107 / 120
第106話 掌を太陽に☆
しおりを挟む
「これ一体いつまで歩けばいいんだ」
あれから俺達は廊下を歩き続けていた
「いやぁ…こんな長い廊下じゃなかったはずなんだが」
この廃墟に詳しいアラブライも首を傾げている
「きょーやさぁーん…」
「なんだよ、見ての通りお先は真っ暗だ。いつゴールにつくかも分からんぞ?」
初めのうちはこの雰囲気に萎縮し、怯えていたクラリも流石に慣れてきたのか気の抜けた声を上げ始めていた
「分かってますよ…それよりも」
もじもじと内股でクラリが訴えかける
「そこらへんでしろ」
「鬼かぁ!よりにもよって乙女に向かって!」
口調は強気だが、限界が来ているのだろう、声が掠れている
「なぁ、クラリここは化け物屋敷だよな?」
「はい…?」
何を今更というクラリのジト目を無視して続ける
「化け物屋敷に…トイレがあると思うか?」
「いやその理屈は可笑しい。仮にも人が住むことを前提にした居住なんですよ!?あるに決まっているでしょう!?」
はぁ…ひっじょーに面倒だが、唯でさえ魔眼なんて物騒なモンを持ってるからなぁ。さっきみたいに見境なく発動なんてされたらたまったもんじゃないし、譲歩してやるか。まったく何処のどいつだコイツに魔眼なんて持たせた奴は…頭が弱い奴が核爆弾持つ様なモンだぞ
「なんか失礼な事を考えてませんか?」
「いや、別に」
「いいでしょう、受けて立ちますとも!」
「だから、考えてねーって!なんなの?なぁ、アラブライここら辺にトイレはあるのか?」
俺とクラリのやり取りを静観していたアラブライへ話しを振る。どうでもいいから助けて欲しい
「ああ、あるぞ。ていうか嬢ちゃんの横の扉がそうだな」
バタンッ。アラブライの言葉を聞くとほぼ同時にクラリがその部屋へ勢いよく飛び込み扉を閉めた
「絶対、そこに居てくださいよ!」
部屋の中から訴えかけるクラリ
「ああ、早くしろよ」
一瞬、クラリの入った扉へ視線を移した後
「あんちゃん、ちょっと不味い事になったかもしれん」
アラブライの見ている廊下へと視線を戻す
「…こいつは」
凶夜とアラブライの行く手を阻む様に、黒い大きな掌がこちらを向いて浮かんでいる
(まったく気がつかなかった、一体いつの間に…)
「悪魔の豪腕だ…」
「魔物の名前か?」
記憶が正しければこいつは俺達を廃墟に引きずり込んだ張本人のはずだ
「ああ、コイツを見て思い出した。俺が幽霊になった原因だ。」
アラブライは出会ってから初めて見せる苦々しい表情で続ける
「掌から見て、こいつは右腕だな、頭と左腕がいないのが幸いか。昔、俺が冒険者だった頃に俺のパーティはこいつに挑んで全滅したんだ」
「…それはこの状況は非常に不味いのでは…?」
唐突なシリアス展開に思わずびびってしまう
「いや、本当にヤバイのは頭だ。腕だけならやり様はある。それに…」
アラブライが掌の人差し指辺りへ目線を動かす。そこには意味ありげに銀色の鍵が輝いていた
「…この廃墟から出たければこいつをどうにかしないと駄目だろう」
アラブライがニヤリと笑う
「やるしかねーってのか…」
それに答え、覚悟を決め俺もニヤリと…
「凶夜さん、一大事です!…紙が!紙がありません!」
そこへ、トイレからクラリの声が廊下へと響き渡った
「………やるしかねーってのか…」
何事も無かったかのように続けようと…
「凶夜さん!?聞いてますか?出来れば何か拭けるものを頂きたいのですが…」
「うるせぇ!人がせっかくシリアスしようとしてるんだから、ちょっと黙ってくれよ、お願いだから!」
あれから俺達は廊下を歩き続けていた
「いやぁ…こんな長い廊下じゃなかったはずなんだが」
この廃墟に詳しいアラブライも首を傾げている
「きょーやさぁーん…」
「なんだよ、見ての通りお先は真っ暗だ。いつゴールにつくかも分からんぞ?」
初めのうちはこの雰囲気に萎縮し、怯えていたクラリも流石に慣れてきたのか気の抜けた声を上げ始めていた
「分かってますよ…それよりも」
もじもじと内股でクラリが訴えかける
「そこらへんでしろ」
「鬼かぁ!よりにもよって乙女に向かって!」
口調は強気だが、限界が来ているのだろう、声が掠れている
「なぁ、クラリここは化け物屋敷だよな?」
「はい…?」
何を今更というクラリのジト目を無視して続ける
「化け物屋敷に…トイレがあると思うか?」
「いやその理屈は可笑しい。仮にも人が住むことを前提にした居住なんですよ!?あるに決まっているでしょう!?」
はぁ…ひっじょーに面倒だが、唯でさえ魔眼なんて物騒なモンを持ってるからなぁ。さっきみたいに見境なく発動なんてされたらたまったもんじゃないし、譲歩してやるか。まったく何処のどいつだコイツに魔眼なんて持たせた奴は…頭が弱い奴が核爆弾持つ様なモンだぞ
「なんか失礼な事を考えてませんか?」
「いや、別に」
「いいでしょう、受けて立ちますとも!」
「だから、考えてねーって!なんなの?なぁ、アラブライここら辺にトイレはあるのか?」
俺とクラリのやり取りを静観していたアラブライへ話しを振る。どうでもいいから助けて欲しい
「ああ、あるぞ。ていうか嬢ちゃんの横の扉がそうだな」
バタンッ。アラブライの言葉を聞くとほぼ同時にクラリがその部屋へ勢いよく飛び込み扉を閉めた
「絶対、そこに居てくださいよ!」
部屋の中から訴えかけるクラリ
「ああ、早くしろよ」
一瞬、クラリの入った扉へ視線を移した後
「あんちゃん、ちょっと不味い事になったかもしれん」
アラブライの見ている廊下へと視線を戻す
「…こいつは」
凶夜とアラブライの行く手を阻む様に、黒い大きな掌がこちらを向いて浮かんでいる
(まったく気がつかなかった、一体いつの間に…)
「悪魔の豪腕だ…」
「魔物の名前か?」
記憶が正しければこいつは俺達を廃墟に引きずり込んだ張本人のはずだ
「ああ、コイツを見て思い出した。俺が幽霊になった原因だ。」
アラブライは出会ってから初めて見せる苦々しい表情で続ける
「掌から見て、こいつは右腕だな、頭と左腕がいないのが幸いか。昔、俺が冒険者だった頃に俺のパーティはこいつに挑んで全滅したんだ」
「…それはこの状況は非常に不味いのでは…?」
唐突なシリアス展開に思わずびびってしまう
「いや、本当にヤバイのは頭だ。腕だけならやり様はある。それに…」
アラブライが掌の人差し指辺りへ目線を動かす。そこには意味ありげに銀色の鍵が輝いていた
「…この廃墟から出たければこいつをどうにかしないと駄目だろう」
アラブライがニヤリと笑う
「やるしかねーってのか…」
それに答え、覚悟を決め俺もニヤリと…
「凶夜さん、一大事です!…紙が!紙がありません!」
そこへ、トイレからクラリの声が廊下へと響き渡った
「………やるしかねーってのか…」
何事も無かったかのように続けようと…
「凶夜さん!?聞いてますか?出来れば何か拭けるものを頂きたいのですが…」
「うるせぇ!人がせっかくシリアスしようとしてるんだから、ちょっと黙ってくれよ、お願いだから!」
0
あなたにおすすめの小説
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる