692 / 776
15章 あなたとわたし
第692話 はかられごと⑤嘘でしょ?
しおりを挟む
「ここ、どこだろうね?」
暗いのも手伝って、街並みを見ても、どこに連れてこられたのかわからない。
探索マップを出してみたけど、やっぱり今歩いてきたところが表示されるだけだし、それも長く記録されていない。王都のどこかだとは思うけど、これでは特定できない。
「どこだろうねぇ?」
アダムはクスッと笑う。
捕らえられたというアダムらしくない失態をしたからか、様子がちょっと変。
何がおかしいのか??
でもそれほどテンパっているのかも。
「……大丈夫だよ、なかなかアダムが来なかったら、トルマリンさんが不思議に思って王宮に問い合わせるだろうし、裏門の騎士たちがわたしたちを覚えているだろうから、すぐに見つけてもらえる」
そう言うと、アダムは穏やかに微笑んだ。
「それより、戻らなくて、兄さまが心配しているだろうな」
「……フランツが?」
ん? 幾分、過剰反応のような気がしたが、わたしは頷く。
「……ああ、そういうことか。秘事は睫……」
アダムの顔から表情が消えていく。
「あ」
唐突に思い出して、声をあげれば、アダムが驚く。
「え?」
「クラッシャーくん、呼び出すね」
「……クラッシャーくん?」
「あれ、話してなかったっけ? 今日も魔封じの腕輪の魔具壊したでしょ」
そこまで言って、わたしは大変なことを思い出した。
アガサ王女から恐らく陛下に渡っただろうクラッシャーくん、返してもらってなかった!
「ああ、収納袋か……」
アダムがひとりごちる。
「あああああー、陛下から返してもらってないや」
魔力封じられているの、すっごく困るんだけど。
「持ってても収納袋も呼び出せないし、この魔遮断は生半可なことじゃ壊せないから、落ち込まないで」
アダムから変なフォローが入る。
え? 収納袋を引き寄せられない?
え、本当だ。魔力が封じられようが、収納袋は所有権によって引き寄せることができるだけだから、関係ないはずなのに。
収納ポケットもダメだ。
「な、なんで?」
「さぁ。所有権のある袋を呼び寄せられない、そういう遮断する方法もあるみたいだね。高度な魔具だ」
アダムは大したことじゃないように、サラリと言った。
収納袋や収納ポケットが呼び出せないって、めちゃくちゃ不安だ。
魔力も封じられ、収納袋からアイテムも取り出せない。本当に身ひとつの状態なんだ……。
「君、そんな魔具持ってたんだね」
「ほら、わたし、魔力を逃していないと、死んじゃうから。魔を封じられるより、封じられて逃せないことの方が怖いの。だから必需品なんだ。1日ぐらいなら平気だけど、まずいな」
早いところお城に戻りたい。
「アダム、どうやってお城に帰る? 明るくなるまで待つ?」
「……君との逃亡劇を楽しもうかと思ったんだけど、気になることができちゃったな」
「気になること?」
アダムが立ち止まる。
「君は私との婚約を解消するつもり?」
アダムは首を傾げる。
「そりゃ、元々この件が解決するまでのことだったし」
「私は君を伴侶としたい。君の望むものはなんでも手に入れると約束する。君が王妃になりたいと言うのなら、王にもなろう」
「ちょっとどうしちゃったの、アダム。何言ってんの? アダムはわたしを好きじゃないでしょ?」
「私は生まれた時から君を好きだった。愛してる」
真面目な顔つきだ。
ちょっと、どうしちゃったの、アダムってば。
生まれた時からってそれ早すぎ。会ってないじゃん。なんかの冗談?
「嘘、でしょ?」
「ブレドが好きなの? それともまだフランツを?」
わたしの顔を見ながら、そこまで聞いて眉を寄せた。
「……やっぱり、フランツは邪魔だな」
え?
「ちょっと、アダム?」
「君の望みをなんでも叶えてあげる。でも君は私の隣にいないと。他の場所は危険だからね」
両腕を掴まれる。なぜか、ゾッとした。
「何言ってるの? アダム変だよ?」
「変なのは君だよ。自由にさせすぎた。自由な君を見るのは楽しかったけれど、やっぱり独占したくなった」
「な、何の話?」
なんだか恐ろしくなってきて、わたしはあとずさった。
グッと引き寄せられる。
え?
今、唇が合わさった?
目の前の人は極上に微笑んだ。
「どんぐりまなこ、だね。ロマンチックなのは、また今度。今は、魔力を吹き込ませてもらったよ」
え?
パニックだ。口が合わさったのもびっくりだけど、魔力を吹き込んだって何? なんで魔封じの魔具をつけられているのに、魔力を出せるの?
ぐるぐると思考が巡る。
ひとつ、何かおかしいと思えば、追随して思い出されてくる。
……眠らされ捕まり、魔力は封じられていたけれど、自由に動けたのはなぜ? 手足が自由だったのは……。それは目の前のこの人が、アイラ側の人間だから。
たびたびあった違和感。
アダムじゃない。
「……あなた、影ね?」
見分けがつかないぐらいアダムそっくりだけど、目の前の人はわたしの知ってるアダムじゃない。傍若無人ではあるけれど、アダムは人の気持ちを無視するような人じゃないもの。
「アイリーン」
アダムに似た誰かがアイラを呼ぶ。
アイラと偽アダムは繋がっていた。
「ここにおります」
暗がりの中からアイラが現れる。
「リディアを部屋に。そしてそこから出すな。決して傷つけるでないぞ? 髪一本でも傷つけたら命はないと思え」
「承知いたしました」
「ちょっと、あんた何する気?」
「邪魔者は消しておかないと」
え……。
「ちょっと待って。邪魔者って」
「そう、君の大切な人、フランツだよ。あれも、しぶといね。いずれ出生の件で消えるから放っておこうと思ったけど、君の表情みたら我慢ならなくなった。大人しくここで待ってて」
「出生の件って、あんたがやったの? あんたがキリアン伯を唆したり、変な噂をばらまいたの? けしかけたの?」
「君、その短絡思考は直した方がいいよ。私はあんな杜撰な計画を立てたりしない。やるなら一分の隙もなく完璧にやるよ。あまりにも決定打にいつも欠けてるから、私はちょっと補ってあげただけ」
偽アダムがニヤッと笑った。
本気だ。引き止めなきゃ。
影のひとりなら、アダムと同様、魔力がとんでもなく高いだろう。
「アハハ」
影が突然笑い声をあげた。
「引き止めようと、必死に考えている顔だ。報告にあったように、本当に全て顔に出るんだね」
影は曲げた人差し指の背を口にあて、少し考える。
「やっぱり、フランツは消しておこう。君、変なこと考えそうだから」
そう身を翻す。
「待って!」
影を止めようとしたら、手を持って邪魔される。アイラだ。
「離して」
「リディアさまじゃ追いつけないし、止められませんよ。暴れるなら、眠らせます」
ポケットから魔具みたいのを取り出した。眠らせることのできる、何かなのだろう。眠らされたら、何もできない。わたしは唇をかみしめた。
アイラに引っ張られて、民家に入る。中は明かりがついていたけど、誰もいなかった。
「アイラはあの影の勢力なのね?」
暗いのも手伝って、街並みを見ても、どこに連れてこられたのかわからない。
探索マップを出してみたけど、やっぱり今歩いてきたところが表示されるだけだし、それも長く記録されていない。王都のどこかだとは思うけど、これでは特定できない。
「どこだろうねぇ?」
アダムはクスッと笑う。
捕らえられたというアダムらしくない失態をしたからか、様子がちょっと変。
何がおかしいのか??
でもそれほどテンパっているのかも。
「……大丈夫だよ、なかなかアダムが来なかったら、トルマリンさんが不思議に思って王宮に問い合わせるだろうし、裏門の騎士たちがわたしたちを覚えているだろうから、すぐに見つけてもらえる」
そう言うと、アダムは穏やかに微笑んだ。
「それより、戻らなくて、兄さまが心配しているだろうな」
「……フランツが?」
ん? 幾分、過剰反応のような気がしたが、わたしは頷く。
「……ああ、そういうことか。秘事は睫……」
アダムの顔から表情が消えていく。
「あ」
唐突に思い出して、声をあげれば、アダムが驚く。
「え?」
「クラッシャーくん、呼び出すね」
「……クラッシャーくん?」
「あれ、話してなかったっけ? 今日も魔封じの腕輪の魔具壊したでしょ」
そこまで言って、わたしは大変なことを思い出した。
アガサ王女から恐らく陛下に渡っただろうクラッシャーくん、返してもらってなかった!
「ああ、収納袋か……」
アダムがひとりごちる。
「あああああー、陛下から返してもらってないや」
魔力封じられているの、すっごく困るんだけど。
「持ってても収納袋も呼び出せないし、この魔遮断は生半可なことじゃ壊せないから、落ち込まないで」
アダムから変なフォローが入る。
え? 収納袋を引き寄せられない?
え、本当だ。魔力が封じられようが、収納袋は所有権によって引き寄せることができるだけだから、関係ないはずなのに。
収納ポケットもダメだ。
「な、なんで?」
「さぁ。所有権のある袋を呼び寄せられない、そういう遮断する方法もあるみたいだね。高度な魔具だ」
アダムは大したことじゃないように、サラリと言った。
収納袋や収納ポケットが呼び出せないって、めちゃくちゃ不安だ。
魔力も封じられ、収納袋からアイテムも取り出せない。本当に身ひとつの状態なんだ……。
「君、そんな魔具持ってたんだね」
「ほら、わたし、魔力を逃していないと、死んじゃうから。魔を封じられるより、封じられて逃せないことの方が怖いの。だから必需品なんだ。1日ぐらいなら平気だけど、まずいな」
早いところお城に戻りたい。
「アダム、どうやってお城に帰る? 明るくなるまで待つ?」
「……君との逃亡劇を楽しもうかと思ったんだけど、気になることができちゃったな」
「気になること?」
アダムが立ち止まる。
「君は私との婚約を解消するつもり?」
アダムは首を傾げる。
「そりゃ、元々この件が解決するまでのことだったし」
「私は君を伴侶としたい。君の望むものはなんでも手に入れると約束する。君が王妃になりたいと言うのなら、王にもなろう」
「ちょっとどうしちゃったの、アダム。何言ってんの? アダムはわたしを好きじゃないでしょ?」
「私は生まれた時から君を好きだった。愛してる」
真面目な顔つきだ。
ちょっと、どうしちゃったの、アダムってば。
生まれた時からってそれ早すぎ。会ってないじゃん。なんかの冗談?
「嘘、でしょ?」
「ブレドが好きなの? それともまだフランツを?」
わたしの顔を見ながら、そこまで聞いて眉を寄せた。
「……やっぱり、フランツは邪魔だな」
え?
「ちょっと、アダム?」
「君の望みをなんでも叶えてあげる。でも君は私の隣にいないと。他の場所は危険だからね」
両腕を掴まれる。なぜか、ゾッとした。
「何言ってるの? アダム変だよ?」
「変なのは君だよ。自由にさせすぎた。自由な君を見るのは楽しかったけれど、やっぱり独占したくなった」
「な、何の話?」
なんだか恐ろしくなってきて、わたしはあとずさった。
グッと引き寄せられる。
え?
今、唇が合わさった?
目の前の人は極上に微笑んだ。
「どんぐりまなこ、だね。ロマンチックなのは、また今度。今は、魔力を吹き込ませてもらったよ」
え?
パニックだ。口が合わさったのもびっくりだけど、魔力を吹き込んだって何? なんで魔封じの魔具をつけられているのに、魔力を出せるの?
ぐるぐると思考が巡る。
ひとつ、何かおかしいと思えば、追随して思い出されてくる。
……眠らされ捕まり、魔力は封じられていたけれど、自由に動けたのはなぜ? 手足が自由だったのは……。それは目の前のこの人が、アイラ側の人間だから。
たびたびあった違和感。
アダムじゃない。
「……あなた、影ね?」
見分けがつかないぐらいアダムそっくりだけど、目の前の人はわたしの知ってるアダムじゃない。傍若無人ではあるけれど、アダムは人の気持ちを無視するような人じゃないもの。
「アイリーン」
アダムに似た誰かがアイラを呼ぶ。
アイラと偽アダムは繋がっていた。
「ここにおります」
暗がりの中からアイラが現れる。
「リディアを部屋に。そしてそこから出すな。決して傷つけるでないぞ? 髪一本でも傷つけたら命はないと思え」
「承知いたしました」
「ちょっと、あんた何する気?」
「邪魔者は消しておかないと」
え……。
「ちょっと待って。邪魔者って」
「そう、君の大切な人、フランツだよ。あれも、しぶといね。いずれ出生の件で消えるから放っておこうと思ったけど、君の表情みたら我慢ならなくなった。大人しくここで待ってて」
「出生の件って、あんたがやったの? あんたがキリアン伯を唆したり、変な噂をばらまいたの? けしかけたの?」
「君、その短絡思考は直した方がいいよ。私はあんな杜撰な計画を立てたりしない。やるなら一分の隙もなく完璧にやるよ。あまりにも決定打にいつも欠けてるから、私はちょっと補ってあげただけ」
偽アダムがニヤッと笑った。
本気だ。引き止めなきゃ。
影のひとりなら、アダムと同様、魔力がとんでもなく高いだろう。
「アハハ」
影が突然笑い声をあげた。
「引き止めようと、必死に考えている顔だ。報告にあったように、本当に全て顔に出るんだね」
影は曲げた人差し指の背を口にあて、少し考える。
「やっぱり、フランツは消しておこう。君、変なこと考えそうだから」
そう身を翻す。
「待って!」
影を止めようとしたら、手を持って邪魔される。アイラだ。
「離して」
「リディアさまじゃ追いつけないし、止められませんよ。暴れるなら、眠らせます」
ポケットから魔具みたいのを取り出した。眠らせることのできる、何かなのだろう。眠らされたら、何もできない。わたしは唇をかみしめた。
アイラに引っ張られて、民家に入る。中は明かりがついていたけど、誰もいなかった。
「アイラはあの影の勢力なのね?」
101
お気に入りに追加
1,199
あなたにおすすめの小説
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
嫌われ者の【白豚令嬢】の巻き戻り。二度目の人生は失敗しませんわ!
大福金
ファンタジー
コミカライズスタートしました♡♡作画は甲羅まる先生です。
目が覚めると私は牢屋で寝ていた。意味が分からない……。
どうやら私は何故か、悪事を働き処刑される寸前の白豚令嬢【ソフィア・グレイドル】に生まれ変わっていた。
何で?そんな事が?
処刑台の上で首を切り落とされる寸前で神様がいきなり現れ、『魂を入れる体を間違えた』と言われた。
ちょっと待って?!
続いて神様は、追い打ちをかける様に絶望的な言葉を言った。
魂が体に定着し、私はソフィア・グレイドルとして生きるしかない
と……
え?
この先は首を切り落とされ死ぬだけですけど?
神様は五歳から人生をやり直して見ないかと提案してくれた。
お詫びとして色々なチート能力も付けてくれたし?
このやり直し!絶対に成功させて幸せな老後を送るんだから!
ソフィアに待ち受ける数々のフラグをへし折り時にはザマァしてみたり……幸せな未来の為に頑張ります。
そんな新たなソフィアが皆から知らない内に愛されて行くお話。
実はこの世界、主人公ソフィアは全く知らないが、乙女ゲームの世界なのである。
ヒロインも登場しイベントフラグが立ちますが、ソフィアは知らずにゲームのフラグをも力ずくでへし折ります。
本の虫令嬢は幼馴染に夢中な婚約者に愛想を尽かす
初瀬 叶
恋愛
『本の虫令嬢』
こんな通り名がつく様になったのは、いつの頃からだろうか?……もう随分前の事で忘れた。
私、マーガレット・ロビーには婚約者が居る。幼い頃に決められた婚約者、彼の名前はフェリックス・ハウエル侯爵令息。彼は私より二つ歳上の十九歳。いや、もうすぐ二十歳か。まだ新人だが、近衛騎士として王宮で働いている。
私は彼との初めての顔合せの時を思い出していた。あれはもう十年前だ。
『お前がマーガレットか。僕の名はフェリックスだ。僕は侯爵の息子、お前は伯爵の娘だから『フェリックス様』と呼ぶように」
十歳のフェリックス様から高圧的にそう言われた。まだ七つの私はなんだか威張った男の子だな……と思ったが『わかりました。フェリックス様』と素直に返事をした。
そして続けて、
『僕は将来立派な近衛騎士になって、ステファニーを守る。これは約束なんだ。だからお前よりステファニーを優先する事があっても文句を言うな』
挨拶もそこそこに彼の口から飛び出したのはこんな言葉だった。
※中世ヨーロッパ風のお話ですが私の頭の中の異世界のお話です
※史実には則っておりませんのでご了承下さい
※相変わらずのゆるふわ設定です
何でも欲しがる妹が、私が愛している人を奪うと言い出しました。でもその方を愛しているのは、私ではなく怖い侯爵令嬢様ですよ?
柚木ゆず
ファンタジー
「ふ~ん。レナエルはオーガスティン様を愛していて、しかもわたくし達に内緒で交際をしていましたのね」
姉レナエルのものを何でも欲しがる、ニーザリア子爵家の次女ザラ。彼女はレナエルのとある寝言を聞いたことによりそう確信し、今まで興味がなかったテデファリゼ侯爵家の嫡男オーガスティンに好意を抱くようになりました。
「ふふ。貴方が好きな人は、もらいますわ」
そのためザラは自身を溺愛する両親に頼み、レナエルを自室に軟禁した上でアプローチを始めるのですが――。そういった事実はなく、それは大きな勘違いでした。
オーガスティンを愛しているのは姉レナエルではなく、恐ろしい性質を持った侯爵令嬢マリーで――。
※全体で見た場合恋愛シーンよりもその他のシーンが多いため、2月11日に恋愛ジャンルからファンタジージャンルへの変更を行わせていただきました(内容に変更はございません)。
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
あなたが私をいらないと言ったから。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる