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4章⭐︎学園編⭐︎
運命教の目星
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-side リアム-
「ふう--まずは一勝したいねえ」
いよいよ、対学生との戦闘が始まった。
第一回戦はノアvsカミラ
いきなりビックネーム対決だ。
「ガンガン攻めさせて貰うよ」
「お手柔らかにね」
カミラはヤる気満々。
対するノアは余裕そうな表情だ。うーん、カツ丼食ったからかは分からないけど、溢れ出る強者感。
『絶対関係ないだろ』
「あるだろ!俺様の!料理!」
『ハイハイ、そういうのいいから』
「冷たっ……。とにかく、これで、ノアの実力が見てたらいいのだけれどな。少しでも対戦前に実力を知れれば良いんだけどねえ」
『そーいえば、お前ら一緒にパーティ組んで戦った事とか無かったのか?』
「ない、俺がノアの護衛をした事があるだけ。王族だから教育受けてるはずだし、弱い事はないんだろうけど」
『うーむ、あいつも中々ガードが硬いな』
そうなんだよな。
ここまで、身内になった俺にも鑑定魔法意外、一切戦闘の情報を与えてもらってない。
最初の方ドライ王国に来る途中に護衛してたり、運命教とかから助けたりした時とかも、そんなに強くないかなと思ったんだけど、相手に情報を与えないという意味において実は相当な手練れなのでは?
『少なくとも、お前よりは器用なやつよな。お前もちっとは無自覚に隠しきれない実力出すのやめれば?』
「隠しきれてない実力があるって事は、俺が最強って事?」
『そういうのはヘンリーとシルバー超えてから言え』
むう。この世界、ルーカスと言い、シルバーと言い、ヨルムンガルドと言い、ヘンリーと言い、レオンと言い、強すぎる奴が多すぎなんだよな。なんで、俺の周りはこんなに強い奴が多いんだろ?もしかして、俺が強いからか?
『その自信ってどっから湧いてくるんでしょうねえ』
『自信過剰よのう。ないよりはマシかのう』
確かに、リアムとして物心ついた時には、不思議と自信も湧いてくるんだよな。もしかして、これも転生チート?
『あれはほっとくかのう』
『そうしましょう』
『お、そろそろ始まるみたいだぞ」
そんな事を言っているとカーティス先生とノアとカミラが仮想戦闘装置に入った。
今まで結構ラフな雰囲気だったが、ここに来て急に緊張感が漂う。
「両者位置に着いたことを確認!はじめっ!」
--カキンカキンカキン!
両者スタートと同時に動き出し、互いに見事な剣捌きを見せている。
仮想戦闘装置。
俺はこの装置にトラウマを持っている。
中に入ると、食の大賢者のスキルが使えなくなっていて、力の半分も出せないからだ。
普段戦っている感覚と全く違う。体に重しをつけたような感じがする。
これは、かつてスキルに頼って戦闘していた俺にとっては衝撃の出来事だった。
それだけ、今の俺がスキルに頼って戦っていて、基礎的な戦い方が出来ていないという事なのだろう。
だが、目の前のノアとカミラは全く違う。
まだ小手調べだが、お互いお手本のような綺麗な剣術だ。
『見事なものだのう』
「ね、俺もあれくらいできるといいな」
『お前ならできるぜ!リアム!今度こそ見せつけてやれ!』
『お前ならできるはずだのう』
『ですね。前回は苦戦したみたいですが、頑張って欲しいものです』
珍しくシルバー、ヨルムンガルドだけでなく、ルーカスも珍しくまともに応援してくれている。それだけ父上との戦闘が彼にとっても衝撃だったのだろう。
まさか、今まであれだけスキルに頼っていたなんて想像もつかなかったからなあ。
逆に言えば、この仮想戦闘装置を利用して基礎を身につける事が出来れば、まだまだ俺は強くなれるという事。
全ての人間に基礎を覚えさせ、潜在能力を引き出すという目的で作られている仮想戦闘装置はとても理にかなっている。
「……っ!」
--ガガガ……!ガキン!
……!!膠着状態の序盤から動いた。
どうやらノアが徐々にペースを上げたようだ。カミラの一瞬の隙を突いたようだ。
「うわ、いやーな戦い方」
『やらしいのは確かだのう』
『なんつーか、あいつ、性格の腹黒さが滲み出てるよな。相手のミスを誘いまくって、隙ができたところをつくって』
『あれは、あの装置の中で真正面から戦うとなると相当きつそうですねえ。なんというか、優等生の戦い方です。完璧で、ミスもなく、テストで満点取るような感じでしょうか?とにかく、基礎的な部分においては文句ないですねえ』
周りを見渡すと、クラスメイトたちもみんな驚いている。
そういえば、この学校に入った一番の目的に運命教の関係者を見つけるというのがある。ノアやミラを使って、何か企んでそうな連中だ、警戒しておくに越した事はない。
背後にいる目的は分からないが、相手の事はなんとなく推測できる。
運命教団の中心にいるのは若い貴族。
大体にして、ユートピアとかディストピアとかいうのは時間がないと考えつかない。忙しいと思いつきもしないだろう。
何を幸せかとかいうのを考えるのはノーブルな事。ある程度、経済的に豊かな人間が常日頃考えがちな事である。
そう言った意味で、ここの学校にいる人の兄弟が運命教というのはおかしくない。
逆に言えば、庶民はルーカスの鑑定スキルでスキルや職業からある程度見抜けていれば、友達になりたいところだ。
単純に学校にたくさん欲しいのもあるし、仲間になってもらう事も出来るからね。
「そこまで--!!」
--と、そうこうしている間にノアとカミラの試合が終わる。
なるほど、ノア動きがお手本のように完璧すぎて、真の実力は見れなかったが、とりあえず、このルールにおいてノアは相当やりよるという事はわかった。
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「ふう--まずは一勝したいねえ」
いよいよ、対学生との戦闘が始まった。
第一回戦はノアvsカミラ
いきなりビックネーム対決だ。
「ガンガン攻めさせて貰うよ」
「お手柔らかにね」
カミラはヤる気満々。
対するノアは余裕そうな表情だ。うーん、カツ丼食ったからかは分からないけど、溢れ出る強者感。
『絶対関係ないだろ』
「あるだろ!俺様の!料理!」
『ハイハイ、そういうのいいから』
「冷たっ……。とにかく、これで、ノアの実力が見てたらいいのだけれどな。少しでも対戦前に実力を知れれば良いんだけどねえ」
『そーいえば、お前ら一緒にパーティ組んで戦った事とか無かったのか?』
「ない、俺がノアの護衛をした事があるだけ。王族だから教育受けてるはずだし、弱い事はないんだろうけど」
『うーむ、あいつも中々ガードが硬いな』
そうなんだよな。
ここまで、身内になった俺にも鑑定魔法意外、一切戦闘の情報を与えてもらってない。
最初の方ドライ王国に来る途中に護衛してたり、運命教とかから助けたりした時とかも、そんなに強くないかなと思ったんだけど、相手に情報を与えないという意味において実は相当な手練れなのでは?
『少なくとも、お前よりは器用なやつよな。お前もちっとは無自覚に隠しきれない実力出すのやめれば?』
「隠しきれてない実力があるって事は、俺が最強って事?」
『そういうのはヘンリーとシルバー超えてから言え』
むう。この世界、ルーカスと言い、シルバーと言い、ヨルムンガルドと言い、ヘンリーと言い、レオンと言い、強すぎる奴が多すぎなんだよな。なんで、俺の周りはこんなに強い奴が多いんだろ?もしかして、俺が強いからか?
『その自信ってどっから湧いてくるんでしょうねえ』
『自信過剰よのう。ないよりはマシかのう』
確かに、リアムとして物心ついた時には、不思議と自信も湧いてくるんだよな。もしかして、これも転生チート?
『あれはほっとくかのう』
『そうしましょう』
『お、そろそろ始まるみたいだぞ」
そんな事を言っているとカーティス先生とノアとカミラが仮想戦闘装置に入った。
今まで結構ラフな雰囲気だったが、ここに来て急に緊張感が漂う。
「両者位置に着いたことを確認!はじめっ!」
--カキンカキンカキン!
両者スタートと同時に動き出し、互いに見事な剣捌きを見せている。
仮想戦闘装置。
俺はこの装置にトラウマを持っている。
中に入ると、食の大賢者のスキルが使えなくなっていて、力の半分も出せないからだ。
普段戦っている感覚と全く違う。体に重しをつけたような感じがする。
これは、かつてスキルに頼って戦闘していた俺にとっては衝撃の出来事だった。
それだけ、今の俺がスキルに頼って戦っていて、基礎的な戦い方が出来ていないという事なのだろう。
だが、目の前のノアとカミラは全く違う。
まだ小手調べだが、お互いお手本のような綺麗な剣術だ。
『見事なものだのう』
「ね、俺もあれくらいできるといいな」
『お前ならできるぜ!リアム!今度こそ見せつけてやれ!』
『お前ならできるはずだのう』
『ですね。前回は苦戦したみたいですが、頑張って欲しいものです』
珍しくシルバー、ヨルムンガルドだけでなく、ルーカスも珍しくまともに応援してくれている。それだけ父上との戦闘が彼にとっても衝撃だったのだろう。
まさか、今まであれだけスキルに頼っていたなんて想像もつかなかったからなあ。
逆に言えば、この仮想戦闘装置を利用して基礎を身につける事が出来れば、まだまだ俺は強くなれるという事。
全ての人間に基礎を覚えさせ、潜在能力を引き出すという目的で作られている仮想戦闘装置はとても理にかなっている。
「……っ!」
--ガガガ……!ガキン!
……!!膠着状態の序盤から動いた。
どうやらノアが徐々にペースを上げたようだ。カミラの一瞬の隙を突いたようだ。
「うわ、いやーな戦い方」
『やらしいのは確かだのう』
『なんつーか、あいつ、性格の腹黒さが滲み出てるよな。相手のミスを誘いまくって、隙ができたところをつくって』
『あれは、あの装置の中で真正面から戦うとなると相当きつそうですねえ。なんというか、優等生の戦い方です。完璧で、ミスもなく、テストで満点取るような感じでしょうか?とにかく、基礎的な部分においては文句ないですねえ』
周りを見渡すと、クラスメイトたちもみんな驚いている。
そういえば、この学校に入った一番の目的に運命教の関係者を見つけるというのがある。ノアやミラを使って、何か企んでそうな連中だ、警戒しておくに越した事はない。
背後にいる目的は分からないが、相手の事はなんとなく推測できる。
運命教団の中心にいるのは若い貴族。
大体にして、ユートピアとかディストピアとかいうのは時間がないと考えつかない。忙しいと思いつきもしないだろう。
何を幸せかとかいうのを考えるのはノーブルな事。ある程度、経済的に豊かな人間が常日頃考えがちな事である。
そう言った意味で、ここの学校にいる人の兄弟が運命教というのはおかしくない。
逆に言えば、庶民はルーカスの鑑定スキルでスキルや職業からある程度見抜けていれば、友達になりたいところだ。
単純に学校にたくさん欲しいのもあるし、仲間になってもらう事も出来るからね。
「そこまで--!!」
--と、そうこうしている間にノアとカミラの試合が終わる。
なるほど、ノア動きがお手本のように完璧すぎて、真の実力は見れなかったが、とりあえず、このルールにおいてノアは相当やりよるという事はわかった。
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