5 / 51
1章⭐︎リオンシュタット初心者編⭐︎
リオンシュタット流歓迎
しおりを挟む
-side オーウェン-
「……とは言ったものの、ここ、どう見ても、冒険者ギルドなんだけど……。事前に、貰った手紙によるとここで、間違いはないみたいだけど、本当かなあ」
周りには、屈強で、荒くれ者の冒険者ばかり。細マッチョのエルフや筋肉ムキムキのドワーフもいる。俺の今の格好は、代官に会うために、貴族っぽいしっかりとした感じだから、明らかに場違い。
話しかけてこそ来ないが、さっきから視線が痛い。正直、社交界でこんな感じのことは何回かあったから、慣れてはいるけれども。
意を決して、中を開ける。--ん?この、ギルドのドア、俺の屋敷のドアに似ているな?
建てた人がもしかしたら、同じなのかもしれない。雰囲気はともかく、壊れにくく、良い建物なのかもしれない。
--カランコロン
中に入ると、やっぱり、冒険者ギルドそのものだ。とりあえず、ギルド嬢に、聞いてみるか。
「おうおう?お兄さん。そんな格好して、どうしたんだ?ここは、お兄さんみたいな、人が来る場所じゃないんだがな」
--と思ったが、茶髪に、茶色の目をした俺より10cmくらい高めの冒険者風のカッコいいお兄さんが、話しかけてきた。
多分だけど、この人酔ってる。若干酒臭い。
「ああ、えっと、ギルド嬢に、聞いたらすぐに帰るので……」
実は俺、冒険者ギルドとは、あまり関わりたくないと思っている。家でも、学園でも、城でも、あまり良い噂を聞いたことがなかったからだ。
ユリウスくらいじゃないか?冒険者に友達がいるの。あいつは、好奇心旺盛で誰とでも仲良くなれるタイプだから、王族の中、貴族の中でも、変わっているが。
「ほーー!そうか!なるほど……、なるほど!それだったら、応援するぜ!
で?どの子がタイプなんだ?」
「……は?」
目の前のお兄さんは、突然肩を組んできて、ひそひそとした声で話す。
何が、なるほど、なるほどなのか、……なるほど?よく分からない。
「水臭いぜ。お前……、最初から言ってくれたら、応援したのによ!」
「えっ……!?」
水臭い--本来この言葉は、親しい間柄に使うべき言葉であって、初対面の人に対する言葉ではない……よな?
なるほど?さっきから、よくわからん。
助けを求めて、ギルド嬢達の事を見るとみんなして全力で目を逸らされた。どうやら、この男は、ダル絡み常習犯らしい。
「あ、今あっちのギルド嬢見たな!
そうかそうか、あの子が--あいでえ!」
後ろから、赤髪に、青眼の美しい女性が現れたと思ったら、--バシンッ!!という音と共に、冒険者のお兄さんの頭を叩いた。
「何するんですか?姐さん!」
「お前こそ、あたしの客に何してくれてんだい!全く、大変な事をしよって」
「へ--?姐さんの客?この男、姐さんの彼氏なの?--うぐっ!!」
--ドスッ!
聞いてはいけない音をさせ、殴られた、お兄さんは、その場でうずくまる。
「なるほど?これが、リオンシュタット……」
「--勘違いしないでいただきたい、領主殿」
領主殿--その言葉が、姐さんと呼ばれた目の前にいる女性から、発せられた瞬間、その場にいた全員がこちらをチラリと見る。
どうやら、その場にいた全員が、聞き耳を立てていたみたいだ。
「はあ……、状況から見るに、あなたが、リオンシュタットの代官、エリーゼさんでよろしいでしょうか?」
「ああ。いかにも、あたしが、リオンシュタットの代官だ。さっきは、うちの部下が失礼した。悪いやつじゃないんだ。ちと、脳みそが筋肉で出来てしまっているだけで」
「あはは……、それより、これからよろしくお願いします。--と言っても、俺は、屋敷にこもっているだけなので、今までと変わらず、この町のことはおまかせする形になるのですが」
「はいよ。任せときな」
エリーゼは慣れた様子だ。
多分、今まで、ここにきた歴代の領主も似たような挨拶をしにきたのだろう。
「では、俺はこれで……」
まあ、色々あるが、仕事も済んだし帰るか。冒険者と必ずしも、関わる必要はないし、エリーゼの人柄も悪くなさそうだ。
この町で、やっていけそうである。
「まちな?」
「--え?」
「あんた、結構、強いだろ?是非、そこで、盗み聞きしている奴らに手合わせして欲しいんだが?一応、その間に歓迎会の準備もするから、その間にどうだい?」
一応、歓迎はしてもらえているような誘いっぷりである。冒険者との関わり、あまり持ちたくは無かったが……。
「……ちなみに、嫌と言ったら?」
「あたしと戦うかい?」
「嫌ですね。」
さっきの、お兄さんを殴った動き、目で追えなかった。きっと、この人、この町で最強だ。俺よりも強い事、間違い無いだろう。
「即答かい。全く。情けない……、だが、実力を弁えている奴は嫌いじゃ無いよ。こりゃますます、うちの連中と手合わせさせたくなった。ちなみに、誰か一人にでも、勝てたら冒険者の資格をあげるよ?この町でも、きっと役に立つはずだ」
「--いらないですよ。やりたくは無いですけれど、これが、リオンシュタット流の歓迎会なら、受けて立ちます」
「うっしっし!うちの冒険者の資格をいらないとは!後で、貰えなくて、泣いても知らないよ?まあ、でも、リオンシュタット流の歓迎の仕方、よく分かってるじゃ無いか。
ふむ。後のことは。そこの助手に色々任せてるから、あとは、そっちでやってくれ。あたしは、料理でもしながら見学してるからねーー」
リオンシュタットの土地の事、現状、聞くんだったらエリーゼさんが一番良いだろう。
ここで、仲良くなるのも、悪くは無い。
その方法が手合わせというのは、よく分からないけど、やるしか無いか。
------------------------------------
[(100倍大人しくなった)ブラン]
[100倍お淑やかになった)エリーゼ]
「……とは言ったものの、ここ、どう見ても、冒険者ギルドなんだけど……。事前に、貰った手紙によるとここで、間違いはないみたいだけど、本当かなあ」
周りには、屈強で、荒くれ者の冒険者ばかり。細マッチョのエルフや筋肉ムキムキのドワーフもいる。俺の今の格好は、代官に会うために、貴族っぽいしっかりとした感じだから、明らかに場違い。
話しかけてこそ来ないが、さっきから視線が痛い。正直、社交界でこんな感じのことは何回かあったから、慣れてはいるけれども。
意を決して、中を開ける。--ん?この、ギルドのドア、俺の屋敷のドアに似ているな?
建てた人がもしかしたら、同じなのかもしれない。雰囲気はともかく、壊れにくく、良い建物なのかもしれない。
--カランコロン
中に入ると、やっぱり、冒険者ギルドそのものだ。とりあえず、ギルド嬢に、聞いてみるか。
「おうおう?お兄さん。そんな格好して、どうしたんだ?ここは、お兄さんみたいな、人が来る場所じゃないんだがな」
--と思ったが、茶髪に、茶色の目をした俺より10cmくらい高めの冒険者風のカッコいいお兄さんが、話しかけてきた。
多分だけど、この人酔ってる。若干酒臭い。
「ああ、えっと、ギルド嬢に、聞いたらすぐに帰るので……」
実は俺、冒険者ギルドとは、あまり関わりたくないと思っている。家でも、学園でも、城でも、あまり良い噂を聞いたことがなかったからだ。
ユリウスくらいじゃないか?冒険者に友達がいるの。あいつは、好奇心旺盛で誰とでも仲良くなれるタイプだから、王族の中、貴族の中でも、変わっているが。
「ほーー!そうか!なるほど……、なるほど!それだったら、応援するぜ!
で?どの子がタイプなんだ?」
「……は?」
目の前のお兄さんは、突然肩を組んできて、ひそひそとした声で話す。
何が、なるほど、なるほどなのか、……なるほど?よく分からない。
「水臭いぜ。お前……、最初から言ってくれたら、応援したのによ!」
「えっ……!?」
水臭い--本来この言葉は、親しい間柄に使うべき言葉であって、初対面の人に対する言葉ではない……よな?
なるほど?さっきから、よくわからん。
助けを求めて、ギルド嬢達の事を見るとみんなして全力で目を逸らされた。どうやら、この男は、ダル絡み常習犯らしい。
「あ、今あっちのギルド嬢見たな!
そうかそうか、あの子が--あいでえ!」
後ろから、赤髪に、青眼の美しい女性が現れたと思ったら、--バシンッ!!という音と共に、冒険者のお兄さんの頭を叩いた。
「何するんですか?姐さん!」
「お前こそ、あたしの客に何してくれてんだい!全く、大変な事をしよって」
「へ--?姐さんの客?この男、姐さんの彼氏なの?--うぐっ!!」
--ドスッ!
聞いてはいけない音をさせ、殴られた、お兄さんは、その場でうずくまる。
「なるほど?これが、リオンシュタット……」
「--勘違いしないでいただきたい、領主殿」
領主殿--その言葉が、姐さんと呼ばれた目の前にいる女性から、発せられた瞬間、その場にいた全員がこちらをチラリと見る。
どうやら、その場にいた全員が、聞き耳を立てていたみたいだ。
「はあ……、状況から見るに、あなたが、リオンシュタットの代官、エリーゼさんでよろしいでしょうか?」
「ああ。いかにも、あたしが、リオンシュタットの代官だ。さっきは、うちの部下が失礼した。悪いやつじゃないんだ。ちと、脳みそが筋肉で出来てしまっているだけで」
「あはは……、それより、これからよろしくお願いします。--と言っても、俺は、屋敷にこもっているだけなので、今までと変わらず、この町のことはおまかせする形になるのですが」
「はいよ。任せときな」
エリーゼは慣れた様子だ。
多分、今まで、ここにきた歴代の領主も似たような挨拶をしにきたのだろう。
「では、俺はこれで……」
まあ、色々あるが、仕事も済んだし帰るか。冒険者と必ずしも、関わる必要はないし、エリーゼの人柄も悪くなさそうだ。
この町で、やっていけそうである。
「まちな?」
「--え?」
「あんた、結構、強いだろ?是非、そこで、盗み聞きしている奴らに手合わせして欲しいんだが?一応、その間に歓迎会の準備もするから、その間にどうだい?」
一応、歓迎はしてもらえているような誘いっぷりである。冒険者との関わり、あまり持ちたくは無かったが……。
「……ちなみに、嫌と言ったら?」
「あたしと戦うかい?」
「嫌ですね。」
さっきの、お兄さんを殴った動き、目で追えなかった。きっと、この人、この町で最強だ。俺よりも強い事、間違い無いだろう。
「即答かい。全く。情けない……、だが、実力を弁えている奴は嫌いじゃ無いよ。こりゃますます、うちの連中と手合わせさせたくなった。ちなみに、誰か一人にでも、勝てたら冒険者の資格をあげるよ?この町でも、きっと役に立つはずだ」
「--いらないですよ。やりたくは無いですけれど、これが、リオンシュタット流の歓迎会なら、受けて立ちます」
「うっしっし!うちの冒険者の資格をいらないとは!後で、貰えなくて、泣いても知らないよ?まあ、でも、リオンシュタット流の歓迎の仕方、よく分かってるじゃ無いか。
ふむ。後のことは。そこの助手に色々任せてるから、あとは、そっちでやってくれ。あたしは、料理でもしながら見学してるからねーー」
リオンシュタットの土地の事、現状、聞くんだったらエリーゼさんが一番良いだろう。
ここで、仲良くなるのも、悪くは無い。
その方法が手合わせというのは、よく分からないけど、やるしか無いか。
------------------------------------
[(100倍大人しくなった)ブラン]
[100倍お淑やかになった)エリーゼ]
57
お気に入りに追加
1,670
あなたにおすすめの小説
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる