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狩りに行こう

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-side アクシア-



 秘密基地が無事に出来てから、俺は毎日お外で遊ぶようになった。ちなみに今はフィル兄とテオ兄はお勉強中なので青龍様と使用人のエリックの3人だけである。


「青龍様!」
「なんだ?」
「青龍様って普段どんな感じで狩りをしているの?」


 青龍様と遊んでいると、ふとそんな疑問が思い浮かんだ。なんせ、青龍様が来てからというもの、家のご飯が美味しいのだ!今までも美味しかったけれど、さらに絶品!レア食材を色々狩ってきてくれているらしいんだよね。パパとママがいっつも青龍様に感謝している。

 
「おー、そういえば前にお主に魔法を教えると言っておったな。もうそろそろ、一緒に狩りにでもいくか」
「むー?」


 むむっ……!大きくなったとはいえ、もうすぐ3歳。狩りって危険じゃないのかな?いまだにおっとっとって、転んじゃったりするんだけど。あれ痛いんだよね、いつも涙が出てきちゃう。


「なーに、攻撃面は心配いらぬ。魔法で倒せば平気だのう。我が結界を張っておいてやれば、防御面でも心配はいらぬ。優秀な護衛もいるだろうしのう」
「ふーむ?」


 そう言って、青龍様はエリックの方を見る。すると、彼は目をキラキラとさせてこちらをみていた。


「どしたの?エリック?」
「アクシア様!ついに、狩りに出られるとのこと。是非私に護衛をさせていただきたいのです」
「う、うん……。元からそのつもり」
「うっし……!」


 エリックはガッツポーズをしている。 
 そんなに嬉しいことかな?俺、結構平和に過ごしたい方の人間だから、わざわざ魔物を倒すところに行くメリットがわからないや。
 あっ……!そういえば、エリックを鑑定した時、戦闘狂だと描いてあった気がする。魔物と戦いたくてきたのに、きっと、今まで俺のお世話ばかりして、退屈だったのだろう、少し申し訳なくなってくる。


「エリック。ごめん、今まで俺のお世話ばかりでつまらなかったよね」


 気遣いが出来ずにごめんね。謝んないとと思いぺこりとお辞儀をする。


「なーにを仰いますか。正直なところ、最初は確かにつまらないのかもと思いましたが、今はアクシア様が強くなっていく日々を眺めていくのは私にとって最高の日常になっています。みてて飽きませんからねえ!もっと、強くなりましょう!」


 あっ……、この狂人、斜め上の方向に進化してしちゃったのかも。なんか、歪めちゃった感あるけど、気にするのはやめよう。今が退屈していないんだったらそれが一番だよねー。


「それで、話を戻すと狩りはどんな魔物を倒したらいいの?」
「そうだのう、いきなり食べれそうな魔物を倒すというよりはスライムやゴブリンを倒すのが良いと思うのう」
「そっかー」
「そうですね。初心者には安心でしょう。ただし、ここは魔境です。スライムと言っても一筋縄ではいきませんよ、アクシア様」


 気を引き締めないととゴクリ……、と息を呑む。なんだかんだで、この世界に来てから初めて魔物を見る。ドキドキワクワクと高揚感に胸を膨らませながら、狩りの準備をするのだった。


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