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15章 あなたとわたし
第672話 彼女のはかりごと⑦チェンジ
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「あたくしは誓って、リディアさまをお守りします。ですから、あたくしを頼ってください。……恋のお悩みでもなんでもいいですわ。ひとつ不思議でしたの。リディアさまは第1王子殿下とご婚約されるんですよね? でも第2王子殿下との方が仲良く思えます。何かあったんですか? お元気がないのは、そのことがリディアさまを悩ませているのではありませんか?」
メラノ公と繋がってないのに、パートナーチェンジを嗅ぎつけてる?
ここは慎重にいかないとね。
アダムとわたしは婚約式を済ませている。陛下も認めた。
けれど議会からの反対にあい、民衆への発表は保留になっている。その理由としてはわたしが猫なこと。それからわたしの悪評の噂について、わたしからの釈明がない点。それが納得できる話なら、民衆にも大々的にお披露目するということになっている。議会は、婚約式を非公式に済ませたことまで知っていて。一般貴族は、わたしたちが婚約したがっていると思っていることだろう。
「ゴットさまは、近頃、冷たいわ。冷たいとは言い過ぎね。温情を下さるけれど、お言葉だけだわ。でもロサさまは一緒にいてくれますの。大変でしたねと、労ってくださったわ」
頷くそぶりで、口の端を思い切りあげるアイラ。
顔をあげた時はすまし顔だ。
ベッドを覆うカーテンは外からは見えにくいけど、中からはけっこうよく見えるのだ。
「リディアさま。これはここだけのあたくしの戯言ですけど、リディアさまには第2王子殿下がお似合いだと思います」
アイラは、わたしがロサと婚約すればいいと思ってる? それなら……
「ロサさまは王太子と噂される方よ。わたしはもう獣憑きだもの、王太子の婚約者にはなれないわ。……それに、ゴットさまと婚約式をあげたそうだもの」
「そんなのはどうとでもなります! 獣憑きではなく、呪術で姿を変えられただけとすればいいし、猫の時の記憶はないのですよね? でしたらその婚約式は無効なのでは?」
アダムとロサもパートナーチェンジする場合、わたしの変化した時の記憶がないということで、婚約式は無効と突っぱねられると言っていた。
「だから、大事なのは、リディアさまのお気持ちです。どなたをお慕いしているんですか? あたくしは味方です。リディアさまが望むようにして差し上げますから、どうぞ、気持ちを言ってください」
……なんだって王族の絡む婚姻なのに、アイラが望むようにできるんだ?
いや、意地悪な目で見過ぎだね。アイラはわたしの心を軽くするため、味方アピールをするために、深く考えずに言ってるだけなのだろうから。
これ以上は何か言うと危険だ。みんなにもう少し先の方向性を相談してからだ。
「……ありがとう。疲れたみたい、少し休むわ」
そう告げると、アイラは微かに眉根を寄せ、慌てて優しい顔を作り直した。
「解呪の疲れがまだ残っているのですね。もうすぐ、心から安らげるようになります。失礼しますね」
そう言って、カーテンから入り込み、わたしに布団をかけ直す。
レオがわたしの髪の中に潜り込んだ。
「うわー、ふわふわのお布団ですね。同じ王宮なのに、あたくしの部屋のものとはまるで違います」
そう言って、布団の中に手が入ってきたので、めちゃくちゃびっくりした。
腕の部分の、部屋着を触ってきた。
わたしが驚いたのが伝わったのだろう。もふさまも顔をあげる。
「部屋着も段違いにいいものなんですね。……リディアさまは伯爵令嬢なのに。そうか、王族の婚約者だから、……お召し物も、お布団も、いいものなんですね」
いや、これは全部自前だけど。ちょっと雰囲気が怖いので言いそびれる。
「リディアさま、いいなぁ」
ビー玉みたいに無機質な瞳。
呟かれた言葉に、鳥肌が立った。
生唾を飲み込む。
「か、解呪のお礼に、同じものを部屋に届けさせるわ」
アイラは胸の前で両手を合わせた。
「本当ですか? 嬉しいです。ありがとうございます。リディアさま」
そして熱に浮かされたように、独りごちる。
「伯爵令嬢でこれなら、公爵令嬢ならもっと凄いのかしら?」
え?
「リディアさま。リディアさまはリディアさまで可愛らしいと思いますけど、わたしはコーデリアお嬢さまのお顔が好きです」
な、何言ってるの、この人。
「……メロディー公爵令嬢をお見かけしたことがあるの?」
思わず尋ねれば、アイラは一瞬しまったという顔をする。
「ええ、遠目でですけど、華奢で可愛らしくて、身分もお持ちで。まさに理想を絵に描いたような方だと思いました。それなのに、第1王子殿下の婚約者から降りるなんて、意味がわからないわ」
「え?」
アイラはにっこりと笑った。
「さぁ、おやすみになってください。あたくしも隣の部屋に行きますから。ベルを置いておきます。ご用がおありの時は鳴らしてください」
そう言って出て行った。慌ててレオがついていく。
わたしはベッドから起き上がる。
「何、今の……」
小さい声で呟くと、もふさまが子犬のようにくーんと鳴いた。
わたしはアイラに対する認識を改めた。あれは〝ヤバイ〟。
なんかわからないけど、わたしが知っているアイラよりさらに〝ヤバイ〟生き物だ。
アイラはメロディー嬢を知っている。
ガインは次にメロディー嬢がわたしたちの前に現れた時、もう彼女ではないだろうと言っていた。イコール、乗っ取られるってことだと思う。
それは呪術師集団がやるのだろうと思っていたし、アイラが呪術師集団のひとりだってことはわかっていたのに、今、軽くショックを受けている。
……深読みかもしれないけど、あのアイラの発言は、メロディー嬢に乗り移りたいって聞こえなかった?
メロディー嬢の行方は、探している最中だ。
呪術師集団の所へ偵察に行ったもふもふ軍団に、アダムはメロディー嬢を知っているかを尋ねた。リディアに悪さしてきたやつだなと軍団が答えれば苦笑いになっていたけれど、その令嬢は集団のところにいたか?と聞かれ、もふもふ軍団はいないと言った。
ガインの情報によれば、メロディー嬢は乗っ取られ始めていそうだったから、呪術師のところにいたんだと思う。けれど、もふもふ軍団が行ったときはいなかった。アダムも人を使って探しているみたいだけど、見つけられないので、ガインに依頼をかけると言っていた。
わたしも伝達魔法でアダムに報告をする。いましがたのアイラの言動を。
深読みかもしれないけど、アイラはメロディー嬢に乗り移りたがっている気がすると。
わたしはもふさまに、レオから何か聞いたかを尋ね、ふたりでご飯にした。
アイラのいるところでは食べ物を口にしたくないからね。ちなみに、新情報はなかった。
午後も、アイラだけでなく、サマリン伯とも話をしなくちゃだ。
最後に彼はバイエルン侯の名を口にした。一体なんだろう?
考えてもわかることはもうない。後は当たって砕けろね。
……いや、砕けるのは嫌だけど。
メラノ公と繋がってないのに、パートナーチェンジを嗅ぎつけてる?
ここは慎重にいかないとね。
アダムとわたしは婚約式を済ませている。陛下も認めた。
けれど議会からの反対にあい、民衆への発表は保留になっている。その理由としてはわたしが猫なこと。それからわたしの悪評の噂について、わたしからの釈明がない点。それが納得できる話なら、民衆にも大々的にお披露目するということになっている。議会は、婚約式を非公式に済ませたことまで知っていて。一般貴族は、わたしたちが婚約したがっていると思っていることだろう。
「ゴットさまは、近頃、冷たいわ。冷たいとは言い過ぎね。温情を下さるけれど、お言葉だけだわ。でもロサさまは一緒にいてくれますの。大変でしたねと、労ってくださったわ」
頷くそぶりで、口の端を思い切りあげるアイラ。
顔をあげた時はすまし顔だ。
ベッドを覆うカーテンは外からは見えにくいけど、中からはけっこうよく見えるのだ。
「リディアさま。これはここだけのあたくしの戯言ですけど、リディアさまには第2王子殿下がお似合いだと思います」
アイラは、わたしがロサと婚約すればいいと思ってる? それなら……
「ロサさまは王太子と噂される方よ。わたしはもう獣憑きだもの、王太子の婚約者にはなれないわ。……それに、ゴットさまと婚約式をあげたそうだもの」
「そんなのはどうとでもなります! 獣憑きではなく、呪術で姿を変えられただけとすればいいし、猫の時の記憶はないのですよね? でしたらその婚約式は無効なのでは?」
アダムとロサもパートナーチェンジする場合、わたしの変化した時の記憶がないということで、婚約式は無効と突っぱねられると言っていた。
「だから、大事なのは、リディアさまのお気持ちです。どなたをお慕いしているんですか? あたくしは味方です。リディアさまが望むようにして差し上げますから、どうぞ、気持ちを言ってください」
……なんだって王族の絡む婚姻なのに、アイラが望むようにできるんだ?
いや、意地悪な目で見過ぎだね。アイラはわたしの心を軽くするため、味方アピールをするために、深く考えずに言ってるだけなのだろうから。
これ以上は何か言うと危険だ。みんなにもう少し先の方向性を相談してからだ。
「……ありがとう。疲れたみたい、少し休むわ」
そう告げると、アイラは微かに眉根を寄せ、慌てて優しい顔を作り直した。
「解呪の疲れがまだ残っているのですね。もうすぐ、心から安らげるようになります。失礼しますね」
そう言って、カーテンから入り込み、わたしに布団をかけ直す。
レオがわたしの髪の中に潜り込んだ。
「うわー、ふわふわのお布団ですね。同じ王宮なのに、あたくしの部屋のものとはまるで違います」
そう言って、布団の中に手が入ってきたので、めちゃくちゃびっくりした。
腕の部分の、部屋着を触ってきた。
わたしが驚いたのが伝わったのだろう。もふさまも顔をあげる。
「部屋着も段違いにいいものなんですね。……リディアさまは伯爵令嬢なのに。そうか、王族の婚約者だから、……お召し物も、お布団も、いいものなんですね」
いや、これは全部自前だけど。ちょっと雰囲気が怖いので言いそびれる。
「リディアさま、いいなぁ」
ビー玉みたいに無機質な瞳。
呟かれた言葉に、鳥肌が立った。
生唾を飲み込む。
「か、解呪のお礼に、同じものを部屋に届けさせるわ」
アイラは胸の前で両手を合わせた。
「本当ですか? 嬉しいです。ありがとうございます。リディアさま」
そして熱に浮かされたように、独りごちる。
「伯爵令嬢でこれなら、公爵令嬢ならもっと凄いのかしら?」
え?
「リディアさま。リディアさまはリディアさまで可愛らしいと思いますけど、わたしはコーデリアお嬢さまのお顔が好きです」
な、何言ってるの、この人。
「……メロディー公爵令嬢をお見かけしたことがあるの?」
思わず尋ねれば、アイラは一瞬しまったという顔をする。
「ええ、遠目でですけど、華奢で可愛らしくて、身分もお持ちで。まさに理想を絵に描いたような方だと思いました。それなのに、第1王子殿下の婚約者から降りるなんて、意味がわからないわ」
「え?」
アイラはにっこりと笑った。
「さぁ、おやすみになってください。あたくしも隣の部屋に行きますから。ベルを置いておきます。ご用がおありの時は鳴らしてください」
そう言って出て行った。慌ててレオがついていく。
わたしはベッドから起き上がる。
「何、今の……」
小さい声で呟くと、もふさまが子犬のようにくーんと鳴いた。
わたしはアイラに対する認識を改めた。あれは〝ヤバイ〟。
なんかわからないけど、わたしが知っているアイラよりさらに〝ヤバイ〟生き物だ。
アイラはメロディー嬢を知っている。
ガインは次にメロディー嬢がわたしたちの前に現れた時、もう彼女ではないだろうと言っていた。イコール、乗っ取られるってことだと思う。
それは呪術師集団がやるのだろうと思っていたし、アイラが呪術師集団のひとりだってことはわかっていたのに、今、軽くショックを受けている。
……深読みかもしれないけど、あのアイラの発言は、メロディー嬢に乗り移りたいって聞こえなかった?
メロディー嬢の行方は、探している最中だ。
呪術師集団の所へ偵察に行ったもふもふ軍団に、アダムはメロディー嬢を知っているかを尋ねた。リディアに悪さしてきたやつだなと軍団が答えれば苦笑いになっていたけれど、その令嬢は集団のところにいたか?と聞かれ、もふもふ軍団はいないと言った。
ガインの情報によれば、メロディー嬢は乗っ取られ始めていそうだったから、呪術師のところにいたんだと思う。けれど、もふもふ軍団が行ったときはいなかった。アダムも人を使って探しているみたいだけど、見つけられないので、ガインに依頼をかけると言っていた。
わたしも伝達魔法でアダムに報告をする。いましがたのアイラの言動を。
深読みかもしれないけど、アイラはメロディー嬢に乗り移りたがっている気がすると。
わたしはもふさまに、レオから何か聞いたかを尋ね、ふたりでご飯にした。
アイラのいるところでは食べ物を口にしたくないからね。ちなみに、新情報はなかった。
午後も、アイラだけでなく、サマリン伯とも話をしなくちゃだ。
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