23 / 51
1章⭐︎リオンシュタット初心者編⭐︎
一方、その頃王都では……①
しおりを挟む
-side ユリウス-
「さてと、オーウェンがいなくなって、1ヶ月程が経つ。追放の証拠を集めも、行き詰まりだったけど、それも今日で終わると思うと、ちょっとスッキリするね」
オーウェンの件で、僕の対応は、後手に回っていた。王族であるにも関わらず、ソフィアに側近を買収され。生徒会を乗っ取られたという失態。早々に、オーウェンの名誉を回復させないと、後々取り返しのつかない事になる。
危機感を感じ、オーウェンを追放した後、彼の名誉を挽回するために、血眼になって、証拠を集めたが、どれも決定打に欠ける。行き詰まりを感じていた時に、あのお方から連絡が来たんだ。もしかしたら、あのお方なら、現状を打破するきっかけになるんじゃないか?--っと、思ったから、相談したところ、快く引き受けてくれるようになった。
今日は、その人を学園に案内する日だ。
相手は、転移魔法でこちらにやってくる。
世界で3人しかいない大賢者と呼ばれた、権威のある世界的な魔法使いだ。機嫌を悪くさせて、他国に流出でもさせたら、それこそ国家の一大事。親しくさせて頂いているとはいえ、失礼の内容にしないと。
そう思いながら、身だしなみをチェックし、校門の前まで行く。すると、お目当ての人物は既にいた。早速、内心焦る。
「お待たせして、申し訳ございません」
「ああ、いい、いい。こっちが、早く来すぎただけだからねえ。時間を潰すにも、中途半端でね。待つのも嫌いじゃないから、魔法の研究でもしながら、時間を潰してたのさ」
「ああ、そういう事でしたか……。もしかして、待ち合わせ時間を間違えたのではないかと、ほっとしました」
「ははっ!あんたが時間を間違えるというのは、想像がつかないねえ。それはないから、安心しな」
「よかったです。それにしても、お久しぶりですね。エリーゼさん」
神速の大賢者。エリーゼ。それが、今回の件でとてもお世話になっている方の二つ名だ。
かつて、国家にエンシェントドラゴンが現れた際に、互角に渡り合ったとされる、国の英雄。王室の歴史書にも記載されていて、史実ではあるとされている。
だけど、正直信じられないよね。意味がわからないもん。
「ああ。久しぶりだね。ユリウス殿下。元気してるかい?」
「ええ。おかげさまで。多少の心労は、ありますが」
「それに関しては、うちの馬鹿弟子が本当にすまなかった」
「い、いえいえ……、学園長のせいではないですよ。学校の環境はとても良いですし、お忙しい方でしょうから、生徒間のやり取りなど、知らないでしょう」
王立レオンハルト学園。国内で最高の卒業実績を持つ学園の学園長は、エリーゼさんの弟子とされている。
「それでも、あれだけ優秀な人材を、あたしのところへ行く事を操作できたとはいえ、王都から追放してしまったんだ」
「ああ、やはり、エリーゼさんから見ても、彼は優秀でしたか」
「そうさね。正直、追放なんて、回りくどい方法をしなくても、あやつ程の実力を持っているのならば、もっとどうにか出来たんじゃないのかい?」
「やろうと思えば、出来ました……。ただ、この機会に、彼に足りないものを補って貰おうと思ったので」
「頼れる仲間……か」
「やはり、分かりますか」
「そりゃ、あたしも伊達に長い事生きてないからね」
「あはは……!野暮でしたね。おっと、こんなところで、立ち話もなんですから、早速ご案内いたします」
僕たちは、目的地に行く前に、オーウェンの最近の様子を話す。
「最初リオンシュタットに来た時はどうしようかと思ったよ。死んだ目をしていたからね」
「貴族社会は、彼にとって窮屈すぎましたからね……。最初って事は、今はマシになっているんですか?」
「ああ。少々荒療治を。お陰で今は冒険者たちに揉まれて、いい感じに仕上がりつつあるよ。ブランなんて、あいつを弟子として、育てるなんつって、張り切っちゃって!」
「ブランというと……、武神、ブラン様の事ですか!?」
「ああ。そうさね」
武神ブラン。Sランクの言わずと知れた超大物な冒険者。王家の血を引いている公爵家の3男でありながら、5歳の頃から負けなし。
強い奴と戦いたいからと言う理由で、家出をし、冒険者になった変わり者。
幸い、実家とは仲が良かったみたいで、その後、あまりの活躍に、実家から呼び出しを無事にくらい、国王陛下にも呼び出しをくらい、貴族として伯爵位を賜っている破天荒なお方。武神はその際につけられた二つ名。
本人的には、冒険者として生活したいからと言う理由で、本人の望んだ魔境の一部を領地として貰い、早々に王都から出て行った。
「どえらいお方に気に入られたのですね」
「はっはっは!まあ、それだけのポテンシャルはあるさね」
「そうですね。僕も、彼の実力は大いに評価しています」
親友が大物に、褒められるの聞いていると嬉しいね!鼻が高いよ。そんな事を話している間にお目当てのところが見えてきた。
「到着しました。ここが学園長室です」
--------------------------
「さてと、オーウェンがいなくなって、1ヶ月程が経つ。追放の証拠を集めも、行き詰まりだったけど、それも今日で終わると思うと、ちょっとスッキリするね」
オーウェンの件で、僕の対応は、後手に回っていた。王族であるにも関わらず、ソフィアに側近を買収され。生徒会を乗っ取られたという失態。早々に、オーウェンの名誉を回復させないと、後々取り返しのつかない事になる。
危機感を感じ、オーウェンを追放した後、彼の名誉を挽回するために、血眼になって、証拠を集めたが、どれも決定打に欠ける。行き詰まりを感じていた時に、あのお方から連絡が来たんだ。もしかしたら、あのお方なら、現状を打破するきっかけになるんじゃないか?--っと、思ったから、相談したところ、快く引き受けてくれるようになった。
今日は、その人を学園に案内する日だ。
相手は、転移魔法でこちらにやってくる。
世界で3人しかいない大賢者と呼ばれた、権威のある世界的な魔法使いだ。機嫌を悪くさせて、他国に流出でもさせたら、それこそ国家の一大事。親しくさせて頂いているとはいえ、失礼の内容にしないと。
そう思いながら、身だしなみをチェックし、校門の前まで行く。すると、お目当ての人物は既にいた。早速、内心焦る。
「お待たせして、申し訳ございません」
「ああ、いい、いい。こっちが、早く来すぎただけだからねえ。時間を潰すにも、中途半端でね。待つのも嫌いじゃないから、魔法の研究でもしながら、時間を潰してたのさ」
「ああ、そういう事でしたか……。もしかして、待ち合わせ時間を間違えたのではないかと、ほっとしました」
「ははっ!あんたが時間を間違えるというのは、想像がつかないねえ。それはないから、安心しな」
「よかったです。それにしても、お久しぶりですね。エリーゼさん」
神速の大賢者。エリーゼ。それが、今回の件でとてもお世話になっている方の二つ名だ。
かつて、国家にエンシェントドラゴンが現れた際に、互角に渡り合ったとされる、国の英雄。王室の歴史書にも記載されていて、史実ではあるとされている。
だけど、正直信じられないよね。意味がわからないもん。
「ああ。久しぶりだね。ユリウス殿下。元気してるかい?」
「ええ。おかげさまで。多少の心労は、ありますが」
「それに関しては、うちの馬鹿弟子が本当にすまなかった」
「い、いえいえ……、学園長のせいではないですよ。学校の環境はとても良いですし、お忙しい方でしょうから、生徒間のやり取りなど、知らないでしょう」
王立レオンハルト学園。国内で最高の卒業実績を持つ学園の学園長は、エリーゼさんの弟子とされている。
「それでも、あれだけ優秀な人材を、あたしのところへ行く事を操作できたとはいえ、王都から追放してしまったんだ」
「ああ、やはり、エリーゼさんから見ても、彼は優秀でしたか」
「そうさね。正直、追放なんて、回りくどい方法をしなくても、あやつ程の実力を持っているのならば、もっとどうにか出来たんじゃないのかい?」
「やろうと思えば、出来ました……。ただ、この機会に、彼に足りないものを補って貰おうと思ったので」
「頼れる仲間……か」
「やはり、分かりますか」
「そりゃ、あたしも伊達に長い事生きてないからね」
「あはは……!野暮でしたね。おっと、こんなところで、立ち話もなんですから、早速ご案内いたします」
僕たちは、目的地に行く前に、オーウェンの最近の様子を話す。
「最初リオンシュタットに来た時はどうしようかと思ったよ。死んだ目をしていたからね」
「貴族社会は、彼にとって窮屈すぎましたからね……。最初って事は、今はマシになっているんですか?」
「ああ。少々荒療治を。お陰で今は冒険者たちに揉まれて、いい感じに仕上がりつつあるよ。ブランなんて、あいつを弟子として、育てるなんつって、張り切っちゃって!」
「ブランというと……、武神、ブラン様の事ですか!?」
「ああ。そうさね」
武神ブラン。Sランクの言わずと知れた超大物な冒険者。王家の血を引いている公爵家の3男でありながら、5歳の頃から負けなし。
強い奴と戦いたいからと言う理由で、家出をし、冒険者になった変わり者。
幸い、実家とは仲が良かったみたいで、その後、あまりの活躍に、実家から呼び出しを無事にくらい、国王陛下にも呼び出しをくらい、貴族として伯爵位を賜っている破天荒なお方。武神はその際につけられた二つ名。
本人的には、冒険者として生活したいからと言う理由で、本人の望んだ魔境の一部を領地として貰い、早々に王都から出て行った。
「どえらいお方に気に入られたのですね」
「はっはっは!まあ、それだけのポテンシャルはあるさね」
「そうですね。僕も、彼の実力は大いに評価しています」
親友が大物に、褒められるの聞いていると嬉しいね!鼻が高いよ。そんな事を話している間にお目当てのところが見えてきた。
「到着しました。ここが学園長室です」
--------------------------
64
お気に入りに追加
1,670
あなたにおすすめの小説
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

偽物の侯爵子息は平民落ちのうえに国外追放を言い渡されたので自由に生きる。え?帰ってきてくれ?それは無理というもの
つくも茄子
ファンタジー
サビオ・パッツィーニは、魔術師の家系である名門侯爵家の次男に生まれながら魔力鑑定で『魔力無し』の判定を受けてしまう。魔力がない代わりにずば抜けて優れた頭脳を持つサビオに家族は温かく見守っていた。そんなある日、サビオが侯爵家の人間でない事が判明した。妖精の取り換えっ子だと神官は告げる。本物は家族によく似た天使のような美少年。こうしてサビオは「王家と侯爵家を謀った罪人」として国外追放されてしまった。
隣国でギルド登録したサビオは「黒曜」というギルド名で第二の人生を歩んでいく。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

幼女に転生したらイケメン冒険者パーティーに保護&溺愛されています
ひなた
ファンタジー
死んだと思ったら
目の前に神様がいて、
剣と魔法のファンタジー異世界に転生することに!
魔法のチート能力をもらったものの、
いざ転生したら10歳の幼女だし、草原にぼっちだし、いきなり魔物でるし、
魔力はあって魔法適正もあるのに肝心の使い方はわからないし で転生早々大ピンチ!
そんなピンチを救ってくれたのは
イケメン冒険者3人組。
その3人に保護されつつパーティーメンバーとして冒険者登録することに!
日々の疲労の癒しとしてイケメン3人に可愛いがられる毎日が、始まりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる