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初めてのお友達

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-side アクシア-



「青龍様、ここに住むって、本当ですか?」
「なに?お主は嫌なのか?」
「う、ううん……」


 必死に首を振る。
 なんとなくだけど、ここで拒否ったらまずいと本能が告げていた。


「そうか。なら良かった。我の世話なら心配いらん。食わなくても生きていけるし、住むところも結界魔法でなんとかする」
「ほえーー、意外と手がかからないから、楽で良いかも?」
「うむ。そうだろう、そうだろう」


 でもでも!どうせなら、お家くらい作ってあげたいよね!俺の部屋でも、良いけれど、ドラゴンさんといえば、洞窟に住んでいるイメージが合っているから、できれば、それっぽい雰囲気のところがあれば良いなあ。


「話は終わりましたか?」


 後ろに控えていたエリックが声をかける。
 いけない、途中から周りの人のことを考えずに会話をしていた。そもそも、青龍様が一緒に住むと言うだけで一大事。後ろにいるパパも頭を抱えていた。


「パッパ!お家!青龍様のお家作りたい!」
「そうだな。青龍様、我が家へようこそ。私は、この家の主であるルイス=シュタインと申します。この子は、アクシア」
「うむ。ルイス、アクシア。これからよろしく頼む」
 

 良かった!なんだかんだ、うまくいきそう!というか、パパは本当は断りたかったかもしれないけれど、こうする以外の選択肢がなかったから、こうなったのかな?


「それで、青龍様。家ができるまでは、とりあえず、しばらくは、アクシアと一緒に行動していただけませんか?一人で歩いたら、他のみんなが、驚くと思うので」
「うむ。分かった。色々と面倒をかけて、すまぬな」
「い、いえ!全然大丈夫です!精一杯頑張りますので」
「ふむ。我がここにいる限り、軍事面で、協力することは約束しよう。無論、身の程わきまえない奴は、容赦しないが」
「はっ!ありがたきお言葉!肝に銘じます!」
「うむ。良き良き」


 普段厳つくて怖いパパも、流石の青龍様の前だと、縮こまっている。大人の話は、なんとなくしか分からないけど、おもろっ!


「そういえば、青龍様」
「なんだ?」
「青龍様の鱗って貰えないの?余ってるやつでも良いんだけど」
「ちょっ……!アクシア……」


 パパが焦った顔をして、俺を止める。
 だけど、別にこれくらいほしいって言っても、良いと思うんだよね。どうせ、家に泊まるんだったら、ちょっとくらい大袈裟に要求しても良いくらいだ。


「ふむ。生え変わりかけの鱗が幾つかあるな。くれてやろう」


 青龍様はぱぱっと鱗を落とす。
 体は小さくなっているのに、鱗はかなり大きい!どうなっているんだろう?
 まあ、いっか!それよりも鱗!


「わーー!ありがと!!はい、パパ!あげる!」
「えっ……!?あっ……、ああ。ありがとう。青龍様!家宝にいたします!」
「うむ。この子の安全のためにでも、使ってくれ」
「はっ!では、そのように」


 パパは、若干引いた様子で答えた。
 もう、ビビりすぎなんだよ、パパは。


「青龍さん、良い人!大丈夫!」


 俺は、パパを安心させようと、青龍さんを撫でる。ひんやりとした鱗がとても気持ちがいい。


「ひっ……!こ、こらっ……!す、すみません!うちの者が!」
「別にかまわぬ。アクシアは我の友人なのだからな!」
「おおおおお!!」


 友達、初めてのお友達だ!


「友達、ありがとう!よろしく!」
「ああ。これからよろしくな。アクシア」


 これから、賑やかになるといいなと思った1日でした。



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