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第4話
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山ごもり中はずっとひとりだったベアグレルは、確かに満月を見てその美しさを言葉にしていた覚えがあった。
周りに誰もいないからこその行動を見られていたと分かり、ベアグレルは思わず声を張りあげてしまった。
「水浴びのみならず、そんなところまでご覧になっていたんですの? 朝から晩まで飽きもせず!」
「飽きるわけないでしょう! いくらでも眺めていられますよ貴女のことは!」
するとすかさず兄たちが『分かるなあ……』と口々につぶやいた。
三人の兄たちも、伯爵と同意見らしい。ベアグレルがきょとんとしていると、のんびりとした声が割って入ってきた。
「あー君たち」
恰幅のいい中年男性が、一家と伯爵を眺めて苦笑いを浮かべる。
その人は夜会の主催者、ヴァーリハ公国を治める公爵だった。
ベアグレルはとっさに姿勢を正してスカートを軽く持ち上げると、何度も練習した通りの仕草で公国一の偉い人に挨拶した。
「ごきげんよう、ヴァーリハ公爵閣下」
「クラウラド卿、そしてベアグレル嬢。イチャつくのはせめて庭に出てからやりなさい」
「はっ! 失礼しました」
ベアグレルがはきはきと答える横で、伯爵が『イチャついてるわけではないですよう』と小声でつぶやく。
衆目を集める中、ベアグレルはずっとうなだれている伯爵の腕を引いて強引に歩かせた。ふたりで庭へと出る前に、まずは悔しげな顔をした令嬢の元へと向かう。
令嬢の前で立ち止まれば、広げられた扇子で口元を隠した令嬢が怪訝な表情を浮かべる。
「な、なにかご用ですの? ベアグレル嬢」
「先ほどは親切にしてくださってありがとうございました!」
「なんの話です?」
「伯爵のお名前を教えてくださったではありませんか」
「いちいち礼などおっしゃらなくて結構です! そんなくだらないことで伯爵様をお待たせしていないで、さっさとお行きなさいな!」
「はい!」
ぷいと顔をそむけた令嬢にベアグレルはめいっぱいお辞儀をすると、再び伯爵の腕を引いて外に出た。
先ほどは見る余裕のなかった夜空を見上げると、そこには満月が浮かんでいた。
「わあ、きれいなお月さまが出ていますね!」
感激しながら振りかえれば、まぶしいものを見るようなまなざしと目が合う。
「どうされました? 満月の明るさは苦手でいらっしゃる?」
「いや、そういうわけではないのですが……」
伯爵が、言葉を濁しながら視線を逸らす。
ベアグレルはその態度を不思議に思ったものの、伯爵に『さ、参りましょう』と促されたため、すぐに考えるのをやめた。
月光の降る庭園を、るんるんとスキップしながら散歩する。
夜の山の景色なら見慣れているものの、きれいに整えられた庭の夜は初めてだった。
月明かりを帯びた花や草木を、きょろきょろと観察する。
「満月の夜は、草木がきらめいて見えますわね」
「そうですね」
「わたくし、夜目がきくので新月の夜でも歩けますのよ」
「それはすごいですね」
すぐに返ってくる相づちは、どことなく寂しげな響きを帯びていた。ぴたりと足を止めたベアグレルが振りかえると、伯爵は沈鬱な面持ちをしていた。
どうしたのかとベアグレルが問うより先に、伯爵が話しだす。
「ベアグレル嬢。貴女は吸血鬼の生態をご存じですか?」
「あ、はい。ええっと、太陽の光に弱いこと、ニンニクが苦手なこと……」
「他には?」
「えーと、なんでしたっけ」
まだなにかあった気はしたものの、すぐには出てこず首をかしげてみせる。
すると伯爵は眉根を寄せて、小さくため息をついた。
「人の生き血を吸いたくなってしまう生き物なのですよ。誰かを犠牲にするのは抵抗があるため、私は生肉で代用していますが」
「ああ、そうでしたわね。お肉はわたくしも大好きです! 生の状態で喰らいついたことはございませんけれども」
「先ほど貴女は私に『旦那様になって欲しい』とおっしゃいましたが、私のような者が伴侶を持てば、吸血鬼の根源的欲求で、おそらくその方に血を分けていただきたくなってしまうわけでして……」
そこで一旦言葉を区切った伯爵は、地面に視線を落とし、しかしすぐに顔を上げた。
赤い瞳がまっすぐにベアグレルを捉える。
「……その方にご負担をおかけしてしまうことになるわけです。だからこそ私は、公爵閣下のご招待をお断りしつづけて出会いの場を辞して、今まで誰とも婚姻を結ばずにいたのですよ」
「そうだったのですね。今日は、なにかお心変わりがあったのですか?」
「本日は、両親から『今まで散々断り続けてきたのだからそろそろ行ってこい』とたしなめられて、ここに参った次第です。それにしても、つくづく吸血鬼というものは今の時代にそぐわない生き物だと思います。一族の中でも『生きるために生き血を求めることは、我らを吸血鬼たらしめる本能である』と主張する者がいる一方で、『誰かを傷つけなければ生きていけないなんて、いっそ滅びるべきだ』と言う者もおり、意見が分かれてしまっておりますし」
「滅びるべきだなんて、それは大変なことですわね……。クラウラド様は、今まで血をお飲みになったことはないのですか?」
「吸血鬼一族が、公国から保護されていることについてはご存じですか」
「ええ。百年前に公国が大嵐に見舞われた際、吸血鬼一族の方々が総動員で嵐を操って終息させたのですよね。その多大なる貢献により、我が国はヴァンパイアハンターの入国を禁じるほどに、吸血鬼一族を大事にしている……。家庭教師から、そう歴史を学びました」
「その通りです。それ以降、褒賞として国から血液を提供していただいているのですよ。十年に一度、ごく少量ですので一人当たり数滴になってしまいますが。それだけでも生きていくことはできますので、少なくとも私個人は国に頼りきりであるのが現状です」
「本当はもっとお召し上がりになりたい?」
「本音を言えば……そうですね。しかし人を傷つける行為ですので、幼い頃より欲求を抑える術は身に付いております」
「でしたら……」
ベアグレルは顔の横に垂らした髪を張りきって払うと、伯爵に向かって自分の首をさらしてみせた。
「わたくし『血の気が多い』って昔から言われておりますの。いくらでもお飲みになっていただけますわ」
旦那様となる人を喜ばせてあげることができるかもしれない――。
それを思えば途端に心が弾みだす。ベアグレルはいてもたってもいられず月光の中を駆けだした。
スカートをひるがえしながら伯爵に振りかえり、満面の笑みを浮かべてみせる。
「ほら! わたくしほどあなたにぴったりの伴侶はおりませんでしょう?」
「……!」
ベアグレルを見つめる目が見開かれる。赤い瞳がわずかに揺らぐ。
直後、足早に歩み寄ってきた伯爵の長い腕が差しのべられた。その意図が分からずただ見つめている間にぐいと引き寄せられて、気づけば腕の中に収まっていた。初めての父や兄以外の男性との抱擁に、たちまち心臓が騒ぎだす。
「わわ!? クラウラド様!?」
「……やられた。降参だ」
苦笑まじりの声が降ってくる。ベアグレルは、抱きしめられた腕の中でおそるおそる伯爵の顔を仰ぎ見た。するとそこにはどこか切なげな、それでいて温かな笑みが待ち構えていた。
(なんて優しそうな笑顔なのかしら)
誰かの顔に見とれてしまうのも初めての経験だった。山で見かけたきれいな花を眺めているときの気持ちでじっと見つめる。すると不意に伯爵が顔を近づけてきた。
驚く隙も与えられず、まぶたに唇が触れる。今まで生きてきてそこに感じたことのない感触に、山で熊と対峙したときのように心臓が早鐘を打ちはじめる。
「ほわ!? なっななな、なにを……」
「夫婦となるのでしょう? これしきで照れていては先が思いやられますね」
「こ、これしきって……はわわ……」
全身がかっと熱くなり、ゆだった頭がぐらぐらと揺れはじめる。
伯爵の腕の中でぐるぐると目を回していたベアグレルは、しかしすぐに正気を取り戻すと、自分の頬を両手で思い切り叩いた。
抱擁を振りほどいて大きく後方に飛びのき、自分を鼓舞すべく声を張りあげる。
「みっともない姿をお見せしてしまい申し訳ございません! まだまだ修行が足りない証拠ですわ! わたくし今からまた山ごもりして参りますので、結婚式は修行を終えてからにいたしましょう!」
ベアグレルが修行をしている山は、公爵邸からは一晩中走りつづけても辿りつかない距離にある。近場の山は兄たちが修行場としていたため、ベアグレルは遠くの山でしか修行できないのだった。しかし走るのもまた修行の一環だと思い、ベアグレルは気合を入れるとその場で準備運動を始めた。
ドレスをまとったままでも構わずに駆けだそうとした矢先。
手首をつかまれた。
またたく間に引きよせられて、今度は背後から抱きしめられる。
「だめです。逃がしません」
周りに誰もいないからこその行動を見られていたと分かり、ベアグレルは思わず声を張りあげてしまった。
「水浴びのみならず、そんなところまでご覧になっていたんですの? 朝から晩まで飽きもせず!」
「飽きるわけないでしょう! いくらでも眺めていられますよ貴女のことは!」
するとすかさず兄たちが『分かるなあ……』と口々につぶやいた。
三人の兄たちも、伯爵と同意見らしい。ベアグレルがきょとんとしていると、のんびりとした声が割って入ってきた。
「あー君たち」
恰幅のいい中年男性が、一家と伯爵を眺めて苦笑いを浮かべる。
その人は夜会の主催者、ヴァーリハ公国を治める公爵だった。
ベアグレルはとっさに姿勢を正してスカートを軽く持ち上げると、何度も練習した通りの仕草で公国一の偉い人に挨拶した。
「ごきげんよう、ヴァーリハ公爵閣下」
「クラウラド卿、そしてベアグレル嬢。イチャつくのはせめて庭に出てからやりなさい」
「はっ! 失礼しました」
ベアグレルがはきはきと答える横で、伯爵が『イチャついてるわけではないですよう』と小声でつぶやく。
衆目を集める中、ベアグレルはずっとうなだれている伯爵の腕を引いて強引に歩かせた。ふたりで庭へと出る前に、まずは悔しげな顔をした令嬢の元へと向かう。
令嬢の前で立ち止まれば、広げられた扇子で口元を隠した令嬢が怪訝な表情を浮かべる。
「な、なにかご用ですの? ベアグレル嬢」
「先ほどは親切にしてくださってありがとうございました!」
「なんの話です?」
「伯爵のお名前を教えてくださったではありませんか」
「いちいち礼などおっしゃらなくて結構です! そんなくだらないことで伯爵様をお待たせしていないで、さっさとお行きなさいな!」
「はい!」
ぷいと顔をそむけた令嬢にベアグレルはめいっぱいお辞儀をすると、再び伯爵の腕を引いて外に出た。
先ほどは見る余裕のなかった夜空を見上げると、そこには満月が浮かんでいた。
「わあ、きれいなお月さまが出ていますね!」
感激しながら振りかえれば、まぶしいものを見るようなまなざしと目が合う。
「どうされました? 満月の明るさは苦手でいらっしゃる?」
「いや、そういうわけではないのですが……」
伯爵が、言葉を濁しながら視線を逸らす。
ベアグレルはその態度を不思議に思ったものの、伯爵に『さ、参りましょう』と促されたため、すぐに考えるのをやめた。
月光の降る庭園を、るんるんとスキップしながら散歩する。
夜の山の景色なら見慣れているものの、きれいに整えられた庭の夜は初めてだった。
月明かりを帯びた花や草木を、きょろきょろと観察する。
「満月の夜は、草木がきらめいて見えますわね」
「そうですね」
「わたくし、夜目がきくので新月の夜でも歩けますのよ」
「それはすごいですね」
すぐに返ってくる相づちは、どことなく寂しげな響きを帯びていた。ぴたりと足を止めたベアグレルが振りかえると、伯爵は沈鬱な面持ちをしていた。
どうしたのかとベアグレルが問うより先に、伯爵が話しだす。
「ベアグレル嬢。貴女は吸血鬼の生態をご存じですか?」
「あ、はい。ええっと、太陽の光に弱いこと、ニンニクが苦手なこと……」
「他には?」
「えーと、なんでしたっけ」
まだなにかあった気はしたものの、すぐには出てこず首をかしげてみせる。
すると伯爵は眉根を寄せて、小さくため息をついた。
「人の生き血を吸いたくなってしまう生き物なのですよ。誰かを犠牲にするのは抵抗があるため、私は生肉で代用していますが」
「ああ、そうでしたわね。お肉はわたくしも大好きです! 生の状態で喰らいついたことはございませんけれども」
「先ほど貴女は私に『旦那様になって欲しい』とおっしゃいましたが、私のような者が伴侶を持てば、吸血鬼の根源的欲求で、おそらくその方に血を分けていただきたくなってしまうわけでして……」
そこで一旦言葉を区切った伯爵は、地面に視線を落とし、しかしすぐに顔を上げた。
赤い瞳がまっすぐにベアグレルを捉える。
「……その方にご負担をおかけしてしまうことになるわけです。だからこそ私は、公爵閣下のご招待をお断りしつづけて出会いの場を辞して、今まで誰とも婚姻を結ばずにいたのですよ」
「そうだったのですね。今日は、なにかお心変わりがあったのですか?」
「本日は、両親から『今まで散々断り続けてきたのだからそろそろ行ってこい』とたしなめられて、ここに参った次第です。それにしても、つくづく吸血鬼というものは今の時代にそぐわない生き物だと思います。一族の中でも『生きるために生き血を求めることは、我らを吸血鬼たらしめる本能である』と主張する者がいる一方で、『誰かを傷つけなければ生きていけないなんて、いっそ滅びるべきだ』と言う者もおり、意見が分かれてしまっておりますし」
「滅びるべきだなんて、それは大変なことですわね……。クラウラド様は、今まで血をお飲みになったことはないのですか?」
「吸血鬼一族が、公国から保護されていることについてはご存じですか」
「ええ。百年前に公国が大嵐に見舞われた際、吸血鬼一族の方々が総動員で嵐を操って終息させたのですよね。その多大なる貢献により、我が国はヴァンパイアハンターの入国を禁じるほどに、吸血鬼一族を大事にしている……。家庭教師から、そう歴史を学びました」
「その通りです。それ以降、褒賞として国から血液を提供していただいているのですよ。十年に一度、ごく少量ですので一人当たり数滴になってしまいますが。それだけでも生きていくことはできますので、少なくとも私個人は国に頼りきりであるのが現状です」
「本当はもっとお召し上がりになりたい?」
「本音を言えば……そうですね。しかし人を傷つける行為ですので、幼い頃より欲求を抑える術は身に付いております」
「でしたら……」
ベアグレルは顔の横に垂らした髪を張りきって払うと、伯爵に向かって自分の首をさらしてみせた。
「わたくし『血の気が多い』って昔から言われておりますの。いくらでもお飲みになっていただけますわ」
旦那様となる人を喜ばせてあげることができるかもしれない――。
それを思えば途端に心が弾みだす。ベアグレルはいてもたってもいられず月光の中を駆けだした。
スカートをひるがえしながら伯爵に振りかえり、満面の笑みを浮かべてみせる。
「ほら! わたくしほどあなたにぴったりの伴侶はおりませんでしょう?」
「……!」
ベアグレルを見つめる目が見開かれる。赤い瞳がわずかに揺らぐ。
直後、足早に歩み寄ってきた伯爵の長い腕が差しのべられた。その意図が分からずただ見つめている間にぐいと引き寄せられて、気づけば腕の中に収まっていた。初めての父や兄以外の男性との抱擁に、たちまち心臓が騒ぎだす。
「わわ!? クラウラド様!?」
「……やられた。降参だ」
苦笑まじりの声が降ってくる。ベアグレルは、抱きしめられた腕の中でおそるおそる伯爵の顔を仰ぎ見た。するとそこにはどこか切なげな、それでいて温かな笑みが待ち構えていた。
(なんて優しそうな笑顔なのかしら)
誰かの顔に見とれてしまうのも初めての経験だった。山で見かけたきれいな花を眺めているときの気持ちでじっと見つめる。すると不意に伯爵が顔を近づけてきた。
驚く隙も与えられず、まぶたに唇が触れる。今まで生きてきてそこに感じたことのない感触に、山で熊と対峙したときのように心臓が早鐘を打ちはじめる。
「ほわ!? なっななな、なにを……」
「夫婦となるのでしょう? これしきで照れていては先が思いやられますね」
「こ、これしきって……はわわ……」
全身がかっと熱くなり、ゆだった頭がぐらぐらと揺れはじめる。
伯爵の腕の中でぐるぐると目を回していたベアグレルは、しかしすぐに正気を取り戻すと、自分の頬を両手で思い切り叩いた。
抱擁を振りほどいて大きく後方に飛びのき、自分を鼓舞すべく声を張りあげる。
「みっともない姿をお見せしてしまい申し訳ございません! まだまだ修行が足りない証拠ですわ! わたくし今からまた山ごもりして参りますので、結婚式は修行を終えてからにいたしましょう!」
ベアグレルが修行をしている山は、公爵邸からは一晩中走りつづけても辿りつかない距離にある。近場の山は兄たちが修行場としていたため、ベアグレルは遠くの山でしか修行できないのだった。しかし走るのもまた修行の一環だと思い、ベアグレルは気合を入れるとその場で準備運動を始めた。
ドレスをまとったままでも構わずに駆けだそうとした矢先。
手首をつかまれた。
またたく間に引きよせられて、今度は背後から抱きしめられる。
「だめです。逃がしません」
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