790 / 823
16章 ゴールデン・ロード
第790話 敵影④見届ける
しおりを挟む
わたしはできるだけゆっくり歩いた。
時々もふさまに頼んでちょっと走り回ってもらい、追いかけたりした。
みんなと情報を共有するための時間稼ぎだ。
『マスター、見慣れない魔力持ちが、近づいてきています』
え?
『すごい速さです』
ええっ? ヴェルナーの手下?
「もふさま、ミニーを守って」
周りを警戒する。
ええっ?
上から降ってきたように降り立ったのは、民族衣装を身に纏っているナムルだった。
「私を呼び出しておいて、呑気に女の子と逢引ですか?」
なぜにこのタイミング?
わたしは掌を突き出した。
「ちょっと待って。今日は都合が悪くて、明日にしてもらえないかしら?」
「こんな僻地に呼び出しておいて、やっとたどり着いた私に待てと?」
「本当に今、取り込んでいて」
スッとナムルが目を細めた。
木の後ろから姿を現したのは、ナイフをこちらに向けた大柄の男だった。
ミニーがヒィーと悲鳴を上げる。
わたしはミニーの前に出る。
「ちんたら何してんだ? あのちっちゃいのがどうなってもいいのか?」
ミニーが後ろで啜り泣いている。
「わたしが目的なんですよね? この子も、小屋に捕らえている子も解放してください。わたしが行きますから」
「駄目だ。お前には油断しないように言われている。お前、そこの小僧もついて来い」
「彼は全く関係ありませんので」
絶対目の前の大柄な大人より、ナムルの方が強い。瘴気を使われても勘弁だし。ナムルがいるとわたしも魔力をあまり使えない。だから、本当にこいつはいてほしくない。
「なぜ言いなりになってるんですか?」
その言葉で、彼にはわたしがこんなことから逃げられる力があると、見越しているのが窺える。
「あなたは関係ないんだから逃げてください。明日仕切り直しで」
小声でナムルに告げた。
「何をごちゃごちゃ言ってやがる。こっちには人質がいるんだぞ?」
わたしはミニーの腕を取り、歩き出す。
うう、後ろにナムルがついてくる。
わたしは震えているミニーと手を繋いでギュッとした。
ミニーがわたしに視線を合わせる。
「ミニー、絶対、大丈夫。守るから」
ミニーは頷く。
「あたしは大丈夫。でもアプリコットが。小さいのに。怖い思いをしてる」
わたしはもう一度繋いだ手をギュッとした。
小屋についた。
男たちはもふさまを追い出そうとしたけれど、尻尾をふりふり横をすり抜けて、わたしとミニーのどちらかの横に来ようとするので、あきらめたみたいだ。
吠えないならいいとかなんとか言って、わたしたちの足と手を縛った。
声なく泣き続けてきたアプリコットはミニーの顔を見て、少しだけ安堵した表情になる。
「ここまで連れてきたんだから、みんなは解放して」
「駄目だ。解放したら誰かに言うだろう? 俺たちの顔も見ているし」
わたしは大きくため息をつく。
「依頼人はここからどうしろって? ここで止めるなら、あなたたちも守ってあげる。自警団に捕まった方が、あなたたち生きていられるわ」
「何言ってやがる!」
「で、どうなの? どんな段取り? ここにヴェルナーが来るの? 来ないの? 何をしてわたしを脅すつもりなの?」
「う、うるさい! 夕方には着くから、待っとけ」
ふたりはわたしたちを残して小屋から出て行った。
アプリコットの目から涙が溢れ出す。
「アプリコット、ごめんね。守るから。アプリコットもミニーもわたしの言うことを聞いて」
アプリコットは涙いっぱいの目で
「ミニーお姉ちゃん」
とミニーを呼んだ。
「大丈夫よ、アプリコット。お嬢さまがいるんだから。お嬢さまの言う通りにしましょう」
「ダメだよ、みんな縛られているのに。どうするの?」
ナムルがいるからやりたくないが仕方ない。
わたしはもふさまには頼らず、手の縄を切った。
収納ポケットからナイフの部分だけを出すようにして手首の縄を切った。
手が自由になったところで、ナイフを取り出して、足も自由にする。
わたしは立ち上がり、アプリコットに微笑む。
「ね。わたしは強いからみんなを守れるわ」
そう言いながら、アプリコットの手と足を自由にし、ミニーの手と足の縄を切る。
ナムルのも切ろうとすると、彼は黒い糸のような物を出して、それで縄を切った。
瘴気、万能だな!
わたしは奥に置かれた薪の束をどかし、そこの小さな穴を土魔法で子供が屈めば通れるぐらいの穴にする。
ふたりの腕を引っ張る。
「いい? もふさまについて、わたしの家に行くの。町外れのわたしの家に行くのよ?」
「リディアは?」
ミニーに腕を取られた。
「わたしは彼らの目的を聞かないとなの。ウチに何か仕掛けるつもりだろうからね」
『リディア、ひとりで大丈夫か?』
わたしはもふさまの目を見てうなずいた。
「あなたも行ってください。ちょっと立て込んでいるので、話し合いは明日で!」
わたしは言い切って、ナムルの背中を押す。
もふさまがアプリコットのスカートの裾を引っ張った。
「リディア、一緒に逃げよう!」
「ミニー、わたしは大丈夫だから。アプリコットのことをお願い」
「……わかった。すぐに助けを呼ぶわ。リディア、気をつけて」
「ミニーたちも気をつけて。もふさまと一緒なら怖いことはないから」
外でガタンと音がした。
ミニーたちは慌てて四つん這いになり、小屋から外に出る。
わたしはナムルも出ていくように手で指示した。
ナムルは戻って椅子に座る。
「ちょっと!」
わたしは小声で抗議する。
「その穴、奴らが戻ってくる前に見えなくしたほうがいいんじゃない?」
「早くあなたも出て」
「君は私の望みを叶えてくれるんだろう? その前に何かあっちゃ困るから。見届けないと」
すっごいいい笑みを浮かべている。
知ってる。ああいう顔してる時って、人って考えを改めない。
「何があっても知らないから」
わたしは急いで薪の束をおいて、椅子に戻った。
「言っとくけど、この件の依頼人、すっごくイケすかない奴だから。この間なんか、証拠隠滅のために山崩れまで起こした人だから。本当にひどいことを平気でやる人なのよ?」
一応ヴェルナーの異常さを伝える。
言いながら、なんで味方でもない人にこんなこと教えているんだろうと、わたしは首を捻った。
時々もふさまに頼んでちょっと走り回ってもらい、追いかけたりした。
みんなと情報を共有するための時間稼ぎだ。
『マスター、見慣れない魔力持ちが、近づいてきています』
え?
『すごい速さです』
ええっ? ヴェルナーの手下?
「もふさま、ミニーを守って」
周りを警戒する。
ええっ?
上から降ってきたように降り立ったのは、民族衣装を身に纏っているナムルだった。
「私を呼び出しておいて、呑気に女の子と逢引ですか?」
なぜにこのタイミング?
わたしは掌を突き出した。
「ちょっと待って。今日は都合が悪くて、明日にしてもらえないかしら?」
「こんな僻地に呼び出しておいて、やっとたどり着いた私に待てと?」
「本当に今、取り込んでいて」
スッとナムルが目を細めた。
木の後ろから姿を現したのは、ナイフをこちらに向けた大柄の男だった。
ミニーがヒィーと悲鳴を上げる。
わたしはミニーの前に出る。
「ちんたら何してんだ? あのちっちゃいのがどうなってもいいのか?」
ミニーが後ろで啜り泣いている。
「わたしが目的なんですよね? この子も、小屋に捕らえている子も解放してください。わたしが行きますから」
「駄目だ。お前には油断しないように言われている。お前、そこの小僧もついて来い」
「彼は全く関係ありませんので」
絶対目の前の大柄な大人より、ナムルの方が強い。瘴気を使われても勘弁だし。ナムルがいるとわたしも魔力をあまり使えない。だから、本当にこいつはいてほしくない。
「なぜ言いなりになってるんですか?」
その言葉で、彼にはわたしがこんなことから逃げられる力があると、見越しているのが窺える。
「あなたは関係ないんだから逃げてください。明日仕切り直しで」
小声でナムルに告げた。
「何をごちゃごちゃ言ってやがる。こっちには人質がいるんだぞ?」
わたしはミニーの腕を取り、歩き出す。
うう、後ろにナムルがついてくる。
わたしは震えているミニーと手を繋いでギュッとした。
ミニーがわたしに視線を合わせる。
「ミニー、絶対、大丈夫。守るから」
ミニーは頷く。
「あたしは大丈夫。でもアプリコットが。小さいのに。怖い思いをしてる」
わたしはもう一度繋いだ手をギュッとした。
小屋についた。
男たちはもふさまを追い出そうとしたけれど、尻尾をふりふり横をすり抜けて、わたしとミニーのどちらかの横に来ようとするので、あきらめたみたいだ。
吠えないならいいとかなんとか言って、わたしたちの足と手を縛った。
声なく泣き続けてきたアプリコットはミニーの顔を見て、少しだけ安堵した表情になる。
「ここまで連れてきたんだから、みんなは解放して」
「駄目だ。解放したら誰かに言うだろう? 俺たちの顔も見ているし」
わたしは大きくため息をつく。
「依頼人はここからどうしろって? ここで止めるなら、あなたたちも守ってあげる。自警団に捕まった方が、あなたたち生きていられるわ」
「何言ってやがる!」
「で、どうなの? どんな段取り? ここにヴェルナーが来るの? 来ないの? 何をしてわたしを脅すつもりなの?」
「う、うるさい! 夕方には着くから、待っとけ」
ふたりはわたしたちを残して小屋から出て行った。
アプリコットの目から涙が溢れ出す。
「アプリコット、ごめんね。守るから。アプリコットもミニーもわたしの言うことを聞いて」
アプリコットは涙いっぱいの目で
「ミニーお姉ちゃん」
とミニーを呼んだ。
「大丈夫よ、アプリコット。お嬢さまがいるんだから。お嬢さまの言う通りにしましょう」
「ダメだよ、みんな縛られているのに。どうするの?」
ナムルがいるからやりたくないが仕方ない。
わたしはもふさまには頼らず、手の縄を切った。
収納ポケットからナイフの部分だけを出すようにして手首の縄を切った。
手が自由になったところで、ナイフを取り出して、足も自由にする。
わたしは立ち上がり、アプリコットに微笑む。
「ね。わたしは強いからみんなを守れるわ」
そう言いながら、アプリコットの手と足を自由にし、ミニーの手と足の縄を切る。
ナムルのも切ろうとすると、彼は黒い糸のような物を出して、それで縄を切った。
瘴気、万能だな!
わたしは奥に置かれた薪の束をどかし、そこの小さな穴を土魔法で子供が屈めば通れるぐらいの穴にする。
ふたりの腕を引っ張る。
「いい? もふさまについて、わたしの家に行くの。町外れのわたしの家に行くのよ?」
「リディアは?」
ミニーに腕を取られた。
「わたしは彼らの目的を聞かないとなの。ウチに何か仕掛けるつもりだろうからね」
『リディア、ひとりで大丈夫か?』
わたしはもふさまの目を見てうなずいた。
「あなたも行ってください。ちょっと立て込んでいるので、話し合いは明日で!」
わたしは言い切って、ナムルの背中を押す。
もふさまがアプリコットのスカートの裾を引っ張った。
「リディア、一緒に逃げよう!」
「ミニー、わたしは大丈夫だから。アプリコットのことをお願い」
「……わかった。すぐに助けを呼ぶわ。リディア、気をつけて」
「ミニーたちも気をつけて。もふさまと一緒なら怖いことはないから」
外でガタンと音がした。
ミニーたちは慌てて四つん這いになり、小屋から外に出る。
わたしはナムルも出ていくように手で指示した。
ナムルは戻って椅子に座る。
「ちょっと!」
わたしは小声で抗議する。
「その穴、奴らが戻ってくる前に見えなくしたほうがいいんじゃない?」
「早くあなたも出て」
「君は私の望みを叶えてくれるんだろう? その前に何かあっちゃ困るから。見届けないと」
すっごいいい笑みを浮かべている。
知ってる。ああいう顔してる時って、人って考えを改めない。
「何があっても知らないから」
わたしは急いで薪の束をおいて、椅子に戻った。
「言っとくけど、この件の依頼人、すっごくイケすかない奴だから。この間なんか、証拠隠滅のために山崩れまで起こした人だから。本当にひどいことを平気でやる人なのよ?」
一応ヴェルナーの異常さを伝える。
言いながら、なんで味方でもない人にこんなこと教えているんだろうと、わたしは首を捻った。
42
お気に入りに追加
1,239
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
モブなので思いっきり場外で暴れてみました
雪那 由多
恋愛
やっと卒業だと言うのに婚約破棄だとかそう言うのはもっと人の目のないところでお三方だけでやってくださいませ。
そしてよろしければ私を巻き来ないようにご注意くださいませ。
一応自衛はさせていただきますが悪しからず?
そんなささやかな防衛をして何か問題ありましょうか?
※衝動的に書いたのであげてみました四話完結です。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる