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2章3〜4歳

スライムには基礎が詰まっている

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-side アクシア-



 --プルンプルンプルンプルン!


「ほわー!」
「かわいい」
「ふふっ!プルプルだねー」


 地下帝国の始まりの部分となるであろう秘密基地の地下に入ったフィル兄、テオ兄、俺、青龍様、エリックはそこで、昨夜フィル兄がテイムしたスライムを観察している。
 プルプル楽しそうに飛び跳ねていて、かわいい。


「こちらが雑草です」
「わかったー」


 --パクパクパク


 か、かわいい……。
 いちいちポテポテ動くのが見ていて癒される。ちなみに、雑草を食べさせているのに特に理由はない。スライムは基本何でも食べる。
 だから、その辺の石とか土とかでも良いんだけど、可哀想だからという理由で草をあげる事になったのだ。
 案外、スライムの好物を研究するとかも面白そうかもね!


「ふふっ!なんでも食べれて偉いねえ」
「えらいー!」
「む?我も食べようと思えばなんでも食べれるぞ?」


 みんなで可愛がっていると青龍様はヌルッと出てきた。


「そこ張り合うとこー?」
「うむ、我もえらい」
「確かに、それはそうかも?」


 褒めて欲しそうだったのでいい子いい子する。すると満足そうに--フンッっとしている。これはこれで可愛い。


「青龍様、青龍様は今まで食べた中で一番美味しい魔物ってなんですか?」


 おっ!流石フィル兄それちょっと気になるかも。


「ヒュドラだな」
「ひっ!」
「……さ、さすが青龍様ですね」


 ヒュドラ。毒蛇か。
 確かに人間には食べれなそー。
 エリックの顔も引き攣っている。


「確かに猛毒があるが部位によって美味しいぞ。人間でも食える」
「ほうほう」


 おー、フグみたいなものかな?
 ちょっと食べてみたいかも。


「今度狩ってきてやろう。それでヒュドラパーティだ」
「おー!」


 むむっ!でも、万が一事故は起こさないようにして欲しいところだ。一応、念入りに事前の実験してからにしよう。鑑定魔法の役に立つかも!
 それはそれとして、スライムをお世話するのは良いけれどどうやってお世話したら良いんだろう?
 スライム用の餌である雑草を食べさせ終わった後、ポカーンとしているとエリックが助け舟を出してくれた。


「それでは、スライムの育て方について教えますね」
「よろしくお願いします」
「よろしくー!」


 スライムの飼育の仕方かー!
 確かに、そこらへんのマニュアルはきちんとあるよね!なんでも食べるから飼育は簡単そうだけどどーなんだろ?


「結論からいうと、スライムの飼育は楽ですが、他の魔物とそこまで飼育方法が変わるという事はございません。飼育に慣れるまでは、出来るだけそばにいて愛情を注いてあげてください」
「はーい!」
「適度な運動も必要です、太陽の光も好むと言われているので、外にも出してあげましょう。風邪もひきます、その時はしっかり休ませてあげましょう。治癒魔法をかけると多少は症状を軽減できるみたいです」
「なるほどー」


 ふむふむ。ちょっと手のかからない動物って感じかな?だとしたら、スライムには意外と生き物を飼う時の基礎が詰まっているのかもしれない。
 強くないからテイムするメリットがないとされているけれど、子供が最初に飼う魔物にぴったりなのかもしれないね!


「まあ、分からないことがあればその都度聞いてください。こう見えても私、従魔は5匹ほど飼っていますので」
「おおーー!」


 すごい!流石エリック!
 従魔って2匹従えるだけでもとてもすごいと言われているのに5匹も!


「見せて見せて!」
「ふふっ、ここでは呼べませんので、それはまたの機会ですね」
「……?」


 どーいう事だろう?まあ良いか。
 それよりも今は、スライムのことをたくさん愛でよう!ぷにぷにー!


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