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1章⭐︎プロローグ⭐︎
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-side エリク-
翌日、スッキリした様子でエリクは起きた。最高級ベッドを堪能できたのが予想以上に嬉しかったのか、いつもの凛々しい雰囲気はなく、ぽわぽわした様子だ。
そんな彼は、ぽわぽわしながらもダンジョンについて全く知らないので、レオンに聞きに行く必要があるということを考えていた。
これまた豪華な朝食を堪能した後、エリクは上機嫌に屋敷に向かう。
トールも一緒についてきた。
「すまないな。我が教えられたらいいのだが。人間の戦い方は分からないからのお。」
「いいよ。どっちにしろレオンには今日挨拶してからダンジョンに向かおうと思ってたしな。(未知ルートと言っていたし、次に行動すべきことを、知っているかもしれない。)」
そんな会話をしていると、屋敷に到着した。屋敷に行って別を鳴らす。すると、中から不機嫌そうなレオンが出てきた。
『なに?こんな朝早くから?』
「いや、今日ダンジョンに行くんだけど、その前に色々聞いときたいなって。」
『君たちスローライフするんじゃないの?
なんでダンジョンなんかに行くの?
私がいうのもなんだけど。』
レオン……この前とキャラ違くないか。
「言い忘れていたな。こいつは寝起きが超悪いんだ。」
「げっ……(なんでそんな大事なことを。)」
『げっとはなんだ。げっとは喧嘩売っているのか?ああん?』
「(だ、だるい。)」
『まあいい。中に入りな。』
中に促されて入る。すると、そこはこの前のような広間ではなく、応接室だった。
「ここは……?」
『ああ?あーこの屋敷はな、入ると所有者がイメージした部屋に移動するようになっているんだ。
今回は私が応接室をイメージしたから、応接室に移動した。』
「ほーー。それはなかなかだな。我が屋敷でも導入したいぞ。」
『そーいう話は後でね。私は眠いから手短にいくよ。』
「は、はあ。」
『まず、お前ら2人じゃ人数が足りない。
いくらトールがいるとはいえ、トールだけで周りを警戒するのは限界がある。』
「た、たしかに。(不機嫌だけど言っていること自体はまともだ。なんか解せない。)」
『それに、行くにしたところで、どうやって戦うのかすら分からないでしょ。
竜に杖があるとしても実際に戦闘経験が少なすぎる。だから、その状態で行ったら一階層で死ぬよ。』
「う、うむ。して、どうすればいいのだ。」
『はー。それを教えたらつまらないよね?
自分で考えたまえ。』
「ぬ。なんだと。」
「はー。やっぱり。(言う気はあるんだったら昨日の時点で言ってるもんな。)」
『はっはっは。そういうことだよ。次行くべき場所くらいは教えてあげるけどね。』
「本当か!」
『ああ。お前らが次行くべき場所は、フェンリルの里だ。ここ、ドラゴンの里から北に300キロほど離れている。』
「フェンリル……(ドラゴンに続きまた大物だな。たしかに、仲間になれば心強いけど。)」
「ほー。面白い。して、奴らの中に此奴の仲間になりたいやつなんておるだろうか。
こう言っちゃなんだか、奴らはプライドが高い連中ばかりだぞ。」
『それはエリク次第だね。それも含めて面白そう。』
「(やはりか。けど、創造神が言うんだったら、この未知のルートとも関係があるのだろう。覚悟を決めるしかないようだ。)」
『さあ。これで話は終わりだ。さっさと帰った帰った。私は寝た……』
「ところで、レオン。この屋敷、もちろん借りていいよな?」
『は?』
「おお。それはいいな。この屋敷ごと行けばレオンも一緒についてくるだろうし、妙案だ。」
『はああ?』
「というわけで、一緒に行くか!早速プロコン取ってくる!」
「おお。それならここにあるぞ。」
「お、助かる。」
「(うまく纏まって良かった。やっぱり、レオンがいた方が楽そうだしな。)」
どんな状況でも冷静に最善の選択肢を判断する能力。これがエリクの武器である。
たとえそれが、神相手だったとしても。
こうしてエリクたちは次の目的地、フェンリルの里に行くのであった。
『え、私の神権は?』
---------------------------
-1章完-
翌日、スッキリした様子でエリクは起きた。最高級ベッドを堪能できたのが予想以上に嬉しかったのか、いつもの凛々しい雰囲気はなく、ぽわぽわした様子だ。
そんな彼は、ぽわぽわしながらもダンジョンについて全く知らないので、レオンに聞きに行く必要があるということを考えていた。
これまた豪華な朝食を堪能した後、エリクは上機嫌に屋敷に向かう。
トールも一緒についてきた。
「すまないな。我が教えられたらいいのだが。人間の戦い方は分からないからのお。」
「いいよ。どっちにしろレオンには今日挨拶してからダンジョンに向かおうと思ってたしな。(未知ルートと言っていたし、次に行動すべきことを、知っているかもしれない。)」
そんな会話をしていると、屋敷に到着した。屋敷に行って別を鳴らす。すると、中から不機嫌そうなレオンが出てきた。
『なに?こんな朝早くから?』
「いや、今日ダンジョンに行くんだけど、その前に色々聞いときたいなって。」
『君たちスローライフするんじゃないの?
なんでダンジョンなんかに行くの?
私がいうのもなんだけど。』
レオン……この前とキャラ違くないか。
「言い忘れていたな。こいつは寝起きが超悪いんだ。」
「げっ……(なんでそんな大事なことを。)」
『げっとはなんだ。げっとは喧嘩売っているのか?ああん?』
「(だ、だるい。)」
『まあいい。中に入りな。』
中に促されて入る。すると、そこはこの前のような広間ではなく、応接室だった。
「ここは……?」
『ああ?あーこの屋敷はな、入ると所有者がイメージした部屋に移動するようになっているんだ。
今回は私が応接室をイメージしたから、応接室に移動した。』
「ほーー。それはなかなかだな。我が屋敷でも導入したいぞ。」
『そーいう話は後でね。私は眠いから手短にいくよ。』
「は、はあ。」
『まず、お前ら2人じゃ人数が足りない。
いくらトールがいるとはいえ、トールだけで周りを警戒するのは限界がある。』
「た、たしかに。(不機嫌だけど言っていること自体はまともだ。なんか解せない。)」
『それに、行くにしたところで、どうやって戦うのかすら分からないでしょ。
竜に杖があるとしても実際に戦闘経験が少なすぎる。だから、その状態で行ったら一階層で死ぬよ。』
「う、うむ。して、どうすればいいのだ。」
『はー。それを教えたらつまらないよね?
自分で考えたまえ。』
「ぬ。なんだと。」
「はー。やっぱり。(言う気はあるんだったら昨日の時点で言ってるもんな。)」
『はっはっは。そういうことだよ。次行くべき場所くらいは教えてあげるけどね。』
「本当か!」
『ああ。お前らが次行くべき場所は、フェンリルの里だ。ここ、ドラゴンの里から北に300キロほど離れている。』
「フェンリル……(ドラゴンに続きまた大物だな。たしかに、仲間になれば心強いけど。)」
「ほー。面白い。して、奴らの中に此奴の仲間になりたいやつなんておるだろうか。
こう言っちゃなんだか、奴らはプライドが高い連中ばかりだぞ。」
『それはエリク次第だね。それも含めて面白そう。』
「(やはりか。けど、創造神が言うんだったら、この未知のルートとも関係があるのだろう。覚悟を決めるしかないようだ。)」
『さあ。これで話は終わりだ。さっさと帰った帰った。私は寝た……』
「ところで、レオン。この屋敷、もちろん借りていいよな?」
『は?』
「おお。それはいいな。この屋敷ごと行けばレオンも一緒についてくるだろうし、妙案だ。」
『はああ?』
「というわけで、一緒に行くか!早速プロコン取ってくる!」
「おお。それならここにあるぞ。」
「お、助かる。」
「(うまく纏まって良かった。やっぱり、レオンがいた方が楽そうだしな。)」
どんな状況でも冷静に最善の選択肢を判断する能力。これがエリクの武器である。
たとえそれが、神相手だったとしても。
こうしてエリクたちは次の目的地、フェンリルの里に行くのであった。
『え、私の神権は?』
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-1章完-
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