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優しい神々たち!

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-side アクシア-



 キーーーーーーーッ!


 あ、トラックだ。死んだ。そう思った。
 次の瞬間、目の前の景色は、優美なお花畑になった。


「気づいたみたいだね」
「いらっしゃい」
「ようこそ~!」


 目の前には、黒い髪にエメラルドグリーンの目の綺麗な女性と、黄色い髪と目の双子の男の子が2人いた。死んだと思っていたのに、神々しいまでに、輝いている人物達が普通に話しかけてきている感覚に、頭が回らず、戸惑っていると、女性が話しかけてくる。


「いきなりで、驚くわよね。私は、君たちの神様よ」
「ほえーー?……という事は、俺はトラックに轢かれて、死んだのか?」
「うん。不憫だから、助けようと、思ったんだけど、一歩遅かったんだ。代わりに、救済措置を用意したから、相談しようと思ったんだけれど、迷惑だった?」


 神様だとか、普段なら、絶対信じなさそうな事を言われているのにも関わらず、不思議と信じられるだろうという雰囲気があった。目の前の人たちには、そう言った魅力がある。
 だけど、死んだって……、死んだって……。


「あ、ああ。いきなりでは、受け入れられないわよね。ごめんね。気持ちを考えられずに、話を進めて……」
「い、いや……、それよりも、俺が死んだ後、どうなるんですか?家族は?友人は?仕事は?」
「うん……、家族も友人も、みんな悲しがっていたよ。仕事に関しては、君の分の仕事は、他の人たちが、代わりにやったかな?」
「そ、そうでしたか」


 神様達は、優しく慰めてくれる。すると、自然と、心が安らいでいくような感覚がした。
 自分の死も辛いが、家族や友人を悲しませてしまった、辛さもある。
 こういう辛さって、長い時間をかけて、受け入れるしかないのだろうし、みんな周りも受け入れて行くのだろう。前を向くべきなのかもしれない。今もこれからも。


「あっ……と。もう大丈夫です」
「切り替え早いねえ。時間もあるし、もう少し、ゆっくりしても大丈夫だよ?」
「いえ。落ち込んでも仕方がないので……、前を向きます」
「そっか……、それで、救済措置の話だけれども、やっぱり、迷惑だったかしら?」
「いえ、迷惑ではないです。むしろ、救済措置まで、ご用意していただいて、ありがとうございます」


 俺がそういうと、3人の神様達は、顔を見合わせて、笑顔で頷き合っていた。


「良かった。じゃあ、これから、君を異世界に転生させたいけど、どうかな?」


 異世界……、転生……だと?
 キタアアアアアアアア!


「嬉しすぎます!!」
「そっか。君の想像通り、異世界転生は魔法が使える世界に、転生して、生活する事だよ。君には、救済措置として、さまざまな能力や生活環境を与えられるけれど、どう言ったのが良いとか、希望はある?」
「そうですね……、まず、せっかくだから、魔法は使えるようになりたいです!」
「それは、もちろん!何魔法が得意が良いとかある?」
「えーーっと、満遍なく、全部……、とかは流石に欲張りすぎですかね?」
「全然、そんな事ないわよ。ただ、人の時間って、有限じゃない?異世界でも、それは同じなの。全属性持っていると、満遍なく使えて便利だけれど、その分他の人に比べて、一つの属性の魔法を練習する時間が短くなるわ。
 だから、上級魔法まで、扱える人も全属性持ちでは少なくなるの?それでも良い?」
「良いですけど……、一応、お聞きしたいのですが、全属性持ちでも、練習ができれば、上級魔法まで使えますよね」
「それは、大丈夫だわ。気をつければ」
「分かりました。そうします。」
「あとは、どんな所に生まれたい?」
「親ガチャとか言うやつですか?」
「そう」


 そんな事まで、決めさせてくれるんだ。
 優しいな。


「出来れば、お金に困ってなくて、かと言って面倒事の少ない家が良いんだけれど、そういう環境ってある?」
「お金に困ってないというと、ある程度、裕福な貴族が良いかな?面倒事が少ないところだと……、3男以降あたりがいいと思うよ。
 3男以降だと、大人になってからは、自分で稼がないといけない場合が多いけれど、裕福な家だと、自立するのに援助してもらえる場合が多いからね」
「そうですね。それでお願いします」
「スキルとかは?」
「スキルかー、それはごめん、そう言ったものは、存在するけれど、生まれつき使える[鑑定]みたいなものか、努力によって、獲得する場合が多いんだ」
「あっ……、そうですか……」


 スキルで、お気楽に、チート。
 流石に、そこまで、美味しい話はないか。


「だっ、だけど!君の場合は、異世界で、高度な教育を受けている分、この世界の平均よりも既に遥かに高い知識や、技術があるよ!
 来世で、スキルも引き継がれるから、充分にチートだと思う!努力次第では、この世界でも、沢山のスキルを獲得できるから、楽しみにしていて!」
「わ、分かりました。頑張ってみます」


 スキルで無双が出来るわけでは無いだけで、別に不利になったわけでも無い。
 頑張れば、身につくのだったら、次の人生で頑張ればいいだけだろう。
 そんな事を考えている途中で、体が光り出した。


「あ、お別れの時間だ……」
「もうですか?こ、心の準備が……」
「大丈夫よ。君ならきっと」
「何かあったら、教会に行って、祈ってみて。もしかしたら、助けられるかもしれないから!」
「わ、分かりました!」
「君の人生に祝福あれ!!」


 --その言葉を最後に転生する事になったのだった。



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