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第1章 マヤツマヨイ市の冒険
第014話 魚は後で美味しくいただきました
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「お帰りなさいませー! 戦果はどうですか?」
魔法の家を経由してギルドに現れた俺たちを、明るい声でキャネコットちゃんが出迎えてくれる。
ごめんな。
嬉しい報告はしてあげられねーんだ。
「人が……死んだ」
「はい?」
首をかしげたキャネコットちゃん。
だが、じーさんの亡骸を見てすべてを察したようだ。
「嘘……まさか亡くなるなんて……だって、その方は……」
「ふぃ~疲れた疲れた!」
ちょうどギルドに入ってきたのは、
「B級冒険者のジャック様のお帰りだ!」
「よぉ、ジャック」
「わっ。てるてる坊主さんご一行じゃないっすか。もうお帰りで? まあお三方にとっちゃ楽なクエストだったでしょうね」
「人が死ぬくらいには大変だったぜ……」
「人が? ははっ。そんなわけ……え?」
ジャックがじーさんを見た途端、固まった。
「じーちゃん……!?」
ジャックは遺体にすがりついて泣き出した。
よく見れば2人は似てる。
そうか、血の繋がりがあったのか。
「おい、どうして!? どうしてうちのじーちゃんが!?」
「落ち着いて聞いてくれ。実はな……」
* *
その日は街中が大騒ぎになった。
当然だな。
近くにドラゴンが現れたんだ。
俺たちは一日中ギルドから事情聴取を受けた。
翌日にはじーさんことダニエルの葬儀が行なわれた。
「あいつとは戦友だったんだ」
ギルド長のアイアイがこっそり打ち明けてくれた。
「一緒にパーティーを組んでよ、数々のクエストを達成したぜ。俺は何度も稽古をつけてもらったけど、一度も勝てなかったな」
「老いてもあれだけの強さだ。全盛期はもっとすごかったんだろうな」
「ドラゴン族を封印したのも俺たちだ」
「……え?」
「誰かが解き放ったんだろうな」
「それってどういう――」
「詳しい話はまた今度しようや」
アイアイは意味深な言葉を残した。
* *
「とにかくドラゴン族を殺す!」
後日。
魔法の家で、テレジアちゃんが憤っていた。
「あいつらを野放しにしてる限り、また犠牲者が出るんだから!」
「賛成ですが、やつらがどこにいるのか、わかりません。動きようがないですよ」
「じゃあ諦めんのかよ、てめー!」
「そうは言ってないでしょう!」
テレジアちゃんとOKチョーケーがいつものようにいがみ合う。
ったく、お前ら落ち着け。
「俺たちにできることはクエストをこなすこと。あちこちで冒険をして情報を地道に集めるこった」
「遠回り過ぎ!」
「テレジアちゃん、やめて。引っ張らないで。いいか、今回のクエストでわかったこともあるだろ」
「?」
「やつらが水から水へと瞬間移動できること」
そして池の異変を察知して確認のためにやって来たということ。
「つまり、やつらにとって水はかなり重要なんだろう」
「だから何だよ!」
「池や湖の近くでクエストをこなせばいいってこと」
「……おお!」
魔法の家を経由してギルドに現れた俺たちを、明るい声でキャネコットちゃんが出迎えてくれる。
ごめんな。
嬉しい報告はしてあげられねーんだ。
「人が……死んだ」
「はい?」
首をかしげたキャネコットちゃん。
だが、じーさんの亡骸を見てすべてを察したようだ。
「嘘……まさか亡くなるなんて……だって、その方は……」
「ふぃ~疲れた疲れた!」
ちょうどギルドに入ってきたのは、
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「よぉ、ジャック」
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「人が死ぬくらいには大変だったぜ……」
「人が? ははっ。そんなわけ……え?」
ジャックがじーさんを見た途端、固まった。
「じーちゃん……!?」
ジャックは遺体にすがりついて泣き出した。
よく見れば2人は似てる。
そうか、血の繋がりがあったのか。
「おい、どうして!? どうしてうちのじーちゃんが!?」
「落ち着いて聞いてくれ。実はな……」
* *
その日は街中が大騒ぎになった。
当然だな。
近くにドラゴンが現れたんだ。
俺たちは一日中ギルドから事情聴取を受けた。
翌日にはじーさんことダニエルの葬儀が行なわれた。
「あいつとは戦友だったんだ」
ギルド長のアイアイがこっそり打ち明けてくれた。
「一緒にパーティーを組んでよ、数々のクエストを達成したぜ。俺は何度も稽古をつけてもらったけど、一度も勝てなかったな」
「老いてもあれだけの強さだ。全盛期はもっとすごかったんだろうな」
「ドラゴン族を封印したのも俺たちだ」
「……え?」
「誰かが解き放ったんだろうな」
「それってどういう――」
「詳しい話はまた今度しようや」
アイアイは意味深な言葉を残した。
* *
「とにかくドラゴン族を殺す!」
後日。
魔法の家で、テレジアちゃんが憤っていた。
「あいつらを野放しにしてる限り、また犠牲者が出るんだから!」
「賛成ですが、やつらがどこにいるのか、わかりません。動きようがないですよ」
「じゃあ諦めんのかよ、てめー!」
「そうは言ってないでしょう!」
テレジアちゃんとOKチョーケーがいつものようにいがみ合う。
ったく、お前ら落ち着け。
「俺たちにできることはクエストをこなすこと。あちこちで冒険をして情報を地道に集めるこった」
「遠回り過ぎ!」
「テレジアちゃん、やめて。引っ張らないで。いいか、今回のクエストでわかったこともあるだろ」
「?」
「やつらが水から水へと瞬間移動できること」
そして池の異変を察知して確認のためにやって来たということ。
「つまり、やつらにとって水はかなり重要なんだろう」
「だから何だよ!」
「池や湖の近くでクエストをこなせばいいってこと」
「……おお!」
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