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第四章

78 ヒナリを囲む会(☆)

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※18歳未満閲覧禁止/男性自慰描写があります



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 体内をクレイグの指で掻き回されている間ずっとアルトゥールの硬いものはヒナリの尻に当たっていたし、湯の中に見える他の三人の芯も、皆しっかりと勃ち上がっていた。

(そりゃそうだよね……)

『気持ちよくして欲しい』と自ら頼んだわけではなかったものの、恐らくヒナリが許せば高ぶったそれを挿入したいであろう状況を我慢させているのは、申し訳なく思った。

 とはいえ『儀式はしない』と明言していたのだから、自分にしてあげられることはない――息を切らしながら、脱力するに任せて浴槽の縁からずるずると湯の中にへたり込む。

「ごめん……、私ばっかり気持ちよくなっちゃって」
「そしたら……少し協力してもらおうかな」
「え?」

 ベルトランの不可解な言葉を合図に、賢者たちが次々と湯から上がっていく。ヒナリもぐいっと腕を引かれて湯の中から引き上げられて、床に座らせられた。

「……?」

 突然どうしたのかなと思う間に、四人が風呂椅子をヒナリの周りに並べて、まるで股関を見せつけるかのような足を広げた姿勢で続々と座っていった。

(はっ、まさか!)

 四方から囲まれて、まるで裸婦デッサンのモデルにされた気分になる。ただし賢者たちがその手に握るのは、鉛筆でも木炭でもなく彼ら自身の欲望の化身である。

 うろたえるヒナリを置き去りにして、賢者たちがそれぞれの硬く勃ち上がった芯を一斉にしごき始めた。

「わああああ! みんな待って待って待って!」

 直視できない光景に、慌てて両手で視界を覆う。

「……ヒナリ、顔を見せて」
「っ……。はい……」
「胸も、隠さないで」
「うう……、はい……」

 ベルトランとダリオが洩らす吐息混じりの声に逆らえず、ヒナリはのろのろと手のひらを床に突いた。
 恐る恐る視線を巡らせる。
 ヒナリを見つめてくる四色の瞳は、それぞれ違うところを注視していた。

 ベルトランが、恍惚とした目でヒナリの顔を見つめてくる。ダリオはじっとヒナリの胸を見て舌なめずりする。アルトゥールは眉根を寄せて全身を見回す。クレイグだけは眼鏡がなくて見づらいのか、目を伏せて自身の手の動きに集中していた。

(これってお互い恥ずかしくないのかな!? でも今それを聞いたら邪魔しちゃうか……)

 などと視姦される中で考えるうちに、

「っ、くっ……」

 賢者たちの息づかいが次第に荒くなってきた。

「そろそろ、イキますよっ、ヒナリっ……――ぐっ……!」
「ひゃっ!?」

 クレイグが背中に熱いものをぶっかけてきた。思わずびくっと飛び上がる。
 続いてダリオが胸に、ベルトランが太ももに、そして最後にアルトゥールが雄々しい芯の先端から大量の精液を噴き出した。

「わわっ!?」

 手をかざしても防ぎきれない。白く濁った体液がヒナリの顔に飛んできて、ヒナリはぎゅっと目を閉じる以外に何もできなかった。



(熱い……)

 賢者たちの乱れた呼吸音が浴室内を満たしていく。ヒナリはおずおずとまぶたを持ち上げると、頬に垂れ落ちる賢者の体液を手に取って、まじまじと見つめた。この粘液が自分の胎内に放たれたときだけは、魔力となり全て吸収されるという――魔力というものの不思議さを、改めて実感する。

「ああ、なんと素晴らしい眺めだろうか……」

 アルトゥールが、弾む息に乗せてうっとりと呟く。
 その横で、しばらく呆けた顔をしていたクレイグが、赤らんだ顔をぐっとしかめて前のめりになった。ヒナリの顔を見て唖然とする。

「誰ですか!? ヒナリの顔に精液を掛けた不届き者は!?」
「すまない私だ。角度までコントロールできなかったのでな……。本当に申し訳ない」

 気まずげな表情をしたアルトゥールがヒナリに向かって頭を下げた。その顔は、興奮の名残かはたまた照れくさいのか、赤い髪に負けないくらい真っ赤に染まっていた。


 ヒナリが衝撃的な出来事に頭がついていかずに固まっていると、ベルトランがシャワーでそっと水を掛けてきた。

「ごめんねヒナリ。冷たいけど我慢してね」

 と言って冷水の中でヒナリの肌を優しく撫でさすり、四人分の体液を丹念に洗い流してくれたのだった。



 改めて五人で湯に浸かる。水で冷えた肌にぬくもりが沁み込んでいく。
 今さらヒナリが両手で胸を隠しながら水面を見つめていると、ふう、と賢者たちが一斉に溜め息をついた。項垂れたまま目だけを上げて様子を窺えば、誰もがすっきりとした顔をしていた。

 自分の裸をオカズにされたのは恥ずかしかったけど、皆を悶々とさせ続けるよりかは良かったのかも知れない――。ヒナリはそう思うことにした。
 自分の体を抱き締めるようにして膝を抱える。体液を掛けられたところがやけにすべすべしているような気がして、ヒナリはその不思議な感触をしばらくさすり続けた。


「……あ。そういえば、いつもみんなでお風呂に入ってるの?」

 不意に浮かんだ疑問をぶつけてみる。隣で湯に浸かるベルトランが、すかさず答えてくれた。

「さすがに儀式の直後はひとりだけど、たま~に四人で集まったりもするね」
「そうなんだ」

 アルトゥールが言葉を継ぐ。

「賢者同士でいがみ合ってしまっては事だからな。貴女に迷惑をかけるし浄化にも悪影響が出てしまう。そんな時は、裸の付き合いが一番だ」

 と言って朗らかに笑う。騎士団という男性が多めの集団に身を置く人なだけに、この四人の中で一番こういうシチュエーションに慣れているように見える。
 ダリオが顔に張り付いた髪を払い、肩をすくめた。

「君らは男兄弟が居るから経験があったかも知れないけれど、僕は姉しか居ないから、男四人での風呂というのは始めは少し戸惑ったな」

 なるほど、と頷いたアルトゥールが興味津々と目を光らせる。

「ダリオは幼い頃は、お姉様がたと入浴していたのか?」
「幼い頃はね……って君、不埒なことは考えないように」

 ダリオの目が据わり、低い声で釘を刺す。

「も、もちろんだ! 変な質問をしてしまってすまない」

 姿勢を正す動きで湯を跳ねさせたアルトゥールの顔に、一度は引きかけた赤みが戻ってくる。ダリオよりもずっと体が大きいはずなのに、今は縮こまったアルトゥールの方が小さく見えた。


 会話が一段落したのを見計らって、ヒナリは思い切ってもうひとつの疑問をぶつけてみた。

「あの、さ。四人でお風呂に入ったとき……、さっきみたいなことも、みんなでよくしてるの?」

 ベルトランが小首を傾げる。

「ん? みんなで揃って自慰するのかって?」
「う、うん……」

 とんでもない質問をぶつけてしまったなとヒナリが若干後悔し始めた横で、ベルトランが天井を見上げて笑い出した。

「あははは、さすがにしないよ! だって恥ずかしいもの!」

(えええ……恥ずかしいは恥ずかしいんだ……)

 どこからが恥ずかしくてどこまでなら恥ずかしくないのか。賢者たちの羞恥の線引きがヒナリにはさっぱり分からなかった。

「しかしさっきは阿吽の呼吸だったな」
「当然でしょう。あれほどまでになまめかしいヒナリの姿を見てしまっては、興奮しない方が難しいですからね」

 アルトゥールとクレイグが楽しげに感想を口にする。ベルトランもそれに続く。

「普段は必ず中に注ぐから、ヒナリの肌に僕らの体液が掛かった眺めは新鮮だったね」

 目尻に溜まった涙を拭いつつ、ヒナリに振り向いた。
 ヒナリは唇を尖らせつつ、その端整な顔を睨み付けた。

「またしたいとか言わないでね?」
「……」

 無言が返ってくる。

「ちょっとみんな!?」
「……」

 誰ひとりとしてヒナリと目を合わせず、真剣な眼差しを水面に落としている。

「聞いてるの!? ねえ、お返事してよお……」
「……。……ふふっ」

 沈黙が続く中、ベルトランが噴き出した。

「みんな正直すぎ!」

 水面を叩いて笑い出せば、賢者たちの表情が一斉に綻びる。ダリオが腹を抱えて笑い出し、クレイグは拳を口に当ててゆるんだ顔を逸らす。
 からかわれたヒナリが涙目になってむっとしていると、反対側の隣に座っていたアルトゥールが厚い胸板に手を当てて頭を下げてきた。

「すまないヒナリ。貴女がそれほどまでに嫌がるのであれば、事前に断りなく貴女に無体を強いることは控えよう」
「約束ですからね!」
「ああ、約束する」


 賢者たちがすっかりくつろぐ一方で、ヒナリは温かい湯に浸かっていても一向にリラックスできなかった。

(すごいものを見ちゃったな……)

 食らい付くような四人の眼差し。切なげな息遣い。四方から浴びせ掛けられた熱。どきどきはまだ収まらない。


 湯殿に響く賢者たちの談笑の声を聞きながら、ヒナリは湯の中で膝を抱えて、普段とは違う感触になった肌をつねり続けたのだった。
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