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12 今、できることを
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傷だらけの勇者の心を癒やすという、そびえたつ壁を目の当たりにして、ルエリアは絶望に近い気持ちに陥った。重圧に、心臓が一度強く脈打つ。
何度も強く首を振って弱気を抑え込み、頬を叩く痛みで心を奮い立たせる。
(ひるんでたって、ギルヴェクス様は癒やして差し上げられない。まずは冷静に、ギルヴェクス様に飲んでいただく魔法薬の調合をしよう)
ルエリアは、鞄の中から乾燥シンホリイムを詰めた匂い袋を取り出した。両手でそれをそっと包み込み、目を閉じて深呼吸する。故郷の特産の薬草の、ほのかな甘い香りが鼻腔に広がった。
嗅ぎなれた香りに包まれれば、少しずつ心が落ち着きを取り戻していく。
(きっと、うまくいく。大丈夫、大丈夫、……)
『この苦しみは……僕が受けるべき罰なんだ』――。
もう一度、勇者ギルヴェクスの言葉を思い出す。
(自分を責めている人に、少しでも落ち着いてもらうには……)
薬草辞典を取り出して、お目当てのページをぱっと開く。
「うん。ルナヴァラッドがいいな」
ルナヴァラッドとは高山に生える紫色の花だ。取りに行くのが大変なせいで、薬草店の中でも大きい店でしか扱っていない。少なくともルエリアが王都にいた頃に通っていた店では見かけなかった。
「取り寄せてもらうのに時間が掛かりそう。自分で育てちゃおうかな」
魔法薬師の冒険者は、素材をそのまま持ち歩こうとすると荷物が膨大になるため種を持ち歩いている人が多かった。魔法を使って種から促成栽培すれば、荷物が少なくて済む。
ルエリアの鞄にも、様々な薬草の種が入れてあった。いくつもの小袋の中から【ルナヴァラッド】と書かれたものを取り出して、中に入っている種子の状態を確認する。
「魔法を浴びせるだけで育てる方法だと、品質にばらつきができちゃうんだよね……そうだ」
ルエリアは素早く立ち上がると、調理場へと向かった。
調理場には男性の料理人がひとりいて、調理器具を洗っていた。料理の最中ではないようだったが、室内には、かすかに良い香りが漂っている。
白い調理服を着た背中に向かって、ルエリアは声を掛けた。
「こんにちは!」
「あ、どうも」
料理人が手を止めて、灰色の瞳でルエリアを見る。中肉中背のその人を、ルエリアは笑顔で見上げた。
「私、魔法薬師のルエリア・ウィノーバルっていいます。お名前をお聞きしてもいいですか?」
「テオドール・セネットだよ」
「テオドール様、いつもおいしいお料理をありがとうございます」
「様なんて硬い呼び方しないでいいって」
「あ、はい、テオドールさん」
「うん。ルエリアさん、私の料理を完食してくれてありがとう」
一瞬笑みを浮かべたあと、すっと視線が落ちていく。
(ギルヴェクス様にお料理を食べてもらえなくて、落ち込んでるのかな)
きっと主人の食が細くなっていて、作った料理に手をつけてもらえないことが多いのだろう。致し方ないこととはいえ、心を込めて作った料理を食べて欲しい人に食べてもらえないのはつらいだろうなとルエリアは思った。
何も言えずにいると、テオドールがふと思い出したような顔に変わった。
「あ、そうそうルエリアさん。私も君が作った飴玉をいただいたよ。すぐ寝付けるし寝覚めもいいし疲れも取れてるし……。あんな爽やかな気分で朝を迎えたのは久しぶりだよ。ありがとう」
「いえ! お役に立ててよかったです!」
「ところでお腹が空いてるの? 何か作ろうか? ギルヴェクス様にお出しする分の料理の仕込みは終わってるから、なんでも作れるよ」
「いえ、あの、いきなりで申し訳ないんですけど……。生ごみって、分けてもらえたりしませんか?」
「生ごみ!?」
「はい。手持ちの薬草を種から育てるために、生ごみから肥料を作らせてもらいたくて」
「魔法薬師ってそんなこともできるの!?」
「はい。魔法薬を作る手法で作った肥料で薬草を育てると、品質が安定するんです」
「なるほどね」
ルエリアはテオドールに生ごみをほんの少しだけ分けてもらうと、その場で魔法を浴びせて肥料に加工していった。魔法を浴びせるうちに、異臭を放っていた生ごみはすぐに、土にしか見えない状態に変化した。
隣で見ていたテオドールが感心した声を洩らす。
「あっという間に生ごみじゃなくなったね」
「生ごみって嫌な臭いがするじゃないですか。だから作業を早く終えたがった魔法薬師が、短時間で分解する魔法を編み出したそうですよ」
「なるほどね。必要に駆られてってわけだ。確かにずっと生ごみと向き合ってるのはつらいもんね」
ははは、とテオドールが調理場に笑い声を響かせる。釣られてルエリアも笑顔になった。
それから庭へ行き、庭師に植木鉢と土を分けてもらうと自室へと戻り、早速ルナヴァラッドの超促成栽培を開始した。
肥料を混ぜ込んだ土を植木鉢に詰め込んで、ぐっと種を押し込んでいく。
いくつもの種をまいた植木鉢を円卓に置き、椅子に腰掛けると、ひとつ深呼吸してから土の上に手のひらをかざして水魔法を掛けた。
土に水分を含ませてから、続けて光魔法を浴びせはじめる。魔力量のコントロールに意識を集中する。
(早くこのルナヴァラッドを育てて、魔法薬にして、ギルヴェクス様に飲んでいただきたいな)
話を聞きに行ったときに見た、生気の失せた目を思い出す。
勇者ギルヴェクスの瞳の色は『快晴の空の色』と称される鮮やかな青色をしている。
城郭都市で遠巻きに見たときも、姿絵の中でも、その瞳は強い輝きをたたえていた。
(あの目の輝きを、早く取り戻して差し上げたい)
長時間、一定の力で魔力を放出し続けるのは久しぶりだった。全身から力が抜けていく。ルエリアは深呼吸を繰り返すと、必死に自分を奮い立たせながら植木鉢に光魔法を浴びせ続けた。
遠くから、女の子の泣き声が聞こえてくる。
それは幼い頃のルエリア自身の声だった。少女がベッドに乗り上げて、横たわる母に縋り付き、わんわんと大声で泣き叫んでいる。
――お母さん……! ねえ起きて、起きてよお……!
隣のベッドに飛び移り、今度は父を揺さぶる。
――お父さん! お母さんが起きないの……! ねえ、お父さん……!
いくら揺さぶっても、ふたりとも二度と目を開いてはくれなかった。
――ごめんなさい、私がもっと早く、誰かを呼びに行かなかったから……!
何度も強く首を振って弱気を抑え込み、頬を叩く痛みで心を奮い立たせる。
(ひるんでたって、ギルヴェクス様は癒やして差し上げられない。まずは冷静に、ギルヴェクス様に飲んでいただく魔法薬の調合をしよう)
ルエリアは、鞄の中から乾燥シンホリイムを詰めた匂い袋を取り出した。両手でそれをそっと包み込み、目を閉じて深呼吸する。故郷の特産の薬草の、ほのかな甘い香りが鼻腔に広がった。
嗅ぎなれた香りに包まれれば、少しずつ心が落ち着きを取り戻していく。
(きっと、うまくいく。大丈夫、大丈夫、……)
『この苦しみは……僕が受けるべき罰なんだ』――。
もう一度、勇者ギルヴェクスの言葉を思い出す。
(自分を責めている人に、少しでも落ち着いてもらうには……)
薬草辞典を取り出して、お目当てのページをぱっと開く。
「うん。ルナヴァラッドがいいな」
ルナヴァラッドとは高山に生える紫色の花だ。取りに行くのが大変なせいで、薬草店の中でも大きい店でしか扱っていない。少なくともルエリアが王都にいた頃に通っていた店では見かけなかった。
「取り寄せてもらうのに時間が掛かりそう。自分で育てちゃおうかな」
魔法薬師の冒険者は、素材をそのまま持ち歩こうとすると荷物が膨大になるため種を持ち歩いている人が多かった。魔法を使って種から促成栽培すれば、荷物が少なくて済む。
ルエリアの鞄にも、様々な薬草の種が入れてあった。いくつもの小袋の中から【ルナヴァラッド】と書かれたものを取り出して、中に入っている種子の状態を確認する。
「魔法を浴びせるだけで育てる方法だと、品質にばらつきができちゃうんだよね……そうだ」
ルエリアは素早く立ち上がると、調理場へと向かった。
調理場には男性の料理人がひとりいて、調理器具を洗っていた。料理の最中ではないようだったが、室内には、かすかに良い香りが漂っている。
白い調理服を着た背中に向かって、ルエリアは声を掛けた。
「こんにちは!」
「あ、どうも」
料理人が手を止めて、灰色の瞳でルエリアを見る。中肉中背のその人を、ルエリアは笑顔で見上げた。
「私、魔法薬師のルエリア・ウィノーバルっていいます。お名前をお聞きしてもいいですか?」
「テオドール・セネットだよ」
「テオドール様、いつもおいしいお料理をありがとうございます」
「様なんて硬い呼び方しないでいいって」
「あ、はい、テオドールさん」
「うん。ルエリアさん、私の料理を完食してくれてありがとう」
一瞬笑みを浮かべたあと、すっと視線が落ちていく。
(ギルヴェクス様にお料理を食べてもらえなくて、落ち込んでるのかな)
きっと主人の食が細くなっていて、作った料理に手をつけてもらえないことが多いのだろう。致し方ないこととはいえ、心を込めて作った料理を食べて欲しい人に食べてもらえないのはつらいだろうなとルエリアは思った。
何も言えずにいると、テオドールがふと思い出したような顔に変わった。
「あ、そうそうルエリアさん。私も君が作った飴玉をいただいたよ。すぐ寝付けるし寝覚めもいいし疲れも取れてるし……。あんな爽やかな気分で朝を迎えたのは久しぶりだよ。ありがとう」
「いえ! お役に立ててよかったです!」
「ところでお腹が空いてるの? 何か作ろうか? ギルヴェクス様にお出しする分の料理の仕込みは終わってるから、なんでも作れるよ」
「いえ、あの、いきなりで申し訳ないんですけど……。生ごみって、分けてもらえたりしませんか?」
「生ごみ!?」
「はい。手持ちの薬草を種から育てるために、生ごみから肥料を作らせてもらいたくて」
「魔法薬師ってそんなこともできるの!?」
「はい。魔法薬を作る手法で作った肥料で薬草を育てると、品質が安定するんです」
「なるほどね」
ルエリアはテオドールに生ごみをほんの少しだけ分けてもらうと、その場で魔法を浴びせて肥料に加工していった。魔法を浴びせるうちに、異臭を放っていた生ごみはすぐに、土にしか見えない状態に変化した。
隣で見ていたテオドールが感心した声を洩らす。
「あっという間に生ごみじゃなくなったね」
「生ごみって嫌な臭いがするじゃないですか。だから作業を早く終えたがった魔法薬師が、短時間で分解する魔法を編み出したそうですよ」
「なるほどね。必要に駆られてってわけだ。確かにずっと生ごみと向き合ってるのはつらいもんね」
ははは、とテオドールが調理場に笑い声を響かせる。釣られてルエリアも笑顔になった。
それから庭へ行き、庭師に植木鉢と土を分けてもらうと自室へと戻り、早速ルナヴァラッドの超促成栽培を開始した。
肥料を混ぜ込んだ土を植木鉢に詰め込んで、ぐっと種を押し込んでいく。
いくつもの種をまいた植木鉢を円卓に置き、椅子に腰掛けると、ひとつ深呼吸してから土の上に手のひらをかざして水魔法を掛けた。
土に水分を含ませてから、続けて光魔法を浴びせはじめる。魔力量のコントロールに意識を集中する。
(早くこのルナヴァラッドを育てて、魔法薬にして、ギルヴェクス様に飲んでいただきたいな)
話を聞きに行ったときに見た、生気の失せた目を思い出す。
勇者ギルヴェクスの瞳の色は『快晴の空の色』と称される鮮やかな青色をしている。
城郭都市で遠巻きに見たときも、姿絵の中でも、その瞳は強い輝きをたたえていた。
(あの目の輝きを、早く取り戻して差し上げたい)
長時間、一定の力で魔力を放出し続けるのは久しぶりだった。全身から力が抜けていく。ルエリアは深呼吸を繰り返すと、必死に自分を奮い立たせながら植木鉢に光魔法を浴びせ続けた。
遠くから、女の子の泣き声が聞こえてくる。
それは幼い頃のルエリア自身の声だった。少女がベッドに乗り上げて、横たわる母に縋り付き、わんわんと大声で泣き叫んでいる。
――お母さん……! ねえ起きて、起きてよお……!
隣のベッドに飛び移り、今度は父を揺さぶる。
――お父さん! お母さんが起きないの……! ねえ、お父さん……!
いくら揺さぶっても、ふたりとも二度と目を開いてはくれなかった。
――ごめんなさい、私がもっと早く、誰かを呼びに行かなかったから……!
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