877 / 930
17章 わたしに何ができたかな?
第877話 アクション⑭終焉を止める3つのポイント
しおりを挟む「似てない」
「普通だ」
「大してかわいくない」
おい、おい、おい、おい。坊ちゃん、嬢ちゃん。
そういう評価は聞こえないところでやってくれ。
今世の容姿のクオリティーに満足しているけれど、家族と比べられたら、そりゃ月とスッポンだ。わたしも年頃だからね、聞こえてくると、傷にはなるのよね。失礼しちゃう。
「ブライ兄と従兄弟よ。聞いたそのままですわ」
砕けた口調で笑いかけてくる。見事な赤毛はブライのとこの血筋か。
「まぁ、ブライさまの! 朝はジェイさまにお会いしましたわ。縁がありますね」
「エリー・ヘイウッドよ。エリーと呼んで欲しいわ」
「リディアと呼んでください」
水色の子そっちのけで話してしまったからか、ユリアさまは怒った。
「な、なんですの! 人を無視して。あなた、遅刻してきた理由がありますの?」
わたしは答える。
「あります」
ユリア嬢は少し驚いたようだ。
「なんですの?」
「申し上げられません」
令嬢はさらに怒った。勢いよくわたしに背を向けて歩いて行った。
「お臍を曲げてしまいましたわね」
エリーが気持ち残念そうに言ったけれど、そうなるだろうと予想していた感じだ。
でもさ、はっきりしたことがわかってないのにうかつに話せないじゃん? 貴族社会は何が作用するかわからないからね。こんな不特定多数が耳にするところで確かではないことを話すことはできない。
連れていかれたのは広い講堂のようなところだ。中は8つのブースというか塊に分かれていて、並んでいる人がひとり前に行けばそこに補充されていくようだ。魔力を調べているのだろう。
ユリア嬢ともエリーとも違うブースに並ばせられる。
わたしの番になれば、5歳の時に教会で調べてもらったような水晶玉が机の上に鎮座していた。
「リディア・シュタインです」
と名乗れば、頷かれて、水晶玉に手をかざすように言われる。
水晶玉の真ん中で水色と緑色の色が浮かんで消えた。
鼻の下でくるんとしたヒゲを蓄えた先生は、属性でも書き留めているのだろう。
すぐに終わり、次は魔法の試験ですと言われた。
Cのブースだったので、そのままCの部屋に行くように案内係の先輩に言われる。制服を着ているからお手伝い要員だね。
前の子たちも緊張した面持ちで入っていくが、2、3分で出てきてほっとした表情を浮かべている。
わたしの番になった。
中には、おじいちゃん先生とおばあちゃん先生がいた。
「自分の属性を知っていますか?」
「はい、風と水です」
答えれば頷かれて、今度は魔法を使ったことがあるかを尋ねられた。あると答えると、一番やりやすい魔法を披露するよう言われた。
わたしは水の球を作った。
「150なのはもったいないわねぇ」
おばあちゃん先生が言う。
「ん? 魔力を整えましたか?」
おじちゃん先生に言われる。うわー、そんなのわかるんだ。
2年ぐらい前に魔力漏れをしているのは良くないと神殿行きか魔法士長のモットレイ侯爵のところで魔力を整えてもらった方がいいって散々言われて。3日とかで終わるならいいけどさ、少なくても3年かかるって言われてそれは嫌と思っていたら、もふさまが〝地下の主人さま〟を紹介してくれたのだ。
もふさまと同じ護り手で、地下を受け持たれているそうだ。1番の古株で魔力も多く、物知りだという。黒い大きな亀に見えた。地下の主人さまにしてもわたしの魔力を完全に塞ぐのは難しいと言われた。わたしの魔力はわたしの〝体〟イコール〝器〟には余るものらしく、排出していないと体が壊れるそうだ。ただ、体には問題のないようにある程度は塞ぎ、人ぐらいからなら魔力が漏れているのがわからないようにすることはできるというので、お願いした。報酬はご飯のおもてなしがいいと言われて、交渉は成立した。
今も魔力は少々漏れているが、人にはわからないはずだ。
ある日突然、魔力が少し増えたのだということにしてモットレイ侯爵さまに見ていただき、魔力漏れしなくなっているとお墨付きをもらった。メカニズム自体がよくわかっていないこともあり、体との折り合いがつくと魔力が勝手に整うこともあるようなので、わたしもそうなのだろうと結論づけられた。
「小さい頃は魔力が漏れていました。それがある日魔力が上がり、診てもらったところ魔力が漏れていないとわかりました」
「そうでしたか。外からいじったようにも見えるが……」
このおじいちゃんやるねと思いながら、わたしはよくわからないを装っておいた。
魔法のテストはそれでおしまいだった。
〝何〟をテストしたんだろう? 魔法を使ったことがあるかどうか?
最初の常識問題の筆記試験も、バラエティーにとんでいた。宰相の名前を問われたかと思えば、計算問題が入り、次には大陸の成り立ちの意見を求められた。魔法の理解度を?と思えるような問題があり眉をひそめれば、ダンジョンについての設問もあった。これで何が見えてくるんだろうと不思議だった。意味はあるんだろうけど、さっぱりわからないや。
次は面接だと言われた。入ったのとは違うドアから出て、真っ直ぐ進むように言われた。
椅子が並んでいて、ひとりそこに腰掛けていた。
案内役の先輩に椅子に座るよう言われて、隣に腰掛ける。
中から子供が出てきて、座っていた子が中に案内される。
わたしは椅子を移動した。
待つってやだな。いろんなこと考えちゃう。
……わたしのテストを邪魔したい人がいるんだよね。
魔法のテストが終わった子が来て、隣に座る。
もうそろそろかと思っているとドアが開き、前の子が出てきた。ほっとした顔をしている。中に入るように言われた。
わたしの番だ。
「普通だ」
「大してかわいくない」
おい、おい、おい、おい。坊ちゃん、嬢ちゃん。
そういう評価は聞こえないところでやってくれ。
今世の容姿のクオリティーに満足しているけれど、家族と比べられたら、そりゃ月とスッポンだ。わたしも年頃だからね、聞こえてくると、傷にはなるのよね。失礼しちゃう。
「ブライ兄と従兄弟よ。聞いたそのままですわ」
砕けた口調で笑いかけてくる。見事な赤毛はブライのとこの血筋か。
「まぁ、ブライさまの! 朝はジェイさまにお会いしましたわ。縁がありますね」
「エリー・ヘイウッドよ。エリーと呼んで欲しいわ」
「リディアと呼んでください」
水色の子そっちのけで話してしまったからか、ユリアさまは怒った。
「な、なんですの! 人を無視して。あなた、遅刻してきた理由がありますの?」
わたしは答える。
「あります」
ユリア嬢は少し驚いたようだ。
「なんですの?」
「申し上げられません」
令嬢はさらに怒った。勢いよくわたしに背を向けて歩いて行った。
「お臍を曲げてしまいましたわね」
エリーが気持ち残念そうに言ったけれど、そうなるだろうと予想していた感じだ。
でもさ、はっきりしたことがわかってないのにうかつに話せないじゃん? 貴族社会は何が作用するかわからないからね。こんな不特定多数が耳にするところで確かではないことを話すことはできない。
連れていかれたのは広い講堂のようなところだ。中は8つのブースというか塊に分かれていて、並んでいる人がひとり前に行けばそこに補充されていくようだ。魔力を調べているのだろう。
ユリア嬢ともエリーとも違うブースに並ばせられる。
わたしの番になれば、5歳の時に教会で調べてもらったような水晶玉が机の上に鎮座していた。
「リディア・シュタインです」
と名乗れば、頷かれて、水晶玉に手をかざすように言われる。
水晶玉の真ん中で水色と緑色の色が浮かんで消えた。
鼻の下でくるんとしたヒゲを蓄えた先生は、属性でも書き留めているのだろう。
すぐに終わり、次は魔法の試験ですと言われた。
Cのブースだったので、そのままCの部屋に行くように案内係の先輩に言われる。制服を着ているからお手伝い要員だね。
前の子たちも緊張した面持ちで入っていくが、2、3分で出てきてほっとした表情を浮かべている。
わたしの番になった。
中には、おじいちゃん先生とおばあちゃん先生がいた。
「自分の属性を知っていますか?」
「はい、風と水です」
答えれば頷かれて、今度は魔法を使ったことがあるかを尋ねられた。あると答えると、一番やりやすい魔法を披露するよう言われた。
わたしは水の球を作った。
「150なのはもったいないわねぇ」
おばあちゃん先生が言う。
「ん? 魔力を整えましたか?」
おじちゃん先生に言われる。うわー、そんなのわかるんだ。
2年ぐらい前に魔力漏れをしているのは良くないと神殿行きか魔法士長のモットレイ侯爵のところで魔力を整えてもらった方がいいって散々言われて。3日とかで終わるならいいけどさ、少なくても3年かかるって言われてそれは嫌と思っていたら、もふさまが〝地下の主人さま〟を紹介してくれたのだ。
もふさまと同じ護り手で、地下を受け持たれているそうだ。1番の古株で魔力も多く、物知りだという。黒い大きな亀に見えた。地下の主人さまにしてもわたしの魔力を完全に塞ぐのは難しいと言われた。わたしの魔力はわたしの〝体〟イコール〝器〟には余るものらしく、排出していないと体が壊れるそうだ。ただ、体には問題のないようにある程度は塞ぎ、人ぐらいからなら魔力が漏れているのがわからないようにすることはできるというので、お願いした。報酬はご飯のおもてなしがいいと言われて、交渉は成立した。
今も魔力は少々漏れているが、人にはわからないはずだ。
ある日突然、魔力が少し増えたのだということにしてモットレイ侯爵さまに見ていただき、魔力漏れしなくなっているとお墨付きをもらった。メカニズム自体がよくわかっていないこともあり、体との折り合いがつくと魔力が勝手に整うこともあるようなので、わたしもそうなのだろうと結論づけられた。
「小さい頃は魔力が漏れていました。それがある日魔力が上がり、診てもらったところ魔力が漏れていないとわかりました」
「そうでしたか。外からいじったようにも見えるが……」
このおじいちゃんやるねと思いながら、わたしはよくわからないを装っておいた。
魔法のテストはそれでおしまいだった。
〝何〟をテストしたんだろう? 魔法を使ったことがあるかどうか?
最初の常識問題の筆記試験も、バラエティーにとんでいた。宰相の名前を問われたかと思えば、計算問題が入り、次には大陸の成り立ちの意見を求められた。魔法の理解度を?と思えるような問題があり眉をひそめれば、ダンジョンについての設問もあった。これで何が見えてくるんだろうと不思議だった。意味はあるんだろうけど、さっぱりわからないや。
次は面接だと言われた。入ったのとは違うドアから出て、真っ直ぐ進むように言われた。
椅子が並んでいて、ひとりそこに腰掛けていた。
案内役の先輩に椅子に座るよう言われて、隣に腰掛ける。
中から子供が出てきて、座っていた子が中に案内される。
わたしは椅子を移動した。
待つってやだな。いろんなこと考えちゃう。
……わたしのテストを邪魔したい人がいるんだよね。
魔法のテストが終わった子が来て、隣に座る。
もうそろそろかと思っているとドアが開き、前の子が出てきた。ほっとした顔をしている。中に入るように言われた。
わたしの番だ。
87
お気に入りに追加
1,379
あなたにおすすめの小説

転生貧乏令嬢メイドは見なかった!
seo
恋愛
血筋だけ特殊なファニー・イエッセル・クリスタラーは、名前や身元を偽りメイド業に勤しんでいた。何もないただ広いだけの領地はそれだけでお金がかかり、古い屋敷も修繕費がいくらあっても足りない。
いつものようにお茶会の給仕に携わった彼女は、令息たちの会話に耳を疑う。ある女性を誰が口説き落とせるかの賭けをしていた。その対象は彼女だった。絶対こいつらに関わらない。そんな決意は虚しく、親しくなれるように手筈を整えろと脅され断りきれなかった。抵抗はしたものの身分の壁は高く、メイドとしても令嬢としても賭けの舞台に上がることに。
これは前世の記憶を持つ貧乏な令嬢が、見なかったことにしたかったのに巻き込まれ、自分の存在を見なかったことにしない人たちと出会った物語。
#逆ハー風なところあり
#他サイトさまでも掲載しています(作者名2文字違いもあり)

さようなら、わたくしの騎士様
夜桜
恋愛
騎士様からの突然の『さようなら』(婚約破棄)に辺境伯令嬢クリスは微笑んだ。
その時を待っていたのだ。
クリスは知っていた。
騎士ローウェルは裏切ると。
だから逆に『さようなら』を言い渡した。倍返しで。


悪役令嬢?いま忙しいので後でやります
みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった!
しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢?
私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
夫と息子は私が守ります!〜呪いを受けた夫とワケあり義息子を守る転生令嬢の奮闘記〜
梵天丸
恋愛
グリーン侯爵家のシャーレットは、妾の子ということで本妻の子たちとは差別化され、不遇な扱いを受けていた。
そんなシャーレットにある日、いわくつきの公爵との結婚の話が舞い込む。
実はシャーレットはバツイチで元保育士の転生令嬢だった。そしてこの物語の舞台は、彼女が愛読していた小説の世界のものだ。原作の小説には4行ほどしか登場しないシャーレットは、公爵との結婚後すぐに離婚し、出戻っていた。しかしその後、シャーレットは30歳年上のやもめ子爵に嫁がされた挙げ句、愛人に殺されるという不遇な脇役だった。
悲惨な末路を避けるためには、何としても公爵との結婚を長続きさせるしかない。
しかし、嫁いだ先の公爵家は、極寒の北国にある上、夫である公爵は魔女の呪いを受けて目が見えない。さらに公爵を始め、公爵家の人たちはシャーレットに対してよそよそしく、いかにも早く出て行って欲しいという雰囲気だった。原作のシャーレットが耐えきれずに離婚した理由が分かる。しかし、実家に戻れば、悲惨な末路が待っている。シャーレットは図々しく居座る計画を立てる。
そんなある日、シャーレットは城の中で公爵にそっくりな子どもと出会う。その子どもは、公爵のことを「お父さん」と呼んだ。
※毎日更新中!

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる