54 / 102
第三章
54 諦めの悪い王子様
しおりを挟む
『早く私のことを諦めて』と、心の中でヒナリが異国の王子に懇願しながら目を泳がせていると、ふと二階から四人の賢者たちに見下ろされていることに気が付いた。
(見てないで助けてよ~!)
涙目で視線を送ると、賢者たちがすぐさま姿を消した。
少しの間のあと、ばらばらと足音を立てながら駆け寄ってくる。
「その辺にしてもらいましょうか、殿下」
アルトゥールは朗らかな口調だったが、目付きは鋭かった。
続けてクレイグが怒りをあらわにした顔で王子を睨み付ける。
「いくら賓客とはいえ、聖女様を口説こうとするなんて無礼千万」
賢者たちから咎められた王子は目を伏せて小さく息をつくと、ヒナリに向き直り、胸に手を当てた。
「ご無礼をお許しください、聖女ヒナリ様。貴女を焦がれるあまり、自らを制することすらままならなくなってしまった。王となるべく育てられてきたこの私が『国を捨てる』などと言い出してしまうとは。恋とは恐ろしいものですね」
装飾具の音を鳴らしながらゆっくりと立ち上がり、ヒナリの前に膝を突く。
「貴女様との思い出を糧に、私はこれから生きて参ります。聖女ヒナリ様、いつでも我が国へお越しください。貴女様の御心を射止めるために、ありとあらゆる手立てを講じてお待ちしております」
(そんなトラップを仕掛けておくみたいなことを言われたら遊びに行きづらくない? まあ、行く予定はないけど)
とヒナリが胸の中で呟いていると、立ち上がった王子が流麗な仕草で一礼した。
「名残惜しいですが……これにて失礼致します」
「道中の無事を祈ります」
ヒナリの返答のあとに顔を上げた王子は、貴公子らしい顔付きに戻っていた。その場で身を翻し、颯爽と歩き出す。
直後、王子の従者がヒナリに向かって小声で話し掛けてきた。
「(聖女ヒナリ様、どうかお気になさらず! 王子は初めての恋に混乱しているだけですので!)」
従者は深々とお辞儀すると、王子に続いて去っていった。
砂漠の嵐が過ぎ去り、取り残されたヒナリは四人の賢者に見下ろされていた。
クレイグが腕組みして顎に手を添えて、眼鏡越しの目を鋭くする。
「ヒナリ。あの王子のこと、まんざらでもないなどと思ってはいないでしょうね」
「え。思ってないよ!」
ヒナリが即答した直後、縋るような弱々しい声が聞こえてきた。
「ヒナリ……どこへも行かないでくれ」
「どこへも行かないよ!?」
アルトゥールのあまりにも意外な懇願に、ついヒナリは声を張り上げてしまった。
一連のやり取りを見ていたベルトランが苦笑する。
「ヒナリ、ああいうときはもっとはっきり冷たい態度を取っても大丈夫だよ」
「私、一応きっぱり断ったつもりだったのにな」
少なくとも気のある素振りを見せた覚えはない。
それでも食い下がられたのは、自分の態度がまずかったのか、それとも相手の想いが強すぎただけなのか――。
腰に手を置いたダリオが、赤い目を鋭く光らせる。
「君にはさらなる特訓が必要そうだね。明日、いや今日から僕らが君を口説きまくるから、君はきちんと僕らをあしらうこと。いいね?」
「そんなのできないよ~」
とんでもない特訓方法を提示されて、困惑せずにはいられない。賢者たちを見上げると、四人とも至らぬ聖女をびしばし鍛えてやろうという気概に満ちあふれていた。
この日から始まった四人の賢者たちによる猛特訓は、数日後にヒナリがギブアップするまで容赦なく続けられたのだった。
◇◇◆◇◇
聖女邸の正面は美しい花の咲き誇る庭園だったが、裏庭はというと、厩舎や菜園、洗濯室以外は石畳の広場となっていて、そこでは聖騎士団の十名が日々鍛練に励んでいるとのことだった。
ラムラー国のカースィム王子との騒動後、若干図書館に行きづらくなったヒナリは普段と違うことをしてみようと思い立ち、邸宅内を隅々まで見て回っていた。
その一環として、それまで一度も行ったことのなかった裏庭を訪ねたのだった。
ミュリエルが扉を開き、ヒナリが裏庭に降り立った途端に剣戟がやむ。
「ヒナリ様!」
聖騎士団の十人が、一斉に聖女に向き直り、敬礼の姿勢を取った。汗の流れる顔に、爽やかな笑みを浮かべている。
鍛練を中断して迎えてくれた一同に、ヒナリはにっこりと微笑んでみせた。
「みなさん、精が出ますね」
団長のヘルッタが、凛とした声で聖女の呼び掛けに応じる。
「恐れ入りますヒナリ様。もうすぐ神殿騎士団と王国騎士団の合同競技会がおこなわれるため、皆張り切って鍛練に勤しんでおります」
「合同競技会?」
「はい。神殿騎士団と王国騎士団とで腕を競い合い、勝利した一名のみがアルトゥール卿と手合わせをする栄誉を賜ることができる、という大会です」
「へえ。そういうのがあるんだ」
「我々はアルトゥール卿に時折鍛練を見ていただいており、幸運にも手合わせをする機会は他の騎士団の者より多く得られてはおります。しかしそれでも我々は聖女ヒナリ様をお護りする剣として、この国の誰よりも精強であることを示すべく、優勝を目指して参ります」
「そうなのですね。みなさまのご活躍をお祈りします」
そう言ってヒナリが笑顔になると、騎士たちはまた見事に揃った動きで敬礼したのだった。
(アルトゥールと戦う人を決めるための大会があるなんて。アルトゥールって、本当にすごい人なんだな)
大会について、アルトゥールからも話を聞きたくなってくる。
屋内に戻ったヒナリがアルトゥールの部屋を訪ねると、満面の笑みで迎えられた。手に持っていた羽ペンをペン立てに刺し、勢いよく椅子から立ち上がる。
「ヒナリ! 儀式以外で私の部屋を訪れてくれるとは。私は何たる果報者だ」
「そんな、大げさだよ」
アルトゥールの誇張しすぎな物言いに、つい笑い声をこぼしてしまう。
書斎机から歩き出したアルトゥールにソファーを勧められる。ヒナリが示された通りに腰を下ろすと、アルトゥールが正面に腰掛けた。
喜びに溢れた顔にヒナリも釣られて頬を綻ばせつつ、裏庭で聞いた話を口にする。
「さっきね、聖騎士のみんなに神聖騎士団と王国騎士団の合同競技会が行われるって聞いたんだけど。そこで優勝したらアルトゥールと手合わせできるからってみんな張り切ってたよ」
「ああ、それな」
アルトゥールが歯を見せて笑った。どことなく照れているようにも見える。
「あの競技会は、元はそのような主旨ではなく、ただ互いに高め合い魔獣に立ち向かっていこうというものだったのだ。しかし私が世界最強と称されるようになって以来、いや騎士団長になって以降だったか……私と手合わせをしたい、という騎士が後を絶たなくなってしまってな。きりがないのでことごとく断っていたら、『代表者を一名選ぶから、その選ばれし騎士でとあれば対戦してもらえるか』と打診され、それならば私も望むところだったから了承したところ、その選抜のための手合わせが次第に大規模になっていってしまい……。元からある合同競技会と私との手合わせのための選抜会と、近しい規模の大会が二つあるのは通常任務に差し障りが生じるという話になり、それで結局、合同競技会の結果をもって私と手合わせする者を選ぶようになった、という流れだ」
「なるほど……」
大勢の騎士たちから対戦を切望される、そんなにもすごい騎士であるというアルトゥールがどんな風に戦うのかと、ヒナリは胸を高鳴らせたのだった。
◇◇◆◇◇
合同競技会当日。
神殿騎士団本部には、大勢の騎士が集まってきていた。
貴賓室に通されたヒナリはアルトゥール以外の三人の賢者と共に、闘技場に案内されるのを待っていた。
ソファーの正面に座るベルトランが茶を口に含みつつ、ふと何かを思い出した顔をした。カップを皿に置き、足を組んで話し出す。
「そういえば、アルトゥールのご両親も、こんな風に両騎士団が手合わせをしたときに出会ったそうだよ」
「へえ、そうなの?」
御礼の儀のときに一度だけ会ったことのある、アルトゥールの凛々しい両親の姿を思い浮かべる。
「当時、王国騎士団長だったアルトゥールの父君が、神殿騎士団の副団長だった母君と手合わせしたときに父君が母君に惚れ込んで、手合わせが終わったそばからその場にひざまずいてプロポーズしたんだって」
「ええ! 素敵!」
「騎士の間では今でも語り草になってるそうだよ」
「その場でプロポーズかあ……熱烈だね」
そんなふたりの血を引くアルトゥールだからこそ、あんなに情熱的なのかも知れない――アルトゥールの熱さの秘密を知ることができて、ヒナリは嬉しくなってしまったのだった。
不意に扉がノックされる。
応じたダリオが貴賓室の警備兵と少し言葉を交わしたあと、ヒナリたちに振り向き眉をひそめた。
「ヒナリにどうしても会いたいっていう騎士が訪ねてきたけど。どうする?」
「え。どうしよう」
競技会が始まる直前に、ただの見学者である聖女を訪ねてくる意図がさっぱり分からない。
ヒナリがすぐには判断しあぐねていると、ベルトランが安心させるような笑みを浮かべた。
「ヒナリ。断るも断らないも君の自由だよ。聖女様に謁見を申し込んで断られたからって、怒って暴れ出す騎士なんてこの国には存在しないからね」
「うーん。でもこんなタイミングで会いたいなんて、よっぽどのことだよね。うん、会います」
ヒナリがそう答えると、ベルトランもクレイグも即座に立ち上がり、円卓の椅子を置き直して急ごしらえの謁見の場を作ってくれたのだった。
(見てないで助けてよ~!)
涙目で視線を送ると、賢者たちがすぐさま姿を消した。
少しの間のあと、ばらばらと足音を立てながら駆け寄ってくる。
「その辺にしてもらいましょうか、殿下」
アルトゥールは朗らかな口調だったが、目付きは鋭かった。
続けてクレイグが怒りをあらわにした顔で王子を睨み付ける。
「いくら賓客とはいえ、聖女様を口説こうとするなんて無礼千万」
賢者たちから咎められた王子は目を伏せて小さく息をつくと、ヒナリに向き直り、胸に手を当てた。
「ご無礼をお許しください、聖女ヒナリ様。貴女を焦がれるあまり、自らを制することすらままならなくなってしまった。王となるべく育てられてきたこの私が『国を捨てる』などと言い出してしまうとは。恋とは恐ろしいものですね」
装飾具の音を鳴らしながらゆっくりと立ち上がり、ヒナリの前に膝を突く。
「貴女様との思い出を糧に、私はこれから生きて参ります。聖女ヒナリ様、いつでも我が国へお越しください。貴女様の御心を射止めるために、ありとあらゆる手立てを講じてお待ちしております」
(そんなトラップを仕掛けておくみたいなことを言われたら遊びに行きづらくない? まあ、行く予定はないけど)
とヒナリが胸の中で呟いていると、立ち上がった王子が流麗な仕草で一礼した。
「名残惜しいですが……これにて失礼致します」
「道中の無事を祈ります」
ヒナリの返答のあとに顔を上げた王子は、貴公子らしい顔付きに戻っていた。その場で身を翻し、颯爽と歩き出す。
直後、王子の従者がヒナリに向かって小声で話し掛けてきた。
「(聖女ヒナリ様、どうかお気になさらず! 王子は初めての恋に混乱しているだけですので!)」
従者は深々とお辞儀すると、王子に続いて去っていった。
砂漠の嵐が過ぎ去り、取り残されたヒナリは四人の賢者に見下ろされていた。
クレイグが腕組みして顎に手を添えて、眼鏡越しの目を鋭くする。
「ヒナリ。あの王子のこと、まんざらでもないなどと思ってはいないでしょうね」
「え。思ってないよ!」
ヒナリが即答した直後、縋るような弱々しい声が聞こえてきた。
「ヒナリ……どこへも行かないでくれ」
「どこへも行かないよ!?」
アルトゥールのあまりにも意外な懇願に、ついヒナリは声を張り上げてしまった。
一連のやり取りを見ていたベルトランが苦笑する。
「ヒナリ、ああいうときはもっとはっきり冷たい態度を取っても大丈夫だよ」
「私、一応きっぱり断ったつもりだったのにな」
少なくとも気のある素振りを見せた覚えはない。
それでも食い下がられたのは、自分の態度がまずかったのか、それとも相手の想いが強すぎただけなのか――。
腰に手を置いたダリオが、赤い目を鋭く光らせる。
「君にはさらなる特訓が必要そうだね。明日、いや今日から僕らが君を口説きまくるから、君はきちんと僕らをあしらうこと。いいね?」
「そんなのできないよ~」
とんでもない特訓方法を提示されて、困惑せずにはいられない。賢者たちを見上げると、四人とも至らぬ聖女をびしばし鍛えてやろうという気概に満ちあふれていた。
この日から始まった四人の賢者たちによる猛特訓は、数日後にヒナリがギブアップするまで容赦なく続けられたのだった。
◇◇◆◇◇
聖女邸の正面は美しい花の咲き誇る庭園だったが、裏庭はというと、厩舎や菜園、洗濯室以外は石畳の広場となっていて、そこでは聖騎士団の十名が日々鍛練に励んでいるとのことだった。
ラムラー国のカースィム王子との騒動後、若干図書館に行きづらくなったヒナリは普段と違うことをしてみようと思い立ち、邸宅内を隅々まで見て回っていた。
その一環として、それまで一度も行ったことのなかった裏庭を訪ねたのだった。
ミュリエルが扉を開き、ヒナリが裏庭に降り立った途端に剣戟がやむ。
「ヒナリ様!」
聖騎士団の十人が、一斉に聖女に向き直り、敬礼の姿勢を取った。汗の流れる顔に、爽やかな笑みを浮かべている。
鍛練を中断して迎えてくれた一同に、ヒナリはにっこりと微笑んでみせた。
「みなさん、精が出ますね」
団長のヘルッタが、凛とした声で聖女の呼び掛けに応じる。
「恐れ入りますヒナリ様。もうすぐ神殿騎士団と王国騎士団の合同競技会がおこなわれるため、皆張り切って鍛練に勤しんでおります」
「合同競技会?」
「はい。神殿騎士団と王国騎士団とで腕を競い合い、勝利した一名のみがアルトゥール卿と手合わせをする栄誉を賜ることができる、という大会です」
「へえ。そういうのがあるんだ」
「我々はアルトゥール卿に時折鍛練を見ていただいており、幸運にも手合わせをする機会は他の騎士団の者より多く得られてはおります。しかしそれでも我々は聖女ヒナリ様をお護りする剣として、この国の誰よりも精強であることを示すべく、優勝を目指して参ります」
「そうなのですね。みなさまのご活躍をお祈りします」
そう言ってヒナリが笑顔になると、騎士たちはまた見事に揃った動きで敬礼したのだった。
(アルトゥールと戦う人を決めるための大会があるなんて。アルトゥールって、本当にすごい人なんだな)
大会について、アルトゥールからも話を聞きたくなってくる。
屋内に戻ったヒナリがアルトゥールの部屋を訪ねると、満面の笑みで迎えられた。手に持っていた羽ペンをペン立てに刺し、勢いよく椅子から立ち上がる。
「ヒナリ! 儀式以外で私の部屋を訪れてくれるとは。私は何たる果報者だ」
「そんな、大げさだよ」
アルトゥールの誇張しすぎな物言いに、つい笑い声をこぼしてしまう。
書斎机から歩き出したアルトゥールにソファーを勧められる。ヒナリが示された通りに腰を下ろすと、アルトゥールが正面に腰掛けた。
喜びに溢れた顔にヒナリも釣られて頬を綻ばせつつ、裏庭で聞いた話を口にする。
「さっきね、聖騎士のみんなに神聖騎士団と王国騎士団の合同競技会が行われるって聞いたんだけど。そこで優勝したらアルトゥールと手合わせできるからってみんな張り切ってたよ」
「ああ、それな」
アルトゥールが歯を見せて笑った。どことなく照れているようにも見える。
「あの競技会は、元はそのような主旨ではなく、ただ互いに高め合い魔獣に立ち向かっていこうというものだったのだ。しかし私が世界最強と称されるようになって以来、いや騎士団長になって以降だったか……私と手合わせをしたい、という騎士が後を絶たなくなってしまってな。きりがないのでことごとく断っていたら、『代表者を一名選ぶから、その選ばれし騎士でとあれば対戦してもらえるか』と打診され、それならば私も望むところだったから了承したところ、その選抜のための手合わせが次第に大規模になっていってしまい……。元からある合同競技会と私との手合わせのための選抜会と、近しい規模の大会が二つあるのは通常任務に差し障りが生じるという話になり、それで結局、合同競技会の結果をもって私と手合わせする者を選ぶようになった、という流れだ」
「なるほど……」
大勢の騎士たちから対戦を切望される、そんなにもすごい騎士であるというアルトゥールがどんな風に戦うのかと、ヒナリは胸を高鳴らせたのだった。
◇◇◆◇◇
合同競技会当日。
神殿騎士団本部には、大勢の騎士が集まってきていた。
貴賓室に通されたヒナリはアルトゥール以外の三人の賢者と共に、闘技場に案内されるのを待っていた。
ソファーの正面に座るベルトランが茶を口に含みつつ、ふと何かを思い出した顔をした。カップを皿に置き、足を組んで話し出す。
「そういえば、アルトゥールのご両親も、こんな風に両騎士団が手合わせをしたときに出会ったそうだよ」
「へえ、そうなの?」
御礼の儀のときに一度だけ会ったことのある、アルトゥールの凛々しい両親の姿を思い浮かべる。
「当時、王国騎士団長だったアルトゥールの父君が、神殿騎士団の副団長だった母君と手合わせしたときに父君が母君に惚れ込んで、手合わせが終わったそばからその場にひざまずいてプロポーズしたんだって」
「ええ! 素敵!」
「騎士の間では今でも語り草になってるそうだよ」
「その場でプロポーズかあ……熱烈だね」
そんなふたりの血を引くアルトゥールだからこそ、あんなに情熱的なのかも知れない――アルトゥールの熱さの秘密を知ることができて、ヒナリは嬉しくなってしまったのだった。
不意に扉がノックされる。
応じたダリオが貴賓室の警備兵と少し言葉を交わしたあと、ヒナリたちに振り向き眉をひそめた。
「ヒナリにどうしても会いたいっていう騎士が訪ねてきたけど。どうする?」
「え。どうしよう」
競技会が始まる直前に、ただの見学者である聖女を訪ねてくる意図がさっぱり分からない。
ヒナリがすぐには判断しあぐねていると、ベルトランが安心させるような笑みを浮かべた。
「ヒナリ。断るも断らないも君の自由だよ。聖女様に謁見を申し込んで断られたからって、怒って暴れ出す騎士なんてこの国には存在しないからね」
「うーん。でもこんなタイミングで会いたいなんて、よっぽどのことだよね。うん、会います」
ヒナリがそう答えると、ベルトランもクレイグも即座に立ち上がり、円卓の椅子を置き直して急ごしらえの謁見の場を作ってくれたのだった。
4
お気に入りに追加
746
あなたにおすすめの小説
[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。
ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい
えーー!!
転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!!
ここって、もしかしたら???
18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界
私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの???
カトリーヌって•••、あの、淫乱の•••
マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!!
私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い••••
異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず!
だって[ラノベ]ではそれがお約束!
彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる!
カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。
果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか?
ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか?
そして、彼氏の行方は•••
攻略対象別 オムニバスエロです。
完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。
(攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)
異世界の学園で愛され姫として王子たちから(性的に)溺愛されました
空廻ロジカ
恋愛
「あぁ、イケメンたちに愛されて、蕩けるようなエッチがしたいよぉ……っ!」
――櫟《いちい》亜莉紗《ありさ》・18歳。TL《ティーンズラブ》コミックを愛好する彼女が好むのは、逆ハーレムと言われるジャンル。
今夜もTLコミックを読んではひとりエッチに励んでいた亜莉紗がイッた、その瞬間。窓の外で流星群が降り注ぎ、視界が真っ白に染まって……
気が付いたらイケメン王子と裸で同衾してるって、どういうこと? さらに三人のタイプの違うイケメンが現れて、亜莉紗を「姫」と呼び、愛を捧げてきて……!?
【R18】騎士たちの監視対象になりました
ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。
*R18は告知無しです。
*複数プレイ有り。
*逆ハー
*倫理感緩めです。
*作者の都合の良いように作っています。
溺愛三公爵と氷の騎士 異世界で目覚めたらマッパでした
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
旧題:泣き寝入りして目覚めたらマッパでした~溺愛三公爵と氷の騎士~
恋愛下手な「私」がやっと好きになった人に誤解され、手酷く抱かれて、泣きながら眠り、起きたら知らない部屋の寝台の上。知らない男、知らない世界。確かに私、リセットしたいと思いながら寝たんだっけ。この夢、いつ覚めるんだろう?と思いつつ、結局また元いた世界と同じ職業=軍人になって、イケメンだけれどちょっとへんな三人の公爵様と、氷の美貌の騎士様とで恋したり愛したり戦ったり、というお話。プロローグはシリアスですが、ご都合主義満載、コメディシリアス行ったり来り。R18は予告なく。(初っ端からヤってますので)
【R18】××××で魔力供給をする世界に聖女として転移して、イケメン魔法使いに甘やかされ抱かれる話
もなか
恋愛
目を覚ますと、金髪碧眼のイケメン──アースに抱かれていた。
詳しく話を聞くに、どうやら、私は魔法がある異世界に聖女として転移をしてきたようだ。
え? この世界、魔法を使うためには、魔力供給をしなきゃいけないんですか?
え? 魔力供給って、××××しなきゃいけないんですか?
え? 私、アースさん専用の聖女なんですか?
魔力供給(性行為)をしなきゃいけない聖女が、イケメン魔法使いに甘やかされ、快楽の日々に溺れる物語──。
※n番煎じの魔力供給もの。18禁シーンばかりの変態度高めな物語です。
※ムーンライトノベルズにも載せております。ムーンライトノベルズさんの方は、題名が少し変わっております。
※ヒーローが変態です。ヒロインはちょろいです。
R18作品です。18歳未満の方(高校生も含む)の閲覧は、御遠慮ください。
異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。
異文
恋愛
これは交通事故にてテンプレ異世界転移を果たし、手に入れたチート能力を駆使して仲間たちとともに魔王的脅威から世界を救った私の物語…が完結した後の、イケメンの仲間たちから惚れられ求婚されすったもんだするお話である。
2章まで完結致しました!
3章スタートまでもう少しお待ちください。
R18に相当しそうなお話には※印つけていますが、その他にも性表現はあります。ご注意下さい。
5人の旦那様と365日の蜜日【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
気が付いたら、前と後に入ってる!
そんな夢を見た日、それが現実になってしまった、メリッサ。
ゲーデル国の田舎町の商人の娘として育てられたメリッサは12歳になった。しかし、ゲーデル国の軍人により、メリッサは夢を見た日連れ去られてしまった。連れて来られて入った部屋には、自分そっくりな少女の肖像画。そして、その肖像画の大人になった女性は、ゲーデル国の女王、メリベルその人だった。
対面して初めて気付くメリッサ。「この人は母だ」と………。
※♡が付く話はHシーンです
【完結】R-18乙女ゲームの主人公に転生しましたが、のし上がるつもりはありません。
柊木ほしな
恋愛
『Maid・Rise・Love』
略して『MRL』
それは、ヒロインであるメイドが自身の体を武器にのし上がっていく、サクセスストーリー……ではなく、18禁乙女ゲームである。
かつて大好きだった『MRL』の世界へ転生してしまった愛梨。
薄々勘づいていたけれど、あのゲームの展開は真っ平ごめんなんですが!
普通のメイドとして働いてきたのに、何故かゲーム通りに王子の専属メイドに抜擢される始末。
このままじゃ、ゲーム通りのみだらな生活が始まってしまう……?
この先はまさか、成り上がる未来……?
「ちょっと待って!私は成り上がるつもりないから!」
ゲーム通り、専属メイド就任早々に王子に手を出されかけたルーナ。
処女喪失の危機を救ってくれたのは、前世で一番好きだった王子の侍従長、マクシミリアンだった。
「え、何この展開。まったくゲームと違ってきているんですけど!?」
果たして愛梨……もとい今はルーナの彼女に、平凡なメイド生活は訪れるのか……。
転生メイド×真面目な侍従長のラブコメディ。
※性行為がある話にはサブタイトルに*を付けております。未遂は予告無く入ります。
※基本は純愛です。
※この作品はムーンライトノベルズ様にも掲載しております。
※以前投稿していたものに、大幅加筆修正しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる