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第74話 大蛇とマディと時々まもの

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 【出会わなければにゃにも出来ない怖くにゃい】作戦から数時間
 最もこれは体感であって実際にどれくらいの時間が経っているかは分からないが…
 
 (ともかくこれは死活問題にゃ、いや?死亡問題かにゃ?)
 
 そんな自問自答(じもんじとう)を繰り返しながらマディは1つの結論に達していた
 
 (あの靄はきっと洞窟全体…とは言わにゃいけど かなりの範囲を取り込んでいるんだと思うのにゃ)
 
 だがもしコレが正解だとすると困った事に選択肢が無くなってしまう
 
 洞窟はほぼ一本道で水辺は絶対に通る事になる、そうなればまたあの正体不明の化け物と遭遇してしまう、かといって ここで時間を潰しても靄によって死んでしまうのだ
 
 (これはいよいよ怪しくなってきたにゃぁ)
 
 何か、何かがつっかかっている、靄(もや)に触れれば死ぬ
 それは身を以て体験している、間違いない
 
 (本当に手はにゃいのかにゃ…?にゃーんか違和感が…)
 
 何かきっかけさえあれば、閃きそうなのだが
 
 こうしている間にも靄が迫ってくる時間が刻一刻(こくいっこく)と近ずいているかと思うと気が気ではない
 
 (もしかしてこのまま、永遠に洞窟から出られにゃい…とか?)
 
 ゾクリと背筋に走った悪寒を振り払うかのように頭を振る
 
 こんなところで めげている場合では無い、この道(転生)を選んだのは自分なのだ、何が何でも生き延びて神様が言う神殺しを倒してやろうじゃないか
 
 そう決意した時には、マディは自分でも気がつかずに拳を握りしめていた
 
 ゆっくりと拳を解くと…まずは、その前に 無責任にも程がある、あの神様をぶっ飛ばしてやろうと固く誓う
 
 (それにしてもお腹減ったにゃ)
 
 自分の中で区切りがついたからだろうか、それとも今までの緊張からかずっと気に成っていなかった空腹がマディを襲った
 
 (いつ靄がくるかは分からにゃいけどお腹が空くのはしょうがにゃいよねぇ)
 
 しかし、洞窟で食べられそうな物なんて…
 
 (水辺の近くにいた蜘蛛とかあとは…大蛇くらいにゃ…流石にちょっとにゃぁ…大蛇?)
 
 (そうにゃ、大蛇にゃ!)
 
 ずっと気になっていた違和感の正体
 
 (なんであの大蛇は’生きている’んだにゃ?)
 
 恐らく、あの大蛇はこの洞窟に住んでいるのだろう、もちろん蜘蛛やほかの虫にも言える事だが、靄の後はそれらはどうなったのだろうか?
 
 あの靄を出す化け物は、遭遇した後は洞窟から出ていってしまうが、もしかしたらこの洞窟を根城にしているのではないか?
 無論、これは全くもって希望的観測に過ぎない
 
 (試してみる価値はあるにゃ!)
 
 そうと決まれば善は急げだ、マディは大急ぎで大蛇のいる場所 目掛けて駆け出していた
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