伯爵邸で盛大に行われる。自分が主役になれるこの日がアイリーンは一年で一番好きだ。ドレスのセンスがイマイチなクリストファーが勝手に用意しないように、何カ月も前から打ち合わせをして用意したクリストファーと揃いの意匠のドレスに身を包んで、アイリーンは朝からご機嫌だった。
「今日のドレスもよく似合っている」
「ありがとう、クリストファー」
クリストファーの褒め言葉もいつも通りだ。笑顔の一つもないし、瞳になんの感情もない。平坦な声で言われてもあまり褒められた気はしない。それでも、アイリーンはにっこりと笑顔を返した。
招待客からいつものように称賛され、山のような贈り物をもらい、にこにこするアイリーンの横で、クリストファーは時折、険しい顔をしてマルティナを見ていた。それが少し気になりながらも、ひっきりなしに声をかけてくる来客に挨拶を返した。
「すまない、少し席を外す」
パーティーがひと段落して、マルティナがホールからそっと抜け出したのを見たクリストファーがすかさずその後を追った。アイリーンも一拍おいてから、そっと二人の後を追う。
「お前は、自分が何をしたのかわかってやっているのか? そんなに、私の気が惹きたいのか? アイリーンの代わりになれるとでも思っているのか? 美貌も頭脳も気品もなにもかもが劣るお前が? そのドレスは去年、私がアイリーンに贈ったものだ。加工していても、自分が贈ったものはわかる。お前は私も、延いては公爵家も侮辱しているのをわかってやっているのか? アイリーンに折に触れて送っているドレスのうちの一着だ。まだ、そのドレスにアイリーンは袖を通したことはない。それをお前が加工して着ているとはどういうことだ?」
ホールのある棟から本館へ繋がる渡り廊下で、クリストファーがマルティナに詰め寄っていた。珍しく感情を露わにして、クリストファーがすごい剣幕で捲し立てている。マルティナはその様に怯えて、何も言い返せない。
母に冷遇されているマルティナはドレスや宝飾品を買ってもらえない。なので、いつもアイリーンのお下がりのドレスを直して着ている。アイリーンは山ほど買ってもらったドレスから、飽きたものや気に入らないものをマルティナに渡していた。だから、今回のことはマルティナのせいではないのだ。
「クリストファー様、どうされました。妹がなにか粗相を?」
アイリーンはするりと婚約者の腕に自分の腕を絡める。マルティナを救うためではない。マルティナが余計な事を口走らないようにだ。
「君の妹が私がアイリーンにプレゼントしたドレスを、加工して着ているのだが、君は知っていたのか?」
「えっ? あら、本当だわ。やだこの子、私の衣裳部屋から、また勝手にドレスを持ちだしたのね? 加工したら、わからないとでも思ったのでしょう」
「姉に憧れているのか妬んでいるのか知らないが、いつもいつも姉のドレスや装飾品を奪って。いい加減にしたらどうだ? ドレスを加工している暇があったら、姉を見習って、姿形を磨くなり、教養を身に着けるなり、努力をして、自分自身を高めたらどうだ? 小手先の技ばかり磨いても、いつまでも醜いままだぞ」
「クリストファー様、今回はわたくしに免じてお許しいただけませんか。よーく言い聞かせておきますから、ね?」
アイリーンは得意の上目遣いで、クリストファーに訴えると、少し硬い表情が和らいだ。やはり、クリストファーはアイリーンの顔が好きなのかもしれない。
「他でもない君の誕生日を汚すような真似はしないよ。ただし、二度目はない。君の家族も君も、次女に甘すぎるのではないか?」
「申し訳ありません。母もわたくしも何度も注意しているのですが、なかなか強情で……今日は、気分がすぐれないということにして、妹は退室させますわ。お目汚し失礼いたしました。では、妹を部屋まで送っていきますね」
「そこまで君がする必要があるのか? 主役なのだから、早めに戻るのだぞ」
アイリーンは優雅にほほ笑んだ。クリストファーはマルティナに射殺すような視線を投げて、会場へ戻っていった。この場が上手く収まったことに、アイリーンは内心ほっとした。マルティナは告げ口をするような性格でもないし、訴える相手もいない。それでも、釘を刺しておいた方がいいかもしれない。
「あーあ、失敗しちゃった。一番気に入らないドレスを選んだら、クリストファー様からのプレゼントだったなんてね。ドレスなんてたくさんプレゼントされているし、たくさん作っているから、いちいち覚えてないのよねぇ……ほんと、クリストファー様っていまいちドレスの趣味悪いのよねぇ」
マルティナと黙って、二人連れだって歩いていたが、本館に入ると本音が漏れた。まさか、クリストファーがアイリーンに送ったドレスや着たかどうかまで覚えているなんて思ってもいなかった。他人には興味がなさそうなのに、意外とアイリーンには執着しているのかもしれない。クリストファーが他人のことであれだけ激しい感情を表すのを初めて見た。マルティナの悪口を色々と吹き込んでおいてよかった。これからは、気を付けないといけない。
「いいこと。このことは他言無用よ。これからは気をつけてちょうだい」
「お姉さまは、私のことをなんだと思っているんですか?」
いつものように何気なく言った一言に、マルティナの顔に怒りが浮かぶ。今まで、黙ってアイリーンに従ってきたマルティナの反抗的な態度に、アイリーンはイラッとした。
クリストファーからプレゼントされたことは忘れていたが、アイリーンですら着こなせない派手なピンク色のドレスをマルティナに渡した。アイリーンは毎回、マルティナに絶対似合わないドレスを渡す。それなのに、どこをどう直したのか、サイズ感もマルティナにぴったりで、余分な装飾は取られていて、いつもよりマルティナにしっくりきている。心なしか髪や肌の調子も良さそうだ。そのことも、アイリーンをイライラさせた。
「なぁにイキナリ。マルティナはわたくしの妹よ……そう、わたくしの出来損ないで醜い妹よ。あなたは一生、わたくしの引き立て役でいたらいいのよ。使い道のないあなたを便利に使ってあげているんだから、感謝してほしいくらいだわ。わかったら、早く部屋に引っ込みなさい」
それ以上、なにも言えずに悔しそうに俯くマルティナに背を向けて、華やかなパーティー会場へと急いだ。ほらね、多少困ったことになったって、マルティナが反抗したって、全て私の思う通りに事は運ぶのよ。みんな、私の手の平の上で転がせるんだから、マルティナもクリストファーも。その時のアイリーンはそう信じて、疑わなかった。
「今日のドレスもよく似合っている」
「ありがとう、クリストファー」
クリストファーの褒め言葉もいつも通りだ。笑顔の一つもないし、瞳になんの感情もない。平坦な声で言われてもあまり褒められた気はしない。それでも、アイリーンはにっこりと笑顔を返した。
招待客からいつものように称賛され、山のような贈り物をもらい、にこにこするアイリーンの横で、クリストファーは時折、険しい顔をしてマルティナを見ていた。それが少し気になりながらも、ひっきりなしに声をかけてくる来客に挨拶を返した。
「すまない、少し席を外す」
パーティーがひと段落して、マルティナがホールからそっと抜け出したのを見たクリストファーがすかさずその後を追った。アイリーンも一拍おいてから、そっと二人の後を追う。
「お前は、自分が何をしたのかわかってやっているのか? そんなに、私の気が惹きたいのか? アイリーンの代わりになれるとでも思っているのか? 美貌も頭脳も気品もなにもかもが劣るお前が? そのドレスは去年、私がアイリーンに贈ったものだ。加工していても、自分が贈ったものはわかる。お前は私も、延いては公爵家も侮辱しているのをわかってやっているのか? アイリーンに折に触れて送っているドレスのうちの一着だ。まだ、そのドレスにアイリーンは袖を通したことはない。それをお前が加工して着ているとはどういうことだ?」
ホールのある棟から本館へ繋がる渡り廊下で、クリストファーがマルティナに詰め寄っていた。珍しく感情を露わにして、クリストファーがすごい剣幕で捲し立てている。マルティナはその様に怯えて、何も言い返せない。
母に冷遇されているマルティナはドレスや宝飾品を買ってもらえない。なので、いつもアイリーンのお下がりのドレスを直して着ている。アイリーンは山ほど買ってもらったドレスから、飽きたものや気に入らないものをマルティナに渡していた。だから、今回のことはマルティナのせいではないのだ。
「クリストファー様、どうされました。妹がなにか粗相を?」
アイリーンはするりと婚約者の腕に自分の腕を絡める。マルティナを救うためではない。マルティナが余計な事を口走らないようにだ。
「君の妹が私がアイリーンにプレゼントしたドレスを、加工して着ているのだが、君は知っていたのか?」
「えっ? あら、本当だわ。やだこの子、私の衣裳部屋から、また勝手にドレスを持ちだしたのね? 加工したら、わからないとでも思ったのでしょう」
「姉に憧れているのか妬んでいるのか知らないが、いつもいつも姉のドレスや装飾品を奪って。いい加減にしたらどうだ? ドレスを加工している暇があったら、姉を見習って、姿形を磨くなり、教養を身に着けるなり、努力をして、自分自身を高めたらどうだ? 小手先の技ばかり磨いても、いつまでも醜いままだぞ」
「クリストファー様、今回はわたくしに免じてお許しいただけませんか。よーく言い聞かせておきますから、ね?」
アイリーンは得意の上目遣いで、クリストファーに訴えると、少し硬い表情が和らいだ。やはり、クリストファーはアイリーンの顔が好きなのかもしれない。
「他でもない君の誕生日を汚すような真似はしないよ。ただし、二度目はない。君の家族も君も、次女に甘すぎるのではないか?」
「申し訳ありません。母もわたくしも何度も注意しているのですが、なかなか強情で……今日は、気分がすぐれないということにして、妹は退室させますわ。お目汚し失礼いたしました。では、妹を部屋まで送っていきますね」
「そこまで君がする必要があるのか? 主役なのだから、早めに戻るのだぞ」
アイリーンは優雅にほほ笑んだ。クリストファーはマルティナに射殺すような視線を投げて、会場へ戻っていった。この場が上手く収まったことに、アイリーンは内心ほっとした。マルティナは告げ口をするような性格でもないし、訴える相手もいない。それでも、釘を刺しておいた方がいいかもしれない。
「あーあ、失敗しちゃった。一番気に入らないドレスを選んだら、クリストファー様からのプレゼントだったなんてね。ドレスなんてたくさんプレゼントされているし、たくさん作っているから、いちいち覚えてないのよねぇ……ほんと、クリストファー様っていまいちドレスの趣味悪いのよねぇ」
マルティナと黙って、二人連れだって歩いていたが、本館に入ると本音が漏れた。まさか、クリストファーがアイリーンに送ったドレスや着たかどうかまで覚えているなんて思ってもいなかった。他人には興味がなさそうなのに、意外とアイリーンには執着しているのかもしれない。クリストファーが他人のことであれだけ激しい感情を表すのを初めて見た。マルティナの悪口を色々と吹き込んでおいてよかった。これからは、気を付けないといけない。
「いいこと。このことは他言無用よ。これからは気をつけてちょうだい」
「お姉さまは、私のことをなんだと思っているんですか?」
いつものように何気なく言った一言に、マルティナの顔に怒りが浮かぶ。今まで、黙ってアイリーンに従ってきたマルティナの反抗的な態度に、アイリーンはイラッとした。
クリストファーからプレゼントされたことは忘れていたが、アイリーンですら着こなせない派手なピンク色のドレスをマルティナに渡した。アイリーンは毎回、マルティナに絶対似合わないドレスを渡す。それなのに、どこをどう直したのか、サイズ感もマルティナにぴったりで、余分な装飾は取られていて、いつもよりマルティナにしっくりきている。心なしか髪や肌の調子も良さそうだ。そのことも、アイリーンをイライラさせた。
「なぁにイキナリ。マルティナはわたくしの妹よ……そう、わたくしの出来損ないで醜い妹よ。あなたは一生、わたくしの引き立て役でいたらいいのよ。使い道のないあなたを便利に使ってあげているんだから、感謝してほしいくらいだわ。わかったら、早く部屋に引っ込みなさい」
それ以上、なにも言えずに悔しそうに俯くマルティナに背を向けて、華やかなパーティー会場へと急いだ。ほらね、多少困ったことになったって、マルティナが反抗したって、全て私の思う通りに事は運ぶのよ。みんな、私の手の平の上で転がせるんだから、マルティナもクリストファーも。その時のアイリーンはそう信じて、疑わなかった。
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