671 / 776
15章 あなたとわたし
第671話 彼女のはかりごと⑥女優
しおりを挟む
「侮辱? なんですか、証拠もないのにフランツくんをクラウス氏だと言ったことですか?」
「いいえ、それは事実だろうが、事実ではなかろうが、あまり関係ありませんわ。あなたは今、第1王子殿下の元婚約者の心を勝手に推測し、第1王子殿下、そして元婚約者のメロディー公爵令嬢。その引き合いに、幼くして亡くなられたクラウスさま、それからフランツさま、並びにその元婚約者のわたしの、人を想う気持ちを侮辱したんですわ」
「令嬢、ひとつ教えて差し上げます。想いに名前をつけられはしませんよ。感情を損なっただけのこと、そんな意見が議会や裁判で通るとでも?」
「あら、ここで発言を省みるならと、ことを荒立てないために、逃げ道を用意してさしあげましたのに。ロサさま、わたしからではなく、サマリン伯爵さまから、〝裁判〟という言葉を出してきたこと、証言してくださいませね」
「ああ、聞いていたよ。サマリン伯が、〝議会〟と〝裁判〟と言い出した」
ロサが冷静に言ったので、そこでサマリン伯は風向きが怪しい?と感じたようだ。余裕しかなかった表情が引き締まった。
「それでは、裁判などが大好きな大人のお話をしましょう。ご存知でしょう? 婚約は子供の口約束でできるものではありませんわ。特に貴族は最終的に国からの許可をいただくのです。それは陛下がお認めになったということ。最初はメロディー嬢とクラウスさま。メロディー嬢と第1王子殿下、そして、わたしとフランツさま。この3組の婚約を、あなたは侮り侮辱したんですわ。陛下に進言いたします」
まさか攻撃を受けるとは思っていなかったんだろう。驚いている。
でもみんなで決めた。敵を炙り出すために、わたしたちは傍若無人に振る舞うと。サマリン伯が敵かどうかわからないけど、わたしたちに反発心を持って欲しいからやりあうつもりだった。向こうから、変なところに突っかかってきてくれたので手間が省けた。
まさか〝兄さまクラウス説〟を出してくるとは思わなかったけど。
でも本当のところ、わたしとメロディー嬢の因縁があると知った誰かが、メロディー嬢がクラウスさまの婚約者だったことを思い出し、そして兄さまがクラウスさまではないかと噂が出たのだから、そこに繋がりを持たせる人は出てくると思ってた。っていうか、今まで出なかった方が不思議だ。
サマリン伯はふっと笑った。
「12歳にして、頭の回転も早く、度胸もある。王子殿下のパートナーに、なるべくしてなったようだ……」
試したってこと?
「私は現バイエルン侯の……」
そこまで言って、彼はドアに目を走らせ、人差し指を口にたてた。この件に口を閉ざす合図だろう。
ガチャっとノブが回って、入ってきたのはカートを押しているアイラだった。
茶器とポットとカップなどが用意されているけど……お茶の用意をするのにどんだけ時間をかけてるんだ。と、わたしは呑気に思った。
「ずいぶん時間がかかったようね」
いなくてよかったんだけど、と言葉を飲み込む。
アイラは少し頬を膨らます。
「ひどいんですよー。まったくリディアさまのことを敬ってなくて。リディアさまのお茶だと言ったのに、最後に回されたんです。抗議するって言っておきました!」
やられた。
わたしはこめかみを押さえた。
王族の婚約者はフリではあるものの、しばらく城でお世話になる。それはお城で働く従業員のお世話になるということだ。
元々いい印象ではないので、控えめに付きあっていきたかったが、こいつは高飛車な権力をかさに振るう婚約者の侍女だと吹聴してきたわけね。最後に回されたということは、最初から嫌な態度をとったのだろう。
結果、なんてわたしに対する地味な嫌がらせ!
人型に戻ったわたしの評判は、最初から最悪になるだろう。
「リディアさま、お疲れなのでは? 顔色がお悪いです」
あんたの嫌がらせが効いてるのよと、言ってしまいたい。
顔を合わせれば、体調を聞いてくるってことは、そろそろ術の効き目が現れる頃なのかもしれない。
なんで術が効かないのかしら?と探られたら、術の残滓がないってわかってしまうかもしれない。探られる前に、少しずつアイラに依存していかなければ。
サマリン伯はアイラがいたら、話さないだろうし、少しばかり依存が効いてきたをアピールしとくか。
「そうね、少し疲れたわ」
「では、調書はまた時間を空けて、午後に参ります」
ベアが尻尾をわたしの手に巻きつける挨拶をしてから、人の目につかないようにしてサマリン伯について行く。
アイラはわたしは少し横になるべきと、ロサまで言葉巧みに追い出そうとした。
ロサがふたりにして平気か?と視線を送ってきたので頷く。
「リディアさま、お休みになる前にお茶を飲みませんか? 心を鎮める効果のあるお茶なんです」
鑑定してみると、ジャスミン茶だ。爽やかでスッキリした香りと味だったはず。何かを混ぜてもわかりにくいかもしれない。
でも、何も入れてないようなので、いただくことにした。わたしは話しかける。
「アイラはわたしが嫌いでしょう? なのにどうして良くしてくれるの? 殿下たちから命を受けたから? だったら、別にわたしの世話をしなくても守ってもらえるようにお願いするわ。無理しなくていいのよ」
しおらしく言うと、もふさまとレオがあんぐり口を開けている。
「まあ、リディアさまはそんなふうに考えていたのですか。変わられたと思ったけど、心根は変わってないのですね。お優しい」
アイラはニヤリとした。
「嫌ってなどいませんよ。あのいつも泣いていたリディアさまが、貴族としてのマナーを身につけ、堂々としていらっしゃるのが嬉しいぐらいです」
「昨日は嫌なことを言って、ごめんなさい」
わたしは女優と唱えながら、上目遣いにアイラをみつめる。
向こうからはそこまで見えてないだろうけど。
『リディア、尊敬するぞ』
『ああ、嫌な相手に、なかなかできることではない。その目も、本当にそう思っているように見えるぞ』
ちゃちゃいれないで~!
ふたりは純粋に応援してくれているのだろうけど、笑いそうになっちゃうから!
「いいえ、それは事実だろうが、事実ではなかろうが、あまり関係ありませんわ。あなたは今、第1王子殿下の元婚約者の心を勝手に推測し、第1王子殿下、そして元婚約者のメロディー公爵令嬢。その引き合いに、幼くして亡くなられたクラウスさま、それからフランツさま、並びにその元婚約者のわたしの、人を想う気持ちを侮辱したんですわ」
「令嬢、ひとつ教えて差し上げます。想いに名前をつけられはしませんよ。感情を損なっただけのこと、そんな意見が議会や裁判で通るとでも?」
「あら、ここで発言を省みるならと、ことを荒立てないために、逃げ道を用意してさしあげましたのに。ロサさま、わたしからではなく、サマリン伯爵さまから、〝裁判〟という言葉を出してきたこと、証言してくださいませね」
「ああ、聞いていたよ。サマリン伯が、〝議会〟と〝裁判〟と言い出した」
ロサが冷静に言ったので、そこでサマリン伯は風向きが怪しい?と感じたようだ。余裕しかなかった表情が引き締まった。
「それでは、裁判などが大好きな大人のお話をしましょう。ご存知でしょう? 婚約は子供の口約束でできるものではありませんわ。特に貴族は最終的に国からの許可をいただくのです。それは陛下がお認めになったということ。最初はメロディー嬢とクラウスさま。メロディー嬢と第1王子殿下、そして、わたしとフランツさま。この3組の婚約を、あなたは侮り侮辱したんですわ。陛下に進言いたします」
まさか攻撃を受けるとは思っていなかったんだろう。驚いている。
でもみんなで決めた。敵を炙り出すために、わたしたちは傍若無人に振る舞うと。サマリン伯が敵かどうかわからないけど、わたしたちに反発心を持って欲しいからやりあうつもりだった。向こうから、変なところに突っかかってきてくれたので手間が省けた。
まさか〝兄さまクラウス説〟を出してくるとは思わなかったけど。
でも本当のところ、わたしとメロディー嬢の因縁があると知った誰かが、メロディー嬢がクラウスさまの婚約者だったことを思い出し、そして兄さまがクラウスさまではないかと噂が出たのだから、そこに繋がりを持たせる人は出てくると思ってた。っていうか、今まで出なかった方が不思議だ。
サマリン伯はふっと笑った。
「12歳にして、頭の回転も早く、度胸もある。王子殿下のパートナーに、なるべくしてなったようだ……」
試したってこと?
「私は現バイエルン侯の……」
そこまで言って、彼はドアに目を走らせ、人差し指を口にたてた。この件に口を閉ざす合図だろう。
ガチャっとノブが回って、入ってきたのはカートを押しているアイラだった。
茶器とポットとカップなどが用意されているけど……お茶の用意をするのにどんだけ時間をかけてるんだ。と、わたしは呑気に思った。
「ずいぶん時間がかかったようね」
いなくてよかったんだけど、と言葉を飲み込む。
アイラは少し頬を膨らます。
「ひどいんですよー。まったくリディアさまのことを敬ってなくて。リディアさまのお茶だと言ったのに、最後に回されたんです。抗議するって言っておきました!」
やられた。
わたしはこめかみを押さえた。
王族の婚約者はフリではあるものの、しばらく城でお世話になる。それはお城で働く従業員のお世話になるということだ。
元々いい印象ではないので、控えめに付きあっていきたかったが、こいつは高飛車な権力をかさに振るう婚約者の侍女だと吹聴してきたわけね。最後に回されたということは、最初から嫌な態度をとったのだろう。
結果、なんてわたしに対する地味な嫌がらせ!
人型に戻ったわたしの評判は、最初から最悪になるだろう。
「リディアさま、お疲れなのでは? 顔色がお悪いです」
あんたの嫌がらせが効いてるのよと、言ってしまいたい。
顔を合わせれば、体調を聞いてくるってことは、そろそろ術の効き目が現れる頃なのかもしれない。
なんで術が効かないのかしら?と探られたら、術の残滓がないってわかってしまうかもしれない。探られる前に、少しずつアイラに依存していかなければ。
サマリン伯はアイラがいたら、話さないだろうし、少しばかり依存が効いてきたをアピールしとくか。
「そうね、少し疲れたわ」
「では、調書はまた時間を空けて、午後に参ります」
ベアが尻尾をわたしの手に巻きつける挨拶をしてから、人の目につかないようにしてサマリン伯について行く。
アイラはわたしは少し横になるべきと、ロサまで言葉巧みに追い出そうとした。
ロサがふたりにして平気か?と視線を送ってきたので頷く。
「リディアさま、お休みになる前にお茶を飲みませんか? 心を鎮める効果のあるお茶なんです」
鑑定してみると、ジャスミン茶だ。爽やかでスッキリした香りと味だったはず。何かを混ぜてもわかりにくいかもしれない。
でも、何も入れてないようなので、いただくことにした。わたしは話しかける。
「アイラはわたしが嫌いでしょう? なのにどうして良くしてくれるの? 殿下たちから命を受けたから? だったら、別にわたしの世話をしなくても守ってもらえるようにお願いするわ。無理しなくていいのよ」
しおらしく言うと、もふさまとレオがあんぐり口を開けている。
「まあ、リディアさまはそんなふうに考えていたのですか。変わられたと思ったけど、心根は変わってないのですね。お優しい」
アイラはニヤリとした。
「嫌ってなどいませんよ。あのいつも泣いていたリディアさまが、貴族としてのマナーを身につけ、堂々としていらっしゃるのが嬉しいぐらいです」
「昨日は嫌なことを言って、ごめんなさい」
わたしは女優と唱えながら、上目遣いにアイラをみつめる。
向こうからはそこまで見えてないだろうけど。
『リディア、尊敬するぞ』
『ああ、嫌な相手に、なかなかできることではない。その目も、本当にそう思っているように見えるぞ』
ちゃちゃいれないで~!
ふたりは純粋に応援してくれているのだろうけど、笑いそうになっちゃうから!
105
お気に入りに追加
1,199
あなたにおすすめの小説
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
嫌われ者の【白豚令嬢】の巻き戻り。二度目の人生は失敗しませんわ!
大福金
ファンタジー
コミカライズスタートしました♡♡作画は甲羅まる先生です。
目が覚めると私は牢屋で寝ていた。意味が分からない……。
どうやら私は何故か、悪事を働き処刑される寸前の白豚令嬢【ソフィア・グレイドル】に生まれ変わっていた。
何で?そんな事が?
処刑台の上で首を切り落とされる寸前で神様がいきなり現れ、『魂を入れる体を間違えた』と言われた。
ちょっと待って?!
続いて神様は、追い打ちをかける様に絶望的な言葉を言った。
魂が体に定着し、私はソフィア・グレイドルとして生きるしかない
と……
え?
この先は首を切り落とされ死ぬだけですけど?
神様は五歳から人生をやり直して見ないかと提案してくれた。
お詫びとして色々なチート能力も付けてくれたし?
このやり直し!絶対に成功させて幸せな老後を送るんだから!
ソフィアに待ち受ける数々のフラグをへし折り時にはザマァしてみたり……幸せな未来の為に頑張ります。
そんな新たなソフィアが皆から知らない内に愛されて行くお話。
実はこの世界、主人公ソフィアは全く知らないが、乙女ゲームの世界なのである。
ヒロインも登場しイベントフラグが立ちますが、ソフィアは知らずにゲームのフラグをも力ずくでへし折ります。
本の虫令嬢は幼馴染に夢中な婚約者に愛想を尽かす
初瀬 叶
恋愛
『本の虫令嬢』
こんな通り名がつく様になったのは、いつの頃からだろうか?……もう随分前の事で忘れた。
私、マーガレット・ロビーには婚約者が居る。幼い頃に決められた婚約者、彼の名前はフェリックス・ハウエル侯爵令息。彼は私より二つ歳上の十九歳。いや、もうすぐ二十歳か。まだ新人だが、近衛騎士として王宮で働いている。
私は彼との初めての顔合せの時を思い出していた。あれはもう十年前だ。
『お前がマーガレットか。僕の名はフェリックスだ。僕は侯爵の息子、お前は伯爵の娘だから『フェリックス様』と呼ぶように」
十歳のフェリックス様から高圧的にそう言われた。まだ七つの私はなんだか威張った男の子だな……と思ったが『わかりました。フェリックス様』と素直に返事をした。
そして続けて、
『僕は将来立派な近衛騎士になって、ステファニーを守る。これは約束なんだ。だからお前よりステファニーを優先する事があっても文句を言うな』
挨拶もそこそこに彼の口から飛び出したのはこんな言葉だった。
※中世ヨーロッパ風のお話ですが私の頭の中の異世界のお話です
※史実には則っておりませんのでご了承下さい
※相変わらずのゆるふわ設定です
何でも欲しがる妹が、私が愛している人を奪うと言い出しました。でもその方を愛しているのは、私ではなく怖い侯爵令嬢様ですよ?
柚木ゆず
ファンタジー
「ふ~ん。レナエルはオーガスティン様を愛していて、しかもわたくし達に内緒で交際をしていましたのね」
姉レナエルのものを何でも欲しがる、ニーザリア子爵家の次女ザラ。彼女はレナエルのとある寝言を聞いたことによりそう確信し、今まで興味がなかったテデファリゼ侯爵家の嫡男オーガスティンに好意を抱くようになりました。
「ふふ。貴方が好きな人は、もらいますわ」
そのためザラは自身を溺愛する両親に頼み、レナエルを自室に軟禁した上でアプローチを始めるのですが――。そういった事実はなく、それは大きな勘違いでした。
オーガスティンを愛しているのは姉レナエルではなく、恐ろしい性質を持った侯爵令嬢マリーで――。
※全体で見た場合恋愛シーンよりもその他のシーンが多いため、2月11日に恋愛ジャンルからファンタジージャンルへの変更を行わせていただきました(内容に変更はございません)。
幼馴染パーティーを追放された錬金術師、実は敵が強ければ強いほどダメージを与える劇薬を開発した天才だった
名無し
ファンタジー
主人公である錬金術師のリューイは、ダンジョンタワーの100階層に到達してまもなく、エリート揃いの幼馴染パーティーから追放を命じられる。
彼のパーティーは『ボスキラー』と異名がつくほどボスを倒すスピードが速いことで有名であり、1000階を越えるダンジョンタワーの制覇を目指す冒険者たちから人気があったため、お荷物と見られていたリューイを追い出すことでさらなる高みを目指そうとしたのだ。
片思いの子も寝取られてしまい、途方に暮れながらタワーの一階まで降りたリューイだったが、有名人の一人だったこともあって初心者パーティーのリーダーに声をかけられる。追放されたことを伝えると仰天した様子で、その圧倒的な才能に惚れ込んでいたからだという。
リーダーには威力をも数値化できる優れた鑑定眼があり、リューイの投げている劇薬に関して敵が強ければ強いほど威力が上がっているということを見抜いていた。
実は元パーティーが『ボスキラー』と呼ばれていたのはリューイのおかげであったのだ。
リューイを迎え入れたパーティーが村づくりをしながら余裕かつ最速でダンジョンタワーを攻略していく一方、彼を追放したパーティーは徐々に行き詰まり、崩壊していくことになるのだった。
私、実は若返り王妃ですの。シミュレーション能力で第二の人生を切り開いておりますので、邪魔はしないでくださいませ
もぐすけ
ファンタジー
シーファは王妃だが、王が新しい妃に夢中になり始めてからは、王宮内でぞんざいに扱われるようになり、遂には廃屋で暮らすよう言い渡される。
あまりの扱いにシーファは侍女のテレサと王宮を抜け出すことを決意するが、王の寵愛をかさに横暴を極めるユリカ姫は、シーファを見張っており、逃亡の準備をしていたテレサを手討ちにしてしまう。
テレサを娘のように思っていたシーファは絶望するが、テレサは天に召される前に、シーファに二つのギフトを手渡した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる