4 / 34
4 迫りくる男たち
しおりを挟む
男たちがぞろぞろと、ルエリアのいる部屋に入ってくる。ぎぎぎ……と金具の軋む音と共に扉が閉じられれば、六人の男、そしてルエリアとが狭い空間で向き合う形となる。
リーダー格の男が、ルエリアを見ながら鼻で笑った。
「つくづくお前は能天気なヤツだよな。お前、俺たちと対等な立場だと思ってんのか?」
「あなたたちが提案して私が乗ってあげたんだから、対等であるべきじゃない? 私が魔法薬を作らなかったら、あなたたちもお金を儲けられなくなるけど。あなたたちこそ、私が薬を作りたくなるように、私を丁重にもてなすべきじゃないの?」
「はっ、抜かせ。女に言うことを聞かせる方法なんてのはよお、いくらでもあるんだよ」
男たちが、ごつ、ごつ、とばらばらに足音を立てながら一歩一歩ルエリアに近づいてくる。誰もが気色悪い笑みをその顔に張り付かせている。
ルエリアは、迫りくる男たちから遠ざかる方向に後ずさった。狭い小屋の中では、あっという間に壁に行き当ってしまう。
完全に逃げ場を失ったルエリアを見て、リーダー格の男が歯を見せて笑った。
「素人女は久しぶりだなあ。まずは魔法を発動できないように、縄でしばるか、痛めつけておくか、……どっちにすっかなあ」
くくく、と人型の魔族のような耳障りな笑い声を洩らす。
その独り言に、見張りをしていた男が反応した。
「どっちもやりゃいいんじゃないすかー? とりあえず縄を……ってあれー? なんで誰も持ってきてないのー?」
などと言って、けらけらと笑い出す。他の男も『あ、やべ』『向こうに置いてきちまった』と顔を見合わせて気だるげに笑った。
笑いが収まると同時に、リーダー格の男が目をぎらつかせる。
「じゃ、痛めつける方が先だな」
男たちの中からふたり、太くて背の高い男とがりがりに痩せた男、両極端なふたりがルエリアに歩み寄ってきた。
両側からルエリアの腕をつかもうとした、その瞬間。
「元冒険者を舐めないでよね!」
ルエリアは顔の前に肘を突き出すような構えで自分の口元をガードすると、手に持っていた魔法薬の小袋を足元に叩き付けた。続けて風魔法を発生させて空気を攪拌する。
途端に薄青色の粉が狭い部屋に充満しはじめた。
「げほっげほっ!」
「ううっ、吸うなよ!」
霞んだ視界の中で、男たちもまた袖や手のひらで口を覆い隠しているのが見える。
ルエリアは、ひとまず自分から注意が逸らせたことを確認すると、咳き込んだり顔の前を払っている男たちに狙いを定めて――。
薬の小袋を乗せた風魔法を矢のように放ち、男たちの顔面に直撃させた。
「うぷっ!? 何しやが……げほっげほっ!」
視界が悪い中での突然の出来事に、動揺の声があちこちから上がる。
(これくらいの量を吸わせれば、すぐに効いてくるはず……!)
うまくいって欲しいと願う緊張感に、心臓が早鐘を打つ。その上、ルエリア自身も薬を吸ってしまわないように呼吸を抑えているせいで息苦しくなってきた。
(早く効いて……!)
心の中で叫びながら、期待通りの反応が現れることを強く祈る。すると、
「うっ!?」
煙幕が薄まりゆく中で、男たちが一斉に胸を押さえた。だらだらと汗を流しはじめる。
「お前、なにしやがった……! ヘンな薬作りやがって……!」
リーダー格の男が肩で息をしながら憎々しげにルエリアを睨む。その後ろで、他の男たちが壁に寄りかかってずるずると座り込んだり、その場でしゃがみ込んだりして頭を押さえ出した。苦悶の声が、辺りに充満する。
「痛え……」
「頭、痛えよう……」
(――今だ!)
男たちに固められていた扉の前のガードがなくなっている。ルエリアは、うずくまった男たちの間をすり抜けながら部屋から飛び出そうとした。次の瞬間。
「待ちな」
「きゃっ!?」
たんっ、と顔の横で鋭い音が鳴った。予期せぬ音に全身が硬直する。
おそるおそる目を開くと、今まさにルエリアが手を伸ばそうとした扉にはナイフが突き刺さっていた。
背後から、一歩また一歩と足音が近づいてくる。
「俺たちを舐めんなよ? こちとら修羅場くぐってきてんだ」
足がすくんでしまったルエリアは、顔だけを振り向かせた。すると床に転がる男たちの中央で、リーダー格の男ひとりだけが立ち上がっていた。膝に手を突き肩で息をしながらも、ルエリアを鋭く睨み付ける。
腕に力を込めて、辛うじてといった様子で上体を起こし、またルエリアとの距離を詰めてくる。その手には別のナイフが握られていた。下手に動けば今度は体を狙ってそれを投げてくるかも知れない。
(まずい、どうしよう……!)
ルエリアは元冒険者であり、短剣なら扱える。とはいえすっかり使う機会がなくなったせいで、今は鞄の一番底に埋めてしまっていた。扉に刺さったナイフを抜こうとしてみたものの、すぐには抜けないほどに深く刺さっていた。
魔導師のように魔法の威力を高める訓練を一切していないため、魔法を人にぶつけたところで目くらましにもならない。だからこそ、魔法薬師の魔法攻撃は、必ず薬を交えて効果を増幅させる必要がある。
そもそも薬の調合のために微細な力加減を習得した魔力持ちは、代償として威力の高い魔法が使えなくなるものだった。
迷っている間にも、男がナイフの届く距離まで迫ってくる。
ルエリアが扉に背中を付けて後ろ手にドアノブをつかむのと、手首を取り上げられたのはほぼ同時だった。
「くくっ。逃げんなよ。楽しもうぜえ?」
「やだっ、離してっ……!」
骨が折れるかと思うほどに強くつかまれる。全力で暴れてその手から逃れようとしても、まったく振りほどけない。
「離してっ、離してよっ……!」
前後左右、しゃがみ込んだり立ったりして上下動と。めちゃくちゃに暴れ回る。
必死に動いて男を振り回していると、不意に手首をつかむ力が弱まった。
男が汗と涙を流しながらうずくまり、顔をしかめて頭を押さえる。
「うう、くそっ……! 痛えよお……。お前ホントに、何しやがったんだよ、頭いてええ……!」
「ごめんなさい! あとには残らないから! じゃあね!」
ルエリアは、薬効成分が室外に逃げてしまわないように扉を自分ひとりが通れるだけ開いた。隙間をすり抜けて急いで閉めて、一目散に小屋から逃げ出す。全力で男を揺さぶったせいで、頭痛を悪化させられたのかも知れない。
時折後ろを振り返りつつ、森の中を駆ける。呼吸を抑えていたはずでもやはり粉薬を吸ってしまったようで、額に汗が浮かび、頭がずきずきと痛み出す。手のひらを頬に当てて指先をこめかみに押し付けて、頭痛を紛らそうとする。
「ロウジバの興奮作用を極端に高めてみたのがうまくいってよかったあ……!」
思惑通りに事が運んだことを改めて口にして、どうにか落ち着こうとする。
ロウジバは気分を高揚させる効果のある野草だった。
冒険者時代、高難度の依頼に臨む際、互いに予期せぬ行動を起こしてしまわないように恐怖心を抑える必要があった。そのときに、ロウジバから作った魔法薬をパーティーメンバーに配り、ルエリア自身も使っていたことがあった。
(ああでもしなきゃ、逃げられなかったとは思うけど、自分で作った薬で人を苦しめるなんて、もうしたくないな……)
男たちが頭を押さえて痛がる様子を思い出せば、胸がぎゅっと締め付けられる。
冒険者時代、自作の薬で魔族に攻撃した際も、憎き魔族とはいえ魔法薬の効果で苦しむ様子は胸が痛んだ。特に、人型の魔族がのたうち回る様子は目を逸らしたくなる光景だった。
全力で走っていることに加えて恐怖を覚えたせいで、鼓動がひっきりなしに喉を叩く。
息を切らしながら、わざと大声で独り言を言って気を取り直そうとする。
「風魔法でちゃんと顔に直撃させられて本当によかったあ。でも充分に吸い込ませる余裕はなかったから、たぶんすぐに効果が収まって追いかけてくるだろうな。早く遠くに逃げないと……!」
森の木々の間を縫うように走り続けて、街道に踊り出た瞬間。
馬のいななきに行く手を阻まれた。
「きゃっ!?」
「おっと」
白馬に乗った女性が華麗な手綱さばきで馬を止める。あとからついてきた三人の騎士も同様に、馬に足を止めさせた。
「す、すみません……!」
激突しそうになった申し訳なさに焦りながら、馬上を見上げる。すると、いかにも高貴そうな女性がルエリアを見下ろしていた。
淡い水色の瞳、薄金色の髪はポニーテールにしてあり、そよ風になびいてきらきらと揺れている。
リーダー格の男が、ルエリアを見ながら鼻で笑った。
「つくづくお前は能天気なヤツだよな。お前、俺たちと対等な立場だと思ってんのか?」
「あなたたちが提案して私が乗ってあげたんだから、対等であるべきじゃない? 私が魔法薬を作らなかったら、あなたたちもお金を儲けられなくなるけど。あなたたちこそ、私が薬を作りたくなるように、私を丁重にもてなすべきじゃないの?」
「はっ、抜かせ。女に言うことを聞かせる方法なんてのはよお、いくらでもあるんだよ」
男たちが、ごつ、ごつ、とばらばらに足音を立てながら一歩一歩ルエリアに近づいてくる。誰もが気色悪い笑みをその顔に張り付かせている。
ルエリアは、迫りくる男たちから遠ざかる方向に後ずさった。狭い小屋の中では、あっという間に壁に行き当ってしまう。
完全に逃げ場を失ったルエリアを見て、リーダー格の男が歯を見せて笑った。
「素人女は久しぶりだなあ。まずは魔法を発動できないように、縄でしばるか、痛めつけておくか、……どっちにすっかなあ」
くくく、と人型の魔族のような耳障りな笑い声を洩らす。
その独り言に、見張りをしていた男が反応した。
「どっちもやりゃいいんじゃないすかー? とりあえず縄を……ってあれー? なんで誰も持ってきてないのー?」
などと言って、けらけらと笑い出す。他の男も『あ、やべ』『向こうに置いてきちまった』と顔を見合わせて気だるげに笑った。
笑いが収まると同時に、リーダー格の男が目をぎらつかせる。
「じゃ、痛めつける方が先だな」
男たちの中からふたり、太くて背の高い男とがりがりに痩せた男、両極端なふたりがルエリアに歩み寄ってきた。
両側からルエリアの腕をつかもうとした、その瞬間。
「元冒険者を舐めないでよね!」
ルエリアは顔の前に肘を突き出すような構えで自分の口元をガードすると、手に持っていた魔法薬の小袋を足元に叩き付けた。続けて風魔法を発生させて空気を攪拌する。
途端に薄青色の粉が狭い部屋に充満しはじめた。
「げほっげほっ!」
「ううっ、吸うなよ!」
霞んだ視界の中で、男たちもまた袖や手のひらで口を覆い隠しているのが見える。
ルエリアは、ひとまず自分から注意が逸らせたことを確認すると、咳き込んだり顔の前を払っている男たちに狙いを定めて――。
薬の小袋を乗せた風魔法を矢のように放ち、男たちの顔面に直撃させた。
「うぷっ!? 何しやが……げほっげほっ!」
視界が悪い中での突然の出来事に、動揺の声があちこちから上がる。
(これくらいの量を吸わせれば、すぐに効いてくるはず……!)
うまくいって欲しいと願う緊張感に、心臓が早鐘を打つ。その上、ルエリア自身も薬を吸ってしまわないように呼吸を抑えているせいで息苦しくなってきた。
(早く効いて……!)
心の中で叫びながら、期待通りの反応が現れることを強く祈る。すると、
「うっ!?」
煙幕が薄まりゆく中で、男たちが一斉に胸を押さえた。だらだらと汗を流しはじめる。
「お前、なにしやがった……! ヘンな薬作りやがって……!」
リーダー格の男が肩で息をしながら憎々しげにルエリアを睨む。その後ろで、他の男たちが壁に寄りかかってずるずると座り込んだり、その場でしゃがみ込んだりして頭を押さえ出した。苦悶の声が、辺りに充満する。
「痛え……」
「頭、痛えよう……」
(――今だ!)
男たちに固められていた扉の前のガードがなくなっている。ルエリアは、うずくまった男たちの間をすり抜けながら部屋から飛び出そうとした。次の瞬間。
「待ちな」
「きゃっ!?」
たんっ、と顔の横で鋭い音が鳴った。予期せぬ音に全身が硬直する。
おそるおそる目を開くと、今まさにルエリアが手を伸ばそうとした扉にはナイフが突き刺さっていた。
背後から、一歩また一歩と足音が近づいてくる。
「俺たちを舐めんなよ? こちとら修羅場くぐってきてんだ」
足がすくんでしまったルエリアは、顔だけを振り向かせた。すると床に転がる男たちの中央で、リーダー格の男ひとりだけが立ち上がっていた。膝に手を突き肩で息をしながらも、ルエリアを鋭く睨み付ける。
腕に力を込めて、辛うじてといった様子で上体を起こし、またルエリアとの距離を詰めてくる。その手には別のナイフが握られていた。下手に動けば今度は体を狙ってそれを投げてくるかも知れない。
(まずい、どうしよう……!)
ルエリアは元冒険者であり、短剣なら扱える。とはいえすっかり使う機会がなくなったせいで、今は鞄の一番底に埋めてしまっていた。扉に刺さったナイフを抜こうとしてみたものの、すぐには抜けないほどに深く刺さっていた。
魔導師のように魔法の威力を高める訓練を一切していないため、魔法を人にぶつけたところで目くらましにもならない。だからこそ、魔法薬師の魔法攻撃は、必ず薬を交えて効果を増幅させる必要がある。
そもそも薬の調合のために微細な力加減を習得した魔力持ちは、代償として威力の高い魔法が使えなくなるものだった。
迷っている間にも、男がナイフの届く距離まで迫ってくる。
ルエリアが扉に背中を付けて後ろ手にドアノブをつかむのと、手首を取り上げられたのはほぼ同時だった。
「くくっ。逃げんなよ。楽しもうぜえ?」
「やだっ、離してっ……!」
骨が折れるかと思うほどに強くつかまれる。全力で暴れてその手から逃れようとしても、まったく振りほどけない。
「離してっ、離してよっ……!」
前後左右、しゃがみ込んだり立ったりして上下動と。めちゃくちゃに暴れ回る。
必死に動いて男を振り回していると、不意に手首をつかむ力が弱まった。
男が汗と涙を流しながらうずくまり、顔をしかめて頭を押さえる。
「うう、くそっ……! 痛えよお……。お前ホントに、何しやがったんだよ、頭いてええ……!」
「ごめんなさい! あとには残らないから! じゃあね!」
ルエリアは、薬効成分が室外に逃げてしまわないように扉を自分ひとりが通れるだけ開いた。隙間をすり抜けて急いで閉めて、一目散に小屋から逃げ出す。全力で男を揺さぶったせいで、頭痛を悪化させられたのかも知れない。
時折後ろを振り返りつつ、森の中を駆ける。呼吸を抑えていたはずでもやはり粉薬を吸ってしまったようで、額に汗が浮かび、頭がずきずきと痛み出す。手のひらを頬に当てて指先をこめかみに押し付けて、頭痛を紛らそうとする。
「ロウジバの興奮作用を極端に高めてみたのがうまくいってよかったあ……!」
思惑通りに事が運んだことを改めて口にして、どうにか落ち着こうとする。
ロウジバは気分を高揚させる効果のある野草だった。
冒険者時代、高難度の依頼に臨む際、互いに予期せぬ行動を起こしてしまわないように恐怖心を抑える必要があった。そのときに、ロウジバから作った魔法薬をパーティーメンバーに配り、ルエリア自身も使っていたことがあった。
(ああでもしなきゃ、逃げられなかったとは思うけど、自分で作った薬で人を苦しめるなんて、もうしたくないな……)
男たちが頭を押さえて痛がる様子を思い出せば、胸がぎゅっと締め付けられる。
冒険者時代、自作の薬で魔族に攻撃した際も、憎き魔族とはいえ魔法薬の効果で苦しむ様子は胸が痛んだ。特に、人型の魔族がのたうち回る様子は目を逸らしたくなる光景だった。
全力で走っていることに加えて恐怖を覚えたせいで、鼓動がひっきりなしに喉を叩く。
息を切らしながら、わざと大声で独り言を言って気を取り直そうとする。
「風魔法でちゃんと顔に直撃させられて本当によかったあ。でも充分に吸い込ませる余裕はなかったから、たぶんすぐに効果が収まって追いかけてくるだろうな。早く遠くに逃げないと……!」
森の木々の間を縫うように走り続けて、街道に踊り出た瞬間。
馬のいななきに行く手を阻まれた。
「きゃっ!?」
「おっと」
白馬に乗った女性が華麗な手綱さばきで馬を止める。あとからついてきた三人の騎士も同様に、馬に足を止めさせた。
「す、すみません……!」
激突しそうになった申し訳なさに焦りながら、馬上を見上げる。すると、いかにも高貴そうな女性がルエリアを見下ろしていた。
淡い水色の瞳、薄金色の髪はポニーテールにしてあり、そよ風になびいてきらきらと揺れている。
11
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

半神の守護者
ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。
超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。
〜概要〜
臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。
実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。
そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。
■注記
本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。
他サイトにも投稿中

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる