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もう一度だけ
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堯舜は言葉を失った。
あれほど探し求めた女は白露だったのか。3年前のことがなくとも、惹かれているのは事実で。大事に思うがあまり遠ざけたく思い、しかし明確な拒絶を受けて、なんと声をかければ良いのか正解がわからなかった。
「白露、お前はあの日のことを覚えているか」
「あまり覚えておりません。なぜだかおぼろげなのです。ですから陛下にお会いした時も全く気づいておりませんでした」
「朕も毒を守られ、朦朧としていた。お前の姿形を覚えていなかった。今まで探し出せず、助けもせず、苦労をかけた」
それを聞いた白露は微笑んで答える。
「飛飛、花花は宝物です。苦労とは思いません」
一度呼吸をととのえると、白露は言い切った。
「私も陛下も覚えていないのですから、無かったことにできます。陛下には妃は山ほどできる…」
突然、抱きすくめられ、白露は言葉を失う。
「覚えてはいないが、無かったことにはしない。したくない」
堯舜の腕の中で、白露は足が震えて、鼓動が高鳴り、返事も出ない。
「もう一度だけ、朕を信じてくれないか」
堯舜の鼓動が白露にもつたわる。
「どうか、いなく、ならないでくれ」
あれほど探し求めた女は白露だったのか。3年前のことがなくとも、惹かれているのは事実で。大事に思うがあまり遠ざけたく思い、しかし明確な拒絶を受けて、なんと声をかければ良いのか正解がわからなかった。
「白露、お前はあの日のことを覚えているか」
「あまり覚えておりません。なぜだかおぼろげなのです。ですから陛下にお会いした時も全く気づいておりませんでした」
「朕も毒を守られ、朦朧としていた。お前の姿形を覚えていなかった。今まで探し出せず、助けもせず、苦労をかけた」
それを聞いた白露は微笑んで答える。
「飛飛、花花は宝物です。苦労とは思いません」
一度呼吸をととのえると、白露は言い切った。
「私も陛下も覚えていないのですから、無かったことにできます。陛下には妃は山ほどできる…」
突然、抱きすくめられ、白露は言葉を失う。
「覚えてはいないが、無かったことにはしない。したくない」
堯舜の腕の中で、白露は足が震えて、鼓動が高鳴り、返事も出ない。
「もう一度だけ、朕を信じてくれないか」
堯舜の鼓動が白露にもつたわる。
「どうか、いなく、ならないでくれ」
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