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1章⭐︎リオンシュタット初心者編⭐︎
紅茶とロンについて
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-side オーウェン-
「それで、ロン。落ち着いたか?」
「はいぃぃぃ!お陰様で!」
それは、良かった。
バーベキューの後、俺たちは、トムが入れてくれた紅茶を飲みながら、ゆったり紅茶を飲んでいる。
前にはいなかったが、どこからかやってきたらしい妖精達が、うっすら発光しているおかげで、外で、幻想的な夜の森の雰囲気が楽しめる。
「……!この紅茶美味しいな!」
「ああ。それは、エルフの森で取れた紅茶です。お気に召したら良かったですね」
「ほーー」
トムによるとこの地域で作られる紅茶は3種類あるようだ。
1. エルフィンブルームティー: エルフ族が栽培し、特有の花の香りが漂う贅沢な紅茶。長寿や知恵をもたらすと伝えられている。
2. グリフォンゴールドティー: 高地の草原で育つ特別な茶葉から作られ、青々とした軽やかな風味とお花の味わいがあるらしい。
3. ドワーフフォージブラック: 地下で採掘された鉱石から作られた濃い紅茶で、筋力を増強し、耐久力を高めるとされている。ドワーフ族に特に人気。
「鉱石から、抽出された紅茶か。興味あるななあ」
「一度飲んだことがありますが、癖はあるものの、結構、美味しいですよ」
「ほーー。なら、今度買ってきて欲しいかな?」
「承知致しました」
「そういえば、ドワーフ達ってどこに住んでるんだ?」
そうだよな。エルフの集落には、まだ行った事がないが、場所はこの辺というのは、エリーゼさんに貰った地図に載っていた。だが、ドワーフの里の場所はどこにも記載が無かったんだよな。一応、冒険者にドワーフの人はいるから、いるのは確認済みだけど。
「里があるのは地下です。普通に町にもいますよ。鉱山に住んでいる人もいます」
地下か……、通りで地図に記載がなかったわけだ。
「一度、ドワーフの里に、武器を買いに行くのも良いかもしれませんね。質がいい武器が揃いますよ」
「良いかもな。そのついでに紅茶も飲むか」
その前に、ランニングボアも倒したいし、精霊門を開いて門の向こう側にいる精霊達にも挨拶をしておきたい。
ここにきて、数週間。やりたい事が増えていく。
『ちなみに、この森の食材さえあれば、精霊界で流行っていた紅茶も作れるよ』
「へーー」
シルフによると、精霊門の向こう側にある国の紅茶はこんな感じらしい。
1.スターデュストポテトティー: 月光の下で収穫される紅茶で、精神力を高め、不思議の国へ行くことができるよ!たまに、帰って来れなくなることもあるから、気をつけてね!
絶対、飲まねえからな。
2. フェアリーライトティー: 妖精たちが集めた幻想的な花を用いて作る紅茶で、夜に飲むと魔力の流れを感じる力が増すと言われているね。
お!こっちの方は良さそう。魔力の流れを感じる力を伸ばす事が出来れば、戦闘における、魔法の使い方の選択肢も大分広がる。
飲んでおいた方がいいな。
「ほえーー!色々あるんですね」
「そうだな。知らなかったって事は、ロンは、リオンシュタットに来るのは初めてか?」
「ええ……。私はずっと王都にいましたから」
どうやら、エリーゼさんの弟子とはいえ、ここの出身ではないらしい。
ということは、エリーゼさんも、元々、王都の人って事なのだろうか?
「エリーゼさんって、てっきりリオンシュタットの人間かと思っていたけど」
「師匠はリオンシュタットの人間ですよ?」
「えっ?でも、ロンはずっと王都にいたんだよな?」
「転移魔法で教えてきて下さっていたものですから……」
エリーゼさん。大賢者だと分かっているから、驚かないけれど、転移魔法を使えるのか。
一部の限られた魔法使いにしか使用できないとされる、伝説の魔法だ。
使えると、通学時間とかが無くせて、朝起きる時間を遅くできる魔法だから、羨ましい。教えてくれないかなあ……。
「大賢者のエリーゼさんがわざわざ教えに来るっていう事は、ロンは、もしかしてだけど、学園長の親戚とか?」
「いえ、私が学園長です」
「は?」
「あの……、信じて貰えませんと思いますがね、こうやって、変身魔法で、姿を変えていたのです」
ロンから、魔力が放出されたかと思うと、ロンは、学園長の姿になった。
「なるほど……、変身魔法。また、難易度の高い魔法を……」
「大賢者の弟子ですからね。これくらいはお手のものってところでしょう」
後ろにいる、トムとレムも驚いている。
同じエルフにとっても、珍しい魔法なのか。確かに、誰でも、姿を変身し放題だったら、貴族社会とかで、相手に悪評を流し放題で、どえらいことになっているだろう。
「そうか、ありがとう。それを見せられたら、信じるしかないな。でも、なぜ学園長だった、ロンがここへ?」
「はいぃぃ……、それが、オーウェン君を王都から追放した事に気付かず、エリーゼさんがその事を知り、激怒して、その罰に……」
「はあぁぁ?」
それから、俺は、ロンがここへ来た経緯を詳しく聞く事になったのだった。
というか、ウィリアム。何かやらかすかと思ったけれど、お前、学園乗っ取っていたのか。今度、手紙を出しておこう。
その日は、それで解散になり、明日の精霊門の解放に備えて、ぐっすり眠った。
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「それで、ロン。落ち着いたか?」
「はいぃぃぃ!お陰様で!」
それは、良かった。
バーベキューの後、俺たちは、トムが入れてくれた紅茶を飲みながら、ゆったり紅茶を飲んでいる。
前にはいなかったが、どこからかやってきたらしい妖精達が、うっすら発光しているおかげで、外で、幻想的な夜の森の雰囲気が楽しめる。
「……!この紅茶美味しいな!」
「ああ。それは、エルフの森で取れた紅茶です。お気に召したら良かったですね」
「ほーー」
トムによるとこの地域で作られる紅茶は3種類あるようだ。
1. エルフィンブルームティー: エルフ族が栽培し、特有の花の香りが漂う贅沢な紅茶。長寿や知恵をもたらすと伝えられている。
2. グリフォンゴールドティー: 高地の草原で育つ特別な茶葉から作られ、青々とした軽やかな風味とお花の味わいがあるらしい。
3. ドワーフフォージブラック: 地下で採掘された鉱石から作られた濃い紅茶で、筋力を増強し、耐久力を高めるとされている。ドワーフ族に特に人気。
「鉱石から、抽出された紅茶か。興味あるななあ」
「一度飲んだことがありますが、癖はあるものの、結構、美味しいですよ」
「ほーー。なら、今度買ってきて欲しいかな?」
「承知致しました」
「そういえば、ドワーフ達ってどこに住んでるんだ?」
そうだよな。エルフの集落には、まだ行った事がないが、場所はこの辺というのは、エリーゼさんに貰った地図に載っていた。だが、ドワーフの里の場所はどこにも記載が無かったんだよな。一応、冒険者にドワーフの人はいるから、いるのは確認済みだけど。
「里があるのは地下です。普通に町にもいますよ。鉱山に住んでいる人もいます」
地下か……、通りで地図に記載がなかったわけだ。
「一度、ドワーフの里に、武器を買いに行くのも良いかもしれませんね。質がいい武器が揃いますよ」
「良いかもな。そのついでに紅茶も飲むか」
その前に、ランニングボアも倒したいし、精霊門を開いて門の向こう側にいる精霊達にも挨拶をしておきたい。
ここにきて、数週間。やりたい事が増えていく。
『ちなみに、この森の食材さえあれば、精霊界で流行っていた紅茶も作れるよ』
「へーー」
シルフによると、精霊門の向こう側にある国の紅茶はこんな感じらしい。
1.スターデュストポテトティー: 月光の下で収穫される紅茶で、精神力を高め、不思議の国へ行くことができるよ!たまに、帰って来れなくなることもあるから、気をつけてね!
絶対、飲まねえからな。
2. フェアリーライトティー: 妖精たちが集めた幻想的な花を用いて作る紅茶で、夜に飲むと魔力の流れを感じる力が増すと言われているね。
お!こっちの方は良さそう。魔力の流れを感じる力を伸ばす事が出来れば、戦闘における、魔法の使い方の選択肢も大分広がる。
飲んでおいた方がいいな。
「ほえーー!色々あるんですね」
「そうだな。知らなかったって事は、ロンは、リオンシュタットに来るのは初めてか?」
「ええ……。私はずっと王都にいましたから」
どうやら、エリーゼさんの弟子とはいえ、ここの出身ではないらしい。
ということは、エリーゼさんも、元々、王都の人って事なのだろうか?
「エリーゼさんって、てっきりリオンシュタットの人間かと思っていたけど」
「師匠はリオンシュタットの人間ですよ?」
「えっ?でも、ロンはずっと王都にいたんだよな?」
「転移魔法で教えてきて下さっていたものですから……」
エリーゼさん。大賢者だと分かっているから、驚かないけれど、転移魔法を使えるのか。
一部の限られた魔法使いにしか使用できないとされる、伝説の魔法だ。
使えると、通学時間とかが無くせて、朝起きる時間を遅くできる魔法だから、羨ましい。教えてくれないかなあ……。
「大賢者のエリーゼさんがわざわざ教えに来るっていう事は、ロンは、もしかしてだけど、学園長の親戚とか?」
「いえ、私が学園長です」
「は?」
「あの……、信じて貰えませんと思いますがね、こうやって、変身魔法で、姿を変えていたのです」
ロンから、魔力が放出されたかと思うと、ロンは、学園長の姿になった。
「なるほど……、変身魔法。また、難易度の高い魔法を……」
「大賢者の弟子ですからね。これくらいはお手のものってところでしょう」
後ろにいる、トムとレムも驚いている。
同じエルフにとっても、珍しい魔法なのか。確かに、誰でも、姿を変身し放題だったら、貴族社会とかで、相手に悪評を流し放題で、どえらいことになっているだろう。
「そうか、ありがとう。それを見せられたら、信じるしかないな。でも、なぜ学園長だった、ロンがここへ?」
「はいぃぃ……、それが、オーウェン君を王都から追放した事に気付かず、エリーゼさんがその事を知り、激怒して、その罰に……」
「はあぁぁ?」
それから、俺は、ロンがここへ来た経緯を詳しく聞く事になったのだった。
というか、ウィリアム。何かやらかすかと思ったけれど、お前、学園乗っ取っていたのか。今度、手紙を出しておこう。
その日は、それで解散になり、明日の精霊門の解放に備えて、ぐっすり眠った。
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