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3章⭐︎仲間集まってきた編⭐︎
初期段階の大筋の流れ
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-side エリク-
「お、早かったな。」
「はい。兄上。グリフォンとコカトリスを狩ってきました。なかなか手に入らない肉が沢山手に入ったんですよ。美味しかったので、ぜひ食べてほしいです。」
「グリフォン!?コカトリス!?
それも大量に。やはり、この島はそんなに危険なのか。」
「ああ。大丈夫ですよ。全て倒し終わりましたんで。」
「そ、そうか。エリク。強くなったんだな。
それはそれとして、こっちも、インフラの整備計画は大分進んだと思う。」
グリフォン、コカトリスは一般的にいえば、1匹でもAランク並みの脅威度である。
複数いれば、難易度はS。群れでは、計測不可--冒険者ギルドの依頼に張り出された事はない。
つまり、エリクは、強くなったというには、強くなりすぎてしまったようだ、と側にいたセバスチャンは冷や汗をかいて気づいたが、ほんわかしているジルの手前、口出す事は出来なかった。
「ほうほう。まずは、川に港や橋を建設したいと。」
「そうだ。川には魔物がいないだろう?
マスク王国の王都や公爵領でも、物流などで使われるのは、川だ。」
「へーー。知らなかった。」
エリクはスキルで、[検索]した。
すると、本当だという答えが返ってきたので、信じる事にしたのだった。
電子機器などないこの世界では、通常、この手のことは、かなりの書物を読まなければ、真偽が分からないが、それが一瞬で分かってしまうスキルはやはり破格である。
「まずは、川の簡易インフラの設置で様子を見て、それが出来てから、交通整備に向いている者だけ、街道整備を任せようと思う。
力仕事が得意でないけれど、お金には困っているという参加者も多いだろうからな。」
「そうですね。とりあえず、川のインフラ整備参加者全員に希望職種を書かせて……。
川に簡易港が設置されるまでに、全員の書類を読んで、仕事を割り振れるのが理想でしょうか。」
「ああ、理想で言えば、そうだな。川のインフラ整備参加者……この調子だとかなり多そうだから、出来るかは分からないが。」
「人手足りませんもんねえ。まずは、文官から募集しましょうか。以前、公爵領の役所で働いていた方もいるんですよね。」
「ああ。沢山いると思うぞ。セバス。お前の顔見知りで、優秀そうな奴とかいないか?」
「何人かは心当たりがございます。
その者たちに声をかけてみましょう。」
「そこら辺は全面的に協力を頼む。できれば、10-20人くらいは欲しいかもしれない。」
「かしこまりました。知り合い伝手で、集めてみましょう。時間は多少かかるでしょうが、それが一番確実な方法です。」
「そうだな。優秀な者はそう簡単には集まらないから、時間をかけて集めるのが良い。」
「では、そちらの事はセバスに任せて……、銅鉱山の方は、無事に制圧したので、あとは、お金を加工する場所を鉱山近くに建設したいですね。」
「分かった。それに関しても、詳しい者を手配する。この前、会議にきた者たちだ。」
「ありがとうございます。」
「では、大まかなところは、そんな感じかな。まずは、銅貨の製造、その間に、事務仕事が出来る者を集める。次に、川のインフラ出来る者を集めて、簡易港を設置。最後に、適材適所に人材を振り分けていくために、職業希望を聞いていくといったところか。」
「そうですね。大まかな流れはそんな感じでしょう。」
「よしっ!そうと決まれば早速、始めるか!」
「あ、待ってください。ジル兄。その前に、グリフォンの唐揚げと、コカトリスの卵かけご飯食べましょう。美味しいですから。」
「お、おう。分かった、ありがたくいただく。それにしても、エリク。
お前、相変わらず、マイペースだな。変わってなくて安心した。」
「あはは!兄上も、聡明な感じは、お変わりないですね。正直、父上だけだと、不安でしたが、兄上がいたから、領地を任せて出て行けたというのはあります。」
「正直すぎるぞ。まあ、たしかに、お前がいない間の公爵家を回していたのは、俺とセバスだったから、間違いではないが。
父上には、休んでもらうのが一番だ。」
「ですね。美味しいものを沢山食べさせてあげましょう。」
「それが良い。」
若干、2人の腹黒さが、見え隠れした会話だったが、これも貴族ならば、必要な事である。ともかく、こうして、領地初期段階の大筋の流れは決まったのだった。
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「お、早かったな。」
「はい。兄上。グリフォンとコカトリスを狩ってきました。なかなか手に入らない肉が沢山手に入ったんですよ。美味しかったので、ぜひ食べてほしいです。」
「グリフォン!?コカトリス!?
それも大量に。やはり、この島はそんなに危険なのか。」
「ああ。大丈夫ですよ。全て倒し終わりましたんで。」
「そ、そうか。エリク。強くなったんだな。
それはそれとして、こっちも、インフラの整備計画は大分進んだと思う。」
グリフォン、コカトリスは一般的にいえば、1匹でもAランク並みの脅威度である。
複数いれば、難易度はS。群れでは、計測不可--冒険者ギルドの依頼に張り出された事はない。
つまり、エリクは、強くなったというには、強くなりすぎてしまったようだ、と側にいたセバスチャンは冷や汗をかいて気づいたが、ほんわかしているジルの手前、口出す事は出来なかった。
「ほうほう。まずは、川に港や橋を建設したいと。」
「そうだ。川には魔物がいないだろう?
マスク王国の王都や公爵領でも、物流などで使われるのは、川だ。」
「へーー。知らなかった。」
エリクはスキルで、[検索]した。
すると、本当だという答えが返ってきたので、信じる事にしたのだった。
電子機器などないこの世界では、通常、この手のことは、かなりの書物を読まなければ、真偽が分からないが、それが一瞬で分かってしまうスキルはやはり破格である。
「まずは、川の簡易インフラの設置で様子を見て、それが出来てから、交通整備に向いている者だけ、街道整備を任せようと思う。
力仕事が得意でないけれど、お金には困っているという参加者も多いだろうからな。」
「そうですね。とりあえず、川のインフラ整備参加者全員に希望職種を書かせて……。
川に簡易港が設置されるまでに、全員の書類を読んで、仕事を割り振れるのが理想でしょうか。」
「ああ、理想で言えば、そうだな。川のインフラ整備参加者……この調子だとかなり多そうだから、出来るかは分からないが。」
「人手足りませんもんねえ。まずは、文官から募集しましょうか。以前、公爵領の役所で働いていた方もいるんですよね。」
「ああ。沢山いると思うぞ。セバス。お前の顔見知りで、優秀そうな奴とかいないか?」
「何人かは心当たりがございます。
その者たちに声をかけてみましょう。」
「そこら辺は全面的に協力を頼む。できれば、10-20人くらいは欲しいかもしれない。」
「かしこまりました。知り合い伝手で、集めてみましょう。時間は多少かかるでしょうが、それが一番確実な方法です。」
「そうだな。優秀な者はそう簡単には集まらないから、時間をかけて集めるのが良い。」
「では、そちらの事はセバスに任せて……、銅鉱山の方は、無事に制圧したので、あとは、お金を加工する場所を鉱山近くに建設したいですね。」
「分かった。それに関しても、詳しい者を手配する。この前、会議にきた者たちだ。」
「ありがとうございます。」
「では、大まかなところは、そんな感じかな。まずは、銅貨の製造、その間に、事務仕事が出来る者を集める。次に、川のインフラ出来る者を集めて、簡易港を設置。最後に、適材適所に人材を振り分けていくために、職業希望を聞いていくといったところか。」
「そうですね。大まかな流れはそんな感じでしょう。」
「よしっ!そうと決まれば早速、始めるか!」
「あ、待ってください。ジル兄。その前に、グリフォンの唐揚げと、コカトリスの卵かけご飯食べましょう。美味しいですから。」
「お、おう。分かった、ありがたくいただく。それにしても、エリク。
お前、相変わらず、マイペースだな。変わってなくて安心した。」
「あはは!兄上も、聡明な感じは、お変わりないですね。正直、父上だけだと、不安でしたが、兄上がいたから、領地を任せて出て行けたというのはあります。」
「正直すぎるぞ。まあ、たしかに、お前がいない間の公爵家を回していたのは、俺とセバスだったから、間違いではないが。
父上には、休んでもらうのが一番だ。」
「ですね。美味しいものを沢山食べさせてあげましょう。」
「それが良い。」
若干、2人の腹黒さが、見え隠れした会話だったが、これも貴族ならば、必要な事である。ともかく、こうして、領地初期段階の大筋の流れは決まったのだった。
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