2 / 46
1 クズだった私のこれまで
1 三姉妹の中で唯一光り輝いていた私
しおりを挟む
アイリーンは恵まれた環境に生まれた。
この国のスコールズ伯爵家という由緒正しい貴族の家に生まれ、父も母も美しく、優秀だった。父親は伯爵家当主であり、国の財務省で働く有能な人だった。母親は父親不在の伯爵家で家政を取り仕切り、色々な人と縁を持つ凛とした美しい人だった。
そのスコールズ家の長女として生まれたアイリーンは、父親に似た美しい造形と母親譲りの金髪青目という綺麗な色彩を持っていた。外見だけでなく、それなりに学習や所作などの習得も早く、自分で自分の事を全てを持てる者だと思っていた。
幼少の頃から、自分が選ばれた存在だと、人に囲まれもてはやされる存在だと気づいていた。だって、可愛くて、美しくて、そして賢い。こんな自分が特別な存在ではないはずがないと思っていた。
今、思えばなぜ、あんなに万能感を持っていたのかはわからない。
スコールズ伯爵家は、アイリーンの後に二人の子どもが生まれた。一歳年下の妹のマルティナは母親に似た綺麗な顔立ちをしていたが、父親譲りの黒髪黒目という地味な色彩のせいか、母親から醜いと言われ、毛嫌いされ放置されていた。七歳年下の妹のリリアンは、アイリーンと同じく金髪青目の可愛い容姿をしていた。一瞬、自分の立場が脅かされるかと思ったが、頭が悪かった。そのせいで、母親に連れまわされ、母親の友達にこねくりまわされ、まるで愛玩動物のように扱われていた。
スコールズ伯爵家の三姉妹の中で、美しく優秀なアイリーン。本当は優秀だけど、地味で冴えない次女。可愛いけど頭はからっぽな三女。妹二人は上手くアイリーンを引き立ててくれた。その立ち位置はアイリーンの心を満たしてくれた。三姉妹の中で輝くのはアイリーン一人だけで充分だ。
自分が求めなくても、ドレスや装飾品は買ってもらえたし、髪や肌のお手入れもしてもらえたし、茶会ではちやほやされて褒められた。
人から傅かれ、褒められ、ちやほやされる事が当たり前だった。それだけで満足していればよかったのに、アイリーンはもっと、もっと!と貪欲に求めていった。
幼い頃から、アイリーンは外見や所作を磨く事は苦にならなかったが、深く物事を考えたり、面倒くさい事や試行錯誤する事は大嫌いだった。
だから、家庭教師から勉強を教わる時間が一番苦痛だった。マナーやダンスなどは、センスがあるのか、すぐに身についたし、さらに自分が優雅に見えるのがうれしくて、苦ではなかった。苦手なのは机に向かう時間だ。はじめのうちは、努力しなくても、理解できたし、課題などもすぐにできた。
しかし、年齢を重ねると、一回授業を聞いただけでは理解できない分野がでてきた。しかも論文など自分で調べて考えて、文章にまとめる課題などは苦痛で仕方なかった。本を探して、頭の中で理論を組み立てることになんの楽しみも見いだせない。さらには、自分の言葉で表現し、文章にして、まとめなければいけない。
机の前で唸って悩む、その時間が無駄ではないかしら? そんな時間があったら、髪や肌の手入れでもしていたほうがましだし、読むなら学術書よりも、ドレスのカタログの方が楽しいじゃない?
そんな時に、一緒に家庭教師の授業を受けているマルティナの姿が目に入った。この子は容姿が冴えないせいで、母や侍女達にないがしろにされている。
まぁ、この上なく美しいアイリーンの妹に生まれてしまったのが、運の尽きよね。それなのに、真面目しか取柄のないマルティナは一生懸命、家庭教師の話を聞いて、ノートに熱心に書き込みをしている。
馬鹿みたい……そんなにがんばって、勉強したところでアイリーンには勝てないし、母に認められることも褒められることもないだろう。
……そう、そんなにがんばって勉強したいのなら、アイリーンの役に立ってもらおうか。
ふふふ、自分の素晴らしい思い付きに笑みが漏れる。家庭教師も勉強に関してはアイリーンよりマルティナを褒める回数が多い。今まではそれも気にくわなかったが、マルティナを利用することで、上手くマルティナの足も引っ張れるだろう。
それからは、家庭教師が帰った後に、マルティナに自分の苦手な分野の応用問題の解説を求めたり、暗記すべき分野をわかりやすくまとめさせた。論文をまとめる課題が出たときは、マルティナにまずアイリーンの分を作成させて、それから自身のものをまとめさせるようにした。
もちろん、マルティナの書いたものをそのまま提出するなんて馬鹿なことはしない。それはどれだけ手間でも、必ず自分で書き写した。疑問に思った部分はマルティナに質問して、きちんと内容も理解したので、提出物への質疑応答もお手の物だった。
もともと馬鹿正直なマルティナは、一番良い案をアイリーンのものに使用したけど、たまに、アイリーンのものを作成した後に、なにかひらめきがあり、マルティナの方が出来が良い時があったが、その度に、叱責するとわざと手を抜いたりして、全ての科目においてアイリーンの成績を上回ることはなくなった。
こうして、アイリーンは幼い頃から美しいだけでなく、優秀であると評判になった。
初めてクリストファーと会ったのは、高位貴族の子息や令嬢が集まる茶会だった。金の髪をなびかせる彼は、周りの者から抜きん出た外見をしていた。美しさで負けたかもしれないと思ったのはアイリーンにとって初めての経験だった。まじまじとクリストファーを観察していると、その視線を感じたのかクリストファーと目が合った。まるで空のような綺麗な水色をしている。アイリーンと同じ青瞳だが、クリストファーの方が薄い色をしていて、澄んでいる。目が合ったのは一瞬で、鋭い目をしたクリストファーはすぐに目を逸らした。
「ふーん……」
アイリーンのように、いや、アイリーンより輝きの頂点にいる人。クリストファーの第一印象は、それだ。美しく優秀な公爵家嫡男。同年代に王族の子息がいないため、公爵家嫡男のクリストファーは爵位で見ると頂点にいる。しかも、次期公爵様だ。美しい外見をしていることもあり、花に群がる蝶のように貴族の子息や令嬢が周りに侍っていた。
今までは、自分が輪の中心にいたアイリーンは少しそれが気に食わなかった。だが、クリストファーには愛嬌がなかった。にこりとも笑わないクリストファーはいつも人に囲まれていたが、気を許すことはなく孤高を貫いていた。
「なにが楽しいんだろう……?」
人に囲まれ、ちやほやされても、それに関心のなさそうなクリストファーはアイリーンに理解できない人種だった。そんなクリストファーを横目に、称賛を求めて、アイリーンはより一層、愛嬌を振りまき、取り巻きを増やしていった。
この国のスコールズ伯爵家という由緒正しい貴族の家に生まれ、父も母も美しく、優秀だった。父親は伯爵家当主であり、国の財務省で働く有能な人だった。母親は父親不在の伯爵家で家政を取り仕切り、色々な人と縁を持つ凛とした美しい人だった。
そのスコールズ家の長女として生まれたアイリーンは、父親に似た美しい造形と母親譲りの金髪青目という綺麗な色彩を持っていた。外見だけでなく、それなりに学習や所作などの習得も早く、自分で自分の事を全てを持てる者だと思っていた。
幼少の頃から、自分が選ばれた存在だと、人に囲まれもてはやされる存在だと気づいていた。だって、可愛くて、美しくて、そして賢い。こんな自分が特別な存在ではないはずがないと思っていた。
今、思えばなぜ、あんなに万能感を持っていたのかはわからない。
スコールズ伯爵家は、アイリーンの後に二人の子どもが生まれた。一歳年下の妹のマルティナは母親に似た綺麗な顔立ちをしていたが、父親譲りの黒髪黒目という地味な色彩のせいか、母親から醜いと言われ、毛嫌いされ放置されていた。七歳年下の妹のリリアンは、アイリーンと同じく金髪青目の可愛い容姿をしていた。一瞬、自分の立場が脅かされるかと思ったが、頭が悪かった。そのせいで、母親に連れまわされ、母親の友達にこねくりまわされ、まるで愛玩動物のように扱われていた。
スコールズ伯爵家の三姉妹の中で、美しく優秀なアイリーン。本当は優秀だけど、地味で冴えない次女。可愛いけど頭はからっぽな三女。妹二人は上手くアイリーンを引き立ててくれた。その立ち位置はアイリーンの心を満たしてくれた。三姉妹の中で輝くのはアイリーン一人だけで充分だ。
自分が求めなくても、ドレスや装飾品は買ってもらえたし、髪や肌のお手入れもしてもらえたし、茶会ではちやほやされて褒められた。
人から傅かれ、褒められ、ちやほやされる事が当たり前だった。それだけで満足していればよかったのに、アイリーンはもっと、もっと!と貪欲に求めていった。
幼い頃から、アイリーンは外見や所作を磨く事は苦にならなかったが、深く物事を考えたり、面倒くさい事や試行錯誤する事は大嫌いだった。
だから、家庭教師から勉強を教わる時間が一番苦痛だった。マナーやダンスなどは、センスがあるのか、すぐに身についたし、さらに自分が優雅に見えるのがうれしくて、苦ではなかった。苦手なのは机に向かう時間だ。はじめのうちは、努力しなくても、理解できたし、課題などもすぐにできた。
しかし、年齢を重ねると、一回授業を聞いただけでは理解できない分野がでてきた。しかも論文など自分で調べて考えて、文章にまとめる課題などは苦痛で仕方なかった。本を探して、頭の中で理論を組み立てることになんの楽しみも見いだせない。さらには、自分の言葉で表現し、文章にして、まとめなければいけない。
机の前で唸って悩む、その時間が無駄ではないかしら? そんな時間があったら、髪や肌の手入れでもしていたほうがましだし、読むなら学術書よりも、ドレスのカタログの方が楽しいじゃない?
そんな時に、一緒に家庭教師の授業を受けているマルティナの姿が目に入った。この子は容姿が冴えないせいで、母や侍女達にないがしろにされている。
まぁ、この上なく美しいアイリーンの妹に生まれてしまったのが、運の尽きよね。それなのに、真面目しか取柄のないマルティナは一生懸命、家庭教師の話を聞いて、ノートに熱心に書き込みをしている。
馬鹿みたい……そんなにがんばって、勉強したところでアイリーンには勝てないし、母に認められることも褒められることもないだろう。
……そう、そんなにがんばって勉強したいのなら、アイリーンの役に立ってもらおうか。
ふふふ、自分の素晴らしい思い付きに笑みが漏れる。家庭教師も勉強に関してはアイリーンよりマルティナを褒める回数が多い。今まではそれも気にくわなかったが、マルティナを利用することで、上手くマルティナの足も引っ張れるだろう。
それからは、家庭教師が帰った後に、マルティナに自分の苦手な分野の応用問題の解説を求めたり、暗記すべき分野をわかりやすくまとめさせた。論文をまとめる課題が出たときは、マルティナにまずアイリーンの分を作成させて、それから自身のものをまとめさせるようにした。
もちろん、マルティナの書いたものをそのまま提出するなんて馬鹿なことはしない。それはどれだけ手間でも、必ず自分で書き写した。疑問に思った部分はマルティナに質問して、きちんと内容も理解したので、提出物への質疑応答もお手の物だった。
もともと馬鹿正直なマルティナは、一番良い案をアイリーンのものに使用したけど、たまに、アイリーンのものを作成した後に、なにかひらめきがあり、マルティナの方が出来が良い時があったが、その度に、叱責するとわざと手を抜いたりして、全ての科目においてアイリーンの成績を上回ることはなくなった。
こうして、アイリーンは幼い頃から美しいだけでなく、優秀であると評判になった。
初めてクリストファーと会ったのは、高位貴族の子息や令嬢が集まる茶会だった。金の髪をなびかせる彼は、周りの者から抜きん出た外見をしていた。美しさで負けたかもしれないと思ったのはアイリーンにとって初めての経験だった。まじまじとクリストファーを観察していると、その視線を感じたのかクリストファーと目が合った。まるで空のような綺麗な水色をしている。アイリーンと同じ青瞳だが、クリストファーの方が薄い色をしていて、澄んでいる。目が合ったのは一瞬で、鋭い目をしたクリストファーはすぐに目を逸らした。
「ふーん……」
アイリーンのように、いや、アイリーンより輝きの頂点にいる人。クリストファーの第一印象は、それだ。美しく優秀な公爵家嫡男。同年代に王族の子息がいないため、公爵家嫡男のクリストファーは爵位で見ると頂点にいる。しかも、次期公爵様だ。美しい外見をしていることもあり、花に群がる蝶のように貴族の子息や令嬢が周りに侍っていた。
今までは、自分が輪の中心にいたアイリーンは少しそれが気に食わなかった。だが、クリストファーには愛嬌がなかった。にこりとも笑わないクリストファーはいつも人に囲まれていたが、気を許すことはなく孤高を貫いていた。
「なにが楽しいんだろう……?」
人に囲まれ、ちやほやされても、それに関心のなさそうなクリストファーはアイリーンに理解できない人種だった。そんなクリストファーを横目に、称賛を求めて、アイリーンはより一層、愛嬌を振りまき、取り巻きを増やしていった。
4
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました
さこの
恋愛
姉は優しく美しい。姉の名前はアリシア私の名前はフェリシア
姉の婚約者は第三王子
お茶会をすると一緒に来てと言われる
アリシアは何かとフェリシアと第三王子を二人にしたがる
ある日姉が父に言った。
アリシアでもフェリシアでも婚約者がクリスタル伯爵家の娘ならどちらでも良いですよね?
バカな事を言うなと怒る父、次の日に姉が家を、出た
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる