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第12話 いざクエストへ!
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「知らない…天井だ…」
手をかざして、指の間越しに天井を見る
うん…ギルドの天井だわ、それにしても妙に後頭部が痛い
何があったんだっけ?たしか、あれだ…あぁ!!
背後から殴られた事を思い出し、ガバッと身を起こす
どうやら、机の上に寝かせられていたようだ、なんだこれ 俺は何かの生け贄か
「あ、気が付いたよ!」
「まったく、心配したんですよ」
「手加減したから大丈夫だとは思うんですけどねぇ、もやしには刺激が強すぎましたか?まぁ…もし、パーになってても知らないけど」
気が付くと、ミールとクラリ、そしてフォリンが心配そうに凶夜を取り囲んでいた
最後のは心配してるとは到底思えないが
「だめだよ!キョーヤがパーになんてなったら、あの魔法をところ構わず使っちゃうかもしれないんだよ!」
「そうですよ…あの魔法は伝説級のモノですよ、私の魔眼を持ってしても判別出来なかったんだから間違いありません!あんなのくらった日には村の1つや2つ吹っ飛んでも可笑しくないんですよ!?」
こいつら…揃いも揃って酷い言い草だな
だが、クラリ…村の1つや2つってなんだ 怖いんですけど? 俺は何をぶっ放そうとしてたんだよ…
俺は全員の顔をゆっくりと見回し
「お前等いい加減にしないと、そのパーになった俺が思いがけず、特別にお前等1人ずつに魔法をぶっ放す事になるがいいかな?」
と静かに告げた
ーー
「で、ちょむちょむの討伐についてだが」
あの後、頭を確認し、大した傷も無かった俺はミールとクラリと3人でギルドの隅のテーブルで作戦会議をしていた
一応、フォリンには盛大にチョップをかましておいた
俺の男女平等チョップをくらったフォリンは、頭を押さえながら信じられない物を見る目で俺を見ていたが…これでも大分手加減したんだから感謝して欲しい、だってアイツは辞書みたいな本で殴りやがったんだぞ
「キョーヤ!キョーヤ! ちょむちょむは、動物の糞(ふん)が嫌いなんだって、前に隊長が言ってたよ」
「あ、それ私も聞いたことがあります、糞をぶつけると激しく弱るそうですよ? 沢山ぶつけて弱ったところを倒すとか、たしか馬の糞が比較的よく使われるそうです。 ま、我が魔眼にかかればそんなもの不要でしょうけどね、あ そうです!私が凶夜さんの相棒になるというのはどうでしょうか? いえいえ、私より弱いとか、頭が可笑しいだとか そんなこと全く気にしませんとも ええ!」
いい加減、クラリが面倒くさくなってきたのでスルーする
放って置いたら何時までも話してそうだな
…魔物とはいえ、見知らぬ奴らから糞をぶつけられるとか可哀想な奴らだな。まぁ、中にはそういう趣味の奴もいるから一概に不幸とは言えないのかもしれんが
それにしても
「馬の糞ねぇ」
何処で手に入れれば…と思ったが意外に心当たりがある事に気が付いた、ルークだ
アイツはミールが行く以上、連れて行く事になるだろうし、なら糞については問題無いだろう
ちなみにフォリン曰く、ちょむちょむは割とメジャーな魔物で、駆け出しを卒業した冒険者が自分の力を試すために挑む代表格らしい
俺のパーティもステータスと職業だけみれば、挑むのはそう可笑しな話でもないと思う
…俺のレベルは2だが
「ちょむちょむの生息地はここから徒歩で半日ほどの洞窟…か」
フォリンから借りた地図を見て、洞窟の場所を確認する
「ねぇねぇ、僕 洞窟に行く前にご飯食べたいんですけど!お腹空いた!」
「却下」
「なんで!キョーヤのバカ!」
「誰がバカだ、誰が。 いや、これから洞窟行くんだったらもう出ないといけねぇんだよ、こっから半日って今昼過ぎくらいだからな、夜は村の外は危険らしいんだよ。ほら夕飯は奮発してやるからいいだろ?」
「うー…しょーがない…」
ミールは少し不満げながらも分かってくれたようだ
「さぁ、凶夜さん!さっそく冒険へ旅立ちましょう、ここから私達の輝かしい冒険譚が始まるのです、そうですね…とりあえずは王都を目指しましょう、いざ王都へ!」
俺はおもむろに地図を丸めてクラリの頭を殴った
「いったぁああ、な、な、何をするんですかぁ!」
「『な、な、何をするんですか?』じゃねーよ! お前、話聞いてたのか?王都なんかいかねーよ、洞窟いって魔物倒して帰ってくるの! 何処までいくつもりだ!」
「えーーー!いいじゃないですか、いいじゃないですか、いいじゃないですかぁーーー!」
バカンッ
「あーーー、また打(ぶ)った!! 私の聡明な頭脳がパーになったらどーするんですか!!」
「安心しろ、お前は元からパーだ」
「酷(ひど)いっ」
クラリはギルドの隅で体育座りしながら、 ぶつぶつ文句を言っているが気にしないで話を進める
「そうと決まれば早速出るぞ、ミール」
「準備出来てるよ!と言っても、特に持って行く物もないし…あ、でも道具屋で回復アイテムくらいは買っていった方がいいかも」
「そりゃそうだな、おい クラリ何時までそんなところで拗ねてんだ、そもそもお前の実力を見るためにわざわざ洞窟くんだりまで行くんだからな」
クラリは当初の目的を思い出したのか
はっ、とした顔をした後、俺の前に来て
そして
「我が名は魔眼を操りし者…クラリオット! 我を恐れよ!我が魔眼は…」
さっきから続けている中二病全開の口上を始めた
あ、これは目的忘れてるわ
俺は1人、口上を続けるクラリを無視してギルドの扉を開けて外へ出ることにした
カランカラン
「あぁっ、待って!置いていかないで!!」
ギルドの扉から出て行く音でクラリが気づき、半泣きで追いかけてきた。
本当に大丈夫なのか、コイツは…
手をかざして、指の間越しに天井を見る
うん…ギルドの天井だわ、それにしても妙に後頭部が痛い
何があったんだっけ?たしか、あれだ…あぁ!!
背後から殴られた事を思い出し、ガバッと身を起こす
どうやら、机の上に寝かせられていたようだ、なんだこれ 俺は何かの生け贄か
「あ、気が付いたよ!」
「まったく、心配したんですよ」
「手加減したから大丈夫だとは思うんですけどねぇ、もやしには刺激が強すぎましたか?まぁ…もし、パーになってても知らないけど」
気が付くと、ミールとクラリ、そしてフォリンが心配そうに凶夜を取り囲んでいた
最後のは心配してるとは到底思えないが
「だめだよ!キョーヤがパーになんてなったら、あの魔法をところ構わず使っちゃうかもしれないんだよ!」
「そうですよ…あの魔法は伝説級のモノですよ、私の魔眼を持ってしても判別出来なかったんだから間違いありません!あんなのくらった日には村の1つや2つ吹っ飛んでも可笑しくないんですよ!?」
こいつら…揃いも揃って酷い言い草だな
だが、クラリ…村の1つや2つってなんだ 怖いんですけど? 俺は何をぶっ放そうとしてたんだよ…
俺は全員の顔をゆっくりと見回し
「お前等いい加減にしないと、そのパーになった俺が思いがけず、特別にお前等1人ずつに魔法をぶっ放す事になるがいいかな?」
と静かに告げた
ーー
「で、ちょむちょむの討伐についてだが」
あの後、頭を確認し、大した傷も無かった俺はミールとクラリと3人でギルドの隅のテーブルで作戦会議をしていた
一応、フォリンには盛大にチョップをかましておいた
俺の男女平等チョップをくらったフォリンは、頭を押さえながら信じられない物を見る目で俺を見ていたが…これでも大分手加減したんだから感謝して欲しい、だってアイツは辞書みたいな本で殴りやがったんだぞ
「キョーヤ!キョーヤ! ちょむちょむは、動物の糞(ふん)が嫌いなんだって、前に隊長が言ってたよ」
「あ、それ私も聞いたことがあります、糞をぶつけると激しく弱るそうですよ? 沢山ぶつけて弱ったところを倒すとか、たしか馬の糞が比較的よく使われるそうです。 ま、我が魔眼にかかればそんなもの不要でしょうけどね、あ そうです!私が凶夜さんの相棒になるというのはどうでしょうか? いえいえ、私より弱いとか、頭が可笑しいだとか そんなこと全く気にしませんとも ええ!」
いい加減、クラリが面倒くさくなってきたのでスルーする
放って置いたら何時までも話してそうだな
…魔物とはいえ、見知らぬ奴らから糞をぶつけられるとか可哀想な奴らだな。まぁ、中にはそういう趣味の奴もいるから一概に不幸とは言えないのかもしれんが
それにしても
「馬の糞ねぇ」
何処で手に入れれば…と思ったが意外に心当たりがある事に気が付いた、ルークだ
アイツはミールが行く以上、連れて行く事になるだろうし、なら糞については問題無いだろう
ちなみにフォリン曰く、ちょむちょむは割とメジャーな魔物で、駆け出しを卒業した冒険者が自分の力を試すために挑む代表格らしい
俺のパーティもステータスと職業だけみれば、挑むのはそう可笑しな話でもないと思う
…俺のレベルは2だが
「ちょむちょむの生息地はここから徒歩で半日ほどの洞窟…か」
フォリンから借りた地図を見て、洞窟の場所を確認する
「ねぇねぇ、僕 洞窟に行く前にご飯食べたいんですけど!お腹空いた!」
「却下」
「なんで!キョーヤのバカ!」
「誰がバカだ、誰が。 いや、これから洞窟行くんだったらもう出ないといけねぇんだよ、こっから半日って今昼過ぎくらいだからな、夜は村の外は危険らしいんだよ。ほら夕飯は奮発してやるからいいだろ?」
「うー…しょーがない…」
ミールは少し不満げながらも分かってくれたようだ
「さぁ、凶夜さん!さっそく冒険へ旅立ちましょう、ここから私達の輝かしい冒険譚が始まるのです、そうですね…とりあえずは王都を目指しましょう、いざ王都へ!」
俺はおもむろに地図を丸めてクラリの頭を殴った
「いったぁああ、な、な、何をするんですかぁ!」
「『な、な、何をするんですか?』じゃねーよ! お前、話聞いてたのか?王都なんかいかねーよ、洞窟いって魔物倒して帰ってくるの! 何処までいくつもりだ!」
「えーーー!いいじゃないですか、いいじゃないですか、いいじゃないですかぁーーー!」
バカンッ
「あーーー、また打(ぶ)った!! 私の聡明な頭脳がパーになったらどーするんですか!!」
「安心しろ、お前は元からパーだ」
「酷(ひど)いっ」
クラリはギルドの隅で体育座りしながら、 ぶつぶつ文句を言っているが気にしないで話を進める
「そうと決まれば早速出るぞ、ミール」
「準備出来てるよ!と言っても、特に持って行く物もないし…あ、でも道具屋で回復アイテムくらいは買っていった方がいいかも」
「そりゃそうだな、おい クラリ何時までそんなところで拗ねてんだ、そもそもお前の実力を見るためにわざわざ洞窟くんだりまで行くんだからな」
クラリは当初の目的を思い出したのか
はっ、とした顔をした後、俺の前に来て
そして
「我が名は魔眼を操りし者…クラリオット! 我を恐れよ!我が魔眼は…」
さっきから続けている中二病全開の口上を始めた
あ、これは目的忘れてるわ
俺は1人、口上を続けるクラリを無視してギルドの扉を開けて外へ出ることにした
カランカラン
「あぁっ、待って!置いていかないで!!」
ギルドの扉から出て行く音でクラリが気づき、半泣きで追いかけてきた。
本当に大丈夫なのか、コイツは…
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