上 下
29 / 36
2章3〜4歳

スライムさんの体と新しい仲間

しおりを挟む
-side アクシア-



 エンペラースライムの事は一旦置いておくことにした俺たち。分かんないものはしょうがないもんね、うん。
 とりあえず、スライムを物理的に調べて見ることにした。おそらく、魔物を鑑定したら、ぽよんぽよんとか、ぷにぷにとかおふざけな結果が出るんだと思う。……嘘です鑑定さんは決してふざけてはないと思います、そうだと思います……っと自分に言い聞かせる。
 魔物ではなく、物質を直接調べたらもっと詳しい結果が出るのではないかと思う。前に枕とかを調べた時はちゃんと出たからね!


「フィル兄、スライムさんのお体って頂戴してもいーい?」
「聞いてみる」


 フィル兄がスライムと頑張って意思疎通してくれた。


「核意外だったらいいよー、だって」
「やったあ!」
「丁寧に優しくだって!」
「わかったー」


 言われた通りに、丁寧に優しくぷにぷに部分を取る。スライムさんは特に抵抗なくじっとしていて、取り終わったら、ぽよんぽよんと飛び跳ねた。かわいい。
 とりあえず、これを鑑定してみよう。


「かんてー」


 名前:スライムポリエチレン
 詳細:ポリエチレン100%


「なるほどー」


 ポリエチレンってなんだっけー?
 忘れちゃった、どうしよう。
 鑑定さん教えてー。
 そう思ったら、次のような事が出てきた。


◯ポリエチレン◯
ポリエチレンは、炭化水素の一種であるエチレンを重合させて得られるプラスチックの一種なのだー。柔軟性や耐久性が高く、食品包装、ビニール袋、容器などさまざまな用途に使われているのだー。
◯END◯


「ほえー」


 鑑定さんありがとう。
 スライムさん、めっちゃすごい!
 このスライムが特別なのか、他のスライムもそうなのかはまだ分からないが、少なくともこのスライムさんの体液は色々研究を重ねれば活かせる気がする。


「どういたしましたなのだー」
「ふぇっ!?」


 見上げると、猫耳と背中に羽の生えたパーカーをきている灰色の髪にオレンジの目の少年が空に浮かんでいた。
 なななっ……!いつのまにー!


「おっ!やっと気付いたのだー」


 少年はやっと気付いてもらえたと、きゃっきゃっと!俺の周りをはしゃぎ回っている。
 キャットだけに……。
 うぉっほん!それはそれとして。


「どちら様ー」
「我は神からアクシア様をサポートするように言われた天使なのだー」
「天使さん!」


 天使の輪っかは見えないけれど、天使さんらしい。神の使いなのは、彼の周りがうっすら発行していることから明らかだろう。


「そうなのだー、できる限り助けたいから、困ったらなんでも言ってくださいなのだー」
「ありがと!天使さんのお名前はー?」
「名前はまだないのだー、つけて欲しいのだー」
「ほほう」


 むむう。確かに鑑定さんじゃ、味気ないもんね。
 サポートしてくれる天使さんってことはナビの役割してくれるって事かー。
 ナビさんとか、ナビーさんとか、ナビビーさんとかだろうか?


「その中だとナビがいいのだ」
「わわっ!?」


 心を読まれた!?


「我の特殊能力なのだー、我は人の心を読めるのだー」
「おおーっ!」


 それでさっき、ナビさんに頼んだだけで鑑定結果が出てきたのか。すっげー!


「お褒めに預かり光栄なのだー、他にも色々特殊能力があるのだー、それはまたおいおいなのだー」
「わかったー!よろしく、ナビさん!」
「こちらこそ、よろしくなのだー」


 今日はスライムさんのすごい体の性質と新しいお仲間ができて充実した1日だった!
 今夜はスヤスヤ寝るー!



------------------------------
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される

マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。 そこで木の影で眠る幼女を見つけた。 自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。 実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。 ・初のファンタジー物です ・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います ・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯ どうか温かく見守ってください♪ ☆感謝☆ HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯ そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。 本当にありがとうございます!

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~

樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。 無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。 そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。 そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。 色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。 ※この作品はカクヨム様でも掲載しています。

まさか転生? 

花菱
ファンタジー
気付いたら異世界?  しかも身体が? 一体どうなってるの… あれ?でも…… 滑舌かなり悪く、ご都合主義のお話。 初めてなので作者にも今後どうなっていくのか分からない……

処理中です...