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2章⭐︎レベルアップ⭐︎
家の改造
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-side エリク-
“わふわふわふ”“キャフキャフ”
とある建物の中を子供のフェンリル達が楽しそうに動き回って遊んでいる。
その建物の中はまるで、迷路のようで楽しそうだ。荘厳で圧倒的な存在感を放っている。
もし、その建物を人類だけで、作るとしたら現代日本の技術を持ってしても、相当な時間を費やしていただろう。
まさに、神の御業と思われる。
もっとも、地球上でも昔の権力者はこれを実際に作せたという事実は現代の人々を驚かせ続けているのだが。
「あの……。ここは?」
流石のエリクもこの事態には動揺した。
『フェンリル家だけど。』
「そんな、なんかやっちゃいましたみたいな返事されてもな。
どう見てもピラミッドなんだけど。というか、砂漠まで表現しなくても良くないか。」
『何言ってるの?こういうのはエンタメ性が大事だよね。本気で再現しないと。』
「いやいやいや、その言い方は明らかに確信犯だろ。気にしてないですという反応している時点でアウトだと思う。」
「ガッハッハ。言われているぞ。お主。」
その時、何処かから声が聞こえてきた。
見上げると、ピラミッドよりも大きい山がエリクに向かって歩いて来ていた。
「えっと。ピラミッドの尊厳が霞むので出てくるの控えてくれない?ほら、一応せっかくレオンが一生懸命作ってくれたんだし。」
「ぬ。ひどいではないかエリク。我がせっかく自分で作った力作ピラミッドを紹介しようと思ったのに。」
「あー。もしかして、トールも一緒に作ってたの。」
「うむ。最初はレオンのやつが作っていたので、見ていたのだが、そのうち楽しくなってしまってな。」
「(どうりで時間かかったわけだよ。
まあ寝てただけだからいいけど、あれから3時間くらいは寝てたぞ。いや、この壮大さを考えるとむしろ早すぎるな。)」
「ガッハッハ。冷静なお主の驚いた顔を見るのは面白いのお。作った甲斐があったではないか。」
『そうだね。』
「まさか、このために作ったのではないよな?そんなことのために、ここまで待たされたとか。」
「い、いや(汗)。決してそうではないぞ。こう、ルーク達が喜ぶように内装にもしっかりこだわっておる。」
『そ、そ、そ、そうだよ(汗)。別に決してどちらの作品にエリクが驚くかどうかを賭けてたわけではないからね。』
“はあ。全くお主らときたら、相変わらずだのお。やはり、エリクを心配してついてきたかいがあった。”
「トールはともかく、レオンはわかりやすすぎるね。」
『ぐう……。』
“まあ、でも感謝している。使い勝手も良いしな。腕は流石であるな。”
『おお、やっぱりそう思うよね。力作だよ。』
レオンは褒められて嬉しそうだ。
「へー。中はどうなってるの?行ってみたい。」
“いいぞ。ついてくるが良い”
許可をもらえたので中に一緒に行く。
入口は、1階にあった。中に入る。
「おお?はああ?」
エリクはらしくない声を上げた。
それもそのはず、出迎えたのは、室内とは思えない森だった。
『えへへ。驚いた?ピラミッドどの中に森を作ったんだ。ちなみに狩りすぎなければ、生態系を維持できるような仕組みになっている機能型だよ。
人間であるエリクも快適に過ごせるように、ちょうどいい温度設定もしてるよ。』
「確かに、温度もひんやりしていて、適温なような。というか、その能力があったら別のことに活かせそうな気がするんだけど。
地球上にある製品を発明をして、世の中を豊かにしたりとかさ。
そうしたら、俺が、公爵家で色々生み出さずに済んで、平和に暮らせたのに。」
「ガハハハハ。お主いいところに気づいたな。我も最初此奴の能力を見た時、そう思って言ったんだがな。」
『無理だったんだよ。これでも、英雄レオン時代にたくさん発明はしたんだけどね。
地球のように発展させるのは。』
「え?なんで。」
『発明を広めるためには、それなりに時間がかかる。
そもそも発明された製品が世の中に受けて広がるかどうかは、みんなが使ってみないとわからない。
その上で、作り方までわかる人材を育てるのにさらに時間がかかる。とてもではないけど、一人で行うことは無理だった。』
「あー。確かに。」
『あと、単純に私は創造神だからね。鍛治伸や知識神ならある程度この世界の文明レベルを上げられるだろうけど。
彼らは私とは違って、現世に実体化することはできない。
だから、今回知識を広め、文明レベルを高めてくれた君にはとても感謝しているよ。』
「へー。いやいや、成り行きでやっただけだから、別に褒められることでもないよ。
それより、居住スペースに行きたいな。」
おそらく今言ったことが全てではなく、他にも色々あるらしいということを悟ったエリクは、それ以上深くは突っ込まないことに決めた。
“うむ。わかった。ここから行けるぞ。”
ルークは、エリク達の話には特に興味がないらしく、深く会話に参加せずにいた。
新しい住居に浮かれているだけなのかもしれない。
そんな彼が案内してくれるのは、次の目的地、フェンリルの居住スペースである。
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“わふわふわふ”“キャフキャフ”
とある建物の中を子供のフェンリル達が楽しそうに動き回って遊んでいる。
その建物の中はまるで、迷路のようで楽しそうだ。荘厳で圧倒的な存在感を放っている。
もし、その建物を人類だけで、作るとしたら現代日本の技術を持ってしても、相当な時間を費やしていただろう。
まさに、神の御業と思われる。
もっとも、地球上でも昔の権力者はこれを実際に作せたという事実は現代の人々を驚かせ続けているのだが。
「あの……。ここは?」
流石のエリクもこの事態には動揺した。
『フェンリル家だけど。』
「そんな、なんかやっちゃいましたみたいな返事されてもな。
どう見てもピラミッドなんだけど。というか、砂漠まで表現しなくても良くないか。」
『何言ってるの?こういうのはエンタメ性が大事だよね。本気で再現しないと。』
「いやいやいや、その言い方は明らかに確信犯だろ。気にしてないですという反応している時点でアウトだと思う。」
「ガッハッハ。言われているぞ。お主。」
その時、何処かから声が聞こえてきた。
見上げると、ピラミッドよりも大きい山がエリクに向かって歩いて来ていた。
「えっと。ピラミッドの尊厳が霞むので出てくるの控えてくれない?ほら、一応せっかくレオンが一生懸命作ってくれたんだし。」
「ぬ。ひどいではないかエリク。我がせっかく自分で作った力作ピラミッドを紹介しようと思ったのに。」
「あー。もしかして、トールも一緒に作ってたの。」
「うむ。最初はレオンのやつが作っていたので、見ていたのだが、そのうち楽しくなってしまってな。」
「(どうりで時間かかったわけだよ。
まあ寝てただけだからいいけど、あれから3時間くらいは寝てたぞ。いや、この壮大さを考えるとむしろ早すぎるな。)」
「ガッハッハ。冷静なお主の驚いた顔を見るのは面白いのお。作った甲斐があったではないか。」
『そうだね。』
「まさか、このために作ったのではないよな?そんなことのために、ここまで待たされたとか。」
「い、いや(汗)。決してそうではないぞ。こう、ルーク達が喜ぶように内装にもしっかりこだわっておる。」
『そ、そ、そ、そうだよ(汗)。別に決してどちらの作品にエリクが驚くかどうかを賭けてたわけではないからね。』
“はあ。全くお主らときたら、相変わらずだのお。やはり、エリクを心配してついてきたかいがあった。”
「トールはともかく、レオンはわかりやすすぎるね。」
『ぐう……。』
“まあ、でも感謝している。使い勝手も良いしな。腕は流石であるな。”
『おお、やっぱりそう思うよね。力作だよ。』
レオンは褒められて嬉しそうだ。
「へー。中はどうなってるの?行ってみたい。」
“いいぞ。ついてくるが良い”
許可をもらえたので中に一緒に行く。
入口は、1階にあった。中に入る。
「おお?はああ?」
エリクはらしくない声を上げた。
それもそのはず、出迎えたのは、室内とは思えない森だった。
『えへへ。驚いた?ピラミッドどの中に森を作ったんだ。ちなみに狩りすぎなければ、生態系を維持できるような仕組みになっている機能型だよ。
人間であるエリクも快適に過ごせるように、ちょうどいい温度設定もしてるよ。』
「確かに、温度もひんやりしていて、適温なような。というか、その能力があったら別のことに活かせそうな気がするんだけど。
地球上にある製品を発明をして、世の中を豊かにしたりとかさ。
そうしたら、俺が、公爵家で色々生み出さずに済んで、平和に暮らせたのに。」
「ガハハハハ。お主いいところに気づいたな。我も最初此奴の能力を見た時、そう思って言ったんだがな。」
『無理だったんだよ。これでも、英雄レオン時代にたくさん発明はしたんだけどね。
地球のように発展させるのは。』
「え?なんで。」
『発明を広めるためには、それなりに時間がかかる。
そもそも発明された製品が世の中に受けて広がるかどうかは、みんなが使ってみないとわからない。
その上で、作り方までわかる人材を育てるのにさらに時間がかかる。とてもではないけど、一人で行うことは無理だった。』
「あー。確かに。」
『あと、単純に私は創造神だからね。鍛治伸や知識神ならある程度この世界の文明レベルを上げられるだろうけど。
彼らは私とは違って、現世に実体化することはできない。
だから、今回知識を広め、文明レベルを高めてくれた君にはとても感謝しているよ。』
「へー。いやいや、成り行きでやっただけだから、別に褒められることでもないよ。
それより、居住スペースに行きたいな。」
おそらく今言ったことが全てではなく、他にも色々あるらしいということを悟ったエリクは、それ以上深くは突っ込まないことに決めた。
“うむ。わかった。ここから行けるぞ。”
ルークは、エリク達の話には特に興味がないらしく、深く会話に参加せずにいた。
新しい住居に浮かれているだけなのかもしれない。
そんな彼が案内してくれるのは、次の目的地、フェンリルの居住スペースである。
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