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3章⭐︎5歳中盤〜6歳⭐︎
色々と根回し
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-side ラインハルト-
翌日、研究棟を建設する前に、父上のところへ相談に来ている。
「よし!これで、いつでも来れるからね。
ラリー。」
「とうとうやってしまいましたね。
うちのひとでなしが。」
「ああ……。ん……?ラ、ラリー。
どこでそんな単語を覚えてきたの?
……って。お前達しかいないか。」
俺が後ろで控えている2人をジトー見つめていると、2人が首を横に振った。え?違うの?
再びラリーを見ると、「いや、父上です。」という返答が返ってきて、怒るに怒れなくなった。
全く……何教えてるんですか?こんな小さな子供に。
そもそも、あなたの方がよっぽどひとでなしだと思うんですけど。と言うのはリスクが高すぎるから、やめておこうか。
「マーク、アルバート疑ってごめん。
これもお前らの日頃の行いが悪いせいだから反省して。」
「全然謝罪に聞こえないのは気のせいでしょうか?」
「俺にもそう聞こえる。というか、もっと素直になったらいいのにな。
俺はいじられるのが好きですって。」
「本当ですねえ。今だって、いじられておいしいポジションにいるとか内心思ってるでしょうに。」
「おいこら。思ってないわ!
そういうとこだぞ。そういうとこ。
まったく……。」
さて。それはそれとして、今、俺たちが何をやっていたかというと、どこへでも行けるドアをラッキー公爵家の屋敷のリビングにとり付けていたのである。
マッキンリーに来てからすぐに取り付けようか迷ったが、自分達だけだったら、転移魔法で飛んでいけるという事もあり、仮拠点ができるまで、後回しになっていたのだ。
一応、公爵家の屋敷と繋がるということで、ある程度のセキュリティが必要だったということもある。
まあ……わざわざ、屋敷に侵入するためにあんな辺境まで行くことは無いと思うが念には念をというわけだ。
頑張って、結界を貼りまくったので、今から実家に侵入したい人達が苦労してマッキンリーに行っても、侵入防止用結界に阻まれて無駄足になるだけである。
「ま、何はともあれ、これでラリーもいつでも来れるな!」
「はい!兄上、ありがとうございます!」
お、これは結構頻繁に来そうな雰囲気だな。だったら、早めにアスレチックを作って、みんなで遊ぶか。
やるべき事が増えたな。
その後、父上に公爵家の研究員をルイの研究施設へ派遣してもらうことを相談する。
「ふむ。研究棟の建設か。仮拠点も建設が終わったことだし、いいよ。」
「やった!ありがとうございます。」
「その代わり、利益につながるような研究をすること。
ルイの専門分野は魔道具だろうけど、例えば農業関連でなんらかの利益を出すことのできるものとかだね。
詳しいことは後ほど詰めて、研究してほしいものとかは依頼も出すよ。
こちらとしても、優秀な研究員をわざわざ派遣するんだから、それくらいはしてもらわないと、という感じだ。
まあ、彼女なら大丈夫だろうけど。」
「そうですね。分かりました。
伝えときます。」
そこら辺をシビアに見られる事は想定内だ。この世界、教育レベルはそこまで高くないし、研究員の数はまだまだ少ない。
父上がお金と時間をかけて育てた貴重な人材を派遣してくれるというのだから、当然のことだろう。頑張れ、ルイ。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
マッキンリーに戻ってから最初に行ったのはアランに研究棟を建てることの許可を取る事である。
まだこの町は小さいので、領主が建物関係の許可を出すことになっているからだ。
いずれ、人口が増えた時、この屋敷も広くしてあげて、管理部門を細分化したいなとは思っている。
そのためには産業の育成の他に、防衛面での不安も解消しないといけない。
まだまだ、長い道のりだ。
そんなことを考えながらも仮拠点に戻る。
「おかえり、ラインハルト~。
研究棟の設計図できたよ!」
「ただいまルイ。ありがとう。アランに許可ももらったし、早速建て始めようか。」
「お、やった~!」
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翌日、研究棟を建設する前に、父上のところへ相談に来ている。
「よし!これで、いつでも来れるからね。
ラリー。」
「とうとうやってしまいましたね。
うちのひとでなしが。」
「ああ……。ん……?ラ、ラリー。
どこでそんな単語を覚えてきたの?
……って。お前達しかいないか。」
俺が後ろで控えている2人をジトー見つめていると、2人が首を横に振った。え?違うの?
再びラリーを見ると、「いや、父上です。」という返答が返ってきて、怒るに怒れなくなった。
全く……何教えてるんですか?こんな小さな子供に。
そもそも、あなたの方がよっぽどひとでなしだと思うんですけど。と言うのはリスクが高すぎるから、やめておこうか。
「マーク、アルバート疑ってごめん。
これもお前らの日頃の行いが悪いせいだから反省して。」
「全然謝罪に聞こえないのは気のせいでしょうか?」
「俺にもそう聞こえる。というか、もっと素直になったらいいのにな。
俺はいじられるのが好きですって。」
「本当ですねえ。今だって、いじられておいしいポジションにいるとか内心思ってるでしょうに。」
「おいこら。思ってないわ!
そういうとこだぞ。そういうとこ。
まったく……。」
さて。それはそれとして、今、俺たちが何をやっていたかというと、どこへでも行けるドアをラッキー公爵家の屋敷のリビングにとり付けていたのである。
マッキンリーに来てからすぐに取り付けようか迷ったが、自分達だけだったら、転移魔法で飛んでいけるという事もあり、仮拠点ができるまで、後回しになっていたのだ。
一応、公爵家の屋敷と繋がるということで、ある程度のセキュリティが必要だったということもある。
まあ……わざわざ、屋敷に侵入するためにあんな辺境まで行くことは無いと思うが念には念をというわけだ。
頑張って、結界を貼りまくったので、今から実家に侵入したい人達が苦労してマッキンリーに行っても、侵入防止用結界に阻まれて無駄足になるだけである。
「ま、何はともあれ、これでラリーもいつでも来れるな!」
「はい!兄上、ありがとうございます!」
お、これは結構頻繁に来そうな雰囲気だな。だったら、早めにアスレチックを作って、みんなで遊ぶか。
やるべき事が増えたな。
その後、父上に公爵家の研究員をルイの研究施設へ派遣してもらうことを相談する。
「ふむ。研究棟の建設か。仮拠点も建設が終わったことだし、いいよ。」
「やった!ありがとうございます。」
「その代わり、利益につながるような研究をすること。
ルイの専門分野は魔道具だろうけど、例えば農業関連でなんらかの利益を出すことのできるものとかだね。
詳しいことは後ほど詰めて、研究してほしいものとかは依頼も出すよ。
こちらとしても、優秀な研究員をわざわざ派遣するんだから、それくらいはしてもらわないと、という感じだ。
まあ、彼女なら大丈夫だろうけど。」
「そうですね。分かりました。
伝えときます。」
そこら辺をシビアに見られる事は想定内だ。この世界、教育レベルはそこまで高くないし、研究員の数はまだまだ少ない。
父上がお金と時間をかけて育てた貴重な人材を派遣してくれるというのだから、当然のことだろう。頑張れ、ルイ。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
マッキンリーに戻ってから最初に行ったのはアランに研究棟を建てることの許可を取る事である。
まだこの町は小さいので、領主が建物関係の許可を出すことになっているからだ。
いずれ、人口が増えた時、この屋敷も広くしてあげて、管理部門を細分化したいなとは思っている。
そのためには産業の育成の他に、防衛面での不安も解消しないといけない。
まだまだ、長い道のりだ。
そんなことを考えながらも仮拠点に戻る。
「おかえり、ラインハルト~。
研究棟の設計図できたよ!」
「ただいまルイ。ありがとう。アランに許可ももらったし、早速建て始めようか。」
「お、やった~!」
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