713 / 799
16章 ゴールデン・ロード
第713話 デビュタント①前日
しおりを挟む
「リディアお姉さまーーーっ」
夏服のスカートの裾をはためかせ、パタパタと足音を立てながら、3人の下級生が走ってくる。
息を弾ませながらも笑顔だ。この暑い中。
2年生のA組の娘たちだ。
なぜかわたしは下級生にウケがいい。
アベックス寮と合同で孤児院の慰問に行ってから、異様に懐かれている。
「明日がデビュタントですよね? それも王宮の」
「ええ、そうよ」
と頷けば、お祝いの言葉をくれる。
「おめでとうございます!」
「おめでとうございます」
「ありがとう」
「それなのに、今日学園を休まなかったんですか?」
パーティーが始まるのは午後6時からだ。当日から用意するのでも時間はたっぷりある。けれど王宮で開かれるのは特別ということもあって、準備をするのに今日から学園を休んでいる人もいると聞く。
「ええ、準備は終わっているから」
「お姉さまのデビュー、近くで見られたらいいのに」
わたしは曖昧に微笑んだ。
「お姉さま、白いドレスなんだから、お菓子は程々にしてくださいね」
「そうですよ、おいしそうなお食事も、タレのついたものはダメですよ」
わたしはなぜ下級生に、パーティーでドレスを汚す心配をされているんだろう?
『リディア、ロビンが怒っているようだぞ』
もふさまが顔を上げて、振り返っている。
あ。
第一校舎の前で待ち合わせだったのに、歩道の花壇がきれいだったから、誘われるように思わず歩いてきてしまった。ロビ兄を待ってなくちゃいけなかったのに。
多分こっちに向かっている足音が、雑でイラッとしている感じなのだろう。
「お祝いをありがとう。ドレスは気をつける。ありがとうね。兄が待っているから。またね。ご機嫌よう」
「「「お姉さま、ご機嫌よう」」」
わたしはロビ兄が来る方向に向かって歩き出した。
ユオブリアの社交界シーズンは5月から11月ぐらいまで。今年14歳を迎える、なりたて紳士淑女は、7月から社交界に参加することが許される。女性は社交界デビュー、男性は成人する時に、重きが置かれるかな。
女性は初めて社交界に参加するものだけが許される、真っ白のドレスに身を包んでの参加だ。その中でさらに限られた人たちだけが、王宮のパーティーでのデビュタントとなる。王宮から招待あるものだけが。
わたしはその極品薄チケットを手に入れてしまった。王宮から招待状が送られてきたのだ。親戚の皆さまが、パーティを開いてくださるというので、そこでのデビュタントで全く問題なかったんだけど、王宮のパーティなら余計に箔がつくものだから、大いに利用させてもらうつもりだ。
もふさまやもふもふ軍団を連れていけないのが、哀しいところ。
王宮でのパーティーとなると、お遣いさまであるもふさまも、家でお留守番だ。上の人たちは知っているけど、聖獣とは公けにしていないから。
ロビ兄を視界におさめたわたしは、掌を合わせて謝る。
ロビ兄は勘だっていうけど、感知のスキルみたいのを持っているんじゃないかな。そう離れていなければ、わたしの居場所をすぐに特定するんだよね。
今だってわたしが待ち合わせ場所にいなければ、遅れているのかなと思うのが普通なのに、こちらに向かっているんだから。
「ロビ兄ごめんなさい。花がきれいで見ているうちに……」
成長期の恩恵を余すことなく受け取った上の双子。背の高さは父さまに追いつく勢いだ。細いながらも筋肉がしっかりついている。本来なら今年成人なのだから、相応なのかもしれないけど。ただ15歳の中にいると、かなり大きくて規格外で目立つ。
「リーは身にしみないとダメだよな。お仕置きだ」
「え」
ロビ兄はわたしの背中と膝の後ろをすくい、抱き上げた。
「ちょっ、やだ、おろして!」
「ひとりで行動しない。守れなかったのはリーだよ?」
うーーーーーーーーーーーっ。
3年生にもなって、兄に運ばれるなんて恥ずかしすぎ。
わたしは生徒たちの視線を集めながら、ロビ兄の肩に顔をつけ隠したまま、門まで運ばれたのである。
ロビ兄は涼しい顔だ。ファンがいっぱいいるロビ兄は、注目されることなんて、もうなんとも思わないんだろう。
「どうしたの? 具合悪いのか?」
馬車の前で待っていたアラ兄が、駆け寄ってくる。
「いや、またひとりで行動したから、お仕置きしてたとこ」
アラ兄に、あららという顔で笑われた。
「お嬢さま、ロビンさま、お帰りなさいませ」
御者台のデルから声を掛けられる。
「お迎え、ありがとう。家までよろしくね」
「はい、お嬢さま」
ロビ兄がそのままわたしを馬車の中に入れた。
もふさまが駆けのってくる。
今日が週末であるのがせめてもの慰めだ。
明後日学園が始まる頃には、今日のことなんて誰も覚えていまい。
ロビ兄、アラ兄も馬車に乗り込んで、馬車は静かに走り出した。
ノエルの転移のスキルが安定してからは、移動がとても楽になった。ルームを使って移動しても、ノエルに連れてきてもらったと言えるからだ。
明日のデビュタントの用意も、母さま、セズ、そしてハンナ、エリンに領地のはずれの家でやってもらう予定だ。
ドレスを用意してくださったのは親戚の皆さま。王宮でのお披露目になったので、さらに気合が入り、白糸しか使えない制約の中、さらに糸の種類も指定する徹底ぶりだった。
そのおかげで、とても素敵なドレスを着られることになったんだけどね。
ライラックのおばあさまがこれまた素敵なレースをつけてくださって、ため息が出るほど美しい。ドレスの見分をみんなでしている時に、ノックスさまの指導神獣であり、姉のような立ち位置の空の守護者・フレデリカさまが遊びにきて、ドレスがすっごいきれいだと大興奮。
親戚の皆さまはフレデリカさまと初対面ですっごく驚かれていたけど、あまりにレースから離れないので、ライラックのおばあさまが縁をレースでかがったご自分のハンカチを、使ったことのあるものだけれど、これでよかったらと差し出したら、大喜び。それで、このドレスに〝空の粉〟なるものを振りかけてくださって。なんかよくわからないけど、この真っ白のドレス。そんじょそこらの白さではなく、けれどどこかキラキラして見えるのだ。
わたし自身目立つことは好きではないけれど、今回は広告塔だから、いくらでもでばってやるぜーの気持ちでいる。
もふさまを心配して、他の聖獣が人族の友達というわたしをチェックしにきたように、ノックスさまを心配したフレデリカさまがわたしの様子を見に来た。やはり、食事とスイーツを楽しまれ、リンスをご所望で。満足して帰っていただけたのかな、と思う。その後から、ノックスさま同様、ふらりと飛んで遊びに来る。
さて、お姿だが。わたしには真っ白の小鳥さん、シマエナガに見える。もこもこボディーにまんまる瞳。手のひらで包めるサイズ。
そんな小さいフレデリカさまに火を纏った馬サイズのノックスさまが姉上と呼びへーこらする情景は、とても可愛らしく……でも頭の中で何かが崩壊する。
夏服のスカートの裾をはためかせ、パタパタと足音を立てながら、3人の下級生が走ってくる。
息を弾ませながらも笑顔だ。この暑い中。
2年生のA組の娘たちだ。
なぜかわたしは下級生にウケがいい。
アベックス寮と合同で孤児院の慰問に行ってから、異様に懐かれている。
「明日がデビュタントですよね? それも王宮の」
「ええ、そうよ」
と頷けば、お祝いの言葉をくれる。
「おめでとうございます!」
「おめでとうございます」
「ありがとう」
「それなのに、今日学園を休まなかったんですか?」
パーティーが始まるのは午後6時からだ。当日から用意するのでも時間はたっぷりある。けれど王宮で開かれるのは特別ということもあって、準備をするのに今日から学園を休んでいる人もいると聞く。
「ええ、準備は終わっているから」
「お姉さまのデビュー、近くで見られたらいいのに」
わたしは曖昧に微笑んだ。
「お姉さま、白いドレスなんだから、お菓子は程々にしてくださいね」
「そうですよ、おいしそうなお食事も、タレのついたものはダメですよ」
わたしはなぜ下級生に、パーティーでドレスを汚す心配をされているんだろう?
『リディア、ロビンが怒っているようだぞ』
もふさまが顔を上げて、振り返っている。
あ。
第一校舎の前で待ち合わせだったのに、歩道の花壇がきれいだったから、誘われるように思わず歩いてきてしまった。ロビ兄を待ってなくちゃいけなかったのに。
多分こっちに向かっている足音が、雑でイラッとしている感じなのだろう。
「お祝いをありがとう。ドレスは気をつける。ありがとうね。兄が待っているから。またね。ご機嫌よう」
「「「お姉さま、ご機嫌よう」」」
わたしはロビ兄が来る方向に向かって歩き出した。
ユオブリアの社交界シーズンは5月から11月ぐらいまで。今年14歳を迎える、なりたて紳士淑女は、7月から社交界に参加することが許される。女性は社交界デビュー、男性は成人する時に、重きが置かれるかな。
女性は初めて社交界に参加するものだけが許される、真っ白のドレスに身を包んでの参加だ。その中でさらに限られた人たちだけが、王宮のパーティーでのデビュタントとなる。王宮から招待あるものだけが。
わたしはその極品薄チケットを手に入れてしまった。王宮から招待状が送られてきたのだ。親戚の皆さまが、パーティを開いてくださるというので、そこでのデビュタントで全く問題なかったんだけど、王宮のパーティなら余計に箔がつくものだから、大いに利用させてもらうつもりだ。
もふさまやもふもふ軍団を連れていけないのが、哀しいところ。
王宮でのパーティーとなると、お遣いさまであるもふさまも、家でお留守番だ。上の人たちは知っているけど、聖獣とは公けにしていないから。
ロビ兄を視界におさめたわたしは、掌を合わせて謝る。
ロビ兄は勘だっていうけど、感知のスキルみたいのを持っているんじゃないかな。そう離れていなければ、わたしの居場所をすぐに特定するんだよね。
今だってわたしが待ち合わせ場所にいなければ、遅れているのかなと思うのが普通なのに、こちらに向かっているんだから。
「ロビ兄ごめんなさい。花がきれいで見ているうちに……」
成長期の恩恵を余すことなく受け取った上の双子。背の高さは父さまに追いつく勢いだ。細いながらも筋肉がしっかりついている。本来なら今年成人なのだから、相応なのかもしれないけど。ただ15歳の中にいると、かなり大きくて規格外で目立つ。
「リーは身にしみないとダメだよな。お仕置きだ」
「え」
ロビ兄はわたしの背中と膝の後ろをすくい、抱き上げた。
「ちょっ、やだ、おろして!」
「ひとりで行動しない。守れなかったのはリーだよ?」
うーーーーーーーーーーーっ。
3年生にもなって、兄に運ばれるなんて恥ずかしすぎ。
わたしは生徒たちの視線を集めながら、ロビ兄の肩に顔をつけ隠したまま、門まで運ばれたのである。
ロビ兄は涼しい顔だ。ファンがいっぱいいるロビ兄は、注目されることなんて、もうなんとも思わないんだろう。
「どうしたの? 具合悪いのか?」
馬車の前で待っていたアラ兄が、駆け寄ってくる。
「いや、またひとりで行動したから、お仕置きしてたとこ」
アラ兄に、あららという顔で笑われた。
「お嬢さま、ロビンさま、お帰りなさいませ」
御者台のデルから声を掛けられる。
「お迎え、ありがとう。家までよろしくね」
「はい、お嬢さま」
ロビ兄がそのままわたしを馬車の中に入れた。
もふさまが駆けのってくる。
今日が週末であるのがせめてもの慰めだ。
明後日学園が始まる頃には、今日のことなんて誰も覚えていまい。
ロビ兄、アラ兄も馬車に乗り込んで、馬車は静かに走り出した。
ノエルの転移のスキルが安定してからは、移動がとても楽になった。ルームを使って移動しても、ノエルに連れてきてもらったと言えるからだ。
明日のデビュタントの用意も、母さま、セズ、そしてハンナ、エリンに領地のはずれの家でやってもらう予定だ。
ドレスを用意してくださったのは親戚の皆さま。王宮でのお披露目になったので、さらに気合が入り、白糸しか使えない制約の中、さらに糸の種類も指定する徹底ぶりだった。
そのおかげで、とても素敵なドレスを着られることになったんだけどね。
ライラックのおばあさまがこれまた素敵なレースをつけてくださって、ため息が出るほど美しい。ドレスの見分をみんなでしている時に、ノックスさまの指導神獣であり、姉のような立ち位置の空の守護者・フレデリカさまが遊びにきて、ドレスがすっごいきれいだと大興奮。
親戚の皆さまはフレデリカさまと初対面ですっごく驚かれていたけど、あまりにレースから離れないので、ライラックのおばあさまが縁をレースでかがったご自分のハンカチを、使ったことのあるものだけれど、これでよかったらと差し出したら、大喜び。それで、このドレスに〝空の粉〟なるものを振りかけてくださって。なんかよくわからないけど、この真っ白のドレス。そんじょそこらの白さではなく、けれどどこかキラキラして見えるのだ。
わたし自身目立つことは好きではないけれど、今回は広告塔だから、いくらでもでばってやるぜーの気持ちでいる。
もふさまを心配して、他の聖獣が人族の友達というわたしをチェックしにきたように、ノックスさまを心配したフレデリカさまがわたしの様子を見に来た。やはり、食事とスイーツを楽しまれ、リンスをご所望で。満足して帰っていただけたのかな、と思う。その後から、ノックスさま同様、ふらりと飛んで遊びに来る。
さて、お姿だが。わたしには真っ白の小鳥さん、シマエナガに見える。もこもこボディーにまんまる瞳。手のひらで包めるサイズ。
そんな小さいフレデリカさまに火を纏った馬サイズのノックスさまが姉上と呼びへーこらする情景は、とても可愛らしく……でも頭の中で何かが崩壊する。
108
お気に入りに追加
1,228
あなたにおすすめの小説
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
【完結】復讐は計画的に~不貞の子を身籠った彼女と殿下の子を身籠った私
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
公爵令嬢であるミリアは、スイッチ国王太子であるウィリアムズ殿下と婚約していた。
10年に及ぶ王太子妃教育も終え、学園卒業と同時に結婚予定であったが、卒業パーティーで婚約破棄を言い渡されてしまう。
婚約者の彼の隣にいたのは、同じ公爵令嬢であるマーガレット様。
その場で、マーガレット様との婚約と、マーガレット様が懐妊したことが公表される。
それだけでも驚くミリアだったが、追い討ちをかけるように不貞の疑いまでかけられてしまいーーーー?
【作者よりみなさまへ】
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
どーでもいいからさっさと勘当して
水
恋愛
とある侯爵貴族、三兄妹の真ん中長女のヒルディア。優秀な兄、可憐な妹に囲まれた彼女の人生はある日をきっかけに転機を迎える。
妹に婚約者?あたしの婚約者だった人?
姉だから妹の幸せを祈って身を引け?普通逆じゃないっけ。
うん、まあどーでもいいし、それならこっちも好き勝手にするわ。
※ザマアに期待しないでください
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
【書籍化決定】断罪後の悪役令嬢に転生したので家事に精を出します。え、野獣に嫁がされたのに魔法が解けるんですか?
氷雨そら
恋愛
皆さまの応援のおかげで、書籍化決定しました!
気がつくと怪しげな洋館の前にいた。後ろから私を乱暴に押してくるのは、攻略対象キャラクターの兄だった。そこで私は理解する。ここは乙女ゲームの世界で、私は断罪後の悪役令嬢なのだと、
「お前との婚約は破棄する!」というお約束台詞が聞けなかったのは残念だったけれど、このゲームを私がプレイしていた理由は多彩な悪役令嬢エンディングに惚れ込んだから。
しかも、この洋館はたぶんまだ見ぬプレミアム裏ルートのものだ。
なぜか、新たな婚約相手は現れないが、汚れた洋館をカリスマ家政婦として働いていた経験を生かしてぴかぴかにしていく。
そして、数日後私の目の前に現れたのはモフモフの野獣。そこは「野獣公爵断罪エンド!」だった。理想のモフモフとともに、断罪後の悪役令嬢は幸せになります!
✳︎ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる