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15章 あなたとわたし
第661話 vs呪術師⑬反逆の少女
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『リディア、私たちを連れてって!』
レオに縋られる。
「……それはできない」
レオの顔が歪んだ。
『どうしてだ?』
少し迷う。
「術師がどこまで感じ取るかわからないから。ぬいぐるみ防御を張っていると外の会話はぼんやりとしか聞こえないんだよね? その状態で、ずっとなんていられないで、防御を解いちゃわない? もし高位の魔物が城にいて、それがわたしが連れてきたとバレたら、反逆一直線になっちゃう」
『しちゃえばいいじゃん。手伝ってやる!』
ええっ!? いや、そうじゃなくて……。
『リディアが主の国、いいじゃないか!』
『それ楽しそう、賛成!』
『みんなでやれば、国一個ぐらい何とでもなるよね』
あああああああああぁああああああぁあああ。
ウチのもふもふたちってば〝楽しそう〟ってノリで、そんなことを考えてしまうなんて。
でも確かに、レオひとりでも国ひとつ難なく制圧できるだろう。だってドラゴンだもの!
だけどね、反逆って〝楽しそう〟でするものじゃないのよ。
わたしはコホンと咳払いした。
「あのね、制圧とか乗っ取ることは、みんななら簡単だと思う。
でも、主になるってことは、そこに住んでいる人、みんなの生活に責任を持つってことなの。それはとても大変なことなのよ。全く遊ぶ時間なんてなくなるわ。みんなの好きなダンジョンに行けなくなっちゃうよ? ご飯もお菓子も作ってあげられなくなる」
『え、そうなの? それなら主にならなくていいよ』
『うん、ならないで。ダンジョン行こう』
『おやついっぱい作って!』
『皆さん、ゲンキンですねぇー』
ベアが評すると、もふさまがニヤッと笑った。
ほっとする。
危うく12歳で、反逆先導者になるところだった。
「君、愛されてるね」
「うん。でしょ?」
アダムに答えれば、彼は笑った。
「味方がいっぱいいる君は、もう決して負けないね、彼女に」
アダムの最終確認だ。
わたしは瞳を閉じて、自分の胸に聞いた。
乗り切れるよね? ううん、乗り切るんだ。みんなを絶対に守る!
「……ええ」
決意を込めて言うと、アダムは手紙を書きに部屋に戻った。
兄さまがわたしを見ていた。
「兄さま?」
「無茶をしないでと言っても、聞いてはくれないですよね?」
「兄さまから見て、わたしはいつもと同じように無茶して見えるのかもしれない。けど、わたしトカゲになってわかったんだ。自分が無謀なことや、すっごく守ってもらっていること。わたしはいっぱいやりたいことがあって、それは人型で叶うことだとも。わかった時に、わたし生きたいって思ったの。生きていたいって。だから、わたしちゃんと考えてるよ。勝算があるから、するの。だから、心配しないで」
「付け足したプラスを、本当に解除できるの?」
「大丈夫だと思う。できないって気がしないから」
「なんだか、お嬢さまが知らない人になってしまったようです……」
わたしはキュッと口を結んだ。
「兄さま、わたしは、みんなと自分を守りたいから強くなる」
宣言すると、兄さまはハッとしたようにわたしを見た。
「……私にできることはある?」
「励ましてくれる? できるって。やり遂げられるって」
兄さまはわたしを優しく抱きしめた。
「君はアイラになんか負けない。誰かの思い描いた悪意になんか負けない。すべてはうまくいく。心配事を全部潰して、領地に帰ろう。父さま、母さま、アラン、ロビン、エリン、ノエル。ハンナ。ケイン、アニー、ニルス、シロ、ミル、ワラ、チョコ、チャボ、シッポ。その子供たちの待つ、領地に。みんなで」
わたしは胸の中で頷いた。
コンコンと壁をノックしたような音がした。
アダムだ。
「君、まだ僕の婚約者だからね、わかってる?」
アダムはわたしに、人差し指を突きつけた。
陛下への手紙は書き終えたそうだ。
その後すぐに、ロサが事前打ち合わせに来て、わたしの案をより細かく確かにしたものを、アダムが話した。意外に難しいのがソックスの回収方法だ。人型のわたしと入れ替わった後、ソックスの姿を見られたらアウトだ。
ってな話をしていると、もふもふ軍団が、主にはさせないけど、自分たちも手伝うと言い出した。
もし、呪術師がみんなの本当の姿、魔物であるとわかったらまずいのだと言ったんだけど、魔力量は測れていないみたいだから、見ただけですぐにわかるわけではないと思うと、アダムが言った。ロサもそれに賛成する。もし魔力量などを見ただけで感じ取れるなら、お遣いさまを見た瞬間に何か反応があるはずだというのだ。
……ん? あれ? ってことはふたりは口にはしないけど、魔力量を感じ取れる人で、もふさまに会った時に魔力量がスゴイってすでに気づいたってこと?
ふたりが〝もふさま〟に会ったのは、お遣いさまがINしてない子犬もふさまだ。わかっていたのかと尋ねたいけれど、やぶへびになるので、話を流した。
そう聞いたら、もふもふ軍団は、ますます目を輝かせる。自分たちは偵察するだけにするからと。
アダムの知力を持ってしても綱渡りな計画だったけど、意思を持つ、ぬいぐるみの容姿にもなれ、暗躍できるもふもふ軍団の力を借りることにしたら、より確かなものになっていった。ああ、もちろん、もふもふ軍団だけでなく、ロサもかなり巻き込まれている。
後は臨機応変に、相手の出方で変えていく必要がある。
赤の三つ目氏が、こちら側の人間でなかったら、こうは話は進められないだろうけど。
最後にもう一度確認しあったところで、赴く時間となった。
でも、アイラはアダムの正体を見破ったんだよねぇ?
ソックスが猫とはわからなかったようだけど、近くにいたわたしに巣食う呪術の残滓に気づいたようだった。
わたしの中の瘴気の残滓はベアにしてもわからなかった。ステータスにも出ないくらいだ。多種族で経験値も並外れている、オババさまにしかわからなかったことなのに。アイラはオババさまに届かないけど、ベアたちよりも鼻が効くってこと?
敵は慎重派なようで、なかなか尻尾を現さない。
今まででわかったことは、メラノ公とわたしたちは、何かしらで敵対している。
アイラは何か企んでいると思う。恐らく、魂の乗っ取り班で、呪術師集団のひとりだと思う。もふもふ軍団に顔を見て貰えば、それは一発でわかる。
トルマリンは呪術師ではあるけれど、今回のこととは関係がなかったと思う。
サマリン伯は、恐らく関与していなくて、真面目な議会の人なんだと思う。
メラノ公は老獪すぎる。わたしたちの相手で口を割るかはわからない。だとしたら、攻め所はやはりアイラだ。アイラを油断させて、彼女自身の目的、それからどうメラノ公と繋がっているのか、まずそこが崩しどころだ。
アイラを突っつくにはトルマリン氏の協力がいる。
だから、まず、トルマリン氏をこちら側につけなくては。
わたしは少しだけ目を瞑って、自分のやるべきことを頭の中で整理した。
レオに縋られる。
「……それはできない」
レオの顔が歪んだ。
『どうしてだ?』
少し迷う。
「術師がどこまで感じ取るかわからないから。ぬいぐるみ防御を張っていると外の会話はぼんやりとしか聞こえないんだよね? その状態で、ずっとなんていられないで、防御を解いちゃわない? もし高位の魔物が城にいて、それがわたしが連れてきたとバレたら、反逆一直線になっちゃう」
『しちゃえばいいじゃん。手伝ってやる!』
ええっ!? いや、そうじゃなくて……。
『リディアが主の国、いいじゃないか!』
『それ楽しそう、賛成!』
『みんなでやれば、国一個ぐらい何とでもなるよね』
あああああああああぁああああああぁあああ。
ウチのもふもふたちってば〝楽しそう〟ってノリで、そんなことを考えてしまうなんて。
でも確かに、レオひとりでも国ひとつ難なく制圧できるだろう。だってドラゴンだもの!
だけどね、反逆って〝楽しそう〟でするものじゃないのよ。
わたしはコホンと咳払いした。
「あのね、制圧とか乗っ取ることは、みんななら簡単だと思う。
でも、主になるってことは、そこに住んでいる人、みんなの生活に責任を持つってことなの。それはとても大変なことなのよ。全く遊ぶ時間なんてなくなるわ。みんなの好きなダンジョンに行けなくなっちゃうよ? ご飯もお菓子も作ってあげられなくなる」
『え、そうなの? それなら主にならなくていいよ』
『うん、ならないで。ダンジョン行こう』
『おやついっぱい作って!』
『皆さん、ゲンキンですねぇー』
ベアが評すると、もふさまがニヤッと笑った。
ほっとする。
危うく12歳で、反逆先導者になるところだった。
「君、愛されてるね」
「うん。でしょ?」
アダムに答えれば、彼は笑った。
「味方がいっぱいいる君は、もう決して負けないね、彼女に」
アダムの最終確認だ。
わたしは瞳を閉じて、自分の胸に聞いた。
乗り切れるよね? ううん、乗り切るんだ。みんなを絶対に守る!
「……ええ」
決意を込めて言うと、アダムは手紙を書きに部屋に戻った。
兄さまがわたしを見ていた。
「兄さま?」
「無茶をしないでと言っても、聞いてはくれないですよね?」
「兄さまから見て、わたしはいつもと同じように無茶して見えるのかもしれない。けど、わたしトカゲになってわかったんだ。自分が無謀なことや、すっごく守ってもらっていること。わたしはいっぱいやりたいことがあって、それは人型で叶うことだとも。わかった時に、わたし生きたいって思ったの。生きていたいって。だから、わたしちゃんと考えてるよ。勝算があるから、するの。だから、心配しないで」
「付け足したプラスを、本当に解除できるの?」
「大丈夫だと思う。できないって気がしないから」
「なんだか、お嬢さまが知らない人になってしまったようです……」
わたしはキュッと口を結んだ。
「兄さま、わたしは、みんなと自分を守りたいから強くなる」
宣言すると、兄さまはハッとしたようにわたしを見た。
「……私にできることはある?」
「励ましてくれる? できるって。やり遂げられるって」
兄さまはわたしを優しく抱きしめた。
「君はアイラになんか負けない。誰かの思い描いた悪意になんか負けない。すべてはうまくいく。心配事を全部潰して、領地に帰ろう。父さま、母さま、アラン、ロビン、エリン、ノエル。ハンナ。ケイン、アニー、ニルス、シロ、ミル、ワラ、チョコ、チャボ、シッポ。その子供たちの待つ、領地に。みんなで」
わたしは胸の中で頷いた。
コンコンと壁をノックしたような音がした。
アダムだ。
「君、まだ僕の婚約者だからね、わかってる?」
アダムはわたしに、人差し指を突きつけた。
陛下への手紙は書き終えたそうだ。
その後すぐに、ロサが事前打ち合わせに来て、わたしの案をより細かく確かにしたものを、アダムが話した。意外に難しいのがソックスの回収方法だ。人型のわたしと入れ替わった後、ソックスの姿を見られたらアウトだ。
ってな話をしていると、もふもふ軍団が、主にはさせないけど、自分たちも手伝うと言い出した。
もし、呪術師がみんなの本当の姿、魔物であるとわかったらまずいのだと言ったんだけど、魔力量は測れていないみたいだから、見ただけですぐにわかるわけではないと思うと、アダムが言った。ロサもそれに賛成する。もし魔力量などを見ただけで感じ取れるなら、お遣いさまを見た瞬間に何か反応があるはずだというのだ。
……ん? あれ? ってことはふたりは口にはしないけど、魔力量を感じ取れる人で、もふさまに会った時に魔力量がスゴイってすでに気づいたってこと?
ふたりが〝もふさま〟に会ったのは、お遣いさまがINしてない子犬もふさまだ。わかっていたのかと尋ねたいけれど、やぶへびになるので、話を流した。
そう聞いたら、もふもふ軍団は、ますます目を輝かせる。自分たちは偵察するだけにするからと。
アダムの知力を持ってしても綱渡りな計画だったけど、意思を持つ、ぬいぐるみの容姿にもなれ、暗躍できるもふもふ軍団の力を借りることにしたら、より確かなものになっていった。ああ、もちろん、もふもふ軍団だけでなく、ロサもかなり巻き込まれている。
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でも、アイラはアダムの正体を見破ったんだよねぇ?
ソックスが猫とはわからなかったようだけど、近くにいたわたしに巣食う呪術の残滓に気づいたようだった。
わたしの中の瘴気の残滓はベアにしてもわからなかった。ステータスにも出ないくらいだ。多種族で経験値も並外れている、オババさまにしかわからなかったことなのに。アイラはオババさまに届かないけど、ベアたちよりも鼻が効くってこと?
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今まででわかったことは、メラノ公とわたしたちは、何かしらで敵対している。
アイラは何か企んでいると思う。恐らく、魂の乗っ取り班で、呪術師集団のひとりだと思う。もふもふ軍団に顔を見て貰えば、それは一発でわかる。
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